マイナンバー悪用への対策に関する記事

『マイナンバーが悪用されたら…海外の実例から分かる怖い影響』

マイナンバーが実際に悪用されている海外の事例から想定できる今後のマイナンバー適用範囲拡大に伴う影響と対策をご説明します。

マーミーTOP  >  ライフスタイル  >  マイナンバーが悪用されたら…海外の実例から分かる怖い影響

マイナンバーが悪用?!海外の事例&適用範囲の拡大の影響と対策

マイナンバー制度は、国民1人に1つずつの番号が与えられる制度です。個人を示すマイナンバーを行政手続きや税務処理に活用することで、業務の簡便化が実現すると想定されています。

ですが、手続きが簡便化するということは、情報収集も簡単になる、つまり悪用されやすくなるということでもあります。実際に国民総背番号制を実施している海外ではどのような犯罪が起きているでしょうか。

マイナンバーの悪用事例1:アメリカ

毎年数万の不法移民に悩むアメリカ。アメリカのマイナンバー制度でもある「社会保障番号」が悪用されて、知らない間に移民を希望する外国人と結婚したことになっていたという犯罪も後を絶ちません。

また、知らない間に違う住所に住民票を移動していた・・・などの犯罪もあります。犯罪組織や不法移民の住居に自分の居住所が利用されていたということも、不動産登記にも社会保障番号が必要になるアメリカならではの悪用事例と言えるでしょう。

マイナンバーの悪用事例2:韓国

韓国では『住民登録番号』と呼ばれる13桁の番号を、国民1人に1つずつ割り当てています。初めの6桁は生年月日、後ろの7桁は性別と生まれた場所と個人を特定する番号を示していますので、住民登録番号さえ見ればだれでも生年月日や出生地がわかるようになっています。

インターネットでショッピングをする際にも住民登録番号を要求するサイトが多く、使用する機会が多すぎるために重要機密事項というよりは生活になくてはならない番号と受け止められています。

公的目的以外でも利用されていますので、流出も非常に多いのが韓国の住民登録番号の特徴です。2002年には、警察庁が住民登録番号を利用して精神病歴のある人に運転免許の再検査を受けるように勧告するという事件が起こり、これによって勤務先が精神病歴のある社員を解雇するなどの騒動に発展しました。

また、2011年には韓国国民の7割以上にもあたる3500万人の住民登録番号を含む個人情報が、SNSサイトによって流出しました。2014年には、クレジットカード会社の社員が個人情報を売りさばくといった事件も起こりました。

マイナンバーはどのように悪用される?分野別の影響

マイナンバー制度は、施行当初は行政分野と納税分野でのみ適用されることになっています。今後、金融や医療、犯罪歴などと結びつくことでどのように悪用される可能性があるのか予想してみましょう。

マイナンバーと金融が結びつくと・・・

もっとも犯罪が予想されるのが、マイナンバーと金融情報の結びつきです。マイナンバーを使って個人の預金残高を照会したり、資金移動を行ったりすることが予測されます。2016年1月から海外に送金するときはマイナンバーの提示が必須となりますが、反対にいえばマイナンバーを提示するなら海外送金が簡単に行えることにもなるということです。

知らない間に預金が犯罪組織の隠し口座に送金されてしまう・・・なんてことも起こるかもしれません。

マイナンバーと医療が結びつくと・・・

マイナンバーを医療情報と結びつけることで、旅行先に緊急事態に陥った時でも、検査をせずとも適切な処置を受けられるというメリットはあります。ですが、韓国の事例でもあったように、特定の疾患に対する偏見や差別を助長するとも考えられます。

精神疾患やてんかんなど薬を正しく服用することである程度症状が抑えられる病気でも、医療情報が簡単に他人に照会できるなら、企業や学校側が病歴を悪用して、疾患のある方が就職や進学しにくくなる可能性があるでしょう。

マイナンバーと犯罪歴が結びつくと・・・

性犯罪などの再犯の可能性がある犯罪から市民を守るために、マイナンバーと犯罪歴を結びつけることの必要性を説く人も少なくありません。ですが、本当に心から悔い改めて二度と犯罪行為を起こさないと誓った人にとっては、マイナンバーと犯罪歴が結びつくことは更生の妨げとなるでしょう。

犯罪歴などの個人情報を就職試験に悪用する会社などが現れるなら、一度の過ちが人生を狂わせることとなり、新たな犯罪を引き起こすことにもなりかねません。

マイナンバーを悪用から守る対策

マイナンバーは徐々に適用範囲が広げられていくことが決まっています。適用範囲が広がることで、悪用される可能性も被害も増えることが予想されます。マイナンバーを悪用されないように、個人は何を行うことができるでしょうか。

マイナンバー対策1:簡単に情報を与えない

2016年と2017年は、行政分野と納税分野でのみ、マイナンバーが使用されることが決定しています。このように現時点でどの分野で使用されているかを正確に把握し、その分野以外でマイナンバーの提示を求められたときはきっぱりと断ることが必要です。

どんな用途で使用するのか、またどんな権限でマイナンバーを求めるのかをきっちりと確認してから必要な情報を与えるようにしましょう。

マイナンバー対策2:どこで使用したかを記録する

マイナンバーとマイナンバーで紐付けられた情報の漏洩を防ぐためには、漏洩経路を明らかにすることが大切です。どこでマイナンバー情報を提供したかを個人が記録し、マイナンバー情報提供同意書をきちんと保管し、マイナンバーが悪用されないように普段から意識しましょう。面倒に思わずにこまめに記録することが、結局は個人情報の悪用を防ぐ近道でもあるのです。

この記事を書いたライター

木村さくら

自称「健康オタクで美容オタク」。最近自家栽培にハマってます。

おすすめの記事