専業主婦が離婚する前に準備しておくべき11のこと
近年、離婚をする夫婦が増えています。ところが専業主婦の女性は、離婚を考えたとしても経済的リスクを考えるとなかなか決断ができず、夫婦を継続しているという方も多いようです。離婚にはたくさんのリスクがありますし、特に大きな問題となるのが親権とお金ですよね。
離婚するとなると就職や引越し先の準備だけでなく、子供がいれば親権の問題や自立に向けてやるべきことがたくさんあります。本気で離婚を考えだしてから、2~3年かけて準備して離婚が成立し、シングル生活を楽しんでいる人もいます。まずは、専業主婦が本気で離婚を考えるとき準備するべき11のことチェックしてみましょう。
専業主婦が離婚前にやっておくべき11のこと!
専業主婦が離婚をすると、もらえるお金もあれば、出ていくお金もあります。そして就職、住居、子供の親権や養育のことなど、やっておくことがたくさんあります。
1離婚調停や引越しの費用をまとめる
お互いの同意のもとスムーズに離婚となればいいのですが、離婚調停となる場合もあります。離婚調停を弁護士に依頼するなら、その分の費用がかかります。
そして離婚となれば別居するための費用が必要です。実家に戻れず賃貸物件を借りる場合は、敷金・礼金など各経費がかかります。別居して離婚が成立するまでにかなりの金額を使ってしまうことを、まずは把握しておきましょう。
2離婚後に必要な費用を計算しておく
離婚後の生活にかかる費用を計算しておきましょう。離婚後に就職して稼げるお金と、夫からもらえるお金、諸手当の合計で、生活費がまかなえるかどうかを計算することは大切です。不足するようだと、離婚後に生活保護を申請し、とても厳しい生活になることは必至です。
浮気や暴力など相手側に責任がある場合でも、相手に貯金がない場合は慰謝料を請求しても支払えない、養育費の支払いに応じない父親もいます。そのため離婚前にあなたがへそくりを溜めておくことも大切です。生活費を計算しておくことで、へそくり金額の目安にもなりますよね。
3別居後に夫からもらえるお金を確認する
離婚前に別居した時の生活費を夫に請求することができます。もらえる金額は双方の話し合いですが、上手くいかない場合は調停で調停委員を含めて話し合って決めます。また、調停での話し合いが上手くいかない場合には、裁判官が金額を決定します。
婚姻費用は請求した時からもらえますので、別居したらすぐに請求するようにしましょう。さかのぼってもらうことや、請求した人に離婚に至る問題があった場合は請求できません!
婚姻費用分担請求
離婚前に別居した場合、まだ就職していなければ夫は妻を養う義務があります!離婚成立前から別居を望む方は、この制度を利用するとよいでしょう
4財産分与について知っておく
結婚後に夫婦間で得たすべての財産を、半分もらうことができます。そのため、熟年離婚を考える女性は夫の退職金が出たあとに離婚を切り出すケースが多いようです。夫の稼いだお金であっても、その夫を支えた妻も、半分の財産を得ることができるのです。
専業主婦の仕事を月給にすると40万~45万円とも言われています。財産分与は専業主婦の報酬として当然なのかもしれません。ただ、夫婦間にそれほど財産がない場合もあるでしょう。あらかじめ夫にどれだけ財産があるのか調べておきましょう。
<財産分与の例>
- 現金(預貯金)
- 不動産
- 年金
- 退職金
- 家具や家電など
厚生年金の分割請求
あまり知られていないのですが、夫婦で納めてきた厚生年金保険料の一部をもらえる制度があります!原則、離婚後2年間しか請求できないので期間に注意してください。詳しくは年金を納めている組合や協会などの、相談窓口で聞いてみるといいでしょう
5慰謝料がもらえるかどうか
慰謝料ってどれだけもらえるのでしょうか?夫から受けた精神的・体力的な苦痛に対して請求できるものですが、金額に定めはありません。お互いの話し合いで取りきめるときは、裁判例でよく挙げられる相場の金額を払うことが多いようです。
この場合、取り決めの内容をきちんと書面などで残しておきましょう。後にトラブルとなったときに有効です。話し合いでまとまらないときは、訴訟して解決する方法もあります。
慰謝料がもらえることが多い例
- 夫が浮気・不倫をした
- 夫から暴力やモラハラを受けていた
- 夫から生活費をもらえなかった など
6離婚後にもらえる手当について調べておく
離婚後、女性が一人で生きていくためには情報収集も大切です。今は、市役所ホームページで情報を得ることもできますから、調べておきましょう。また、母子家庭に対する助成金や、公共料金の割引サービス、シングルマザーへの支援、生活保護のことなどもチェックしてみましょう。
7離婚後の住居を確保する
小さな子供をもつ女性なら実家に戻る方も多いでしょうが、実家に住めない方は住居を確保しなければなりません。子供がいれば、学校の場所や放課後の預け先なども考えて物件を探しましょう。
8親権について知っておく
よくドラマなどでは、専業主婦は経済的な問題で夫に親権を奪われるというシーンがありますね。しかし実際は、子供が小さいうちは母親が親権を取るケースが多いそうです。
ただし、母親の虐待などが発覚したり、子供にとって相当の悪条件があったりする場合は、父親が親権を取ることもあるそうです。
9養育費について把握しよう
離婚前と同様に子供が健やかに育ち、学ぶ環境が維持できるためには養育費の請求が必要です。もし妻側の不貞によって離婚をし、妻が親権を持ったとしても、養育費は夫から支払われます。
養育費については、話し合いで決めることもできますが、夫婦間の約束だけでは支払いが途中で滞ったときに困ってしまいますので、だいたいの人は家庭裁判所による《養育費算定表》を基に決めているようです。もし、養育費の支払いが途中でストップされてしまったときは、夫の給料や貯金を差し押さえる手段もあるそうです。その状況になったときは弁護士さんに相談されるといいでしょう。
養育に必要な費用
- 子供の住居、食費、生活に必要なもの
- 大学までの教育費 (塾の月謝や部活の費用なども含む)
- 医療費
10就職先を決める
離婚後、夫からもらえる慰謝料などがあるからといって油断禁物です。そういうお金はあっという間になくなってしまうと考えたほうがいいでしょう。だからといて、専業主婦の女性がいきなりフルタイムで働き始めると、最初はとても大変だと思います。離婚を決意する前に短期間のパートに出て、体を慣らしておくといいでしょう。
そして、離婚後は夫からもらうお金+手当+自分の給料だけで生活ができるようにすることが大切です。求人広告や就職案内雑誌での仕事探しもいいですが、企業にはシングルマザーを採用することで、国からの補助金がでる制度がありますので、それを活用している企業をハローワークに仲介してもらうのも一つの方法です。
11自分だけの通帳にへそくり貯めておく
離婚をする、しないに限らず、妻のへそくりは必要なものかもしれません。いざ離婚の意思が固まった時にまとまったお金がないと身動きがとれませんよね。
専業主婦の離婚後は厳しい?
専業主婦が今の安定した生活を捨ててまで離婚を決意するということは、相当な意思と覚悟が必要です。離婚をしたあとにも長い人生が待っています。「離婚しなければ良かった」なんて後悔しないように、お金の面も含めてライフプランを立ててみましょう
元々、すぐに社会復帰できるような資格や役立つ技術があれば、仕事や生活の見通しもたつでしょう。しかし、一般の専業主婦は安易に離婚を考えると後悔する場合もあります。またその逆に、のびのびと第二の人生を楽しんでいる人もいます。その人の持つスキルや実家の環境などによって左右されますが、離婚の意志が固いようなら、準備するべきことを確実におさえておきましょう。
参考文献