【つわりのピーク】仕事をしながら乗り越える6つの方法
赤ちゃんがおなかに宿った喜びの後にやってくる「つわり」がピークに差し掛かると、大好きな仕事でも辞めたくなるほどつらくなることがあります。
ひどい嘔吐やひっきりなしの眠気、頭痛や倦怠感だけでなく、匂いに敏感になる、何かを食べ続けずにはいられなくなるなど、つわりの症状や現れる症状は個人差があり、症状の重さも人それぞれ違うのですが、50~90%の妊婦が何らかのつわりを経験しています。
そのため症状も程度も個人差があるからこそ、仕事をもっている女性の多くは「私も我慢しなくちゃ」と思って無理をしてしまいがちですが、仕事をしていて休みにくいからこそ、働く女性はつわりの時期を乗り越える為に上手に体を休める必要があるのです。
仕事をしながらつわりのピークを乗り越える6つの方法
つわりは一般的に妊娠4~6週前後の妊娠初期に現れる、主に胃の不快感や吐き気を伴う症状をいいますが、「女性なんだから当たり前」と油断をしていると、栄養障害や代謝障害を引き起こしかねません。
仕事中でも無理なく、周りの人間関係を大事にしながらつわりのピークの時期をやり過ごす方法について知っておきましょう。
1職場との連絡は密に
本人がどれだけ仕事に意欲を持っていても、ままならないのが妊娠です。そのため、仕事をもっていて妊娠が分かった場合には、早めに上司や職場に事情を話して、理解をしてもらいましょう。
子供を持っても仕事を続ける女性が増えているとはいえ、中には仕事と育児の両立がままならず突然職場を去る女性もまだまだ多くいるのが現実で、このデリケートな問題に頭を悩ませる男性上司は多いのです。仕事を続けるのかどうかの意思表示は、しっかりとしておくといいですよ。
報告の時期に決まりはないのですが、自分の担当する仕事の内容によって判断するといいですね。一般的に妊娠10週を職場報告の目安にするケースが多いようですが、つわりがひどい場合や当直勤務などの不規則な勤務形態の場合には、少し早めに報告をして職場でも妊娠をしていることを考慮してもらう必要が出てきます。
「妊娠は職場にとって嫌がられる」というマイナス思考ではなくて、お世話になっている人たちに「新しい命が生まれるおめでたい出来事があった」という意識で前向きに考えて、ぜひ早めの報告・相談を心掛けて下さいね
2通勤方法や時間などを調整
妊娠中は体に負担のかからない範囲で、仕事をしなくてはいけないのはもちろんですが、通勤時にも多くの負担が体にかかります。
特に朝の出勤は、人ごみの中を決まった時間までに移動をしなくてはならず、本人の自覚以上に疲労がたまりますし、つわりのピーク時には、人いきれの中で気分が悪くなってしまうこともよくあります。職場の理解を求めて、無理のない通勤時間帯を選べるようにお願いをしましょう。
特に電車通勤の場合は、ラッシュなどで赤ちゃんの生命にも危険が及びかねません。妊娠中に通勤緩和の措置をとることは、事業者側に義務付けられていますので、身体がつらいようであれば出社時間をおくらせてもらう時差出勤や、勤務時間を短縮してもらうなどの措置をとってもらうよう働きかけていきましょう。
3できる仕事は積極的に引き受ける
妊娠中は重い荷物を持ったり、長時間立ち続けたりするなど体に負担をかける仕事はできません。特につわりのひどい時などは、身体に負担がかからない事務仕事でも難しい場面も出てきて当然です。そんな時に「私ばっかり楽をさせてもらっている」なんて悲観的に考えるのはNG!
自分の体調の許す範囲で、積極的に仕事を引き受けていきましょう。本来自分がする仕事を人にやってもらうのではなく、体調にあわせて仕事の分担を交換したのだと考えた方が、気が楽になるはずです。妊娠中は体力を消耗することもあり眠気を感じることも多々あります。そんな時には、ちょっと立ち上がって他の人がするべきコピー仕事を手伝うのもリフレッシュになりますよ。
普段だったらしない仕事などを積極的に自分でみつけることは、後々の職場関係でもプラスになります。「子供を育てながら仕事をしたい」というアピールで評価が上がることも期待できますので、積極的に取り組んでいけるといいですね。
4休憩時間は極力体を休めましょう
仕事をしている女性にとって、周りを気にせずゆっくり休めるお昼時間は、とても貴重な休憩時間です。休憩時間は無理をせず、極力体を休めることを心掛けましょう。同僚とのランチなどは気分転換にもなりますが、つわりで具合が悪い時に無理に付き合う必要はありません。食の好みが変わる時期でもありますので、無理なく付き合っていきましょう。
妊娠中は事業者に休憩時間を増やしてもらうよう求めることもできますが、周りとの兼ね合いもあってなかなか難しい面もありますね。自分の体の調子にあわせて、そういった制度も使っていければよいですね。休憩の極意は、長さよりも質にあります。
ゆっくり休むためにできれば横になれるところが欲しいトコロですが、場所がなければ椅子を並べて楽な姿勢をとるなど、赤ちゃんのため、また元気に仕事をするためにも、良質な休憩をとることを心掛けて下さいね。
5症状に合わせたつわり対策をする
つわりの症状は人によって違いますから、自分のつわりの特徴を早いうちに知っておき、職場でも必要な対策がとれるようにしておきましょう。体を締め付けるようなスーツはつわりの時期には苦しいので、マタニティウェアなども職場に理解をしてもらい無理なく活用しましょう。
空腹時に吐き気がするのであれば、デスクでつまめるちょっとしたおやつを用意しておくといいですね。サッパリとしたレモン味の飴やタブレットは仕事中でも気兼ねなく口にできますし、頭痛や眠気を感じる時に気分転換ができるので、おススメですよ。
つわりがピークに達する時期は同僚が食べている昼食の匂いにも敏感になってしまいますが、鼻についてしまうようであれば一旦外に出るなどして、気分をリフレッシュしましょう。椅子があって休めるところ、鼻につく匂いや人目がなく、気兼ねなくゆっくり休める場所をいくつか見つけておくといいですね。
6定期検診はかかさず受けましょう
職場にとって迷惑なのは、計画的な出産・育児休暇ではなく、体調などを理由にした急な欠員です。つわりの時に無理をしないことはもちろんですが、きちんと定期検査を受けて、自分や赤ちゃんの状況を確認しておきましょう。
仕事をしていると周りの目を気にしてしまい、検診を先送りしてしまいがちですが、余計な気を使っていると逆に職場に迷惑をかけてしまう可能でもあるのです。今は病院での定期検査を受けるために妊婦が休暇をとることは職場でも認められていますので、つわりなどで具合が悪い時ほど検査はかかさず受けるよう心掛けて下さいね。
母性健康管理指導事項連絡カードを活用しましよう!
何事起きてほしくない妊娠期間ですが、体調が悪化して仕事を休まるざるを得ない時には、母性健康管理指導事項連絡カードを活用しましょう。
母性健康管理指導事項連絡カードとは?
母性健康管理指導事項連絡カードとは、定期検診の際に何らかの心配事があって、休養をとるよう医師から勧められた指導内容を事業者へ明確に伝えるために作られた書類です。これを活用することにより、私たちは労働時間の短縮や通院休暇などをスムーズに取得することができます。
どんな時に使うの?
母性健康管理指導事項連絡カードは必ずしも使わなくてはいけない書類ではありません。本来は自分の体の状況を自分で上司や同僚に説明して、休養をとることの理解を得る方が良いのですが、休むことを快く受け入れてもらえない場合や、繁忙期で休みが取りにくい時ってありますよね。
そんな時にはやっぱりお医者さんの一言があったほうが休みは取りやすくなりますので、悩まずに積極的に母性健
母性健康管理指導事項連絡カードを活用していきましょう。
母性健康管理指導事項連絡カードの書式は厚生労働省ホームページからダウンロードができますし、母子健康手帳にも様式が記載されていますので、それをコピーして使えばいいでしょう。わからないことがあれば、各都道府県の労働局雇用均等室へ問い合わせてみましょう。
母性健康管理指導事項連絡カードが使えるのは?
- つわりがひどく母体が疲労している場合
- 妊娠高血圧症候群で休養が必要な場合
- 妊娠の継続が困難な兆候が認められる場合 など
つわりのピークに仕事を休むのは仕方がない?
最近は『結婚し、妊娠しても仕事を辞めずに仕事と育児を両立させたい』と考える女性が増えて、またそれをバックアップする体制も整ってきました。しかし、つわりなどで仕事を休むことに対しては、「私ばかりが休んでは申し訳ない」という罪悪感を抱く女性が多いのが実情で、結果として無理をしてしまいがちです。
罪悪感を減らすにはアピールも大切
つわりの際などの休養だけでなく、出産・育児休暇に対しても罪悪感を抱いてしまうのは、あなたが責任感を持ち、同僚を大事にしている証拠ですが、過剰な罪悪感は体にとっても心にとっても良い影響はありません。妊娠をしてもできる範囲の仕事で成果を出すことで自分に自信をつけて、妊娠=職場の損失ではないことを周りにアピールしていくことで、罪悪感を減らしていければいいですね。
感謝の気持ちを言葉で伝えて!
つわりなどの体調悪化のために仕事を休むことは、法律で認められた女性の権利です。けれど、権利を振りかざして「仕事を休むのは当然だ」という態度でいれば、職場の上司や同僚からの協力を得ることはできません。
休むときには仕事を代わりに負担してくれる同僚達へ感謝の気持ちを、言葉で伝えていきましょう。
まわりの人が温かく受け入れてくれる環境を作っていけば、「休むこと=後ろ指をさされること」という意識も薄らいでいき、罪悪感も軽くなっていくはずです。
A声を出していくことも大事なことだと思います
仕事を始めて3年目で妊娠をしましたが、当時は職場に迷惑をかけたくなくて、つわりがひどくても吐き気をこらえながら仕事をしていました。
私の職場は、女性にも当直勤務がある男性の多い職場なので、妊娠前は「妊娠だなんだと休みをとって、女は気楽な身分だ」という男性の愚痴も聞かされてきましたし、先輩たちが妊娠中でも我慢して仕事をしている姿を見てきたので、「私ばかりが弱音を吐くわけにはいかない」と思い込んでいたんです。
でもやっぱり体がつらくて、仕事を辞めようかと悩んでいた時に、ある女の先輩から「無理をしていないか」と声をかけられ、我慢がきかず泣き出してしまいました。
先輩は私が泣くのに黙ってつきあってくれ、「休みをとらないことが良いことではなくて、しっかり仕事をする態度を周りは評価する。必要に応じて休んで、良い仕事の成果を出すことを考えなさい」と言ってくれて、私を休みのとりやすい事務中心の仕事に変えるよう働きかけてくれたり、休むことでイヤミをいわれた時にはかばってくれたりと何かと助けてもらい、つらい時期を乗り越えることができました。
聞けば先輩も、自分の頃は結婚をしたら女性は仕事を辞めるものと、風当たりが強くて休むことができなかったそうで、みんな大変なんだなと知っただけでも安心しましたし、我慢しないで誰かに悩みを相談したり、無理をしないで休むことが良い仕事にもつながると実感しました。
良好な職場関係を作ってつわりのピークを乗り越えましょう
妊娠や出産は女性の人生の中の大きなイベントですが、女性の育児は家族や、また職場の同僚などの社会の多くの人から支えられています。
女性が自立して仕事をしながら子供を育てていく環境はまだまだ厳しく、女性職員が妊寸することに対する対応も職場によってまちまちなのですが、つわりのピークなどのつらい時期を乗り越え、笑顔あふれる出産をするためには、ぜひ多くの上司、同僚からの協力を得る努力をしてくださいね。
職場で必要とされるためには、ある程度の努力と、成果を出すことが必要です。それ以上に円満な職場の人間関係を構築できるよう、日頃から周りの人と良好なコミュニケーションをとるよう心掛けて下さいね。職場に1人、何かあったら頼れる人を作っておくとベストですよ。積極的に周りの助けを借りて、無理をせずつわりの時期を乗り切ってくださいね。