転勤族は子供の性格が歪む?悪影響?単身赴任に切り替える時期
パパが転勤族というご家庭では、転勤族ならではの悩みがあるものです。特に転勤に伴う子供への影響は大きく、人格形成になんらかの影響を及ぼすことが多いです。親としては心配ですよね。
そこで今回は、転勤族の子供が受ける精神面への悪影響、人格形成へのメリット、転勤族の子供を上手に育てる方法などを、体験談を交えてご紹介します。子供が成長していくと単身赴任に切り替える方も多くいますので、単身赴任に切り替えるタイミングについても見ていきましょう。
転勤族の子供が受ける性格や精神面への悪影響
転勤族の子供は、環境が変化することにより精神面で様々な影響を受けます。転勤族の子供が受けやすい性格や精神面への悪影響とは…。
1深く友達付き合いしない
子供も転勤を繰り返していくと、「せっかくお友達と仲良くなっても、すぐにお別れしないといけない…」ということが分かるようになります。すると、子供は友達との関係をあまり深めず当たり障りのない付き合いしかしないようになることがあります。
一見、お友達が多いように見えても、親友と言えるお友達がいないということになってしまう場合も少なくありません。「大人になって心からの親友と思える人は、片手(5人)もいないものだ」などと言われることもありますが、たった一人でもいいから親友を作って欲しいと願うママにとっては心配ですよね。
2ストレスから暴力的になる
転勤すると、子供は新しい環境に順応するために頑張ります。ところが、学校や幼稚園で頑張り過ぎることによりストレスが溜まってしまい、それまで平気そうに見えていた子でもある日突然、ママや兄弟に暴力をふるってしまうことがあります。
子供は、新しい環境に馴染んでいるように見えても、実は苦労しているということがあります。特に優しい子や口下手な子などは、ママやパパが大変なのを察知して、本当はとても大変なのに平気そうに振る舞ったり、親に相談できなかったりすることもあります。転勤してしばらくは、子供の様子を注意深く見てあげましょうね。
3一人に慣れてしまう
転勤族の子供は、「どうせお友達を作ってもすぐにお別れだから…」と、初めから友達を作るのを諦めてしまうこともあります。初めは一人が寂しいと思っても、転勤を重ねるうちに一人でいることに慣れてしまうのです。
お友達と過ごすことで子供は成長して社会性を身につけていきますので、子供には友達との関わり合いの大切さをわかって欲しいですね。親がさりげなく子供に友達の素晴らしさを伝えてあげてくださいね。
転勤族の子供はかわいそう?人格形成への5つのメリット
「転勤族の子供はかわいそう」と思われがちですが、転勤は子供が大きく成長するきっかけにもなります。転勤が子供の人格形成に及ぼすメリットを知って、ママも転勤を前向きに受け止めましょうね。
1人懐っこい性格になりやすい
転勤族の子供は、多くの子供や大人と関わるようになります。そのため他人に対する垣根が低く、人懐っこい性格になる傾向があります。人懐っこい性格の子供は、幼稚園や学校でも友達や先生に受け入れてもらいやすいですよね。
また、人懐っこい性格は成長してアルバイトをしたり、社会人になったりした時にも役に立ちます。人見知りせず相手の懐に飛び込んでいけますので、接客業ではその才能を充分に発揮できるでしょう。子供時代の転勤の経験は、子供の生きる力を育てるチャンスでもあるのですよ。
2家族を大切に思える子に育ちやすい
転勤の辞令が出てから短期間での引っ越し、そして新しい土地でのバタバタの新生活。転勤に伴う引っ越しは家族の協力が不可欠ですよね。このような経験から、家族の絆が強くなり子供が自然に家族を大切にするようになります。
パパ、ママ、兄弟を大事に思う心の優しい子供に育ってくれることは、親にとって非常に嬉しいことですね。家族を大切に思う優しい心は、子供自身にとっても大きな財産になるでしょう。有名戦場カメラマンも「現地ガイドには家族を大切にする人を雇う」と言っていますが、家族を大切に思える心を育める転勤の経験は、他人から信頼される人格形成にも役立ちますよ。
3明るく社交的な性格になりやすい
「転勤族の子供には、新しい環境に早く馴染むことができる明るくて社交的な子が多い」と言われることが多いです。転勤すると「園(学校)に上手く馴染めるかなぁ?」とママが心配になることが多いのですが、明るい子供は幼稚園や学校のクラスでも人気者になりやすく、その性格にむしろ親が勇気をもらうことも…。
また、たとえ転勤がなくなっても、進学や就職、結婚などで新しい環境に飛び込まなければならない機会は何度もありますが、転勤族だった時代に身に付いた社交性は、子供の一生の強い武器になるでしょう。
4早く自立しやすい
転勤前後は、親も引っ越し準備や片付けで余裕がありませんよね。そんな親の様子を見て子供は敏感に何かを感じとり、困ったことがあっても「自分で解決しよう」と自然に思うようになります。そのため、転勤族の子供は早く自立する傾向があるのです。
ただし、子供が早く自立するからといって、親が子供をみなくてもいいということではりません。子供の力だけではどうしても解決が難しいことも多々ありますので、「いつでも相談にのるよ」という姿勢を見せたり、口を出さずに子供の様子や変化を見守ったりすることが大切です。
5順応性が高くなりやすい
転勤族の子供は短い時間で環境が変わるので、順応性の高い子供に育ちやすいです。幼稚園や学校ではお友達が変わるだけでなく、毎日の習慣や決まりごとなども変わってきますので、子供でも転勤を繰り返すうちに早く新しい環境に慣れる技を身に付けるようになるのです。
ただし、順応性は子供により個人差がありますので、馴染むのが遅い子ももちろんいます。「うちの子は馴染むのが遅い…」とあまり心配しすぎるのはよくありません。「ところ変わればルールが変わることを経験する機会が増やせてよかった」などと、上手くいかない経験が後の糧になることを理解し、ポジティブに捉えましょうね。
転勤族の子供はもう卒業!単身赴任に切り替える時期
家族揃っての転勤を繰り返してきたご家族も、いずれ単身赴任に切り替えることになりますよね。ただし、どのタイミングで単身赴任にしてもらうかは、それぞれの家庭の事情により異なるでしょう。単身赴任による子供への悪影響と単身赴任に切り替えるきっかけをご紹介しますので、単身赴任を選ぶ際は、メリット・デメリットを理解したうえで、ご夫婦でよく話し合って決めましょうね。
単身赴任で心配される子供への悪影響
パパの帰りが遅いとしても、パパと一緒に暮らしているのと、全く離れて暮らすのでは大きな違いがあります。パパの存在は子供にとっては非常に大きく、パパがいない生活は子供に様々な影響を与えてしまうのです。
<単身赴任で起こりやすい子供への悪影響>
- 情緒不安定になり吃音などの発達障害があらわれる
- 母親に対して反抗的な態度をとるようになる
- パパに対してよそよそしい態度をとるようになる
単身赴任に切り替える時期やきっかけ
転勤族のママは、「どのタイミングで単身赴任に切り替えようか常に悩んでいる」という人が多いです。どのタイミングがベストかはそれぞれのご家族により異なりますが、他の転勤族家庭ではどのような時期やきっかけで転勤を決意したか、知っておくと参考になりますよ。
<単身赴任に切り替えた時期やきっかけ>
- 子供の小学校入学
- 子供の受験
- 親の介護
- マイホームの購入
- ママの仕事
- 子供が転校するのを嫌がる
転勤族の子供の性格は歪んだ?先輩ママの体験談
転勤族のママ達は、子育てでどのようなことに気を遣い、どのような経験をしたのでしょう?転勤族の先輩ママの体験談をご紹介します。
兄弟が一番の友達
5人家族の我が家。子供3人それぞれ別々の土地で出産しました。長男は引っ越しを繰り返したおかげで日本の地理に詳しくなり、今でも社会が得意です。転校する時も、一人じゃないという気持ちがあるのか、子供たちはそれほど不安な様子を見せませんでした。
けれど、毎年2月ごろになると、「今年は転勤ある?」と気にして落ち着かない日々を過ごしています。我が家は兄弟が多いおかげで、友達が出来るまでは兄弟で遊ぶことが出来たので、子育てにそれ程気を遣ったり苦労したりしませんでした。転勤により兄弟の絆は強くなったような気がします。
順応性は兄弟でも異なります。
男二人兄弟です。長男は人見知り、次男は人なつっこい性格だと思っていたのですが、転勤先になじむのは長男の方が早かったです。初めての転勤の時には、長男は学校にすぐに馴染み放課後もすぐに友達と遊ぶようになりました。
ところが、次男は幼稚園になかなかなじめずお友達の名前も1ヶ月ほど出ませんでした。さらに、次男はいつの間にか爪を噛む習慣が付いていました。かなり不安だったようです。私は出来るだけ子供の様子をよく見るようにし、穏やかに子供を受け止めるように気遣っていましたが、一時は私に対しても暴力的な態度に出ることもありました。けれど、慣れるに従い落ち着いてきました。
いきなり意地悪されて…
娘が小学校2年生の時に初めて転勤を経験しました。一人っ子なのでかなり心配していたら、転校早々に登校班の同級生に意地悪され、2年間あまり馴染めないまま過ごしました。
その苦い経験から、次の転校先では自分から積極的に友達を作ろうとしたようで、仲の良い友達が出来ました。
子供も新しい環境に順応しようと自分なりに努力しているんですね。親があまり心配し過ぎるより、子供を信じて過ごすことも大切だなと思いました。
転勤族の子供を上手に育てる6つの方法
転勤族は良い面も沢山ありますが、やはり子供ならではの悩みや辛さもあります。両親がどのように子供に接するかが、子供の成長に影響を与えますので、転勤族の子供を育てるために親が注意すべきことを6つご紹介します。
1子供の不安を受け止める
「新しい幼稚園や学校になじめるかな?友達は出来るかな?」と、子供は不安でいっぱいです。引っ越し前後は、いつも以上に子供と一緒にいる時間や話を聞く時間をとって、子供の不安を受け止めてあげましょう。
引っ越し前後はママやパパも大変かと思いますが、子供の前であまり忙しそうにしていると、子供が遠慮して悩みや不安を打ち明けられなくなってしまうことがあります。ママもパパも子供の前では少し余裕を見せるように心掛けると、子供の安心感はグッとアップしますよ。
2夢や希望を持てる働きかけをする
「色々な土地で暮らせるのは素晴らしい」「転勤の経験が将来役に立つ」「色々な土地にお友達が出来るの
は嬉しいね」などと、子供が引っ越しをマイナスに思わないような働きかけをしてあげましょう。実際に転勤族の子供として育った人の中には、大人になってから「引っ越しは良い経験だった」と思っている人も多いですよ。
最近は、スカイプやSNSを通して遠方の友達とも交流することができますね。お友達と離れても連絡を取り合うことは可能ということも教えてあげるといいですね。
3子供のペースに合せる
新しい土地にすぐ慣れる子供もいれば、慣れるまでに時間がかかる子供もいます。ママが「ウチの子なかなか友達ができない」と焦ってしまうと、子供に悪影響を与える可能性がありますよ。子供も幼稚園や学校で頑張っているので、子供の力を信じて、子供のペースに合わせあげましょう。
子供に「お友達できた?」と何度も聞くと、子供が焦ってしまうので、あまり聞きすぎないようにしましょうね
4笑顔を心がける
新しい環境になじむのが大変なのは、子供だけではありませんよね。ママもなかなか気の合うママ友が出来なくて、不安になることもあるでしょう。それでも、子供の前では出来るだけ笑顔でいるように心がけることが大切です。笑顔には絶大な効果があり、ママが笑顔でいると子供もつられて笑顔になります。
逆に、ママが暗い顔をしていると子供まで暗い気持ちになってしまいますよ。転勤は大変なことも沢山ありますが、笑顔で乗り越えたいですね。
5家族で暮らせる幸せを感じさせる
転勤しても家族が離れ離れになるわけではなく、一緒に暮らすことができます。世間では色々な事情で家族が離れ離れにならざるを得ない人も沢山いますし、いずれパパが単身赴任すれば、家族で一緒に暮らせなくなりますよね。子供達には、家族で一緒に暮らすことができる素晴らしさを今のうちに感じさせてあげましょう。
例えば、「家族一緒で幸せだね」という言葉をかけたり、絵本の読み聞かせなどで感じさせてあげたりすることもできますね。休日は家族で一緒に遊びに出かけたり、夕食後に全員でトランプをしたり、誕生日を家族全員でお祝いするなど、家族全員が顔を合わせて楽しめる時間を増やすことで、子供に家族で暮らせる幸せを肌で感じさせてあげられるといいですね。
6子供をかわいそうと思わない
よく世間では「転勤族の子供はかわいそう」などと言われますね。確かに転園や転校など大変なこともありますが、その分、他の子供ができない経験をすることもでき、マイナスばかりではありません。
ところが、親が子供の前で「引っ越しばかりでかわいそうね」などと言ってしまうと、子供は「私(僕)ってかわいそうなの?」と思ってしまいますので、まず親が転勤をネガティブに捉えないことが大切です。
また、子供の前で転勤をネガティブにとらえる発言をすることや、前に住んでいた土地と比較して今住んでいる場所を否定するような発言をすることも控えましょうね。親の思いは子供に伝わりますので、子供の前では、ポジティブな発言を心がけることが大切です。
転勤族の子供の前で言ってはいけないNGフレーズ!
- 前の土地の方が良かった
- ○○に戻りたい
- パパについて来なければ良かった
- 今の幼稚園・学校は良くない
転勤族の子供にタブー!親の後悔や愚痴
親も転勤により悩みや後悔があるかと思いますが、一カ所にとどまっていても後悔することや愚痴を言いたいことは、きっとあるはず。いつまでも過去を懐かしむばかりでなく、前を向くことが幸せへの第一歩です!
子供もお友達と別れて、新しい環境に馴染もうと一生懸命努力しています。親が転勤に対する後悔や不安を子供の前で見せると、一生懸命頑張っている子供はやりきれない気持ちになるでしょう。最悪の場合、親子の信頼関係が崩れてしまうこともありますよ。親の後ろ向きな姿を子供に見せることは、子供の人格形成においても悪影響を与えかねませんので注意しましょうね。