嫁姑問題がこじれ離婚に発展する前に夫にできる10のこと
離婚理由の多くは、浮気や価値観の違いなど夫婦間のトラブルですが、それ以外にも意外と多い原因が嫁姑関係。まだ離婚を考えるまで発展していなくても、嫁姑問題で悩んでいる妻たちは多いようです。親と同居をする以上、嫁姑問題は夫婦の問題。悩む妻を前に「面倒臭い」「やっかいごとにはかかわりたくない」という夫の姿勢は、妻の夫に対する不満へと変わります。
悩む妻に対して夫ができることは何か?
離婚を切り出された夫が後悔していることとは?
また、嫁姑問題の離婚で慰謝料や親権はどうなるのでしょうか?
家族を失ってから後悔・・・離婚を防ぐカギは夫の行動
夫は親と同居をする時点で、嫁姑関係のあいだに立つことを想定しておくべきでしょう。親と妻の間にトラブルが生じると面倒なものですが、ここで逃げるようにスルーしていては遅かれ早かれ後悔するとに…。
すでに妻と離婚してしまった男性達が、「ああすれば良かった」と悔やんでいる行動を挙げていきましょう。
1–妻の話をきちんと聞く
「妻が姑のことを相談してきたが、真剣に話を聞いてあげなかった」という男性は少なくありません。
夫からすれば、自分の母親のことを悪く言われるのはとても嫌な気分になるものです。しかし、妻としても言いたくて言っているわけではありません。ただ、夫であるあなたに「わかってほしい」という思いがあるのです。
妻の話があなたからすると面倒だったりどうでもいい問題だったとしても、家庭内で一人思い悩む状態が恒常的に続くと次第に大きなストレスへと変わっていくものです。
妻の話をきちんと聞き、「そうか、大変なんだな」と妻の気持ちに理解を示しましょう。それだけで妻の気持ちはだいぶ落ち着くはずです。
2–妻の味方をしておく
例え愚問と分かっていても、「母親と自分のどちらが大事なの?」と妻が夫に問い詰めることもあるでしょう。そのときに、「妻が大事」だとはっきり言えない夫が多いようです。
そんな質問を夫に投げてくる時点で、妻は相当悩んで追い詰められていると理解しましょう。
男性としては、どっちが大事と言われても正直困って答えに詰まってしまうところですし、もしかしたら「母親のほうが大事」だと思っているから旦那さんもいるかもしれませんが、離婚を回避したいなら、“妻が大事”だと言葉と態度で示すべきです。
嫁として家族になったとはいえ、妻はどこかで疎外感を感じるものです。妻が思い悩んだときに夫であるあなたが味方をし支えてあげなければ、途端にあなたへの信頼も愛情も冷めていくことになりかねません。
3–親離れする
仕事もきちんとこなし自分では自立していると思っている夫であっても、親と同居しているとつい自分の母親に頼ってしまうことがあります。
例えば、妻が一人で外出するとき、夫に子供の世話を頼んで出掛けたとしましょう。
そんなとき、夫の多くは結局同居している母親に子供の世話をさせてしまいがちです。夫からしてみれば、「母親にとってはかわいい孫だから迷惑じゃないし、子供もおばあちゃんと遊びたがっていた」と、気にもとめないでしょう。
しかし、妻としては「姑に迷惑をかけてしまったじゃないの」という夫への不満が生まれます。
妻は姑に子供の世話を頼んだのではなく、夫に頼んだのです。夫はこのような、妻の姑への配慮を察することが上手ではありません。また、こういうケースは妻にとっては余計なお世話であることが多い姑の子育てへの干渉が入ってくる隙間も作ってしまうことになるので要注意。
夫にしてみれば実の親であっても、別々の家庭であるという意識が必要です。そうすれば、母親へ簡単に子供の世話を頼むことはしないでしょう。
4–嫁姑のトラブルを見て見ぬふりしない
嫁姑関係のトラブルに気付いていて、さらに妻に相談されたとしても、「母親はああいう人だから言っても無理!」と流してしまう夫がいます。
夫が妻の話を流してしまう理由は、「相談された問題の解決」を前提に捉えてしまっているためであり、その解決をゆだねられている面倒さを感じるため。
しかし、先ほどにも書いたように第一段階として、妻は夫への現状のシェアと自分の感情への共感を求めています。面倒がらずに妻と母親が円満にいくために妻に共感し、出来ることを探すべきなのではないでしょうか?
5–良好な嫁姑関係だからと放置しない
母親と仲が良い夫の場合、“妻と母親はうまくやっていける”と思いこんでしまう傾向があるようです。しかし、ここで注意したいのは、優しい妻ほど夫には姑の愚痴や悩みを言わずに我慢してストレスをため込んでしまっているケースがあるということです。また、息子に心配をかけたくない母親ほど、嫁の悪口を言ってきません。
完全に夫は気づかずに“嫁姑関係はうまくいっている”と認識したまま、嫁姑の関係は水面下で悪化の一途をたどり、いつか妻のほうが限界を超えてしまうことが多いようです。
妻や母親が円満にしているようでも、手放しで安心したりはせず、時々は妻に様子を聞いてみることも大切です。鈍感な夫にならないで下さいね。
6–母親にきちんと話す
姑の多くは、息子夫婦に色々と干渉をしてしまいがち。本人は手助けをしてあげたいと考え、また手助けをして有難がられたいだけで、もちろん悪気なんてありません。しかし同居の場合、姑の行き過ぎた干渉によって妻が悩むことも少なくはありません。
雨が降ってきたから洗濯物を取り込んでおき、息子夫婦の部屋へノックもなしに入っておいておいたなど・・・。妻としてはプライバシーの侵害を感じてしまいながらも、旦那の親の家である場合強く反論することもできずに大きなストレスを抱えてしまうでしょう。
同居をするならその前に、夫から親へ家庭の方針やルールをきちんと話しておきましょう。妻から話すと角が立ってしまいますからね。
7–板ばさみになる覚悟をもつ
いつも母親と妻の板ばさみに合い、「どうすればいいかわからない」という態度を取る夫。やがて妻は、そんな頼りない夫との夫婦関係にピリオドを打ちたくもなるでしょう。
妻と母親の双方から愚痴を聞くだなんて、仕事の疲れも抱える男性にとってはしんどい話かもしれませんが、ここは夫として息子として潔く板挟みになりましょう。
8–妻の不満が夫にも向けられる理由を知る
夫がどっちつかずの頼りない態度のままだと、やがて妻の不満の矛先は夫に向けられます。最初は確かに姑への不満であったものの、話を聞いてくれるでもなければ理解のかけらも示してくれるでもなく、妻の愚痴からも母親の愚痴からも逃げるような態度を取り続ける夫なら、妻のストレスが倍増してしまって当たり前です。
嫁姑問題が起きたとき、夫も問題解決のために行動しなければなりません。どっちつかずな対応をしていると、妻から三行半をつきつけられてしまいますよ。
9–母親の過干渉をやんわりと断る
母親は、息子の面倒をつい見てあげたくなってしまうもので、それが生きがいになっている人もいますが、姑の干渉を夫があまりにも普通に受け入れてしまうと、妻は面白くありません。
どこからが過干渉になってしまうのか、受け取り方には個人差があります。しかし、「結婚し夫婦になった」ということは、「自分たちの家庭を作り自立した生活を送る」ことでもあり、それは親と同居しているか別居しているかで変わることはありません。母親にも心理的な子離れをしてもらうことは必要なのではないでしょうか?
手伝ってもらって助かったことに対してはきちんと感謝をしつつ、過干渉に対しては夫がやんわりと断る意思を見せることが大事。「ほっといてくれないか!」など、母親を無下に突き放す言い方は逆効果になってしまいます。
10–女性の気持ちを知る
嫁姑問題を解決するためには、女の嫉妬心や心理を理解することも必要かもしれません。ほとんどの男性は、嫁姑問題というと「妻と母親はよっぽど気が合わないんだ」としか思っていないでしょう。しかし、嫁姑問題と言うのは、実は両親と同居をしているどこの家庭も多少なりと抱えている問題。気が合わないことだけがトラブルの原因ではないのです。
夫は、妻の立場、母親の立場を一度よく考えてみることが重要です。
嫁姑問題で離婚は成立する?/慰謝料と親権について
同居する両親と配偶者の不和だけでは、法的な離婚請求は認められません。夫婦には夫婦の両親・親族と配偶者との間にトラブルが生じたとき、不和を改善し関係修復に努めなければならないと言う義務があります。つまり、夫は、“嫁姑の関係修復に努めなければならない”のです。
しかし、姑の執拗な嫁への侮辱やいびりなどがあると、簡単に関係は改善できないでしょう。
そして、嫁いびりが原因で離婚となった場合や、嫁姑の確執を横目に夫が家庭円満の努力を怠った等相当な理由がある場合、妻は慰謝料を請求できます。
慰謝料が請求できるケース
- 姑が主導となって嫁を追い出そうとした
- 夫が嫁姑関係の修復をしようと努力していなかった
親権についても、調停では子供にとってよりよい方に親権が渡ると考えておきましょう。もし小さい子供がいるケースで以上の理由で離婚に至った場合、母親に親権がいく可能性は高いと言えるでしょう。
嫁姑問題で離婚しないために
同じ家に暮らす以上多少なりの摩擦は避けられませんし、さらに人は年を取るにつれて頑固になったり意見を曲げない面が出てきたり…など嫁姑問題は一筋縄ではいかないことだらけです。
しかし、嫁姑関係に問題が生じたときは、夫も加わって問題解決しようとする姿勢や努力は絶対に不可欠です。
嫁と姑、双方が理解し譲り合う気持ちを持つことが一番ですが、残念ながら一方だけが我慢するような事態になってしまうこともしばしば…。妻と母親の関係修復が難しいようなら同居をやめて、距離を置いた場所で別居をする選択も頭に入れておくべきなのかも知れません。