赤ちゃんをしつけるのはいつから?適切な時期と躾のコツ4つ
出産後、赤ちゃんの授乳やおむつ替えに追われる時期が過ぎると、赤ちゃんの生活のリズムも少しずつ整い、ママにも少し余裕が出てきて、赤ちゃんも段々自我が芽生え始めます。すると成長と共に赤ちゃんの活動範囲が少しずつ広がります。
気がついたらティッシュを大量に箱から出していた、小さなおもちゃを口に入れていたなど、ママが「ダメ!」と言いたくなる場面に遭遇することも増えてくるでしょう。
そんな赤ちゃんのしつけは、一体いつからはじめるのが適切なのでしょうか?
しつけは0歳から!基本は「信頼感」の構築
言葉の理解ができない赤ちゃんにしつけをしても無駄だと思う人もいるでしょう。けれど赤ちゃんは遺伝子だけでなく環境から人格を形成していきますので、しつけを疎かに考えているとそれが後のしつけに悪影響を及ぼしてしまうこともあるんです。しつけの本当の意味を知り、赤ちゃんのプラスになる接し方を心掛けましょう。
しつけの本当の意味!自分で考えさせることが大切です
「躾(しつけ)」と聞くと、「厳しく、姿勢を正させ、マナーや社会のルールを叩き込むこと」というイメージはありませんか?けれど本当の躾とは、そうして親が子どもを抑えつけることではありません。
しつけの本当の意味は、人間として必要な道徳観や倫理観を子どもが自分で考え、行動し、身につけられるように導くことです
子供自身が周囲とコミュニケーションを上手にとり、自己実現(努力して、自己の夢や希望を実現させること)するために、マナーやルールが必要だと感じれば、親が食事のマナーや社会のルールを怒って教えなくても、自分で考え、学び、自然に身に着けるでしょう。
逆に小さな子供の気持ちを無視し、「ダメ!ダメ!」とママが厳しく躾をし続ければ、いずれ子供も親や周囲の気持ちを無視し、マナーやルールが身についていない大人へと成長する危険性があります。
「ステキだなぁ」「好かれたいなぁ」などと憧れや好意を抱くと、人は自然と「私もあんな風になりたい」「あの人に好かれるにはどうしたらいい?」などと、好意の対象と同レベルに自分を引き上げようと、自分を磨きだします。それは赤ちゃんも同じ!そう思える子供に育てることこそが、本当のしつけなのです。
出産直後から始める信頼関係の構築
言葉が分からない0歳児には、しつけは難しいのでは?と思うママもいるでしょう。
0歳台のしつけは、食事のマナーや社会のルールを教えることではありません。毎日の生活の中で、ママパパと赤ちゃんの信頼関係を築いていくことなのです。
将来子どもが自分で考え、他者とうまく関わり、自立して幸せになるためには、自分以外の他者との深い信頼関係の構築と、それにより身につく自己肯定感が大変重要です。
特に人間にとって初めての発達課題とされる「大人との基本的信頼感(自分自身や社会、世界を信じられる心)」は、大人とのスキンシップやコミュニケーションで身に付きます。
親や社会を信じることができ、好意をもてるからこそ、その後のしつけが成功するのです!出産の瞬間からぜひ、スキンシップやコミュニケーションを心がけて下さいね。
0歳のしつけを怠ると心の発達に弊害
赤ちゃんへのコミュニケーションやスキンシップが少ないと、赤ちゃんの情緒や脳の回路はあまり刺激されず、刺激によって脳が発達していく大切な時期の発達を阻害してしまいます。また、成長ホルモンの分泌障害も起こるそうです。
そのため思いやりの心や知能が充分に発達せず、親に対して基本的信頼感も抱けず、サイレントベビーになり、言語能力の発達の遅れ、暴力行動、引きこもりなどになる可能性が高くなると言われています。
赤ちゃんの健全な成長は、ミルクやおむつ替え、入浴だけでなく、ママやパパの愛情があって初めて成り立つのです。
赤ちゃんの心を育てるしつけのコツ4つ
赤ちゃんの心を育てるためには、次の4つのコツを掴んでおくことが有効です。パパとママでしつけのコツを共有し、夫婦そろって行うようにしましょう。
1言葉がけやお世話で信頼感アップ
躾というと難しく考えたり、ベビーサインなどの特別な教育を想像したりしがちですが、毎日の赤ちゃんのお世話に、ちょっとしたコミュニケーションやスキンシップをプラスするだけで、十分しつけはできるんです。もう既に実践しているママも多いと思いますよ。
例えば…
- 泣いたら声をかけたり、抱っこしたりする
- 顔をみながら微笑み、優しく声をかける
- 子守唄やママの好きな歌を歌ってあげる
- 赤ちゃんの気持ちや行動を言葉にして表現してあげる
- くすぐったり一緒に遊んだりする など
近年、赤ちゃんのお世話を一生懸命するのに、声をかけず無言でおむつ替えや離乳食を食べさせるママも増えてきているそうです。
簡単な言葉がけや笑顔、触れ合いをすることが、赤ちゃんのしつけの第一歩!声かけが苦手なママは、あいさつやスキンシップなどから、無理せず自然に少しずつ取り入れてみましょう。
言葉がけの例
「おはよう。今日はいいお天気で気持ちがいいね」
「たくさんおっぱい飲めたね。偉いね」
「眠たくなっちゃったんだね。いっぱい泣いたらねんねしようね」
「ご機嫌がいいね。よかったね」
2友達トラブルや食事のしつけは怒らない
友達と仲良く遊ぶ、食事のマナーが身につくなどは0歳では難しく、もう少し先のことです。離乳食が進み食事中遊んでしまっても、「お腹がいっぱいみたいだから下げるね^^」と、怒らず食事を下げてしまうなどの対応をしましょう。
またママとパパが手伝ったり、できたことはすかさず褒めたりすると、「こうすればいいんだ!上手に出来たんだ」と感じるため、良い行動が身に付きやすいです。
友達と喧嘩をした、揉めたなどの場合は、いきなり怒るのではなく、「このおもちゃ使いたかったのね。じゃあ○○ちゃんが使い終わったら貸してもらおうね」などと、赤ちゃんの気持ちに共感してあげましょう。
3危険!ダメは体で教えよう
赤ちゃんの命や体に危険があるようなことをした場合、「ダメだよ」「危ないよ」と声かけするだけでは伝わりません。本当に危ない時、二度とやってほしくないことをした場合は、まず、赤ちゃんの体を抑えるか、手を握り、ママの体でその行動を静止しましょう。
その後、赤ちゃんの目を見て、真剣な恐い顔、低い声で「コレはお口に入れたらダメよ!」と短く注意しましょう!
ここでのポイントは、やみくもに注意しないこと。本当に赤ちゃんの命が危険で、「危なかった~」とママがヒヤヒヤした時だけにすると、赤ちゃんの心に大切な「キケン」のメッセージが届きやすくなります。
また、赤ちゃんは、危険を予知する能力が低く、好奇心が強いために、時々大人が想像もつかないことをすることがあります。そのため、家の中にある赤ちゃんに触られたくない危険なものは、鍵つきの場所にしまうか、撤去するように徹底しましょう。それだけでも「ダメ」という機会が減ります。
4ママは毅然とした気持ちが大切
赤ちゃんは怒られると大抵ビックリしてしまいます。いつもの優しいママや笑顔のパパの顔から一転、恐~い別人の顔になるのですから、当然ですよね。泣いてしまう子もいるでしょう。
ここで大切なのは、ママやパパが毅然とした気持ち注意することです。「ごめんね!ビックリさせたね」などと謝ったり、オロオロしたりするのはNG!
赤ちゃんは大人と違って、「昨日はよかったのに、今日はダメと言われた」「パパとママで言うことが違う」などの状況になると、どうしていいか分からなくて困惑してしまいます。
また赤ちゃんが泣くからという理由でダメなことを許してしまうと、赤ちゃんに泣けば許されるという「悪いしつけ」をしてしまうことになります。
夫婦で育児の方針を決め、他人や自分を傷つけるような悪いことをしたら、育児方針がブレないように、「ダメなことはダメ」とママは毅然とした態度で一貫して注意しましょう。そうすることで、赤ちゃんも成長と共に少しずつ我慢することを身につけていきます。
ママとパパが赤ちゃんのお手本になろう
赤ちゃんはママとパパがやっていることをよく見ています。真似してほしくないことは、夫婦できちんと話し合い、ママもパパも子供の前でやらないようにしましょう。
「ママが食事中一生懸命マナーを注意し、隣でパパがテレビを観ながらご飯をこぼしていた…」という家庭では、自然にテーブルマナーを身に着けるのは難しいでしょう。ママとパパ二人揃ってお手本になって行動することが、その後のマナーやルールの習得への近道です。