親の過ち…子供のキラキラネーム改名の条件とその方法
キラキラネームの流行から15年ほど経ち、現在、成長した子供が自分で改名に乗り出したり、子供の意思を汲み親子で改名に挑むケース等「キラキラネーム」を改名する人が出てきています。社会現象を巻き起こしたキラキラネーム…どうしても受け入れられず、改名という選択肢を取る人は今後も増えていくと予想されます。
両親にしてみても、命名当時は、まさかこんなに子供に拒否されるなんて思いもしなかったことでしょう。しかし、我が子がキラキラネームやDQNネームな名前が原因で馬鹿にされたり生きにくさを感じていたのだとしたら…それはとても悲しい結果です。
もちろん、10人中10人全員がそういう結末を迎える訳ではありません。キラキラネームを個性として受け入れ名前とともに輝いている方もいれば、「この名前が好き」と自信に満ち溢れた子供もたくさんいます。物事、すべてにメリット・デメリットがあるように、「合う」・「合わない」ということも起こって当然。しかし、デメリットとなる可能性が高く、しかもその場合「残念、合わなかった」の一言で終われないのが個人を特定する「名前」なのです。
後悔先に立たず…キラキラ発生の原因

キラキラネームの原因のひとつとして、赤ちゃんを迎えた両親が幸せすぎて回りが見えていなかったこと、つまり「マタニティハイ」があるのではないかと言われています。赤ちゃんの存在は、それほどに大きな幸せを運ぶもの。
しかし、そんな可愛いわが子が「両親は大好きだけど、この名前だけはどうしても嫌!」と子供時代~思春期の大切な時期に名前のことで悩んだり、中には両親を裏切っているようで悩みを切り出せず自己嫌悪に陥ってしまったりするケースもあるのです。
親が子供のキラキラネームを改名する理由
我が子が生まれたときに幸せに包まれて選択した名前で子供が悩み苦しみ続けることがないように、過去の過ちを受け入れて改名を考える親もいます。
しかし、改名を決心したとはいえ、そんなに簡単に改名とはできるのでしょうか?以下では、子供のキラキラネームの改名を可能にする条件と方法について触れていきます。
キラキラネーム改名の方法は2種類!

本人の改名申請は15歳から可能。15歳未満の改名は親からの申請となります。
改名と言っても2種類あります。一つは、漢字の読み方を変える方法。そして、もう一つは漢字そのものから変える方法。
先に述べた「読み方を変える」という方法は、さほど難しくはありません。住民票を置く役所の窓口で「読み方の変更手続き」を行い、完了します。今後は、名前を書くときに読み方の欄に変更後の読みを記載するだけです。もともと、キラキラネームは読みの音と漢字を無理やり組み合わせた当て字である場合が多く、漢字に問題がない場合は読み方を変更する方法をとれば問題を容易に解決できるかもしれません。
しかし、後者に述べた「漢字そのもの」に問題があるなど、根本から名前を変更したいなら、戸籍の登録を変更する必要があり、それに応じて相応の手続きと審判も必要となるのです。
戸籍を変更する改名には認めざるを得ない理由が必要
名前の改名については法律上、次のように定められていますので、改名には「正当な事由」というものが必要で、その事由が家庭裁判所で認められなければいけないということです。
正当な事由によつて名を変更しようとする者は、家庭裁判所の許可を得て、その旨を届け出なければならない。

ただ簡単に「嫌だから・恥ずかしいから・目立つから」という理由では「正当な事由」にはならないのです。
改名の「正当な事由」として認められた実例には以下のようなものがあります。
戸籍法の称える「正当な事由」の例
- 難解や難読な名前
- からかいや差別を助長するような名前
- 親族や近隣に同姓同名がいて生活上支障をきたす混乱が生じる場合
- 同姓同名の犯罪者または被疑者がおり風評被害をこうむっている場合
- 性別の変更により本人の外見と性別と名前が食い違い不便な場合
- 長年の「通称」を本名にしたい場合
- 出生届時に誤りがあった場合
改名の申請は家庭裁判所へ!

戸籍変更に関わる改名の理由と必要性がある場合、住民票のある家庭裁判所の許可を得て「申し立ての届け出」をします。家庭裁判所で…ということは、簡単な裁判が行われるイメージです。ここで、審判員を納得させれるような、それ相応の「正当な事由」が必要となるのです。そのほか、事務的に必要なものは以下です。
届出に必要なもの
- 名の変更許可申立書
- 申立人の戸籍謄本
- 収入印紙
- 切手
- 改名したい名前の使用実績証明書類
- 認印
- 身分証明
郵送・電話・出頭・面談という流れで審査が進み、期間は申し立てから結果まで大体1か月程度かかります。
命名より改名のほうが大変
人間、幸せすぎると、現実や周りが見えなくなってしまって失敗することも多々あります。「結婚より離婚のほうが、大変」とはよく聞きますが、キラキラネームも似たところがあるのかもしれません。改名の手続きは出生届を提出するよりもっと何倍も大変なことなのです。
しかし裁判所へ行くなど非日常なことで手続きも大変とはいうものの、名前が原因で子供が悩み精神的に苦痛を与え続ける訳にも行きません。今度こそは、今後の子供の人生を共に歩んでいく、素敵な名前にしたいものですね。