【赤ちゃんのうつぶせ寝対策】SIDSリスクを減らす安全対策と寝返り防止の対処法16選
生後4ヶ月前後から寝返りができるようになると、赤ちゃんの中にはうつぶせ寝が好きで、寝ているときや寝入りばなに自力でうつぶせの体勢になる子も少なくありません。
うつぶせ寝は、乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクが高くなると指摘されています。そのため、赤ちゃんが自力で仰向けに戻れない時期は、窒息しないか、SIDSが起こらないかと心配になり、何とか安全に寝かせたいと悩んでしまいますよね。
そこで今回は、うつぶせ寝のお子様を育てた先輩ママ16人に、どのように安全対策を行い、お子様の寝姿勢に対処したかを教えてもらいました。SIDS予防のための正しい知識と、具体的な対処法を参考にしてください。
Ⅰ. 赤ちゃんのうつぶせ寝とSIDS予防の基本
うつぶせ寝については、危険性ばかりがクローズアップされがちですが、赤ちゃんがよく寝てくれたり、頭の形が整いやすいといったメリットを指摘する意見もあります。しかし、乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクを高めることから、厚生労働省では、医学的な理由で医師から指示がある場合を除き、仰向け寝を推奨しています。
特に、生後2ヶ月から6ヶ月までの発症が多く、赤ちゃんが自力で寝返りを始めてから、自力で仰向けに戻れるようになる「寝返り返り」が完成するまでの期間は、特に注意が必要です。
「乳幼児突然死症候群(SIDS)」とは?
元気だった赤ちゃんが、睡眠中に突然亡くなってしまう原因不明の病気です。現在のところ、SIDSを確実に予防する方法は確立されていませんが、いくつかの要因がSIDSの発症率を高めることが指摘されています。その一つが「うつぶせ寝」であり、赤ちゃんの寝かせ方は仰向けが最も安全であるとされています。
Ⅱ. 先輩ママが実践!うつぶせ寝の具体的な対処法
赤ちゃんが一度うつぶせ寝の心地よさを知ってしまうと、仰向けに戻してもすぐに寝返りしてしまうことがあります。ここでは、先輩ママたちが実践した、赤ちゃんが仰向けで安心して眠りやすくなるための具体的な工夫をご紹介します。
Q赤ちゃんのうつぶせ寝の対処法を教えて!
【安心感を与える・生活習慣の工夫】
A寝る前安心させるのと散歩や運動が効いた!?
生後10ヶ月頃、川の字に添い寝をして子守唄を歌って寝かしつけていましたが、私のお腹の上でうつぶせ寝をしたがることが続きました。寝入りだけは諦めて背中をトントンして寝かせてあげたところ、安心したのか、その頃から寝てから布団に仰向けにしても、あまりうつぶせ寝にならなくなりました。
また、日中の運動不足だと動き回ると聞き、とにかく散歩には毎日出かけました。そのせいか、夜のうつぶせ寝はほぼなくなりました。日中の活動量を増やすことも、夜の寝つきや寝相の改善につながるようです。
A絵本が効いた?
うちの娘も6ヶ月頃に突然うつぶせ寝が大好きになりました。寝かしつけで、仰向けで絵本を読むことを習慣にしたら、知らない間にうつぶせ寝から仰向け寝に改善されていました。寝かしつけの姿勢を固定し、仰向けの状態に慣れさせることが大切だと感じました。
A長めのお風呂と抱いて寝かしつけるのがよかったのかな…
うつぶせ寝が多い時期があり、時期的に寒かったため、身体の芯が冷えているのではないかと考えました。普段より長めにお風呂で遊び、湯冷めしないように注意しつつすぐ寝かしつけるようにしました。
うちの子の場合、縦抱きにして抱っこしながら寝かしつけ、10~15分後にお布団に着地させますと、その日はぐっすり寝てくれました。寝る前の習慣として、体を温めてリラックスさせることも有効な対処法かもしれません。
A寝る前に歌をうたってあげる習慣が効いたのかな
うつぶせ寝をしていた時期があり、窒息しないか心配で夜中に何度も体制を直していました。5ヶ月頃から童謡などの歌を歌って寝かしつけるようになったところ、うつぶせ寝じゃないと寝ないという事が減りました。安心感を与えるルーティンが、すっと寝つけるきっかけになり、安心して眠れるようになったのだと思います。
【寝返りを一時的に防ぐための工夫】
これらの方法は、赤ちゃんが自力で仰向けに戻れない時期に、保護者が目の届く範囲で行う対処法です。ただし、クッションやタオルを多用すると、うつぶせになった際に顔を埋めてしまう危険性があるため、使用には細心の注意が必要です。
Aうつ伏せ防止のクッションが効果ありました
生後5ヶ月からうつ伏せで寝るようになったため、ネットで見つけた寝返り防止用のクッションを購入して使いました。寝返りができないので、息子が眠っている時は少し動き辛そうでしたが、うつ伏せにならなかったので、とても効果があったと思いました。安全性が確認された市販の寝返り防止グッズの利用は、子育ての負担軽減にもつながります。
Aあおむけで寝た状態で枕で挟むと直った。
寝かしつけの時に私がぴったりとくっつき、寝静まったころに子供の腰の両サイドに固めの枕を置いてはさんであげると、寝返りをせず仰向けのまま寝てくれるようになりました。固めの枕やクッションで物理的に寝返りを抑制する方法ですが、夜間は特に、赤ちゃんが自力で動けなくなる危険性がないか、頻繁に確認するようにしてください。
Aバスタオルでガード
上手くいったのはバスタオルで壁を作りガードした事です。バスタオルを丸めて紐で縛り、赤ちゃんの横に置きました。これなら横向きになる事はあっても、うつ伏せにはなりません。簡単に出来る方法なので是非試してみて下さい。
A必殺タオル挟み!
寝始めたら予め横向きにし、タオルで挟むようにしました。正確には横向きで腕と腕の間にタオルに抱き付くように置き、背中側にもタオルを置きます。そうすると、完全にうつぶせにならずにそのままの状態で寝てくれます。完全にうつぶせになる前の段階で姿勢を固定するのも有効です。
Aロシア式おくるみ
バスタオルなどでしっかり赤ちゃんをくるむおくるみを試しました。きっちり巻かれている事により安心感があるそうです。寝相の良さにもつながるのですが、大きくなってくるにつれておくるみも必要なくなってくるので、今度は両脇をタオルなどで固めてあげます。寝返りを始める前の時期なら、おくるみは寝返り対策として有効です。
A添い寝が安心でした
とにかく私にくっ付いて寝たい様でしたので、注意しながら新生児の段階で添い寝スタイルを取り入れる様にしました。添い寝は賛否ありますが、姿勢を変える必要なく寝かしつけられます。添い寝をしていると動くスペースも大してないので、うつ伏せ寝は防げました。添い寝から抜け出す時は横に布団などを丸めて置きました。
【深い眠りへの誘導と仰向けへの切り替え】
A寝る直前は仕方ない
私の娘も寝る時はどうしてもうつぶせになってしまい、仰向けで寝かそうとするとぐずってなかなか寝付いてくれません。今は諦めて寝付くまではうつぶせにし、熟睡した時に仰向けにかえるとそのままの態勢で寝てくれるようになりました。寝かしつけの儀式と、熟睡後の姿勢矯正を分けて行うことがポイントです。
A深い眠りに落ちてから、仰向けで寝かせました。
縦抱きで抱っこして眠らせ、深い眠りに入ったのを見計らって、仰向けで寝かせるようにしました。完全に深い眠りに入ると、体の力が抜けて重たくなった感じがするので分かります。一旦、深い眠りに入ってしまうと、うちの子は寝返りをあまり打たなかったので、たいていはこのまま仰向けで眠ってくれました。この方法を繰り返すうちに、うつぶせ寝をあまりしなくなりました。

Aお布団の上に寝かせてからの掛け布団がポイント
飲んでいる間に眠るので、お尻から置いて、ゆっくりと頭を下ろします。寝返りをしてうつ伏せにならないように、お布団をかけて、足は自由にさせて、上半身だけ少し巻きつけるようにお布団をかけるようにすると、寝返りを打てなくなるのでうつ伏せにもならないので、ママ友などにもオススメしています。ただし、重すぎる掛け布団は避け、寝返りを妨げるような強い固定は行わないように注意しましょう。
Ⅲ. SIDSのリスクを減らす!安全な寝床環境の整備6つの対策
赤ちゃんがうつぶせ寝を好む場合でも、最も大切なのはSIDSや窒息事故を防ぐための安全な寝床環境を整えることです。赤ちゃんの寝返りが心配でママやパパが寝不足になってしまうと、心身の負担も大きくなります。そうならないためにも、以下の6つの対策を必ず守りましょう。
SIDSを予防するための最重要ポイント
赤ちゃんが寝返りを覚えても、生後1歳になるまでは仰向けで寝かせましょう。自力で寝返りできるようになっても、寝ている間に仰向けに戻す必要はありませんが、寝床の安全性を最大限に高めることが重要です。
1敷布団は固めにしましょう
布団やマットレスは、固めのものを使用しましょう。アイロン台くらいの硬さが目安です。柔らかい布団だと、赤ちゃんの体が布団に沈んでしまって、口や鼻が塞がれる恐れがあります。また、柔らかい布団の上では、寝返りがしづらいので、赤ちゃんの寝返り返りを妨げる要因にもなりかねません。
2重い掛布団は使わない
掛布団が重いと、赤ちゃんが自由に動けず元に戻る動きが妨げられます。掛布団を使用する場合は、軽めの素材を選びましょう。寒い時期は、重い布団一枚よりも、ベストタイプのスリーパーを着せて軽めの布団をかけると、赤ちゃんも身動きがとりやすいのでおすすめです。
3ふわふわ素材のシーツや寝具は使わない
シーツは、ふわふわした素材や厚みのあるものは避けましょう。また、寝ている間にシーツがずれて、赤ちゃんの顔を覆うことがないように、ピンと張っておくことも大切です。赤ちゃんは口が小さいため、大人用の柔らかすぎる寝具を使うことで窒息してしまうこともあります。
4枕は使用しない
枕もまた、赤ちゃんの窒息の原因になりえますので、寝返りするようになったら使用はおすすめできません。赤ちゃんは枕がなくても、ぐっすりと寝てくれますし、動き始めると寝ている間に色々な方向に転がりますので、枕を置いておいてもその位置で寝てくれないことの方が多いですよ。
5寝る時の衣類はシンプルに
寝ている間に衣類がずれて赤ちゃんの顔を覆う可能性があります。以下のような洋服は避けましょう。寝るときは、肌触りが良くてシンプルな洋服がお勧めです。
- フード付きのもの
- 袖が長すぎるもの
- 袖口や襟元にボタンなど装飾がついているもの
- サイズが合っていない大きすぎるもの
6近くに余計なものを置かない
赤ちゃんの寝ている周辺にものを置いておくと、赤ちゃんの口や鼻を塞いでしまう可能性があります。赤ちゃんの寝ている周辺は、常に片づけておくように心がけましょう。特に、柔らかい素材で赤ちゃんの顔を覆いやすい以下のようなものは危険性が高いため、気を付けましょう。
- タオルやブランケット(寝具以外のもの)
- ぬいぐるみ
- おもちゃ(特に、柔らかい素材のもの)
- ビニール素材のもの
寝ている間の寝返りを一時的に防ぐ!寝返り防止グッズの活用
夜間など、赤ちゃんがうつぶせ寝をしないようずっと見ておくことが出来ない時期は、寝返り防止グッズの利用を検討するのも一つの方法です。ただし、寝返り防止グッズの使用は、SIDSの予防効果が医学的に証明されているわけではない点を理解しておきましょう。
市販の寝返り防止クッションには、色々なタイプのものがあります。両脇にガードがある簡単なものから、ママやパパとの添い寝時、大人が寝返りをしても赤ちゃんを下敷きにしないように守ってくれる添い寝用ガードのついたタイプのものもあります。ご家庭での使用頻度と使用スタイルにあわせて、選びましょう。
【注意点】 寝返り防止グッズを使用する場合は、赤ちゃんが自力で乗り越えてしまう高さや、窒息の恐れがないかを常に確認し、赤ちゃんの顔が埋まらないよう、細心の注意を払ってください。
手作りしよう!バスタオルを使った寝返り防止グッズの作り方
寝返り対策が必要なのは、ほんの一時だけです。そのために、わざわざグッズを買うのはもったいないという方は、バスタオルを使って作る簡単な寝返り防止グッズを作ってみませんか?
バスタオルを使った寝返り防止グッズの作り方
- バスタオルを縦三つ折りにする
- バスタオルを両側からくるくると巻いていく(丸太を作るイメージ)
- バスタオルの中心部を30cm程(赤ちゃんの体が入る幅)残したところでとめる
- バスタオルをひっくり返して、真ん中に赤ちゃんを仰向けで寝かせる
- 赤ちゃんの両脇が丸太のすぐ上に来るように位置を調節する
※タオルを丸める際は、ずれないようにしっかりと巻き込んでおき、丸太が柔らかすぎないように注意してください。
※使用時は、タオルが赤ちゃんの顔を覆わないか、頻繁に確認しましょう。
バスタオルを利用しているので、洗濯も簡単で衛生的です。また、赤ちゃんが急に寝返りをして、寝返り防止クッションの購入が間に合わなかった時などは即席で作れる点も魅力です。旅行先や実家に帰省している時にも、バスタオルさえあればすぐに作れるので、作り方を覚えておくと、いざという時に非常に便利ですよ。
A気がついたら仰向けに直してあげれば、そのうちに治りますよ
うちの子もうつぶせ寝が好きで、仰向けに寝せても気が付くとうつぶせになってしまうので、気がついたら仰向けに直していました。それを続けていたところ、成長とともに寝返りが始まると自分で姿勢を変えれるようになり、仰向けで寝ることに慣れていき、うつぶせ寝をしなくなりました。
とにかく柔らかい布団に寝かせないことと近くに枕やタオルは置かない、布団をかけすぎないことを守って、あまり神経質にならずに、仰向け寝の安全な環境を整えることが一番大切だと思います。

