PTA退会はデメリットあり?方法やその後/退会届の書き方/体験談
小学校のPTAを退会したいけれど、「デメリットはあるの?」「その後トラブルにならない?」などと悩むママも少なくありませんよね。小学校のPTAは地域のママが集まる団体でもありますので、心配になるのは当たり前かもしれません。現実的には強制加入の地域が多く、「退会したいけれど怖くてやめられない…」「PTAって退会できるの?」というママもいるでしょう。
こちらではPTAの退会に関して、その後トラブルやデメリットはなかったか、退会する方法、退会届の書き方、他のママ達のPTA退会に関する体験談をご紹介します。
PTAは任意団体!?任意加入でいいの?
子供が小学校に入学すると、間もなく体育館などに保護者が集められ、役員決めを強いられたり、子供がPTAからのお便りを持ってきて、どの仕事をするかを書いて提出しなければならなかったりと、自ら「加入します!」と申し込むこともサインすることもなく、PTAに加入しているママも多いでしょう。
PTAがない小学校以外は、事実上全員強制加入になる地域も多いPTA。実は任意団体なのです。ですから、任意加入で構いませんし、PTAを退会することもできます。
実際、熊本県ではPTA強制加入問題で裁判もあり、2010年には文部科学省が各都道府県教育委員会にむけて、PTAは任意団体であることを再確認する文書も発行しました。
けれど、現実的にはそれ相応の理由なく退会して文句を言われたり、入会していても仕事で係の仕事に参加できないために、「あの人は仕事をしない」と文句を言われたりすることもあります。
PTAを退会する方法
PTAの退会は、学校を通して行うケースが一般的ですが、小学校のPTAによっては違うこともありますので、事前に子供のクラスの担任教諭に確認するようにしましょう。
1口頭で伝える
小学校によっては、PTAへの退会の理由や意思を子供の担任の先生に伝えるだけで、アッサリ退会できる場合があります。ただし、口頭で伝えるという方法は、地域や小学校の保護者のPTA参加への考え方によって、ママの負担になってしまうこともあります。
学校によっては、退会する意志を伝えたことで、学校長やPTA会長と話し合いをする状況になることもありますので、「私の住むの地域の小学校では、他のママも退会している」「この地域では、PTAが任意加入だという認識が強い」など、退会しやすい雰囲気のPTA以外では、口頭で伝えるだけの方法は、あまりお勧めできません。
2退会届を提出する
PTAに入会後に退会を希望する場合は、退会届を作成して提出しましょう。PTA退会届は、基本的にPTA会長に渡すことになりますが、PTA会長がいつも学校にいる訳ではありませんし、住所も分かりませんよね。
そこで、子供の担任の先生に相談し、子供に退会届と学校長、PTA会長へのお手紙を持たせて担任に渡す人や、郵送する人もいます。
その学校やPTAによっても対応が変わりますので、まずは担任に相談するのがベストでしょう。また、退会する意志を伝えたことで「学校長からお話があるそうですので、一度お越しください」などと言われた場合は、退会届を持参して話し合いに行くとよいでしょう。
3入学時に入会申込書を提出しない/未加入届を提出する
PTAが文部科学省に選ばれるような優良PTAである場合、そのPTAでは入学時に「PTA入会申込書」を配り、サインした人をPTA会員とします。PTAは任意団体のため、本来は加入時に入会申込書による同意が必要です。子供が入学する時点でPTAに加入したくない場合は、入学時に入会申込書の提出をやめましょう。
もし、強制加入になる恐れがある場合は、入学前に小学校へ問い合わせて、「PTA非加入の場合、届け出専用の用紙が学校にあるのでしょうか?」「こちらの小学校のPTAでは、PTA非加入届のテンプレートがあるのですか?」などと質問し、もし非加入届のテンプレートなどがない場合は、PTA非加入届を自分で作成して提出しましょう。
PTA退会届の書き方
退会届(非加入届)の書き方は、お子さんの小学校のPTAでテンプレートや専用用紙がなければ、フォーマットは自由ですが、次の項目を盛り込む様にしましょう。また、知人へのお便りではありませんので、ビジネス文書形式で書くようにしましょう。
- 見出し(「PTA退会届」「PTA非加入届」など)
- 日付
- 宛名(○○小学校PTA会長 様)
- 退会理由(これは、具体的な理由ではなく、退会の意思を伝えればOK)
- 子供のクラスと名前(入学前は子供の名前と住所)
- 自分の名前
また、強制加入を迫るPTAなどでは、退会後に他のPTA会員から「では、あなたのお子さんにはPTA広報誌を配らなくてもいいんですね?」「あなたのお子さんだけ、PTAの見守り班は見なくてもいいんですね」などと言われることもあるようですので、退会届に一言「ご理解いただけましたら幸いです」「学校や地域の子供達のために、可能な範囲で応援をしたいと思っております」などと付け足すとよいでしょう。
PTA退会のデメリット
PTAへの加入や退会は任意ですので、基本的にデメリットはありません。PTAによりベルマークの回収・集計を行って買った備品は、学校の備品となりますので、「PTAで買った綱引きの縄だから、運動会で綱引きができない」などということはありません。もしそのようなことがあるとすれば、それは違憲です。
ただし、これまでPTA活動で小学校や子供達の情報を得ていた人は、情報が手に入れられなくなるというデメリットはあるようです。また、現実的には地域や小学校によって格差があり、PTA退会への理解が得られない地域では、他のPTA会員から文句を言われるなどのトラブルもあるようです。
先輩ママのPTA退会体験談8
実際に退会した8人のママ達は、その後デメリットやトラブルがあったのでしょうか?また、退会届は提出したのでしょうか?
Aやりたい人がやればいいPTA
私は、北海道に在住の現在小学校3年生の息子がいる30代の母です。私がPTAを退会したのは息子が3年生の時でした。息子が入学した小学校のPTAは「各学年の7割以上の方が加入している」と聞き、初めての子供ということもあり「大半の人が加入しているなら私も入っておこう」と思い加入しました。講演会参加やバザーなど色々なPTAの活動はありましたが、参加している人は大体決まったメンバーで、半分程度の人しか参加していない状態でした。
PTAにもベテランの方がいて何かと不慣れな私がちょっと手や口を出すと、注意を受けたり小言をいわれたりしたので退会しました。退会したデメリットは特に感じることもなく、「こんなことなら始めから加入しなければよかった」と思いました。退会してからは、幼稚園と違ってお迎えなどないので気の合わないお母さんたちと顔を合わせることも少なくなり、ストレスも減りました。
退会届といったものは特になく、担任の先生を通してPTA会長に退会することを伝えてもらって終わりになりました。
A仕事をすることになったので辞めました。
私は関東に住む30代で、PTAを退会したのは子供が小学校3年生の時でした。何故、PTAを退会したかというと、その時は夫の給料があまり良くなく、私もパートとして仕事をし始めたからです。「仕事をするとなかなか集まりに参加できなくなり、他のPTAの方に迷惑がかかるんじゃないか」と思い、退会を決断しました。
PTAを退会した事によるデメリットは、学校の内部事情があまり分からなくなったことでしょうか。PTAを退会したことにより仕事に行ける時間も確保することができ、なんとか生活できるようになったので、いい判断だったのかなと感じています。ですが、「時間に余裕が出来るようになったら、子供のためにもまたPTAには入りたいな」と思っています。
A人の悪口を聞くのが嫌でした・・・
沖縄県にある小学校のPTAを、子供が小学校3年生のとき退会しました。子供のためにと思って、子供が小学生に入学した際、PTA作業に積極的に活動したのですが、結局はグループや派閥ができてしまいました。夫との会話でも、PTAの保護者のもめごとの話が多くなりました。ある日夫に、「人間関係ばかりに気を遣っていて、家族や自分が楽しめなくなったら、寂しいぞ。」と言われ、PTAにこだわる必要もないと判断し、PTAを退会しました。
PTAを退会するときは、やはり他のPTAの人に文句は言われました。でもPTAを退会した後は、とても気持ちが楽になり、家族の外出や会話など楽しいコミュニケーションが増えました。
PTA退会届は、PTA会長に直接連絡を取り、会って提出しました。退会理由は「母の介護のため」と記載しました。嘘も方便です。人には、適材適所という言葉があるように、合う合わないが絶対にあります。しょうがいないのです。それよりも、楽しんだもの勝ちですね。
Aできないのでやめました
東京都世田谷区に住んでいます。子どもが3人おり、2番目の子が小学生で3年生の時にPTAを退会しました。PTAの方針は「できるときにできることを」と言いながら、その活動のほとんどは平日の日中です。仕事をしながら参加することはほぼ無理でした。長女の時に1度だけ学年委員をやったことがあるのですが、何かと学校へ行かねばならず、しかも休暇を取ることが大変だということに対する理解もあまりないため、結局半分くらいしか参加はできず、仕事をしながらは無理だと思いました。役員にいたっては、週に1?2度学校に行く用事があり、働きながらなどとても無理だと思います。
退会してのデメリットは特になかったかなと思いますが、もしかしたら気づいていないだけかもしれません。もともと保護者会などにもほとんど出席していないので、退会したからといってあまり変わりはないかなと思っています。退会後は、役員選出のお知らせなど一応来ますが、「入っていないので」と断っています。来年も入るつもりはありません。
退会届は特に出しませんでしたが、年度当初の委員・係決めの用紙に「PTAには参加しません」と書いて出しました。「役員の人から連絡がきた」ということもありませんでした。来年度も入るつもりはありません。今のPTAは平日の日中に活動できることが前提になっていると思います。色々な人に参加して欲しいなら制度そのものを変える必要があるでしょう。
A仕事の両立がきつかった
私は埼玉県在住のワーキングママです。子供は3人で、学校のルールでは1人につき最低1回はPTAの役員をすることとなっていました。上の子2人の時はなんとか文化委員や防犯委員などを引き受けましたが、3人目の子の時は、その子が5年生の時に強制的に総務委員を命じられそうになりました。総務を引き受けてしまうと、毎月平日昼間の会合と、年に6回ほど学校行事の参加や手伝いが課せられてしまいます。
ちょうど当時は仕事も責任あるポジションについたばかりで、なかなか学校行事に休みを自由にとれる環境ではなく、そのことを説明しても欠席裁判のようにクジビキで決まったと一方的に告げられるだけでした。それならばと、PTAは任意のはずなので退会することにしました。
退会後、特に自分にデメリットはありませんでした。退会の届は担任を通じ、委員を引き受けられない旨を記して提出しました。
A下の子同伴で学校に通うのが苦痛でした
北海道に住み、娘が1年生の時にPTAに関わりました。娘が2年生のときには、PTA幹部候補に他者推薦されて、やって欲しいとお願いされましたが、断りました。理由は、下に2歳になる息子がいて、同伴で学校に行くのが苦痛だったからです。子育て経験のある母親が集まる場所ではありますが、幼稚園とは違い、お菓子を持ち込んで食べ散らかす訳にもいかず、拘束時間も長い。そしてコピー機や生徒の作品にいたずらしたときに、こちらも責任負えません。一度退会して、また下の子が、学校に通うようになったら考えます。
PTAを退会して特にデメリットもなく、影で囁かれることもありませんでした。PTA退会届の届出も必要なく、今では、授業参観、懇談会、運動会など、最低限の行事に参加するのに留めています。
APTAに必ず入会しないといけないという決まりがないので
北海道に住んでいて子供が二年生の時にPTAを退会しました。テレビで「PTAに必ず入会しないといけない決まりがあるわけではない」というのを見て、PTAの会費の使い方にも納得できないところがあったので、退会することを決めました。退会したのがその学校では私が初めてだったようで、PTA役員の方が子供の授業参観の時などに、わざわざ子供の教室までPTA会費のことについて説明をしに来てくれたりするので、周りのお母さんたちにもPTAを退会したことがバレ、「会費を払いたくないから退会した」と陰口を叩かれるようになり、どんどんお母さんたちとの距離も離れていきました。
その後、PTAの役員も一切引き受けず、今年子供が小学校を卒業します。最初のうちはPTA役員の方もしつこかったですが、無視し続ければ何も言ってこなくなります。私が初めてだったからなのか、退会届などの提出も不要でした。
A任期は1年だったので1年だけ頑張った
東海に住んでいます。小学校4年生の時、子供が引いてきたくじでPTAに当選してしまったが、任期は1年だけだったので、任期が終わったらPTAを退会しました。退会したことによるデメリットは特にありませんでした。PTAで仲良くなった母親と、退会後は話す機会がなくなったということくらいですね。
ただ1年PTAをやって、とても働きのいい母親だとその後もPTAの幹部の仕事をやらされることがあるので、来年は絶対に役員はやらないという意志を見せることで、そういった重役の声がかからないようにはなりました。なので、戦力外イメージがつきやすいのがデメリットともいえでしょう。退会届の提出も特にありませんでした
PTA退会前に…
保護者の中には「子供達のため」「小学校のため」と、一生懸命PTA活動を行っている人も沢山いますが、実際PTA役員でも、PTAが任意団体であることや自分が担当する係以外の人が、どのような活動をどのような目的で行い、それが何の役に立っているか知らない人も少なくありません。
ですから「昨年は皆さんが集計して下さったベルマークで、運動会の大玉を買ったんですよ」とPTA役員から聞き、「え~!知らなかった。役に立ってたんですね。」という人も実際にいるんです。
継続困難な理由がなく退会を考えているママは、住んでいる地域によってはPTAを退会することで、不快な思いをするというデメリットが生じることもありますので、後で知って後悔することのないように、PTAを退会する前に「PTAとはどのような組織か」「どのような目的で活動を行い、それが子供達や学校にどのように役立っているのか」ということを知っておくとよいでしょう。