パタハラに悩む男性が急増中:パタニティハラスメントの最新動向と実態
イクメンという言葉がすっかり定着し、育児に積極的に関わることを希望する男性が当たり前のように増えています。共働き世帯が多数派となった現代において、子供という夫婦の宝を二人で協力して育てていくのはごく自然な流れです。
しかし、そうしたパパたちの前向きな育児への意欲をくじくような「パタハラ(パタニティハラスメント)」が、いま職場の深刻な問題として顕在化しています。パタハラは、男性の仕事へのモチベーションを著しく低下させ、結果として家計に悪影響を与えるだけでなく、当事者の心や夫婦関係に消えない傷を残しかねません。
本記事では、男性の育児休業を取り巻く最新の法整備や取得率のデータから、深刻化するパタニティハラスメントの現状と問題点、そして実際のパパたちの悲痛な体験談や具体的な対処法までを詳しくご紹介していきます。
男性の育児休業取得率が急上昇する裏で立ちはだかる「パタハラの壁」
子供を産み育てるという大事業には多大な時間と労力がかかり、特に新生児期から乳児期にかけては親がつきっきりで面倒を見る必要があります。仕事を持っていれば長期の休みや柔軟な働き方を選択せざるを得ず、現在の日本の法律では男女ともに育児のために休業を取得する権利がしっかりと認められています。
最新データに見る女性と男性の育休取得率の現在地
女性は出産に伴う身体の回復のため産前・産後休業を取得し、そのまま続けて育児休業に入るのが一般的です。厚生労働省が発表した「令和5年度(2023年度)雇用均等基本調査」によると、女性の育児休業取得率は84.1%と、長年にわたり8割台の高い水準で推移しています(注1)。
一方、男性の育休取得率は歴史的に見ても非常に低く、平成の中頃までは1%にも満たない状況が続いていました。2014年度時点では2.30%にすぎず、「男性が育休を取るなんて珍しい」という時代でした。しかし、その後の度重なる法改正や社会の意識変化により、令和5年度の調査では男性の育児休業取得率が「30.1%」に達し、過去最高を大幅に更新しました(注1)。
わずか10年足らずで10倍以上に伸びており、「3人に1人の男性が育休を取る」時代に突入しています。とはいえ、女性の8割超と比較すればまだ半分以下であり、政府が掲げる「2025年に50%、2030年に85%」という目標にはまだ距離があるのが現状です。
2022年施行の「産後パパ育休」制度が追い風に
男性の育休取得を強力に後押ししたのが、2022年10月に施行された「産後パパ育休(出生時育児休業)」という新しい制度です。この制度は、通常の育児休業とは別に、子供の出生後8週間以内に最大4週間の休みを2回に分割して取得できる仕組みです。男性がより柔軟に、妻の産後の一番大変な時期をサポートしやすくなるよう設計されました。
| 制度の名称 | 産後パパ育休(出生時育児休業) | 通常の育児休業(パパの場合) |
| 対象期間 | 子の出生後8週間以内 | 原則として子が1歳になるまで |
| 取得可能日数 | 最大4週間(28日) | 産後パパ育休とは別に取得可能 |
| 分割取得 | 2回に分割可能(初めにまとめて申し出) | 2回に分割可能 |
| 休業中の就業 | 労使協定があれば一定範囲内で就業可能 | 原則として就業不可 |
さらに、企業側にも「育休を取得しやすい雇用環境の整備」や「本人や配偶者の妊娠・出産を申し出た従業員に対する、個別の制度周知・取得の意向確認」が法律で義務付けられました。これにより、「育休を取りたいと言い出せない」という心理的ハードルは以前より下がってきています。
それでも「育休を取りにくい」と感じる男性の本音
制度が整い、数字上は取得率が劇的に伸びているものの、現場の空気がそれに完全に追いついているわけではありません。厚生労働省の各種調査や民間のアンケートでは、依然として多くの男性が「育休を取得しづらい」「短時間勤務制度を利用しづらい」と感じている実態が浮き彫りになっています。
男性の育児休業は、数日から数週間という比較的短い期間での取得も多いため、一見すると長期間休む女性よりも職場への影響は軽微に思えます。しかし、「男性は仕事第一であるべき」「休むと評価や出世に響くのではないか」という不安を抱かせる空気が職場に蔓延していると、当事者は権利を行使することを躊躇してしまいます。そして、その不安を現実のものにしてしまうのが、職場でのパタニティハラスメントなのです。
そもそもパタハラとは?どのような行為を指すのか
現代のビジネスシーンでは、セクシャルハラスメント(セクハラ)、パワーハラスメント(パワハラ)、マタニティハラスメント(マタハラ)など、働く人の尊厳を傷つけ、職場環境を悪化させるさまざまなハラスメントが問題視され、法的な防止措置が義務付けられています。
パタニティハラスメントもその重大なハラスメントの一角を占めており、育児・介護休業法や男女雇用機会均等法等の枠組みのなかで、企業にはこれを防止する義務が課されています。
パタニティハラスメントの定義
パタニティハラスメントとは、英語で「父性」を意味するパタニティ(paternity)と「嫌がらせ」を意味するハラスメント(harassment)を組み合わせた造語です。略してパタハラと呼ばれます。
具体的には、男性従業員が育児参加のための制度(育児休業、短時間勤務、子の看護休暇など)を利用しようとすること、あるいは利用したことに対して、上司や同僚が嫌がらせをしたり、不当な取り扱いや嫌味を言ったりして就業環境を害する行為を指します。妊娠・出産・育児をする女性に向けられるマタハラの「男性版」と捉えると分かりやすいでしょう。
パタハラに該当する3つの典型的なパターン
厚生労働省の指針等をもとに分類すると、職場で起きるパタハラは大きく以下の3つのパターンに分けられます。
- 制度利用の妨害(解雇や不利益取扱いの示唆):「育休を取るなら辞めてもらう」「育休を取ったら次の評価は最低にするぞ」などと脅し、制度の利用を諦めさせる行為。
- 制度利用の拒否:要件を満たして育休や時短勤務を申請しているにもかかわらず、上司が「うちの部署では前例がないから認めない」と勝手に却下する行為。
- 状態への嫌がらせ(環境型ハラスメント):制度を利用したことや育児をしていることに対し、「男のくせに育児なんて」「お前が休むせいでこっちが迷惑している」などの嫌味や暴言を繰り返し、職場に居づらくさせる行為。
パタハラは単に不快な言葉を投げかけられるだけでなく、法律で保障された「育児や家事に積極的に関わろうとする男性の権利」を不当に侵害する重大なコンプライアンス違反です。
被害経験者は26%超?最新調査から見える深刻な実態
厚生労働省が発表した「令和2年度 職場のハラスメントに関する実態調査」によると、過去3年間に育児休業等の制度利用に関してハラスメントを経験した男性の割合は26.2%にのぼりました(注2)。つまり、育児のための制度を利用しようとした、あるいは利用した男性の4人に1人以上が、何らかの嫌がらせや不快な思いを経験していることになります。
さらに深刻なのは、ハラスメントを受けた後の行動です。同調査などによると、ハラスメントを受けたにもかかわらず「誰にも相談しなかった」「特に何もしなかった」と回答する割合が非常に高く、多くの男性が泣き寝入りして制度利用を諦めたり、無理をして働き続けたりしている実態が浮かび上がっています。男性の場合、「ハラスメントを受けている」と声を上げること自体が「男らしくない」「弱音を吐いている」と見なされるのではないかという恐怖感が、SOSを封じ込めてしまう要因になっています。
パタニティハラスメントが起きる根本的な原因
パタハラが引き起こされる最大の要因は、無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)と世代間の価値観のギャップです。
現在、管理職や経営層にいる中高年世代の多くは、「男は仕事、女は家庭」という性別役割分業が色濃く残る時代に、長時間労働をいとわず猛烈に働いてキャリアを築いてきました。一方、現在子育ての最前線にいる若手・中堅世代は、共働きが前提であり、夫婦で家事・育児を分担するのが当たり前という価値観を持っています。
この「自分が経験してきた働き方・子育て観」と「部下の求める働き方・子育て観」の決定的なズレが、ハラスメントの温床となります。「自分たちの時代は妻に任せきりでも何とかなった」「男が育児で休むなんて、仕事に対する責任感が足りない」といった古い価値観を悪気なく部下に押し付けてしまうのが、無自覚なパタハラ加害者の特徴です。
パタニティハラスメントがもたらす危険な影響
パタハラは、家族を持った男性、あるいはこれから持とうとする男性であれば、どんな職種・立場の人間にも起こり得るリスクです。直属の上司からの圧力は、今後のキャリアや給与に直結するため、部下の立場から「それはハラスメントです」と正面から反論するのは極めて困難です。
その結果、多くの男性は職場の空気を読んで育休や時短勤務の取得を諦め、自分自身の心身に無理を強いて仕事と家庭の両立を図ろうとします。過重労働と睡眠不足、そして「妻を助けられない」という罪悪感や「上司に理解されない」という孤立感が重なると、精神的な余裕が奪われていきます。
パタハラが引き起こす連鎖的な問題点
- 個人へのダメージ:過度な疲労やストレスの蓄積により、メンタルヘルス不調などの体調不良を招くおそれがある。
- キャリアへのダメージ:不当な人事評価により、給与の減額、望まない配置転換、最悪の場合は離職・退職に追い込まれる。
- 家族へのダメージ:パパが育児に参加できないことでママに「ワンオペ育児」の負担が集中し、夫婦間のすれ違いや産後クライシスの原因になる。
- 企業へのダメージ:優秀な人材の流出、コンプライアンス違反による企業イメージの失墜、法的トラブル(損害賠償請求)への発展。
とっても深刻:実際の体験談から見るパタハラの事例
男性にとって職場は生活基盤を支える重要な場所です。パタハラは、男性から育児に向き合う喜びを奪うだけでなく、上司や会社への信頼を根底から破壊し、仕事へのエンゲージメントを著しく低下させます。
ここで、実際にパパやママたちから寄せられた深刻なパタハラの体験談と、その背景にある問題点を詳しく見ていきましょう。
事例1「育児休暇は女がとるもの」と時間休を拒否される
我が家は上の子が15歳、下の子が5歳と年が離れています。普段は妻が子供の面倒を一手に引き受けてくれているのですが、上の子の受験の送り迎えで妻が手一杯だった日の夕方、下の子の通う保育園から「熱が出ました」と連絡がありました。
私の職場から保育園は歩いて10分、実家も近くにあります。妻と連絡が取れなかったため、上司に事情を話し、時間休をとって迎えに行き実家に預けたいと相談しました。すると上司は「育児休暇は女がとるためのものだ」「どうしても帰るなら、今日は一日休んだことにしろ」と言い放ちました。私の勤務時間は朝8時からで、その日は午後4時まで8時間しっかり働いていたにもかかわらず、結局「欠勤扱い」にされてしまったのです。
会社にはきちんとした育児支援制度があるはずですが、この上司の存在のせいで、私も他の男性社員も、制度をまともに利用できたためしがありません。
【解説と問題点】
これは典型的な「制度利用の妨害」と「不利益な取り扱い」です。子の看護休暇は時間単位で取得することが法律で認められており、すでに働いた時間分まで欠勤扱いにして給与をカットすることは労働基準法にも抵触しかねない違法性の高い行為です。「育児は女がするもの」という性別役割分担意識を理由に権利を剥奪するのは、明確なハラスメントに該当します。
事例2「専業主婦がいるのに男が休む必要はない」と一蹴
昨年結婚し、あと2ヶ月ほどで初めての子が生まれます。お互いの実家が遠方なので、産後は夫婦二人で協力して乗り切るつもりで、上司に育児休業の取得を相談しました。すると「奥さんがいるなら、お前が育児休暇を取る必要はない」と全く認めてくれません。
会社の就業規則では、配偶者の就労状況に関わらず男性側も育休を取れると規定されています。その旨を説明すると、今度は「子育てを一人でできないような女とは離婚した方がいい」と妻の悪口までネチネチと言い出す始末。酒の席では「あいつに悪い前例を作られると俺の管理能力が問われる」と愚痴っていたそうです。結局、波風を立てるのが怖くて育休は断念しました。
【解説と問題点】
以前は「配偶者が専業主婦等の場合は育休取得を拒むことができる」という労使協定の除外規定が存在しましたが、法改正により現在は廃止されています。妻が専業主婦であっても、夫が育休を取る権利は完全に保障されています。上司が独自の解釈で申請を拒否したり、家族を侮辱する暴言を吐いて申請を取り下げさせたりする行為は、法的な育児休業の申し出に対する明白なハラスメントです。
事例3時短勤務でもノルマ据え置き、深夜2時までのサービス残業
3歳と生後1ヶ月の男の子のママです。私が産後にひどいぎっくり腰になってしまい、子煩悩な夫が会社に短時間勤務を申請し、上の子の保育園の送迎を担ってくれることになりました。
ところが、上司が時短勤務を認める際に出した条件が「仕事のノルマは絶対に落とすな」というもの。勤務時間が短くなった分、日中だけでは当然仕事が終わりません。夫は子供に夕食を食べさせお風呂に入れた後、午後9時頃から会社に戻り、深夜2時頃まで仕事をして、仮眠を取ってまた朝8時に出勤する日々です。
しかも「時短勤務の申請中だから残業代は付けられない」と言われ、深夜労働はすべてタダ働き。夫は「妻の腰が治るまでの辛抱だから」と我慢してくれていますが、日に日に顔色が悪くなり、過労で倒れてしまわないか本当に心配です。
【解説と問題点】
短時間勤務制度を利用している労働者に対し、フルタイム時と全く同じ業務量や過酷なノルマを課し、終わらない分をサービス残業(無給労働)でカバーさせる行為は、時短勤務制度の趣旨を根底から覆す悪質な運用です。労働時間に応じた適正な業務量の見直しを行わないことは環境型ハラスメントにつながり、残業代の未払いは労働基準法違反となります。
パタハラ改善には「社会全体の意識改革」と「イクボス」の存在が不可欠
「男は仕事、女は家庭」という硬直した固定観念にいつまでも囚われていては、男性が育児の喜びを味わう機会を損失するだけでなく、働き盛りの貴重な人材が疲弊し、次世代の子供たちにも「子育ては孤独で辛いもの」という誤ったメッセージを与えてしまいます。
パタハラをなくし、男女とも堂々と育児と仕事を両立できる社会にするためには、制度を作るだけでなく、職場のカルチャーや一人ひとりの意識を根底から変えていくことが不可欠です。
企業に義務付けられた「ハラスメント防止措置」
現在、育児・介護休業法および男女雇用機会均等法において、企業はマタハラ・パタハラを防止するための措置を講じることが義務付けられています。相談窓口の設置、社員への研修の実施、ハラスメントを行った者への厳正な対処などを就業規則等に定め、周知しなければなりません。
パタハラを受けて我慢してしまう男性は「上司の期待に応えたい」「波風を立てたくない」という責任感や優しさがあるからこそ、自分の希望を押し殺してしまいます。しかし、一人で我慢しているだけでは職場の悪習は変わりません。同じ境遇の同僚たちと連携し、人事や労働組合などの公式なルートを通じて「これは法律で認められた権利である」と声を上げていく勇気も、ときには必要になります。
社員の仕事と生活の両立を支える新しいリーダー「イクボス」
社会全体で男性の育児参加を推進するなか、企業側も単に休暇制度を整えるだけでなく、「いかに現場で制度を利用しやすい雰囲気を作るか」という実践的な取り組みに力を入れています。その鍵となるのが「イクボス」の育成です。
イクボスとは?
NPO法人ファザーリング・ジャパンが提唱する新しいリーダー像。職場で共に働く部下・スタッフのワークライフバランス(仕事と生活の両立)を考慮し、その人のキャリアと人生を応援しながら、組織の業績結果もしっかりと出し、同時に自らも仕事と私生活を楽しむことができる上司(経営者・管理職)のことを指します。男性管理職に限らず女性管理職も含まれます。
男性の育児休業取得が進まない最大の障壁が「直属の上司の無理解」であるならば、その上司自身の意識を変えるアプローチが最も効果的です。イクボスの理念に賛同し、自社の管理職をイクボスへと育成していく企業ネットワーク「イクボス企業同盟」には、大手企業から地方の中小企業まで多数の組織が加盟しており、その数は年々拡大を続けています。
「うちの部署は忙しいから無理だ」と切り捨てるのではなく、「どうすれば業務をカバーし合いながら部下を休ませられるか」をチーム全体で考え、業務の属人化を解消していくのがイクボスの役割です。会社にイクボス宣言をしている上司や、理解のある管理職がいる場合は、一人で抱え込まずに積極的に相談を持ちかけてみましょう。
夫がパタハラを受けたとき、妻や家族はどう対処すべき?
パパが職場でパタハラに直面したとき、それは決して「夫だけの問題」ではありません。ママが安心して産後の身体を休め、笑顔で育児に向き合うためにはパパの力が必要ですし、パパから注がれる愛情は子供の健やかな成長にとってかけがえのないものです。
パタハラに悩む男性の多くは、家族への愛情と職場での責任感の板挟みになり、逃げ場のないストレスを抱え込んでしまいます。もし、パートナーが職場でパタハラを受けている、あるいは育休申請を理不尽に拒否されて落ち込んでいると知った場合、家族として次のようなステップでサポートしてあげてください。
1. まずは徹底的に話を聞き、一番の味方になる
「なぜもっと強く言い返してくれないの?」「どうしてもっと早く休む手はずを整えなかったの?」と、夫を責めるような言葉は絶対にNGです。夫自身が一番悔しく、不甲斐なさを感じています。
まずは「あなたは間違っていない」「家族のために動いてくれて本当にありがとう」と、相手の気持ちと立場を全面的に肯定し、受け止めてあげましょう。「会社よりもあなたが大事」というメッセージを伝えることが、傷ついた心を回復させる第一歩です。
2. 社内外の相談窓口の活用を一緒に検討する
上司との直接対決が難しい場合は、企業のコンプライアンス窓口や人事部への相談を検討します。中小企業などで社内の窓口が機能していない、あるいは相談すると上司に筒抜けになるリスクがある場合は、外部の公的な機関を頼るのが確実です。
各都道府県の労働局や労働基準監督署内に設置されている「総合労働相談コーナー」や、都道府県雇用環境・均等部(室)では、ハラスメントや育児休業の取得拒否に関する相談を無料で受け付けています。場合によっては、行政から企業に対する指導や助言を行ってくれることもあります。相談する際は、上司の発言を記録したメモやメール、就業規則のコピーなどの客観的な証拠を集めておくとスムーズです。
3. 心身の健康を最優先に、休息と栄養をサポート
パタハラによる精神的ストレスは、深刻なメンタルヘルスの悪化につながる恐れがあります。夫の顔色が悪い、食欲がない、よく眠れていないといったサインを見逃さないようにしましょう。
仕事と板挟みになって無理を重ねている時期は、あえて「今は家事も育児も最低限でいいから、とにかく少し寝て休んで」と休息を優先させることも大切です。栄養バランスの良い食事を用意し、夫婦でリラックスできる時間を意識的につくることで、疲労の蓄積を防いであげてください。
まとめ:夫婦で乗り越えるパタハラと、これからの新しい働き方
男性が育児休業を取得し、家庭にコミットすることは、少子化対策や女性の活躍推進といった社会的なテーマである以前に、「家族の幸せな土台をつくる」ための極めて個人的で大切な権利です。30%を超えた取得率が示す通り、社会の潮目は確実に変わりつつありますが、古い価値観によるパタニティハラスメントは未だ多くの職場で牙を剥いています。
もし理不尽なハラスメントに遭遇してしまったら、一人で抱え込まずに夫婦で事実を共有し、社内の人事部門や労働局の相談窓口など、使えるリソースをフル活用して対抗策を練りましょう。困難な状況を二人三脚で乗り越え、自分たちなりの「新しい働き方・育て方」を切り拓いていく経験は、その後の長い人生において夫婦の強い絆となるはずです。
参考文献
- 注1:厚生労働省「令和5年度雇用均等基本調査」
- 注2:厚生労働省「令和2年度職場のハラスメントに関する実態調査」
- 厚生労働省:育児・介護休業法について
- NPO法人ファザーリング・ジャパン「イクボスプロジェクト」
