家庭内別居・離婚しない夫婦に関する記事

『家庭内別居・あえて離婚を選ばない夫婦の形と子供への影響』

家庭内別居状態のまま離婚を選ばない、夫婦として破綻していても婚姻関係を継続する意味や子供への影響などは…?

マーミーTOP  >  夫婦・家族  >  家庭内別居・あえて離婚を選ばない夫婦の形と子供への影響

家庭内別居状態のまま離婚しない夫婦

どの夫婦にも起こりうる小さな不満やすれ違い、その都度話し合い、修復していればよかったのかも…と思っても、今となっては大きな溝へと変わりもう修復不可能。完全に心が離れてしまっているのに、一緒にいなければならないのは、とてもしんどいですよね。夫婦でいることに疲れてしまって、離婚を考えるのは自然な流れです。
しかし、離婚となると、生活費・養育費・慰謝料などの経済的な問題、子供の親権・遺産相続・介護・親族の事・世間体の問題、裁判などの法的問題等大きな壁がたくさんあります。

考えるだけでゾッと疲れてしまい離婚を諦めている方、頑張ってもどうしようもない問題があり仕方なく離婚を諦めた方、引き延ばしている方も多数だとか。そういった方々の選択肢が、「家庭内別居」や「家庭内離婚」という形を生み出しているようです。もう心は離れ、幸せな婚姻関係を築くことなどできず、しかし離婚に踏み切れない状況で、互いの利点や妥協点を話し合い、成り立っているのが現実だそうです。

なかなか離婚には踏み切れない…家庭内別居・家庭内離婚の定義とは

夫に小さな不満を募らせ離婚を考えたことのある既婚女性は、全体の7割もいらっしゃるそうです。しかし、実際離婚に踏み切るには、相当の労力と覚悟が必要。離婚となると法的にも世間的にもあからさまに公表され、親族・子供への影響を考えると、当事者だけの問題ではなくなってきます。なるべく、周りに迷惑を掛けず気づかれずというのが本心…というケースも少なくありません。

家庭内別居/家庭内離婚の定義

「家庭内別居」や「家庭内離婚」というのは、心が離れていて夫婦としての生活は破綻しているのに、一緒に暮らしている状態を指します。つまり、夫婦と言うよりはただの同居人という状態。ある意味、両者が同意していなければ成り立ちません。

「家庭内離婚」のレベルは、どれほどお互いを嫌っているかという心理的なものなので、個人差が大きく一概には言えないのですが、大まかな段階として、

  1. 口を利かない
  2. ケンカの度に起こりうる一番軽い状態だといえます。しかし、黙っているのは信頼しているからなのか、無関心だからなのか。夫婦それぞれによって大きく違いそうです。

  3. 互いを避ける
  4. 顔を合わせることにさえ嫌気がし、生活の時間帯をずらすことを意味します。例えば、片方が就寝してから帰宅したり、食事の時間をずらし個室で食べる等。極力お互い合わないようにしている状態。

  5. 互いの存在を無視する
  6. もう、嫌悪感もなくなるくらいどうでもいい存在に思えるようです。相手がどんな生活をしているのかさえ、知らないというケースも少なくありません。熟年夫婦が家庭内離婚状態だったため、相手が・亡くなっていることに気付かなかったという事例もあるようです。

このように、家庭内別居家庭内離婚状態とは離婚に踏み切れぬまま時間ばかりが過ぎ、なるべくしてなった夫婦の形のようです。

また、夫婦のどちらかが離婚を望んでいても、片方に認めてもらえず、やむ得なく同居している状態も家庭内別居状態とか家庭内離婚といいます。夫婦のどちらかが離婚を承諾しないのは、片方に愛情があるのか、世間体、子供の親権、相続、経済的・金銭的な問題なのか理由は多々あります。まして今まで専業主婦をしていれば、生活をしていくだけの経済力を身に着けることができるのか大きな不安要素です。

家庭内別居/家庭内離婚のメリット・デメリット

夫婦が離婚する段階として、離婚手続きの前に別居して離婚語の生活等に対するお互いの気持ちを確かめるという方法もあります。しかし、相手に離婚を承諾してもらえないからと言って、家を飛び出してもいい結果になりません。基本的に夫婦には「同居の義務」があり、「一方的な同居の解除は同居義務違反」として裁判になったとき不利になる可能性もあります。

また、別居した結果離婚を考え直したとしても、元通り幸せな夫婦に戻るというケースは、とても少ないのが実例です。別居を決めた時点で離婚への意思、心はほぼ決まっていると言っても過言ではないのでしょう。離婚・家庭内離婚・別居、どのスタイルをとるにしても夫婦での話し合いが必要です。しかし心が離れてしまった状態で、話し合いは難しくなってしまうのも事実。話し合いが出来るのならば、家庭内別居や家庭内離婚状態になってないですよね。

離婚時の問題点が、解消!家庭内別居&離婚のメリット

・世間体を守れる
・子供と一緒の環境を守れる。
・経済的生活の安定。
・戸籍上問題が無いので相続の権利は保てる。
・子供の養育費・教育費を支払わなくていい。

離婚ではないから、なんだかモヤモヤ…家庭内別居&離婚のデメリット

・毎日、顔を合わせなければいけない。
・居場所の確保
・恋愛・再婚できない。(法的に婚姻関係が続いているので)
・ストレスが大きい。
・子供への負担・心的ストレスが大きい。

夫婦の形は千差万別

夫婦も元は、他人様。全てを受け入れることは難しく、お互いに尊敬と思いやりが無ければ成り立ちません。そのことを双方が理解し、互いに努力しているかによって婚姻関係が続くとも言えます。仕事が忙しいのを理由に面倒なことに目を背けたり、「どうせ忙しんでしょ」と話し合うことを辞めてしまったり…しかし、すれ違ってしまう本当の気持ちは、もっと理解してほしいとお互い求めすぎている傾向にあるようです。良好な婚姻関係を続けるのは、難しいですね。 

それぞれの幸せの価値観

当人たちにとって良好な婚姻関係とは、世間と少しくらい違っていてもお互いが良ければOKとも言えます。例えば、世間や他人がどう言おうと、「鬼嫁」が好き、「亭主関白」が好きならば、当人にとって素敵な婚姻関係で問題ないでしょう。
それと同じように、残念ながら心が修復不可能なほど離れてしまったけれど、離婚という「別れ」を選ぶ以外にも、二人の新しい形として家庭内別居、家庭内離婚という「婚姻関係の継続」があってもいいのではないでしょうか?

家庭内別居や家庭内離婚を選択し、互いに干渉せず距離を保ちながら、心地よく過ごすという夫婦の形。他人様が見れば、変な婚姻関係でも、当人たちが、心地よく過ごせる環境を作ることが、あなた自身の幸せにつながるのでは、ありませんか?誰に見せるわけでも自慢する必要もないのですから。

子供は、どう見ている「家庭内別居/家庭内離婚」

しかし、夫婦に子供がいる場合はどんな状態を選んでも、二人の勝手では済まされません。
夫婦としての関係は、破綻していても「子供の親」ということは、永遠に変わらないので離婚に踏み切れない、子供への影響を考え成人するまでは、という方も多いことでしょう。お互い、慈しみ大切に育ててきた我が子との別れは避けたいものです。家庭内別居、家庭内離婚の場合、両者が一軒に存在しているので、さほど影響はないのでは無いか、と思われるかもしれませんが、決してそうではありません。

子供の年齢・性別・個人差によって大きく異なりますが、小さいから分からないだろうと子供を安易にとらえてはいけません。分からないながらも、不穏な空気は子供のストレスとなり、望まぬ状況に必死に対応しようとしているのです。何故、同じ家に居ながら、ご飯を一緒に食べないのか。なぜ、話さないのか。なぜ、こちらの部屋に入ってこないのか。子供たちは異様な空気をひしひしと感じ、不安でいっぱいです。そして、お父さんとお母さんのケンカは自分のせいなのではないか、どうするべきなのか、とても悩んでいるはずです。

家庭内別居&離婚が与える子供への負担

子供にとって非常にストレス値が高いこの状態は、もちろん健康的な心身の発育、心に大きな影響をあたえます。あえて家庭内別居や家庭内離婚という状態をつづけるのであれば、子供にもきちんと「今までの「家族」とは、違う形の「家族」になったのだ」と説明をしてあげなければいけません。

それは、子供にとっても親にとっても辛い話し合いでしょう。でもここを避けて通ることは、子供の存在を無視することにつも繋がります。夫婦だけで「家族」があるのではないからこそ、「家族」の一員である子供のことを第一に考えるべきです。

夫婦としての関係が破綻したことは子供に原因はないこと・あなた(子供)にとっての両親は変わりなく、2人とも大切に思っていること・今後どういった形での家庭になるのか…何となく気付いてはいても、はっきりと告げられるのは、怖いものです。子供が大きなショックを受けてしまう可能性は非常に高いですので、その後はしばらく注意し、しっかり見守りましょう。

優先すべきは、子供の心のケア

あまりのショックの大きさに、子供たちに現実逃避・おねしょ・夜泣き・チック症状・家出などの症状がみられることもあります。そこは、親としてしっかりと受け止めてあげてください。どんなことがあっても守っていくのだという決意が、子供に通じたとき必ず立ち上がることができます。親が子供を大切に思うように、子供にとっても両親はかけがえのない存在です。ただ、同じ家に存在していればいいというものではありません。

幼いうちは、特に母親を強く求め、ある年頃になれば、父親を求めます。どんなにお世話をしていなくても・構ってあげなくとも子供は求めるのです。今までの家庭が破綻し両親の心変わりをどう捉え、理解するでしょう。しかし、どんな時も子供と本音で向き合い、話し合い、思いを伝えることで時間がかかっても理解してくれることでしょう。

家庭内別居家庭内離婚が本当に意味することとは

2人で居ると、いいことばかり想像できたのに、今となっては嫌なことばかり考えてしまう。時の流れと共に人の感情も変わっていくことは、仕方ないけど、急にリセットできる程積み重ねてきた年月は簡単なものではなく、その上に現在の生活・自分が成り立っているというのが現実です。

互いの生活のスタンスを崩さず、継続できるところはそのまま。家庭内別居、家庭内離婚というネーミングは険悪なイメージですが、ある意味夫婦がたどりつく自然なかたちのひとつなのかもしれませんね。

この記事を書いたライター

木村さくら

自称「健康オタクで美容オタク」。最近自家栽培にハマってます。

おすすめの記事