【新生児微笑の理由と変化】赤ちゃんが寝ながら笑うのはいつから?(笑わない時の不安も解消)
産まれたばかりの赤ちゃんが寝ている時にふと見せる微笑みは、「天使の微笑み」と呼ばれ、ママやパパにとって至福の瞬間ですよね。「うちの子はもう笑った!」と喜びを感じられた方も多いのではないでしょうか。この時期の赤ちゃんの微笑みは、「新生児微笑(生理的微笑)」と呼ばれています。この微笑みは、残念ながら「楽しい」といった感情からきているわけではありません。
今回は、寝ている赤ちゃんが笑う理由、新生児微笑と社会的微笑といった笑顔の変化、そして「うちの子は笑わない」と不安に感じるママ・パパのための情報をご紹介します。赤ちゃんの笑顔の成長ステップを理解して、コミュニケーションをさらに楽しみましょう。
産まれたばかりの赤ちゃんが笑う理由:新生児微笑(生理的微笑)とは
赤ちゃんがミルクを飲んだ後などに、口元がピクリと動いて笑っているように見えると、気持ちよく満たされているように感じますよね。しかし、産まれたばかりの赤ちゃんに見られるこの微笑みは、赤ちゃんの感情や意思とは関係なく起こる、神経反射のひとつだと考えられています。これを「新生児微笑」または「生理的微笑」と呼びます。
新生児微笑は反射で起こる
新生児微笑は、膝の下を叩くと足が跳ね上がる反射や、急な光に目を細める反射などと同じ、無意識の行動です。これは、中枢神経系が未熟なために起こるもので、特に睡眠中に多く見られます。
例えば、ミルクが胃に入って胃が膨らんだ刺激で、脳の一部が無意識に興奮し、それが顔面の筋肉に伝わって「笑い」のような動きとして現れるのです。「楽しいから笑っているわけではない」という事実は知っておくと、赤ちゃんの成長をより冷静に見守ることができます。
愛されるための本能説:天使の微笑み
新生児微笑には、遺伝子に組み込まれた大人に愛されるための本能だという説もあります。赤ちゃんが笑うことで、養育者であるママやパパが「可愛い」と感じ、愛情を注ぎ、大切に育てようとする本能を呼び起こすのです。この微笑みが「天使の微笑み」と呼ばれるのは、まさに赤ちゃんが愛される力を持っている証拠といえるでしょう。この新生児微笑は、人間だけでなく、チンパンジーの赤ちゃんなどにも見られることが報告されています。
このような無意識の微笑みは、赤ちゃんの心身が健康に育っていることを示すサインの一つでもあります。
赤ちゃんが寝ながら笑うのはいつから?睡眠中の笑顔の正体
赤ちゃんが寝ながら笑う「新生児微笑」は、産まれたばかりの新生児でも見られるといわれています。NICU(新生児集中治療管理室)の保育器の中にいる、予定日前に産まれた赤ちゃんにも見られることから、胎児のときから見られると考えている専門家もいます。
「新生児微笑」がいつまで見られるのかということにははっきりとした定義はありません。一般的には生後2ヶ月から3ヶ月頃まで見られることが多いですが、赤ちゃんの成長には個人差があります。この時期を過ぎると、意識的に笑う「社会的微笑」が優勢になってくるため、反射的な笑いは自然と減っていきます。
新生児微笑が多く見られるのはレム睡眠中
赤ちゃんが寝ている時に笑う様子は、レム睡眠のときによく見られます。レム睡眠とは、体が眠っていても脳が活動している「浅い眠り」のことで、赤ちゃんは大人に比べてこのレム睡眠の割合が非常に高いのが特徴です。
レム睡眠中は、脳が活発に動いて表情筋などに指令が送られるため、新生児微笑が起こりやすいと考えられています。寝ている赤ちゃんがまぶたの下で眼球を動かしていたり、呼吸が少し不規則になったりしている時は、レム睡眠のサインです。このような時に微笑みが見られたら、それは赤ちゃんが浅い眠りに入っている証拠だと理解してあげてください。
赤ちゃんの微笑みの変化:コミュニケーションの始まり
反射で笑う「新生児微笑」は、赤ちゃんの成長と共に、意志を持った笑顔へと変化していきます。これは、脳や視覚の発達と深く関連しています。
生後2ヶ月~3ヶ月頃始まる社会的微笑
赤ちゃんは生後2ヶ月~3ヶ月頃になると、特定の相手の笑いかけやあやす行動に対して、意図的に笑顔を見せるようになります。これを「社会的微笑」と言います。
新生児の時には視力が弱く、ママの顔もぼんやりとしか見えていませんでしたが、この頃になると視力が発達し、人の顔をぼんやりと認識できるようになります。そして、ママやパパの顔をじっと見つめ、話しかけられたりあやされたりすることに対して、初めて自分の意思でニッコリ笑い返してくれるようになります。
この社会的微笑は、赤ちゃんが周囲とコミュニケーションをとろうとしている明確なサインであり、親子の愛着形成にとても重要な役割を果たします。ママやパパが「可愛い!」と感じることで、さらに笑顔で接するようになり、赤ちゃんの社会性や情緒の発達を促す良い循環が生まれます。
社会的微笑が始まると、新生児微笑のような反射的な笑いは自然と減っていきます。
生後6ヶ月~7ヶ月で声を出して笑う
だいたい生後6ヶ月~7ヶ月頃には、赤ちゃんは声を出してケタケタと楽しそうに笑うようになります。この時期の笑いは、自分の感情や周囲の状況に対する反応がより豊かになった証拠です。音や動きに反応して、全身で喜びを表現するようになります。
赤ちゃんの笑顔に対して、ママやパパが笑顔で応えてあげることは、赤ちゃんのコミュニケーション能力を高め、情緒を育てる上で非常に大切なことです。この時期の赤ちゃんには、できるだけたくさんの笑顔を見せて話しかけ、積極的に関わってあげることが大切です。
赤ちゃんが笑わなくても大丈夫!大切なのは個性
「うちの子は他の子と比べてあまり笑わない」「寝ながら笑うばかりで、起きているときにはなかなか笑ってくれない」と、不安を感じるママやパパもいらっしゃるかもしれません。特に生後3ヶ月頃までは、新生児微笑しか見られない赤ちゃんも多くいます。
けれど、赤ちゃんの成長には大きな個人差があることを忘れないでください。よく笑う赤ちゃんもいれば、静かに微笑むだけの赤ちゃんもいます。笑うということ一つをとっても、赤ちゃんそれぞれ個性があるものです。
赤ちゃんの個性を受け止めて
様々なことにおいて、赤ちゃんの成長には個人差があります!あまり笑顔を見せないからと言って、決して「楽しくない」とか「機嫌が悪い」ということではありません。赤ちゃんの反応にあまり神経質にならず、いつもそばでたくさんの笑顔を赤ちゃんにみせてあげることが大切です。ママやパパの愛情は、必ず赤ちゃんに伝わっています。
赤ちゃんの笑いの発達が遅いと感じて心配な場合は、自己判断せずに、定期的な乳幼児健診の際に小児科医や保健師にご相談ください。専門家の視点で赤ちゃんの成長を見て安心感を得ることも大切です。
赤ちゃんの寝ながら笑う、笑わない体験談
A私を嫌い?と思ったのが嘘のよう!
我が家の長男が生まれた時のことです。私は比較的赤ちゃんや子どもには好かれるタイプだったので、自分の子どもにも好かれると思っていましたが、産まれたばかりの我が子は私にはちっとも笑ってくれず、寝ながら笑う顔ばかりを見て過ごし正直ショックでした。
生後2~3ヶ月頃は新生児微笑の時期なので仕方がないとわかっていたのですが、生後6ヶ月頃になっても、私が満面の笑みで接しているのに、満面の笑みで笑ってくれるのは旦那と一緒のときばかりで、私にはあまり笑ってくれませんでした。
「私のこと嫌いなのかな?」と泣きたい日々を過ごしていましたが、生後10ヶ月頃になり後追いやつかまり立ちができるようになると、突然マザコン息子に豹変しました!
それまで面倒を見てきた赤ちゃんは全員女の子だったせいか、性別によって愛情表現も違うのかな?とその時感じました。今ではパパと息子で私を取り合う日々です。
Aワザとじゃないの!?授乳後の新生児微笑
娘はマイペースで気が強い子で、上がおっとりした男の子だったせいか、産まれた時からなんだか意志の強さを感じ、私だけではなく主人も圧倒されています。そんな娘が産まれてすぐの新生児の時のことです。核家族で上の子もいたため、産後のお手伝いは義母に泊まり込みで1ヶ月お願いしていました。
前回出産で乳腺炎になったため、一定時間母乳を飲ませた後、搾乳して哺乳瓶で飲ませるようにしていましたが、その授乳は義母にお願いしていました。授乳が終わると私のところに義母が連れてくるのですが、娘は必ず義母を見てニヤリと笑うのです!
まるで「私を抱っこするのはこの人、あなたじゃないのよ」と義母に目でメッセージを送っているように見えました。主人にも話して二人で確認すると、何度もそういった様子が見られ、「怖すぎる…」と娘の迫力に夫婦で圧倒されていました。
今は、新生児微笑は寝ながら笑うだけでなく起きているときにもあることや、授乳でお腹いっぱいのタイミングだからこそ、娘は生理的反射で笑っていたのだと分かりましたが、「娘に悪かったね」とたまに主人と笑って話しています。