アクティブバースはどの体勢が一番楽?フリースタイル出産体験談
アクティブバースとは、出産陣痛が始まって入院してから産まれるまでの分娩第一期と第二期を、自由な体位で過ごすフリースタイルの分娩方法です。積極的にお産ができ、通常の分娩台での仰向けスタイルより楽で回復が早いと言われていますが、実際のところはどうなのでしょう?デメリットはないのでしょうか?
今回は、アクティブバースとは一体どのようなお産か、メリットとデメリット、安心できる病院選び、アクティブバースの楽な体勢の体験談をご紹介します。
アクティブバースとは
アクティブバースとは、産婦が自由に楽な体勢をとって、身体的にも精神的にも主体的に出産する積極的なお産の方法です。アクティブバースの概念は1980年代に日本に入ってきましたが、日本では古くから自宅出産が行われており、産婦は自然に楽な体勢を取ってきました。
現在でも助産院での出産は、基本的にアクティブバースとなります。アクティブバースはごく自然な分娩に近づけたお産ですので、出来る限り会陰切開などの医療介入はしません。
今では様々な医療行為を行える大きな病院の産科でもアクティブバースを導入していますが、リスクのある妊婦さんの場合はアクティブバースの受け入れを対象外とする病院もあります。
アクティブバースの体位
出産方法の種類によって体位は変わります。
妊娠中には腰痛がでる妊婦さんが多いのですが、腰痛がある場合は一般的なお産のスタイルである仰向けが結構辛いので、「アクティブバースだったから、腰が楽だった」という人もいます。アクティブバースでは基本的には次のような体勢をとることが多いです。
- 直立
- 軽くしゃがんだ立位
- 膝を45℃くらい曲げてしゃがむ立位
- 膝をついてしゃがむ立位
- 四つん這い
- ベッドや椅子など後ろに寄りかかる座位
- 仰向けに寝て膝を曲げる など(注1)
立ち合い出産の場合はベッドや椅子に寄りかかるのではなく、パパと正面で抱き合う体勢、椅子の背もたれのように後ろから支えてもらう体勢で産む人もいます。
アクティブバースのメリット
アクティブバースを病院でも取り入れるようになった最大のメリットは、リラックしてお産に臨めることです。基本的に分娩室への分娩直前の移動がありませんので、産婦さんにとってはラク。力み過ぎない自然な形での出産がしやすく、満足度も高いです。
本来、出産はごく自然なこと。医療行為により自由がきかないことは、女性の出産方法の選択への尊厳を奪っているという見方もあります。そのためWHOやUNICEFでは、リスクが低い場合はアクティブバースにより分娩体位を産婦に選択させることを勧告しています。
アクティブバースのデメリット
アクティブバースは極力自然なお産に近づける方法ですので、先程も触れたように医療介入を極力行いません。そのため、施設によっては万が一の際に処置が遅れるリスクが心配されます。
「楽だった!」という産婦が多いアクティブバースでも、普通分娩の方が楽だという人もいることを知っておきましょう。
フリースタイル出産は意外と大変でした
私がアクティブバースを体験したのは12年前。茨城県ひたちなか市のはやかわクリニックです。出産前に色々調べた結果、分娩台での出産は決して人間にとって自然なものではなくて、自由に動ける状態で出産する方が体に負担がないと知りました。
初めての出産で、どんな方法も経験がなかったので、アクティブバースに特別な不安は全く感じていませんでした。事前に学んだ範囲では、しゃがんで産むのが楽だということでしたので、私もそのしゃがんだ姿勢で産めたらいいなと思っていました。
実際出産が始まると、ひどい難産でした。陣痛開始から無事赤ちゃんが産まれるまでに52時間もかかりました。長時間だし陣痛は辛いしで、しゃがんだ姿勢なんてほとんど取れなかったです。結局背中から夫に支えてもらっている時間が一番長くて、姿勢としては分娩台と似たような格好だった気がします。
二人目の子は分娩台で産みました。長引きそうだったので、あまり長時間戦う前に吸引分娩してもらったこともあり、産後の体力的には圧倒的に2人目出産の時の方が楽でした。
アクティブバースは経験できてよかったとは思います。でももう私は体験したくないです。お母さんと赤ちゃんの状態によっては、アクティブバースが順調なこともあるのかと思います。アクティブバースにのぞむなら、経過を見ながら、重い場合は他の方法も臨機応変に考えて臨むと楽かと思います。
またフリースタイルの分娩となるため、自分がどのような体勢を取ればよいのか分からず、かえって混乱して落ち着いて出産できない産婦さんもいます。体位などを調べて事前準備をすることでこうした混乱は回避できますが、指示されたように動く方が安心な妊婦さんの場合は、一般的な分娩方法の方が楽だとも言われています。
心配な妊婦さんの安心できる病院選び
アクティブバースは基本的に低リスクの妊婦さんが行う分娩方法ですが、産院や病院によってはリスクがあっても受け入れています。そのため病院側からアクティブバースをすすめられても、心配になる妊婦さんもいるでしょう。
アクティブバースへの興味はあるもののリスクが心配な場合は、妊娠22週~生後7日までの母体及び新生児の命に関わる異常に対応できる周産期医療体制が整っている病院を選ぶとよいでしょう。危険な場合は即時切り替えて処置をしてもらえますので安心です。
また、どうしても助産院で産みたい場合は、周産期医療体制の整った病院と連携をとっている助産院を選ぶのがおすすめです。
一番楽だった体勢は?ママ達の体験談
アクティブバースで一番楽な体勢は、産婦さんによって違います。そのためアクティブバースの体験談を読んで、ある程度は楽と言われる体勢について知っておくと、本番のお産でも役に立ちます。人によってはバランスボールなどを準備しておくと役立つこともあります。
椅子にもたれかかる体勢
素晴らしい出産
神奈川縣にある湘南鎌倉総合病院です。自由な姿勢で産めるという事に魅力を感じました。不安が凄くありました。たくさんインターネットを調べたり、アクティブバースを体験したママ友にお話を聞いたりしました。
たくさん勉強して、どの体勢がベストなのか調べつくしました。たくさんの方法があったのですごく悩みました。たくさんの方法を自分で全て体験してみましたが、椅子にもたれかかる体勢が一番楽でした。
普通分娩よりもやはりアクティブバースの方が楽でした。産みやすかったです。アクティブバースで出産してよかったこととしては、出産は辛いというイメージがありますが辛いと感じませんでした。こうした体勢で産めるのは新鮮で出産する女性にはありがたい方法ではないかと思います。
成功させるコツは自分で調べたり、経験している人にどんな感じだったのか聞いたりすることだと思います。
自然なお産
大阪府の淀川キリスト教病院で、院内助産を利用してのアクティブバースでした。お産は病気ではないし、出来ればごく自然な形で出産したいと思っていました。幸い、妊娠中は母子ともに何の問題もなく順調だったので、不安もなくフリースタイルで出産することに決めました。
分娩室も分娩台にも違和感があって、怖くてすごく嫌でした。なので、分娩台に上がらず、椅子に楽に座った体勢でのアクティブバースのお蔭で、本当にリラックスしてお産が出来ました。
出産前は、色々と自分のスタイルで出産した人達の体験談を読んだりしていました。助産師さんも色々と教えて下さいましたし、参考になりました。家族に見守られて、ごく自然な形でお産が出来て、本当にリラックス出来ましたし、幸せな時間でした。
これからアクティブバースで出産を迎える方には、女性の本来持っている力を信じて、自分のスタイルで素敵なお産をして貰いたいです。
四つん這いの体勢
自分に無理のない楽な姿勢でお産できました
私がアクティブバースをしたのは岩手県にある産院でした。お産の際に行う会陰切開が怖いと感じたので、なるべく自然に産めるところを探しました。
産院やアクティブバースの体験談を聞くと、力を抜きながらのお産で痛みも和らぎ、とてもリラックスできるとの事だったので、不安より期待の方が大きかったです。アクティブバースについては、パンフレットや雑誌を読んだり体験談を聞いたりしてイメージできたので、専門的な内容の学習まではしませんでした。
腰痛持ちで、仰向けになる姿勢が辛かったので、椅子等に上半身をもたれかけた四つん這いの体勢がよかったです。分娩台は常に仰向けの姿勢になるので腰が辛く力も入れにくかったので、自由な姿勢でいられる分、圧倒的にアクティブバースの方が楽でした。
世間からはいろんなリスクもあると伺いますが、妊娠中は異常もなかったのでアクティブバースで出産できていい経験になったと感じます。これからアクティブバースを経験される方は、スタッフともよくよく相談し無理をせずお産に挑めたらと思います。
忘れられないお産になりました
私は愛知県みわレディースクリニックで、アクティブバースを体験しました。人生に数回しか経験できない出産という体験を忘れられない思い出にしたいと思い、ここでの出産を選びました。
友人も何人かここでの出産を経験していたし、定期健診の時に助産師さんとお話できる機会が何度かあって質問もできたので、特に不安はなくワクワクの方が大きかったです。どんな体勢で産んだら良いのか、病院でのパパママクラスなどで勉強できる機会はありました。
私の場合、1人目は仰向け、2人目は横向き、3人目は四つん這いで出産しましたが四つん這いでバランスボールに覆いかぶさって、腕を主人に支えてもらう体勢が一番いきみ逃しもしやすく、楽だったように思います。
主人と赤ちゃんと助産師さんとみんなで力を合わせて産んだ!っていう感じがとても良かったと思います。これからお産される方も是非ご主人に立ち会ってもらって一緒にお産してほしいです。ママにとってもご主人にとっても忘れられない経験となると思います。
予想以上にお産がスピーディーに終わった
2歳7ヶ月の娘をアクティブバースで出産しました。茨城県にある、ベビーヘルシー美蕾という素敵な助産院です。
ここは、もう80歳を越えるベテラン助産師さんが院長を務める助産院。若い頃は国際的に看護師として働かれたり、助産師学会の会長も務めたりといったご経験もあり。健診時も毎回30分くらいかけてコミュニケーションを取りながら診察してもらっていました。
当初は水中出産を希望していたのですが、最後の検査で水中がNGとなり、お部屋でアクティブバースになりました。臨月も近くなると、健診時にどういう体勢で息むかの練習も何パターンかしました。練習はやっぱり練習で(笑)、実際は全然そんな風にならず。
私はベッドに寄りかかりながら、膝立ちしてうーん!とするのが一番楽でした。診察が丁寧なので、先生を信頼でき、とても安心してお産に挑めて、何があっても大丈夫!と思えました。自分の好きな体勢で過ごせるので、変な場所に力が入ったり息みにくかったりという事もなく、助産院到着から2時間もかからずに出産、超安産でした。
本陣痛が来てから6時間もかかりませんでした。やっぱり診察の時に母子ともども、主人も含め、家族丸ごと診察してくれるスタイルが安心でき、子どもだけでなく、私も新たに生まれ変わったような、そんなお産でした。
そしてお産がいいと、また産みたい!となりますね。産むだけなら何人でも!と思っていますが育てるのが大変すぎて叶いません。
横向きの体勢
自由なスタイルはとても楽です
三児の母である私は、第一子を20代前半、その二年後に第二子、今年の一月に第三子を同じ産院で出産しています。第一子妊娠した当初は、特にアクティブバースを希望して産院を選んだわけではありませんでした。
里帰りを希望したので、茨城県にあるつくばセントラル病院という総合病院が偶然にもフリースタイル分娩だったという理由で、他に選択肢がなかったわけです。それについて特に不安には感じませんでした。
出産間近になり分娩時の希望を聞かれたので、自分なりに体勢なども調べましたが、第一子目の時は何も記入せずに、助産師さんに出産に対する不安だけを伝えて提出したのを覚えています。
第二子目の時は、これが最後の出産だと思い、余裕があればへその緒を切ってみたいと記入したら、出産を終えてすぐにはさみを持たせてくれ、へその緒を切りました。
第三子目の時には医療行為になるのでと断られましたが、最初で最後のとてもいい経験になったなと感じました。これもフリースタイルならではのメリットだと思います。
分娩体勢についても第一子、第二子目は横向きで、第三子目は自分で足を抱えて産みましたが、横向きが一番楽でした。
ママ友さんと意見交換する中で、フリースタイルはとても魅力的だと感じました。少しでも悩んでいる方なら、フリースタイルを選んで損はないと思います。ダメ元で無理そうなお願いでも希望してみるのもありだと思いますよ。
リラックスしてお産ができました!
私は福岡県の東野産婦人科医院でアクティブバースを体験しました。私がこのお産方法を選んだのは、友達に進められて興味を持ったからです。でもフリースタイルのお産ということで、最初はすごく不安がありました。
私はアクティブバースでのお産をすると決めてから、たくさんネットで調べました。話しを聞くと横を向いてのお産が良いという方が多く、立ってのお産は力が入って良いという方もいましたが、私は横向きの体勢が一番楽だと感じて横を向いてのお産となりました!
友達に進められた時は初産だし不安ですごく迷いましたが、次また出産することがあれば、またアクティブバースでのお産にしたいなと思っています!フリースタイルでのお産なので一人で大丈夫かと不安を持つ方が多いと思います!ですがすごくリラックスしてお産ができますし、自分の好きな体位でお産ができるので、悩まれている方にはぜひ体験して欲しいなと思います!
仰向けに寝て脚を立てる体勢
とっても軽いお産でした
私が出産したのは33歳の時です。香川県にある、ぼっこ助産院で出産しました。ある時、助産婦さんに密着するテレビ番組で、助産院の出産場面を見まして感銘を受けました。「私もアクティブバースにしよう!」と決心。県内の助産院を電話帳で調べて、在籍助産婦さんが5人いるという大きな助産院を見つけました。
主人と家族と一緒に見学に行き、話を聞き、お産をする部屋を見せてもらって決めました。近くに大学病院があり、産婦人科の先生と連携しているということでしたので、不安はありませんでした。
お産が近づくと助産院では身体をあたためるための足湯やたんぽぽ茶、ウォーキングなど、自然に赤ちゃんが徐々に下がってくる方法を教えて下さり、実践しました。見学した和室で布団の上でクッションに仰向けにもたれかかるイメージは出来ていました。
実際のお産では、布団が敷いてある見慣れた畳のお部屋で、そのまま出産になりました。途中陣痛に耐えている間は、横向けで寝て、主人が背中をさすってくれました。
到着後6時間で出産しました。想像していたとおり仰向けに寝て脚を立てた体勢でした。枕もとで主人が励ましてくれました。産湯にいれたあと、胸に抱かせてもらいました。感動的でした。想像していたお産よりもずっと楽でした。
自然分娩でアクティブバースをするには、健康管理、しっかり食べること、体重は気にしないで、あとは助産院の先生のアドバイスに従っていれば大丈夫だと思います。
分娩台も含めたフリースタイルになりました
2人の子供がいますが、2人とも大阪府の笠松産婦人科で産みました。アクティブバースであることを知っていて行ったわけではなく、近くの病院を選んだ結果のアクティブバースでした。
1人目出産前は、母親学級で体勢の説明等あったものの全くイメージがわかず、実際に出産に至るまで深く考えたことはありませんでした。当日は助産師さんと相談しつつ、その時ベストな体勢を探りながらお産が進んでいった印象があります。
1人目の時は分娩室に入ってからほぼずっと四つん這いの体勢だった記憶があります。分娩室での時間、楽な体勢をとれたと感じ、次もここにしようと思いました。
2人目の時は分娩室に入ってからが1人目の時より長く、四つん這いになったり横向きに寝そべったり助産師さんの助言のもと体勢を変えました。中々出て来ずにいる中、先生が登場、診察してもらうという事で分娩台に乗りました。
結果、このままいけると思うからという事で、分娩台でいきんでみることに。内心、フリースタイルじゃないの?と思っている間に、2人目は産まれて来ました。
後で助産師さんに「分娩台に乗った体勢が、骨盤が一番開く」と聞き、選択肢として分娩台も含めてのフリースタイルなんだなぁと納得しました。2人目は思いもよらない結果だったのですが、自が楽な体勢をとれて、消耗を防ぎつつ出産出来るのがフリースタイルの良さかと思います。