ベビーベッドは本当に必要?まずはメリット・デメリット・期間を知ろう
ベビーベッドは、ご家庭に合う商品が見つかるような選び方も大切ですが、無駄な出費を控えるためにも本当に必要か、購入かレンタルかを十分に検討することが重要です。
「赤ちゃんにはベビーベッド」とイメージし、いざ使い始めたらほとんど使わずに邪魔になったと嘆く方は少なくありません。しかも、赤ちゃんを育てながらの処分は一苦労です。
ベビーベッドが必要か不必要かの判断は、メリット・デメリットやいつまで使えるかのチェックだけでなく、産後のライフスタイルや卒業後も活用するかなどで異なります。まずはメリット・デメリットなどから確認しましょう。
ベビーベッドの最大のメリット!赤ちゃんの安全な居場所を確保できる
ベビーベッドの最大のメリットは、犬などの床を歩くペットを飼っていても、上の子が走り回っていても、安心して赤ちゃんを寝かせられる居場所が確保できる点です。
ベビー布団を敷いて赤ちゃんを床に寝かせると、飼い犬がじゃれて甘噛みしたり、上の子が誤って踏んづけたり、うっかり上から物を落とす危険性が増します。兄弟姉妹がいるご家庭では、特にベビーベッドのメリットを実感しやすいでしょう。
他にも次のようなメリットがありますが、「一人目よりも目が届きにくくなる二人目以降の育児の方がベビーベッドは役立つ」とメリットを実感する方が多いので、兄姉の有無もベビーベッド選びの参考にしてください。
- 添い寝で押しつぶす心配がないため、母子ともに安眠しやすい
- 一人で寝る習慣をつけやすい
- トイレなど少し目を離す時も、柵があるため安心できる
- ペットや兄姉が安心して遊べ、赤ちゃんも守れる
- 床から高さがあり、床付近のほこりやダニなどから赤ちゃんを遠ざけられるため衛生的
- マットレスの固さなど、SIDS(乳幼児突然死症候群)のリスク軽減につながる赤ちゃんに合う寝具を新生児から使えるため安心
赤ちゃんは人肌に触れているとよく寝るため、最近は大人用ベッドとベビーベッドをくっつけて添い寝をする家庭が増えています。
ただし、アパートや子だくさんの家庭などでは、寝室に大人用ベッドとベビーベッドが入りきらないなどの事情から、大人用ベッドを撤去して家族全員が床に川の字に寝るのが一般的です。
キングサイズの大人用ベッドで添い寝をする場合はベッドインベッドを設置して赤ちゃんの身を守り、寝返りが始まってからは夫婦が寝室を別にしてママと赤ちゃん、上の子だけが床に寝る家庭もあります。
ベビーベッドの最大のデメリット!置き場所と費用がかかる
ベビーベッドの最大のデメリットは、置き場所と費用です。産後は様々な赤ちゃん用品で家が狭くなるのに、布団のように上げ下げできないベッドを置くとなればスペース作りが必要になります。
費用についてもベビー布団と違い、ベビーベッドは使わずに子育てする家庭もあるため、考え方によっては無駄な出費になる可能性があります。
購入により育児が楽になれば、サポートとして有意義な出費と感じられますが、購入後に不要だと気づき処分する場合、処分する手間と費用が増えるためデメリットだらけと感じやすいです。
- 置き場所をとる
- 費用がかかる
- 親は床で寝るので添い寝や添い乳ができず、夜間の授乳も面倒(大人用ベッドに横付けしない場合)
- 使用する時期が短くコストパフォーマンスがよくないと感じることがある
- 卒業後の処分が面倒 など
ベビーベッドをレンタルではなく購入する家庭の場合、二人以上の出産を予定しているケースが多いのですが、二人目出産まで保管場所を確保するのも大変です。
おまけに保管中は部屋が片付かず掃除も面倒なので、結局フリマアプリやリサイクルショップに出してしまう家庭もあります。
ベビーベッドはいつまで使う物?生後1ヶ月~5歳までと種類や親の価値観でまちまち
ベビーベッドをいつまで使用するかは家庭によってまちまちで、赤ちゃんの成長に伴い抱っこや添い寝を求める頃になると卒業を選ぶ家庭も多いです。
ベビーベッドの適用年齢は多くの商品で2歳ごろまでですが、中には幼児用ベッドや机などに組み替えて長期間使用できる商品もあります。
長期間ベビーベッドを使用している家庭の場合、選び方への配慮をしています。例えばミニサイズより通常サイズ、ベッドだけの機能より幼児用ベッドや机、いすに変形できるタイプなどです。
赤ちゃんの気持ちや成長を重視した住環境にしたい場合、ベビーベッドはそれほど長く使用できないかもしれません。
多くの赤ちゃんは次第にママやパパの側に寄り添う眠りを求めて強く主張し始めるので、レンタルなど出費を抑えられて処分が楽な方法を検討するのがおすすめです。
ただし、赤ちゃんの安全性を何より重視したい場合は、夜泣きや夜間の授乳が大変でも安全エリアを確保できるベビーベッドを購入した方が結果的に安心を得られるかもしれません。
育児には加減が大切です。ベビーベッドが必要か不要かも、どちらか一方に決めつけずに検討することが重要です。ママがより笑って過ごせそうなのはどちらかを選ぶのが、子育て経験者として最もおすすめしたい選び方です。
ベビーベッドの高さやサイズの選び方|使用期間を先に決めよう
ベビーベッドの高さやサイズの選び方は、使用期間をどれくらいにするか、使い勝手をどの程度重視するかを先に決めると楽になります。
ベビーベッドの基本サイズはノーマルとミニサイズの2種類があります。市販のベビー布団セットもベビーベッドの大きさに合わせて作られています。
ノーマルタイプ|120cm×70cm
ノーマルタイプは内側寸法が120cm×70cmです。高さは通常2~3段階に調節でき、一番高い上段が45cm前後、下段は15cm~20cm前後なので、大人用のベッドに横づけして添い寝をする場合は上段にし、ベビーベッドのマットレスで高さを調節します。
ちなみに「ハイタイプ」の表示がなくてもハイタイプと同じ高さ設定のベビーベッドがあるため、必ず上段と下段の高さを確認してください。
ノーマルタイプのメリットは、身長が伸びて寝ながらの動きが激しくなっても使いやすいことです。
ミニサイズのベビーベッドは成長と共に小さいと感じて早めに卒業させがちなので、長期間使いたい家庭にはノーマルタイプがおすすめです。
携帯用(ポータブル)ベビーベッドタイプ|60cm×90cm など
このタイプのベビーベッドは、ヨーロッパでポピュラーな赤ちゃん用の小さなベッドとして、また産院で母子同室だったママにはお馴染みかもしれません。内側寸法は60cm×90cmやそれより小さいサイズの商品が多く、コンパクトで持ち運びやすいのが特徴です。
携帯用ベビーベッドには添い寝用や室内移動用があり、昔ながらの籐のゆりかご「ヨーラン」のような使い方ができる商品もあります。
ミニサイズタイプ|90cm×60cm
ミニサイズのベビーベッドの内側寸法は90cm×60cmです。高さや調節機能はノーマルタイプと同じ商品が多いです。
ノーマルタイプのベビーベッドよりコンパクトなため、狭いアパートや部屋を移動して使いたい家庭に人気があります。
ハイタイプ|ノーマルタイプより高くてお世話が楽
ハイタイプのベビーベッドも商品によっては2~3段階調節ができます。上段は60~70cmの商品が多く、お世話の際に腰をかがめずに済み、ママが使いやすいのが魅力です。
ただしノーマルタイプのベビーベッドは下段で高さ15cm前後にできますが、ハイタイプは下段でも30cm前後にしか下げられない商品もあるため、タッチができるようになる生後7~8ヶ月以降は赤ちゃんがよじ登りやすい場合があります。
赤ちゃんが寝ている時も寝返りで柵にぶつかりやすく、ベビーサークルとして使用したい場合もサイズが小さく狭いため長期間の使用には向いていないことがあります。
ジュニアベッドタイプ|組み換えで小中学生まで使える
新生児から小・中学生くらいまで使えるベビーベッドです。新生児からの赤ちゃん期にはノーマルタイプのベビーベッドとして使い、大きくなったら引き延ばしたり、組み替えてジュニアベッドに変形できます。
費用的には途中でベッドを買い替えた総額とあまり変わらない可能性がありますが、下の子が生まれて2段ベッドを使う場合は高価なジュニアタイプを早くに手放すことも考えられます。
スペースがある場合は、いい物を長く大切に使う心を育める良い買い物となるでしょう。
ベビーベッドの機能別の種類や選び方|ライフスタイルの変化を考えて
現在市販されているベビーベッドは昔に比べて高額で多機能な商品が増えていて、つい魅力的に感じられますが、将来のライフスタイルの変化を考えて選びましょう。
機能次第で必要性や使用期間が変わるため、どんな種類があるのか知っておくと共に、先の見通しが立たないのにインスピレーションだけで高価なベビーベッドに飛びつかない選び方が大切です。
ツーオープン(スリーオープン)タイプ
昔から使われている赤ちゃんの横のみ柵を下げられるワンオープンタイプと異なり、ツーオープンタイプのベビーベッドは横と足元の柵を下に下げられるので、赤ちゃんを移動せずにおむつ替えができます。
スリーオープンタイプは左右と足元の柵を下げられ、上段と下段の間の柵を手前に倒して開けられるベビーベッドです。ただし角の柱は下げられないので、足元の柱2本だけはそのまま張り出した状態になります。
スリーオープンのメリットは、上段と下段の間に置いたオムツなどのベビー用品が取り出しやすいことです。
折りたたみできるタイプ
折りたたみできるベビーベッドとして販売されている商品には、木製ベッドとプラスチック製のプレイヤードがあります。
木製の折りたたみできるタイプは簡単に組み立てられるので、ご自分で組み立てる妊娠中のママに向いています。下の子のためにベビーベッドを残しておきたい場合も、簡単に畳めるので片付けが楽です。
一方プレイヤードは小さく折り畳みができ、旅行などの持ち運びに便利なため主にセカンドベッドとして使われる商品です。そのため「赤ちゃんをベビーベッドのように長時間寝かせられない」と注意書きがされていることもあります。
プレイヤードの購入やレンタルを検討している場合は、取扱説明書に「長時間使用しないように」との注意書きがないかを必ず確認して選んでください。
プレイペンタイプ
ベビーベッドの底板を外し専用ジョイントパーツと買い足して組み合わせたり、組み立て直したりすると、広めのベビーサークルに形を変えられるプレイペンタイプ。
ハイハイやつかまり立ちが始まる生後7~9ヶ月頃になると、ベビーベッドを下段にしてベビーサークルとしても使用する家庭が増えますが、次第に狭くなるため大きめのベビーサークル(プレイペン)を購入する家庭も増えます。
ただしプレイペンタイプは、組み替えた際の高さがベビーベッドの半分のタイプもあるため確認してから選びましょう。
多機能タイプ
今はベビーベッド卒業後に収納棚やベンチ、机などに組み替えられる多機能ベビーベッドもあります。質の良いベビーベッドを購入して長期間使いたい場合は、こうした全く別の形に変える商品を選ぶのも一つの方法です。
ただし、自宅購入の際に新しい家のサイズやその時の子供の様子で家具を買い替える家庭も多く、小学校入学の際に購入されてきた学習机も、今はリビング学習人気が高いためあえて購入しない家庭が増えています。
長期間使える多機能ベビーベッドの購入を検討している家庭では、先の予定は変わる可能性があると念頭に入れた上で選びましょう。
安心して使えるベビーベッドの選び方!失敗しないための3つのチェック
ベビーベッドは安い買い物ではありません。失敗しないためにも購入前に以下の3つのポイントをチェックしておきましょう。
1ベビーベッドと置き場所のサイズ
ベビーベッドは部屋の見栄えや空きスペースだけで置き場所を決めず、直射日光やエアコンの直風があたらないか、揺れても本棚が倒れ物が落ちてこないかなど快適さや安全性をチェックしてから決め、サイズを測って選びましょう。
2将来的なライフスタイルの変化|引っ越しや出産の予定はない?
ベビーベッドの種類は複数あるので、将来的なライフスタイルをある程度決めてから使用時期や種類を決めましょう。
家庭の将来設計を考えると出費のかかる時期や目安が分かるため、ベビーベッドも今本当に必要な機能を選びやすいです。
3ベッドの安全性|PSCマークやSGマークの有無をチェック
日本国内で販売されるベビーベッドは、乳幼児の安全を守るための国の法律や、民間の団体の基準を満たしていることが重要です。
購入時には、「PSCマーク」と「SGマーク」があるか確認するようにしましょう。
PSCマークは、消費生活用製品安全法で定められた国の安全基準を満たした製品に表示されるマークで、このマークがないとベビーベッドの販売はできません。SGマークは、製品安全協会が定めたより安全な基準を満たした製品に表示されるマークで、万が一製品の欠陥で事故が起こった場合に備えた賠償制度が付いています。
ベビーベッドの塗料についてもSGマークの認定基準が設けられています。輸入ベビーベッドは国内基準が適用されない場合があるため、粗悪品を避けるためにも、できれば国内メーカーで製造されたベビーベッドや、これらのマークが表示されている商品を購入すると安心です。
ベビーベッドを長く使わないならレンタルや購入以外の入手先もチェック
ベビーベッドを購入する場合、価格はピンキリですが赤ちゃんが寝るだけの機能なら1~2万円程度で購入できます。
ベビーベッドをレンタルした場合、ひと月千円~2千円程です。10ヶ月以上ベビーベッドを使用する場合や下の子にお下がりする場合は購入した方が得ですが、使用期間の予測がつかない場合はとりあえずレンタルで様子を見る家庭も多いです。
ベビーベッドはレンタル向きのベビー用品のため、レンタル会社でも多く取り扱っていますが、逆に人気があるため業者に問い合わせても気に入った商品が品切れになっていることもあります。
ベビーベッドは知り合いに譲り受けたり借りたりする家庭もありますし、フリマアプリやリサイクルショップでも無料もしくは格安で手に入れられるため、何に一番お金をかけたいかで入手方法を選びましょう。
ベビーベッド卒業後の活用例!寝具や棚以外の使い道もある
ベビーベッドは使用期間が短いと思われがちですが、卒業後に寝具以外として活用する家庭もあります。
高価な機能性ベビーベッドを購入せず、ノーマルタイプのベッドをDIYで自分好みにカスタマイズする方も少なくありません。
1ベビーフェンスやガードとして使う
ベビーベッドの柵を利用してDIYし、ベビーフェンスやベビーガードを作る方もいます。
ベッドを卒業する頃はちょうどフェンスやガードが欲しくなる時期です。テレビ台へのいたずらに頭を抱える家庭も多いでしょう。
ベビーベッドの底板を外し、そのままテレビコーナーに置いてその中にテレビを入れ、柵を下げればテレビ台用のベビーガードの完成です。
2縦置きしてハンガーラックにする
ベビーベッドの柵をハンガーラックとして利用する方法もあります。横向きだったベッドの柵を縦向きに立て、倒れないように補強して使えば木製のおしゃれなハンガーラックになります。
3ベンチにする
ベビーベッドの底板を下段にし、柵を一面外してクッションを敷けばベンチに早変わりします。眠くなった幼児が知らぬ間にお昼寝しちゃうこともあります。簡単にリメイクできるのでおすすめです。
4子供用の机にリメイク
底板を上段にしたら柵の片側を外し、下に椅子を置けば高さが子供用にちょうどいい机になります。
本格的な勉強机を購入する前にベビーベッドをDIYし、お絵描きなどで子供が机に向かう習慣づけに使っている家庭もありますし、底板の上に黒板シートを敷いてチョークでお絵描きできる机にする方もいます。
5子供のプレイスペースにする
柵を広げて部屋の一角に設置し、子供用の遊び場として活用するのもよいですし、上に布を被せて子供だけの秘密基地を作ってあげてもよいでしょう。
おままごとスペースにしたり、秘密基地にしたり、ボールプールにしたりする家庭もあります。ただし子供だけで遊んだり体重をかけても倒れないように補強はしっかりしてください。
子育て4コマ漫画:ベビーベッドの選び方は?将来を見据えて
ベビーベッドは収納にも役立ち、アイデア次第で赤ちゃん用品をスッキリ片づけられるので、永岡さくらさんの漫画も楽しめるマーミー記事で確認してみてください。
筆者は一人目がベビーベッドで寝ない子で苦労し、添い寝に変えてずいぶん楽になったので無駄遣いだと思いましたが、二人目の時は大活躍しました。上の子が活発な年齢だったので、寝かせられる清潔な場所はとても重要だったのです。
ただし、ベビーベッドは日中のメインの生活の場であるリビングに置き、寝る時は添い寝でした。初めは寝室にベビーベッドを置きましたが、下の子も添い寝の方がよく寝てくれたのですぐに移動しました。
結局2人共ベビーベッドの期間は短く、スキンシップで安心したので全員敷布団で川の字に寝ました。振り返れば処分も大変だったのでレンタルで充分でした。
家庭によってニーズは異なりますが、その時自分が何を一番大切にしたいと考えているか明確にすると後悔しにくく、気に入らない点も「あの時は自分なりに真剣に考えたのだから仕方がない」と思えるベビーベッドの選び方ができるでしょう。