産後クライシスとは一体何?原因と夫婦円満のための対策6つ
産後クライシスという言葉を聞いたことがありますか?
出産後多くの女性達がなることから、テレビなどでも取り上げられている産後クライシス。今や社会現象とまで言われるようになっています。
そんな産後クライシスですが、夫婦仲の良いうちに対策をとることで、産後のあなたの苦しみと共に回避できるのです。
「産後クライシス」とは何のこと?
産後クライシスとは、「出産後2年以内に夫婦の愛情が急激に冷める現象」のことです。愛情が冷めたことが原因で、離婚に発展する夫婦は年々増加しています。
厚生労働省が母子家庭を対象に行う調査によると、母子家庭になった時の子供の年齢は0~2歳が最も多く、全体の約3分の1を占めていました。この調査結果から、産後クライシスにより離婚に発展した夫婦が多いことがわかるでしょう。
どうして産後クライシスに陥ってしまうの?
産後クライシスの原因と考えられているものには、このようなものがあります。
1 夫に父親の自覚がない
里帰り出産の場合、父親の自覚が生まれる一番大切な時期(出産前後)を一緒に過ごせないため、帰宅後も夫に父親の自覚が芽生えないことが多いようです。
そのため「泣いてるよ」「手伝おうか?」「あっうんち!オレ無理」といった、父親としての責任感を感じられない言葉が出てきて、妻の愛情が徐々に薄れていくのです。
2 夫の育児参加不足
父親の自覚がない夫は、暇な時間を子供との触れ合いよりも自分の趣味にあてようとする傾向があります。さらに少し子供と遊んだだけで「俺イクメンだから!」と言い、妻と同じように育児に参加する責任があることを自覚していない夫に対して、妻は嫌気が差してきます。
子供のことは全て妻に任せ、寝る暇もない妻の横で趣味やテレビを楽しんだり、仕事だといって頻繁に飲み会やゴルフなどに出かけ、「俺は外で稼いでいるんだ」と言われたら…どんなに優しい奥さんでも「じゃあ代わって!」と怒りたくなります。
3 ホルモンバランスの変化
出産後は、女性ホルモンのバランスに大きな変化が起こります。
そのため母親はどうしても涙もろくなったり、イライラしやすくなったりと、情緒不安定になりやすくなります。
また女性ホルモンの働きで母性本能が強くなります。子供を守ろうとする気持ちが過剰に働くと、出産前なら許せたことが許せなくなり、夫に攻撃的になったり、嫌悪感を感じたりすることもあります。
4 イクメンブームへの妻の焦り
近年のイクメンブームで、妻たちはよその夫のパパぶりを知り、「いいな~」と羨ましがると同時に、自分の夫と比較して不満を募らせています。
また、イクメンブームで夫が料理を作り、盛大に汚して後片付けをしなかったり、子供と遊ぶだけで家事をしないなど、美味しいとこ取りをされることも、妻が苛立ちを募らせる原因の1つです。
5 妻の育児疲れ
小さい子供がいるとママは睡眠不足になりがちです。そして以前なら許せていたことも、受け入れる余裕がなくなります。
そのため、「眠い→夫に不満→その口調に夫が不満→そんな夫に不満」という負のスパイラルに陥ってしまうのです。
6 夫婦間のコミュニケーション不足
結婚、出産と家族を手に入れた男性は、安心感から妻をねぎらう気持ちを表現しなくなる傾向があります。妻の話しをうっとうしがって上の空で聞くことも…。
そのうち妻もそんな夫の態度に愛想をつかし、必要以上に話をしなり、徐々に心の溝が深まっていきます。
7 妻のライフスタイルの変化
専業主婦になった妻の場合、出産前は毎日仕事に出かけ、外では色々な人とのコミュニケーションがある生活だったのに、産後は毎日家の中で子供と二人きりの生活です。このライフスタイルの変化が、妻にとって大きなストレスとなる場合もあります。
他人とのコミュニケーションが格段に減って「どうして私ばかり…」とストレスが溜まり、そのストレスの矛先が夫に向けられ、夫婦間がギクシャクしてしまうことがあります。
産後クライシスを打破する6つの対策!
1 夫に「産後クライシス」を理解してもらう
産後クライシスというものがある、ということを出産前に夫にも理解しておいてもらいましょう!そして出産後のお互いの家事や育児の役割分担をしっかりと決めておきましょう。
既に出産した女性は、産後クライシスを取り扱ったテレビやネットを見てもらう・話し合いをして理解してもらうといったことからスタートし、パパとしての自覚を持ってもらい、徐々に夫の役割を増やしていましょう。
2 日頃からコミュニケーションをしっかりとる
お互いの気持ちを理解し合えれば、産後クライシスなんて怖くありません!コミュニケーションを増やすように心がけましょう。
また、夫の様子をよく観察し、少しでも育児や家事を手伝ってくれるときには、たとえ上手くできなくても労いの言葉かけましょう。
「なんでやってくれないの!」などの不満ではなく、「眠くてフラフラなの!ちょっと休ませて」などと、自分の本心を素直に伝えるように心掛けましょう。
3 70点で夫をねぎらい、褒める
夫が手伝おうとする気持ちに感謝し、褒めたりお礼を言うようにしましょう!中途半端な仕事しかできなくても、正しいやり方を優しく指導し、できるだけ褒めて伸ばしましょう!
子供への教育の予行演習だと思い優しく指導することで、お手伝いしてくれる量が徐々に増え、生活が楽になり、心から夫に感謝できるようになります。
4 子育ての協力者を見付ける
実家や自治体による子育て支援など、夫以外の子育て協力者を確保しておきましょう。あなたが上手に息抜き出来る環境があれば、育児ストレスを大幅に減らすことが出来ます。
自分の両親が近隣にいない場合は、公的な子育て支援サービスを探してみると良いでしょう。主なものに「ファミリーサポートセンター」などがあります。
「自分一人で」と抱えこまないようにすることが大切です。
5 夫を他人と比較しない
イクメンや友達の旦那などの他人と自分の旦那の比較はやめましょう!初めからのイクメンなんてほとんどいません。妻の上手な教育があってのイクメンというケースが多いのです。
夫には夫のいいところがあって、そこを好きになったことを忘れずにいた方が、産後クライシスは軽減されますよ。
6 産後の体が大変なことを自覚する
出産後はホルモンの量とバランスが著しく崩れます。ホルモンは人の体と心に大きく影響を与えます。こういったホルモンバランスの問題や睡眠不足、出産の傷を抱えたまま、ママ達は育児をしているのです。
自分の体が大変であることを自覚し、そのため今は夫の行動を許せないのだと冷静に理解しましょう。時間と共に体力が回復すれば、夫に対する嫌悪感も薄れます。