雪道運転の心得~初めてでも困らない安全運転のコツ
「今日は雪が降っているから、外出は控えよう」と思っているところに、急な用事で車の運転が必要になったら、あなたはどうしますか。雪道を運転するのって、慣れていないとすごく怖いですよね。車の運転が初心者の人や、普段あまり運転していないママは不安でたまらないと思います。
運転をしなくてはいけないけど、スリップをしないようにするには、どうしたら良いのか分からない…そんな時のために、雪道運転の心得を知っておくことは大切です。いざという時のためにも、雪道運転のポイントや、雪道の危険ゾーンなどを知り、安全運転を心がけてください。
雪道運転で守る事6つ
雪が降らない地域に住んでいる人も、ごく稀に雪が降ったり、旅行先が雪国だったりすると、雪道の歩き方に注意しますよね。雪道運転をしなくてはならない事が出てきたら、もっと注意が必要です。雪道でも転ばずに歩くコツがあるように、雪道を安全に運転するコツもあります。もし、雪道を運転しなければいけない状況になっても、最低限守るべきことに注意して、お子さんとママの身の安全を確保しましょう。
1.ゆっくりと発進する
まず、車を発車させる場合は、ゆっくりと発進させることを心がけましょう。急発進してしまうと、路面が凍結していた場合、その場でタイヤが空回りしてしまいます。また、雪が積もっている状況でも同じで、雪にタイヤがとられてしまう可能性があるので注意が必要です。
2.スピードを出さない
雪道の場合、スピードを出してしまうと、ブレーキがうまくきかなくなったり、軽いカーブでも横滑りしたりする可能性があります。心がけることは、普段より1割引くらいのスピードで運転するということです。遅くてイライラするかもしれませんが、安全のためにスピードは出さないようにしましょう。
3.車間距離を大きくとる
いつもの感覚で車間距離をとってしまうと、前の車のブレーキランプが点灯してからブレーキを踏んだのでは、正直間に合いません。雪道はブレーキがかかりにくいため、車間距離を取っていないと、前の車に追突してしまいます。雪の日に一番多いのがこの追突事故です。車間距離はいつもの2倍~3倍の距離が目安となります。もし、自分が後ろの車に追突された場合でも、車間距離を取ってさえいれば、玉突き事故は防ぐことができます。
4.急ブレーキ・急ハンドルはやめる
雪道での急ブレーキ・急ハンドルは危険の一言に尽きます。急ブレーキ・急ハンドルをしてしまうと、雪でタイヤが滑り、車体が左右に振られて操作しづらくなります。最悪の場合、スピンしてしまうことも。ブレーキは、手前からゆっくりと、ハンドルを切る場合も、しっかり減速してからハンドルを切ることが大切です
5.ライトを点灯する
吹雪いてしまった場合、視界がとても悪くなります。大雨の場合も同じですが、ライトを点灯することで、視界が少しは改善され、前の車との距離感もつかみやすくなります。このとき、暗闇と同じように、ハイビームにするとよく見えると思いがちですが、実際には雪で反射して見えづらくなってしまうので、ロービームの方が適切です。
6.無理な追い越しはしない
雪道での無理な追い越しは、絶対にやめましょう。雪道での急なハンドル操作と加速はスリップの危険が増してしまいます。できれば、通常の車線変更も極力避けるようにして下さい。中央線部分に雪が積もっていたり、轍(わだち)ができている場合もあるので、車線変更をすると、その雪でタイヤがスリップしてしまうかもしれません。
雪道運転では「急」の付く動作は厳禁です!急発進・急ブレーキ・急カーブ・急ハンドルなど、急のつくものはスリップの危険が伴います。しっかりとスピードを落として、ゆっくりと進むことを心がけて下さい。
雪道運転で赤ちゃんを乗せても大丈夫?
慣れない雪道を、自分一人で運転するのも怖いですが、赤ちゃんや子供を乗せて運転せるのは、ママとしてはかなり怖い事ですよね。自分だけではなく、子供たちの命も預かっているわけですから。雪道で赤ちゃんを車に乗せることに不安を感じるママも多いと思いますが、雪国で子育て中のママたちは、普通にベビーシートに乗せて運転しているので大丈夫です。
しかし、雪道に慣れていないなら、赤ちゃん連れの雪道運転は避けることが賢明です。選択肢として、公共交通機関を利用することを考えましょう。車の運転をやむを得ない場合は、時間に余裕を持って、いつも以上に安全運転を心がけて下さい。
滑りやすい場所はここ!
雪道で一番怖いのは、道路が滑ることです。慣れている道だから、雪道でも大丈夫だろうと気を抜いてはいけません。実は、いつも何気なく通っている道には危険がいっぱい潜んでいます。特に滑りやすいポイントをご紹介しますので、お子さんを車に乗せるママは十分に警戒をしながら運転してください。
坂道
坂道で滑ってしまうと、止まらずにそのまま追突してしまう危険性があります。下り坂はブレーキを踏みながら進むので、特に注意が必要です。坂道に差し掛かる前に、しっかりとスピードを落とし、フットブレーキだけでなく、エンジンブレーキも使ってゆっくりと通るようにしましょう。
交差点
交差点は、最も車通りが多い場所です。多くの車に踏み固められた雪が、アイスバーンとなって、滑りやすくなっています。また、車が多いために、一台が事故を起こすと、巻き込み事故を起こす可能性が高い場所でもあるので、細心の注意が必要になります。
曲がり角
曲がり角に差し掛かる際、通常でもブレーキを踏みますよね。雪道でのブレーキは、通常通りではなく、早め早めが肝心で、早すぎると思うくらいで丁度いいのです。ブレーキも、大きく1回のブレーキではなく、手前から少しずつ、数回にわたり徐々に減速するようにしましょう。
カーブ
車がカーブする際、車体に遠心力が加わります。乾燥した道路と同じ感覚でカーブを曲がってしまうと、遠心力がかかった方向に、スリップしてしまいます。注意しなければならないのは、カーブ途中でのブレーキは厳禁!という事です。カーブにさしかかる前に、しっかりとスピードをおとしてからカーブに入りましょう。そうすることでスリップの可能性が格段に低くなります。
また、右カーブには特に注意するようにしましょう。右カーブは、対向車線の車がはみ出してくる可能性があります。見通しの悪いカーブの場合、カーブミラーなどで、しっかりと対向車線の車状況を把握することをおすすめします。
橋の上
朝寒い日に、橋の上だけ凍っている光景を目にしたことはありませんか。これは、橋の上が風の通り道で、吹きさらし状態なことと、橋は空中に架かっているので地熱が伝わらずに、氷が溶けにくいことが原因です。一般道から橋の上に入る場合は、事前にスピードを緩めてから入るようにしましょう。
日陰になっているところ
日陰になっている所は、日光が当たらずに雪が溶けにくい場所です。時間の経過によって、日の入り方が変われば、雪は解けていきますが、一日中日陰の部分は、そこに雪が残ってアイスバーンになってしまうので要注意です。
スリップ事故を防ぐにための心得
毎年、雪の季節になるとスリップ事故が起きてしまっているのが現実です。どれだけ雪道運転に慣れた人でも、スリップ事故は起こる可能性があるもので、車がスリップし始めてしまうと、どんなに車の運転が上手な人でも止めることはできません。スリップしてしまった場合にどうすればいいかを知るのではなく、スリップしないために必要な知識を身に着ける必要があります。お子さんの大切な命を守るのはママの努めですね。
タイヤは溝が浅くなる前に交換しよう
タイヤには、スリップサインというものが刻まれています。これは、タイヤが道路を走行した摩擦ですり減り、溝が浅くなったことを目視するためのものです。溝が浅くなると、タイヤと道路の摩擦が少なくなり、乾いた道路でもブレーキがかかりにくくなります。雨の日や雪の日には、スリップの原因にもなってしまうので、スリップサインに近づいたら、きちんと交換しておきましょう。
スタッドレスタイヤを装着しよう
雪道運転をする場合、スタッドレスタイヤの装着は必須です。雪の降らない地域の場合、スタッドレスタイヤの所持率が低いですが、急に積雪した場合などのノーマルタイヤでの運転は危険なので絶対にやめて下さい。スタッドレスタイヤは、雪は降ってから装着するのではなく、降る前にノーマルタイヤと交換しておきましょう。そうすれば、急に積雪したとしても対応できます。
タイヤはゴムで出来ているため、年数が経つと劣化してしまいます。劣化し、タイヤにヒビが入ると、タイヤの破裂に繋がり大事故を引き起こしかねません。走行距離が短く、タイヤがすり減っていなくても、スタッドレスタイヤの平均寿命は3年だと思っておきましょう。
チェーンを取り付けるのも有効
雪道運転をする機会がほとんどないので、スタッドレスは経済的にちょっと…という方は、チェーンを準備しておくと良いでしょう。チェーンは、スタッドレスタイヤよりも比較的安く手に入れることができます。種類は、金属製とゴムやプラスチッでできた非金属製の2種類あり、女性によりおすすめなのは非金属チェーンです。金属チェーンよりも装着が簡単にでき、走行中の振動や音も金属製のものより少ないので、快適に運転することができますよ。
もしもの雪道運転にあると便利なもの
外出先で急な天候の変化に見舞われた場合でも、もしもの時に備えて準備をしておけば、被害を最小限に防ぐことができます。備えあれば憂いなし!「たぶん使わないから要らないな」という考えは捨てましょう。おうちの雪かきにも使える以下の物をきちんと準備して、車のトランクに乗せておくと、もしもの時に役に立ちます。車がスタックした場合や、泊まり旅行で朝起きたら車が雪で埋まってる場合には、楽な雪かきの方法を覚えておくのもおすすめです。
長靴
積雪が多い場合に役立つのが長靴です。行く手を塞いだ雪をかく、車に積った雪をはらうなど長時間雪の中にいる場合、普段使っているスニーカーなどでは水が浸水してしまい、足が凍傷やしもやけになってしまう可能性があります。その点、長靴だと水は通さず、ふくらはぎ辺りまでカバーできるので安心です。長靴のかわりに、長めのスノーブーツでもいいでしょう。最近では、普通のブーツのデザインによく似た長靴も多いので、おしゃれ感覚で選ぶのも楽しいかもしれません。
スコップ
車の前方やサイドに雪が大量に積もってしまった場合、雪かきをしなければ車を発進できません。手で掘るには時間がかかってしまうので、大きめのスコップを備えておくと良いでしょう。女性でも扱える、軽量の折り畳みスコップも販売されているので、車に乗せておいて邪魔にはなりません。
コンパクトスノーショベル
モンベル
3,400円 + 税
雪山登山にも使われるアルミ製の組み立て式スコップです。使わない時は分解して収納できるので、場所をとらず、車載用にも便利です。収納袋つきなので、使用後の汚れも気にする必要はありません。組み立てや収納が簡単で、重量も525gと軽量であるため、女性でも軽々と扱うことができます。
スノーブラシ
雪国の人でなければ、あまり馴染みのない道具かもしれませんね。スノーブラシとは、車に積もった雪を降ろす際に使用する道具です。棒の先端にブラシとゴムベラがついており、フロントガラスやボンネット、車の屋根などを傷つけずに雪を降ろすことができます。ひとつ持っておけば、雪で車が埋まってしまった場合の雪下ろしも、楽に行うことができます。
折りたたみ式スノーブラシ
キャプテンスタッグ
2,000円+ 税
柄の長さが調節でき、小柄な人でも扱いやすいのが特徴です。ブラシとゴムベラだけでなく、凍結した氷を砕くためのスクレーパーも付いているので、1本で3通りの使い方ができます。色も可愛らしいので、女性が持つのにはおすすめです。
手袋
雪下ろしをする際は手袋を着用するようにしましょう。手袋なしでは、手が痛すぎて作業なんてできたものではありません。手袋の種類も、軍手やニット素材の物ではなく、防水仕様の手袋にしてください。スキーやスノーボードの手袋で、使い古した物があればそれを残しておくといいでしょう。もしくは、浸水を防ぐために、普通の手袋の上から炊事用のゴム手袋をはめるのも有効です。
毛布
毛布は、緊急時に暖を取る道具としてはもちろん、雪にタイヤをとられて車が動かなくなった時にもタイヤの下に毛布を敷くことで、雪から脱出することができます。他にも、雪が予想される場合に、あらかじめ車にかぶせておくことで、毛布を引き抜くだけで雪下ろしを完了させることができ、様々な用途で使うことができます。使い古した物で良いので、1枚乗せておくと安心です。
荒天で危険を感じたら
天候の変化で道路状況や視界が悪くなったら、車を無理に運転せず、近くのコンビニやガソリンスタンドになどに車を止めて天気の回復を待つのが賢明です。あと少しで自宅に着くから…という場合でも、少し辛抱することが身の安全を守ることに繋がります。
雪で動けなくなった時はどうしたらいいの
急な大雪に見舞われると、車に乗ったまま、車が動けなくなる場合もあります。そんな時は事故防止のために、ハザードランプを点灯して止まりましょう。そして、道路緊急ダイヤル#9910(無料)や、JAFの0570-00-8139または短縮ダイヤル#8139(有料)に救援に助けを求めるようにして下さい。
救援を待つ間にするべきことは⁉
救援を待っている間、一番注意してほしいのは、車の排気マフラーが雪に埋まらないようにすることです。排気マフラーが埋まってしまうと、車内に一酸化炭素が充満してしまうおそれがあります。排気マフラーの周辺の雪かきや、車の窓に隙間を作っておくなど、空気が流れる道は確保しておきましょう。
出かける前に確認すること
寒い日のお出かけ前に、必ずチェックしておくべき項目があります。この項目をすべてクリアしておくと、いざという時のハプニングにも慌てることなく対応できるはずです。お子さん連れのママは準備時間に余裕を持って、これらの項目をチェックしてから出かけるようにしましょう。
燃料は必ず満タンにしよう
雪が降るとスピードが出せないため、どこかで確実に渋滞が発生します。冬は燃費が悪く、暖かい季節よりも多くガソリンを消費してしまいますが、渋滞に巻き込まれると、簡単にはガソリンを補給できません。もしも途中でガソリンが切れてしまったら、車が止まってしまう上に、エアコンも効かなくなってしまうので、出発前にはガソリンを満タンにしておくことをおすすめします。
ディーゼル車は軽油が凍結していないか確認する
ディーゼル車を運転している人は、寒冷地に行く場合には注意が必要です。実は、軽油には種類があり、温暖地域と寒冷地では軽油の種類が異なります。温暖地域の軽油は、寒冷地に入ると低温のために燃料内で固形物が生成されてしまい、燃料の流れが悪くなってしまいます。
これを、軽油の凍結と言いますが、これを防ぐためには、現地のガソリンスタンドで給油するようにしましょう。寒冷地のガソリンスタンドでは、寒冷地用の軽油を販売しているので安心です。ちなみに、温暖地域と寒冷地の種類の違う軽油が混ざっても問題ないので、心配いりませんよ。
交通情報を確認しよう
出発前には必ず交通情報を確認するようにしましょう。出発地は晴天であっても、途中から大雪になる恐れもあります。また、雪国では、冬季は通行止めとなる道があり、迂回しなければならない場合があるので注意が必要です。交通情報では渋滞予測だけではなく、積雪情報、路面情報、今後の気象予測など様々な情報が載っているので、事前に情報を仕入れて、快適なドライブを楽しんでください。
バッテリーもチェックしよう
気温が低くなると、エンジンオイルの温度も下がってしまうため、エンジンを温めるために電力を多く消費します。このため、気温が低くなると、バッテリーの性能も低くなってしまう傾向にあります。冬場のバッテリーチェックは重要になりますが、ほとんどのママは、自分でバッテリーの点検なんてしたことない!という場合が多いでしょう。自分でできなければパパに頼むか、ガソリンスタンドでも無料でチェックしてくれるので、有効に活用しましょう。
雪道運転に過信は禁物です
これぐらいなら、たぶん大丈夫!という考えは持ってはいけません。その過信が、事故につながる可能性もあります。ちょっとした買い物などであれば、次の日にまわしたり、友人と予定がある場合でも、話し合って出かけないようにしたりと、時には運転しないことを選択する勇気も必要です。もちろん、公共機関を利用する手段もあります。運転しなければいけない状況でも、慣れない雪道での運転は危険だということを前提に、運転するようにしましょう。