生後2ヶ月からはじまる予防接種~上手なスケジュールの立て方
生後2ヶ月になると、いよいよ赤ちゃんの予防接種がはじまります。これからの数ヶ月間は、予防接種ラッシュといっても過言ではないほど、毎月のように予防接種を受けなければなりません。
とにかく、種類と回数が多いので、事前に接種スケジュールを立てておかないと混乱してしまい、うっかり受け忘れてしまうことも…。
赤ちゃんをウイルスから守るためにも、予防接種についての知識を持ち、きちんとスケジュールを立てることが大事です。
ここでは、生後2ヶ月から始まる予防接種について、基礎知識や接種スケジュールを中心に解説。現在妊娠中のママや赤ちゃんが生まれたばかりのママは、ぜひ参考にしてください。
生後2か月の赤ちゃんの発達
はじめに、生後2ヶ月の赤ちゃんは、どのような発達段階にあるのかを確認していきましょう。生後2ヶ月になると、次のような発達が見られるようになります。
視力の発達
生まれたときは明るさを認識できる程度だった視力が、成長によりだんだんと見えるようになってきます。生後2ヶ月ごろになると、顔の近くにあるものを見て認識することができるようになります。
両目を使って上手に焦点を合わせることができるようになるので、自分の手を見つめるハンドリガードを始めたり、ママに声をかけられて、顔をじーっと見つめたりすることがあります。
また、色の区別もできるようになるのもこの時期。モノトーンで見えていたものが、赤や青など鮮やかな色の違いが分かるようになるので、カラフルなおもちゃを目の前で動かして見せると、関心を持つはずです。
手足の発達
生まれたばかりの頃は寝たままだった赤ちゃんも、徐々に手足をバタバタさせるようになります。中にはベッドの上でキックをして移動したり布団を蹴ったりと、ダイナミックな動きをすることも。
赤ちゃんは、これから寝返りやハイハイをするようになることから、手足をバタバタさせることによって、手足の動かし方を覚えるほか、筋肉を鍛える必要があるのです。
さらに、身近の物に興味を持ち始めるため、手や足を動かして楽しむようになるのもこの時期です。バタバタした時の音や空気が手に触れた時の感触など、些細なことでも赤ちゃんにとっては新鮮に感じられるのでしょう。
皮膚機能の発達
ママのお腹の中にいた頃は、羊水に守られていた赤ちゃんの皮膚は、生まれてから徐々に外の空気に慣れることで、冷たい空気に触れた時や、暑いと感じた時などにうまく反応できるようになります。
赤ちゃんの皮膚を鍛えるために、生後1ヶ月くらいからの外気浴が推奨されています。最初は家の中で窓を開けて外気に触れる程度ですが、生後2ヶ月くらいになると外に出て、20~30分程度の散歩ができるようになります。
外気浴は、生後3~4ヶ月健診でも確認される項目で、呼吸器の発達や生活リズムにも良い影響を与えますので、無理のない範囲で行うことを心がけましょう。
赤ちゃんが生後2か月から予防接種を受ける理由
赤ちゃんは、ママからもらった免疫が徐々に減ってしまうことから、生後6ヶ月くらいまでに、新たに予防接種で免疫を獲得しておく必要があります。そのため、生後2ヶ月から予防接種を受け始める必要があるのです。
生ワクチンは病原体を弱毒化して作られているのに対し、不活化ワクチンは病原体の毒性をなくしていることから、1回の予防接種では確実に免疫が得られないため、数回受ける必要があります。
一般的に不活化ワクチンは、1週間ほど間隔を空けるようにいわれていますが、安全性や免疫力を考慮すると、次のワクチン接種までに3週間以上はあけたほうがいいといえます。
特に、赤ちゃんが感染すると重篤化する恐れがある感染症については、受けられる時期になったらすぐに受けることが、赤ちゃんを守ることにつながります。
1歳までの予防接種スケジュール
0歳代で受ける予防接種の種類と時期、回数を知っておくと、スケジュール管理が楽になりますよ。ここで紹介する推奨スケジュールを参考に、予定を立ててみてください。
生後2ヶ月
- B型肝炎ワクチン:1回目
- ヒブワクチン:1回目
- 小児用肺炎球菌ワクチン:1回目
- ロタウイルスワクチン1価・5価:1回目
生後3ヶ月
- B型肝炎ワクチン:2回目
- ヒブワクチン:2回目
- 小児用肺炎球菌ワクチン:2回目
- ロタウイルスワクチン1価・5価:2回目
- 四種混合:1回目
生後4ヶ月
- ヒブワクチン:3回目
- 小児用肺炎球菌ワクチン:3回目
- ロタウイルスワクチン5価:3回目
- 四種混合:2回目
生後5ヶ月
- 四種混合:3回目
- BCGワクチン(1回接種)
生後8ヶ月
B型肝炎ワクチン:3回目
分からないことはかかりつけ医に相談しましょう
予防接種には、生ワクチンと不活化ワクチン、定期接種と任意接種、集団接種と個別接種など、さまざまな条件が絡むため、予定を立てるのが難しい場合は、かかりつけ医に相談して一緒に日程を考えてもらいましょう。ずらせない集団接種を軸にして、個別接種を組み入れていくとよいですよ。
赤ちゃんの予防接種について知っておくべきこと
はじめて予防接種を受ける場合、分からないことだらけで不安になりますよね。いざという時に慌てないため、ここでは予防接種について知っておくと便利な情報を分かりやすく解説します。
定期接種と任意接種
赤ちゃんが受けられる予防接種には、定期予防接種と任意予防接種があります。
定期接種は、重症化しやすい感染症や感染力が強く感染症を予防するために、予防接種法という法律で国が接種を推奨している予防接種のことです。決められた期間内なら、無料で受けられるのが大きな特徴です。
それに対して任意接種は、周囲への感染を考慮して、できるだけ受けたほうがいいとされている予防接種で、受けるかどうかは、保護者が決めることができます。定期接種と違って任意接種は有料です。
1回あたり5000円から1万円くらいかかりますが、もし感染した場合の医療費や親の負担を考えると、受けておいた方がいいといえます。
予防接種はどこで受けるの?
予防接種は、個別接種と集団接種で受ける場所が違います。
個別接種の場合は、小児科などの医療機関で受けるため、基本的に予約が必要です。副反応などが起こる可能性を考慮すると、赤ちゃんの健康状態を把握しているかかりつけ医で受けた方が安心なのではないでしょうか。
集団接種は、市町村が日時や場所を決めて行うもので、生後1カ月くらいになるとお知らせが届きますが、もし2ヶ月近くになっても連絡がない場合は、直接確認したほうがよいでしょう。
同時接種が推奨される理由
予防接種を受ける際、違う種類のワクチンを一度に接種する同時接種が広く行われています。
赤ちゃんは1歳までに15回以上の予防接種を受ける必要があり、1つずつ単独で予防接種を受けた場合、全てを受け終わるのに時間がかかってしまいます。
その間に、感染症にかかって重症化してしまうことを防ぐためには、1度に複数のワクチンを接種する同時接種が推奨されているのです。また、同時接種によって、うっかりと受け逃してしまうことを防ぐことにもつながります。
予防接種を受け忘れてしまったら
予防接種の受け忘れに気付いたら、できるだけ早めに受けた方がいいといえます。その時期に流行している感染症や、感染した場合に重篤化しやすい感染症の予防接種を優先的に受けるのがポイントです。
もし、スケジュールの立て方が分からない場合は、かかりつけ医に相談しましょう。
予防接種を受け忘れないために
予防接種スケジュールが一目で分かるカレンダーをネットでダウンロードするほか、接種スケジュールを教えてくれるアプリを使うと、受け忘れを防ぐことができます。
予防接種の副反応とは
予防接種を受けた後で、「感染症を予防する」という本来の目的と異なる反応が起こることを副反応といいます。初めての予防接種でママが一番気になるところですよね。
一番怖い副反応は、予防接種を受けた直後に起こるアナフィラキシーショックです。そのため、接種後30分は院内で様子をみる必要があります。
それに対して、時間が経ってから現れることの多い副反応は、発熱や接種した部分の腫れです。また、生ワクチンの予防接種を受けた場合は、そのウイルスに感染した際にみられるような軽度な異変が現れることもあります。
発熱が続く場合や、接種後の赤ちゃんの様子が気になる場合は、予防接種を受けた施設に相談してみるといいでしょう。
予防接種は生後2ヶ月になったらすぐに受けましょう
赤ちゃんの予防接種は、誕生日のきっかり2ヶ月後から受け始めるのがベストです。予防接種の対象となっている感染症は、感染すると重篤化しやすいため、できる早めに予防接種を受ける必要があります。
1ヶ月健診が終わったあたりを目安に、かかりつけの小児科を決めて、予約しておくといいでしょう。