再婚による養育費の増減に関する記事

【再婚時の養育費】事情の変更による支払いの有無と金額

【再婚時の養育費】事情の変更による支払いの有無と金額

自分の再婚と相手の再婚で養育費に違いがあるのでしょうか。再婚して養子縁組した場合や再婚相手と子供をもうけた場合などを解説。

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再婚した場合養育費の額は変更される可能性がある

青空と草原に隣り合う家

離婚後シングルマザーとして頑張っているあなたも素敵な出会いにより、再婚するかもしれません。同じように、相手が再婚するという事もあります。その時に気になるのは「養育費」がどうなるのか?ですよね。

離婚時に「公正証書」を作成したから、大丈夫!と思っていませんか?確かに、公正証書は、証明力を伴った法的にも効力の強い契約書ですが、それだけが「絶対」ではありません。妻が再婚する場合と夫が再婚する場合とそれぞれ比較して知っておくと、いざという時、困りません。

まず「養育費は、子供に支払われるもの」です。再婚したからと言って、親であるという事に変わりありません。しかし再婚を機に養育費の減額を求められるのは、民法880条に「扶養にかかる協議または審判があった後事情の変更が生じた時は、家庭裁判所は、その協議又は審判の変更又は取り消しをすることが出来る」と記されているからなのです。

妻が再婚した場合は養子縁組に注目

再婚相手と食事するシングルマザーの子供

養育費を受け取っている側の「妻の再婚」は、民法の定める「事情の変更」に当てはまります。よって、相手から養育費の減額を求められる可能性は大いにあり得るでしょう。
公正証書などで養育費について決めていても、再婚による「事情の変更」が認められ、養育費の金額の見直しがおこなわれることがあります。

再婚すると、子供と再婚相手は、養子縁組することが一般的な流れです。そうすることにより、法的に親子としての関係が認められ、心情的にも「親子になれた」という気持ちになります。しかし「養子縁組」が養育費を減額させる一つの要因となっているのです。

養子縁組をすることにより起こること

  1. 法的に「親子」と認められる。
  2. 「親」になることにより、再婚相手にも子供を扶養する義務が発生する
  3. 子供に、再婚相手の遺産相続の権利が発生する。

新しく家族としてスタートし、再婚相手に子供を養っていけるだけの経済力があるのならば、元夫は、養育費の減額を妻に請求することが出来ます。

再婚相手にも「子供を扶養する義務」があるので当然と言えます。減額の話し合いに応じる必要があるとしても、金額まで応じる必要はありません。養育費の金額については、この話し合いを通じて決めることが大切です。

夫が再婚した場合は経済的な理由が養育費の金額を左右する

子供と外の公園で遊ぶ母親

養育費を支払っている側の「夫の再婚」も場合により「事情の変更」に当てはまります。
夫の再婚は、「扶養人数の増加」を意味します。つまり「新しい家庭の生活費の負担」が増えるという事で、経済的に養育費の捻出が厳しくなれば、養育費の減額を申し出てくることも考えられます。

ここで「場合により」と付けたのは「経済的に困難であれば」という条件が付いてくるからです。収入の増額や遺産相続などの事情により、経済的に潤っているなら、再婚したからと言って養育費の減額は認められないでしょう。

妻の再婚と大きく違うのは「扶養人数の増加」は夫の意思によるものだからです。再婚相手との間に子供を設けるかどうか。妻側からみれば、全く身勝手な減額請求ですが、夫に経済的な事情が生じるのであれば、家庭裁判所の審判で減額が認められる可能性があります。

養育費に関して適当な対応をすると面会を拒否されるなどトラブルになる可能性がある

子供の養育費でトラブルに巻き込まれた母親

離婚しても親権を持った妻側と、養育費を支払う夫側の双方に、子供に対し扶養義務者であるという事は変わりません。第二の人生を新しいパートナーと共に過ごしたいという思いを妨げることは、誰にもできず、互いに十分理解しているでしょう。

しかし、夫の新しいパートナーとその子供の幸せの為に、我が子の養育費を削られるという事をすんなり受け入れることは、出来るでしょうか?

夫は、この心情をしっかりと受け止め、真摯に対応することが大切です。

  • 「払わない」のではなく「払えない」という事
  • 減額しても父親として最後まで養育費を支払う意思があるという事

この2点を妻に理解してもらわないと、離婚時に約束した「面会」を拒否されることもあり、子供からも見限られる可能性があります。

養育費の減額と増額

外で遠くを見つめる子供

再婚が「事情の変更」と認められ減額になることがあります。減額の幅は個々の事情が違うので、相場が「いくら」という事は難しいのですが、1/3くらいまで減額したケースもあります。しかし、その他「事情の変更」により増額を認められることもあります。

  • 再婚後の離婚(再びシングルマザーとなる)
  • 養育側の経済悪化
  • 子供の進学などに伴う教育費の増加

いずれにしろ状況が変われば都度、連絡・相談・話し合いの上で養育費の金額を決めましょう。忘れてはいけないことは「養育費は子供の為」にあるという事です。お互い別々の生活の中で自由になるお金が少ないと不満が貯まりますが、円滑な親子関係を継続していきたいと望むなら、互いに事情を考慮し譲り合いながら話すのが大切です。

養育費の変更は、必ず書面で残すこと

養育費の変更が、決まったら離婚時と同様に書面に残しましょう。養育費を「公正証書」で決めていた場合、再度「公正証書」に金額の変更に同意したという事を記しておきましょう。このように書面で残すことで、言った言わないのトラブルを回避する事ができます。

書面に残すことにより双方の同意を得た正式な書類となり養育費不払に陥ったときにも効力を発揮します。離婚相手の再婚による「事情の変更」はどちらにも起こりえることですが、優先して考えるのは「子供」のことです。子供のためにも養育費の変更を書面で残すことを忘れないでください。

この記事を書いたライター
木村さくら

木村さくら

自称「健康オタクで美容オタク」。最近自家栽培にハマってます。

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