クーイングはいつから? 赤ちゃんと上手におしゃべり方法
ママは、生まれてから泣き声でしか赤ちゃんの声を聞いたことがなかったのに、クーイングをするようになって、その成長に嬉しさを感じていることでしょう。しかし、赤ちゃんがクーイングをはじめると、「何を話しているのかな?」「ママに言いたいことがあるのかな?」など気になり、どのように反応すればいいのか迷ってしまうこともありますよね。
そこで、クーイングとはどのようなもので、いつからいつまで続くものなのか、クーイングに上手に答えるコツについてみていきましょう。ママが赤ちゃんのクーイングについての知識を身につけることは、赤ちゃんの言葉の発達や脳の発達を促すことにつながりますので、赤ちゃんのクーイングに上手に付き合っていきましょう。
クーイングとは
クーイングとは、「あー」「うー」「くー」のように、泣き声や叫び声とは異なる「声」を出すことで、赤ちゃんの発声の初めのステップです。ハトの鳴き声(coo)がその語源となっており、舌や唇を使わず、主にのどの奥で母音を発するのが特徴です。これは、赤ちゃんが何かを伝えたいという意思を伴わず、発声そのものを楽しんでいる状態、あるいは機嫌が良いときに出る声と言われています。
クーイングをしているときは、赤ちゃんがご機嫌なときであることが多いため、「プレジャーサイン」とも呼ばれます。クーイングの声の出し方は、大人の発声とは異なる、赤ちゃん特有の一時的なものです。今のうちにたっぷりと、赤ちゃんのかわいい声と、機嫌よく遊ぶ姿に癒されておきましょう。
クーイングはいつからいつまで
クーイングは、早くて生後1~2ヶ月頃に見られ始め、生後3ヶ月を過ぎる頃には、ほとんどの赤ちゃんに見られるようになります。そして、一般的に生後4〜6ヶ月頃になると、クーイングからステップアップして、喃語(なんご)と呼ばれる発声に移行していきます。喃語が始まるのに伴い、クーイングは徐々に聞かれなくなるのが一般的な流れです。
クーイングはいつ始まった?先輩ママの体験談
クーイングを始める時期には個人差もありますし、初めて耳にしたママはすぐにクーイングだと分かるのでしょうか。そこで、先輩ママが、最初に赤ちゃんのクーイングを耳にしたのはいつ頃なのか、そのときどのような声を発していたのか、体験談をみていきましょう。
生後1ヶ月半から「あー」
息子が生後1ヶ月半になると、寝ている時以外でも泣かない時間が増えてきました。ぼーっと1人で天井を見つめていたら、突然、「あー」「あっあっ」と息子の声が聞こえたので、びっくりして振り返りました。クーイングのことは前から知っていたので、すぐにクーイングと分かり、息子の成長をとても嬉しく思いました。息子がクーイングしている様子を動画で撮影したくて、すぐにカメラを構えました。でも、私がカメラを構えた途端に難しい顔になって、じーっとカメラを見つめて黙ってしまい、結局撮影できずじまいでした(泣)。今でも時々思い出しますが、クーイングをする期間はあっという間です。
生後2ヶ月で「うー」
生後2ヶ月になった頃、娘が「うー」と言うようになりました。クーイングのことを知らなかったので、最初はうなっているだけだと思っていました(笑)。ある日、インターネットで調べてみたら、これがクーイングだと分かりました。それからは、娘がクーイングするたびに、クーイングのオウム返しで話しかけるようにしていました。しばらくして、その様子を見ていた3歳の兄が、「うー」と返してみたところ、娘が「うー」とか「あー」とか返してくれるようになったんです。まるで兄妹だけの共通語でおしゃべりをしているようで、何ともほほえましく、母として本当にうれしくなったことを覚えています。
生後3ヶ月になる前頃に「えー」
息子が生後3ヶ月になる前頃から、「えー」「あー」と、どこから出しているのか分からないような不思議な声を上げるようになりました。クーイングのことはなんとなく知っていたのですが、詳しく調べてみたところ、鳩の鳴き声が語源になっていると知り、不思議な声なのも納得がいきました。でも、この不思議な声も2週間ほどで終わり、今度は少し違う声で、「バー」「マー」などと言うようになりました。ちょっと早いかなと思いましたが、これが喃語(なんご)だったようです。クーイングがレベルアップしたんですね。本当に嬉しかったです。そして、生後6ヶ月頃には、「まんまん」や「ばぶばぶ」などの、反復した音を発声するようになりました。赤ちゃんの成長って本当に早くて、おしゃべりし始めるのもすぐなんだろうなぁと思います。クーイングの時期は、ほんのわずかです。今クーイング真っ最中の赤ちゃんママは、この時だけの赤ちゃんの声を楽しんで欲しいです。
クーイングと喃語の違い
クーイングは、舌や唇を使わず「あー」「うー」などの母音を中心に発せられる発声です。これに対し、喃語は、唇や舌も活用し「ばーばー」「だーだー」「まんまん」のように子音と母音を組み合わせた発声を指します。
生後2~3ヶ月頃の赤ちゃんは、のどの奥と鼻が交わる部分のスペースがまだ狭いため、主に鼻に抜けるような音声であるクーイングしか出すことができません。喃語が出てくる背景には、聴こえの力や、唇、舌、のどなどを動かす口腔器官と聴覚機能の相互の発達が関係しています。
赤ちゃんののどのしくみ
新生児期の赤ちゃんが大人のように発声できないのは、のどの構造がまだ未発達であるためです。赤ちゃんの喉頭(こうとう)という部分は高い位置にあり、気管と食道が離れている構造になっています。この構造によって、鼻で息を吸いながら母乳を飲むことができるのですが、声を出すのには適しておらず、声が鼻から抜けて響きにくくなっています。
生後4ヶ月を過ぎる頃から、のどの構造が発達し、口から息と一緒にはっきりとした音を出せるようになります。これが喃語への移行期であり、最初は母音だけの音から始まり、「ばー」「まー」など子音も交ざっていきます。赤ちゃんはママやパパの発声を見聞きしながら発声のレベルアップを続け、やがて言葉らしい言葉を話すように成長していくのです。
赤ちゃんのクーイングへの上手な答え方
赤ちゃんのクーイングに対して、ママが無反応でいるよりも、上手に応答した方が、喃語への発達がスムーズになることが研究でも示唆されています。しかし、突然クーイングをはじめた赤ちゃんに対して、どう答えたら分からないママも多いかもしれません。難しく考えずに、次のような答え方で、赤ちゃんとコミュニケーションをとりましょう。
オウム返しにする
ただ単純に、赤ちゃんが「あぅー」と言ったら、同じように「あぅー」と返してあげるだけでもOKです。赤ちゃんは、自分が発する声にママが反応して返してくれることを喜び、これに応答しようとしてクーイングを繰り返します。このやり取りを通じて、言葉の発達の基礎やコミュニケーションの楽しさを知ることにつながります。
オウム返しは、誰にでもできる簡単なことです。家族みんなで実践し、この時だけの赤ちゃんとのおしゃべりを楽しみましょう。
抑揚を付けてゆっくり話しかける
赤ちゃんに話しかける時、無意識のうちに、普段話すときよりも声のトーンを上げて、抑揚をつけてゆっくりと話すようになりませんか?これは、老若男女、世界共通に見られる現象であり、マザリーズ(母親語、対乳児発話)と呼ばれます。赤ちゃんはマザリーズを好み、音が聞き取りやすくなるため、マザリーズは赤ちゃんの言葉の獲得や情動の発達に不可欠であると考えられています。
マザリーズは、赤ちゃんに言語や精神面で良い影響を与えるだけでなく、ママが赤ちゃんへの愛情を伝える手段でもあります。感情を込めてクーイングにマザリーズで返すことで、赤ちゃんとの愛着形成(絆)も深まります。
クーイングができたことを褒めてあげる
「上手にできたねー」「ご機嫌だねー」などと褒めてあげると、赤ちゃんは、「ママが反応して褒めてくれた」と嬉しい気分になって、積極的にクーイングをするようになります。ママが褒めてくれて嬉しいという気持ちが、これからのコミュニケーション能力をアップするモチベーションにもなりますので、沢山褒めてあげましょうね。
クーイングをしないのは何かの病気?
赤ちゃんの成長には個人差があるため、多少クーイングが遅れているからといって焦る必要はありません。早産や出産時の状態によって、発達具合も変わってくることがあります。クーイングをなかなかしない赤ちゃんには、普段から話しかけたり歌を歌ったりするなどのコミュニケーションを積極的にとってみるといいですよ。
クーイングの開始時期には個人差があり、クーイングをしないことが直ちに何かの病気のサインではないとされています。しかし、どうしても気になる場合や、日常生活の中で音のする方に顔を向けないなど、耳の聞こえに異常が感じられる場合は、定期健診の際やかかりつけの小児科医に相談してみましょう。