3歳児神話って本当?3歳前に保育園に預けちゃいけないの?
「3歳までの子供は、家庭内で母親のもとで育てなくては、のちの発達に影響が出る」
3歳児神話とは、ざっくり言えばこういうことのようです。でも、今や3歳になる前に保育園に子供を預けて仕事復帰するママも多いです。
では、そのような子供はのちの発達に影響が出てしまうのでしょうか…!?
3歳児神話は誤解!?
1952年に提出されたイギリスの精神科医ボウルビィの報告書、いわゆる「母子関係論」というものがあります。今から60年以上も前のことです。
母子関係論には、幼少期における母子の結び付きの大切さが説かれ注目されました。
しかし、母親の就労を否定する内容でも、家庭内育児と社会的保育の対立を書いた内容でもないのですが、その報告書の解釈が湾曲され誤った見方がされ続けた結果、母子密着育児でないといけない!という極端な「3歳児神話」ができあがったと言われています。
三歳児神話には根拠はない
1998年の厚生白書では、3歳児神話には合理的根拠はないと記されています。つまり、3歳児神話が否定されているのです。3歳児神話崩壊とも言えるでしょう。
幼少期、母親がずっと家にいる環境で育った場合と、母親が就労していたため日中は保育園に預けられていた場合では、子供の発達における影響の違いは見られなかったというわけです。
3歳は人としての基盤ができあがる大切な時期
「三つ子の魂百まで」ということわざのように、幼い頃に形成された人格は年をとっても変わらないとされています。3歳頃までの環境や刺激、愛情は子供の発達に重要な意味を持っているのは事実です。
言葉を覚え、筋肉を作り、集中力や社会性を養う3歳という時期は、もちろん母親との関わり方も重要な時期といえますが、それと同じくらいに周りの人との関係も大切にしなくてはいけません。
現在の日本の乳幼児保育の内容は、高い水準にあります。母親ばかりに負担のかかる「3歳児神話」を鵜呑みにするのではなく、よりたくさんの人が子供と関わって、子供が幅広い刺激を受けて色々なものを吸収していける環境も大切でしょう。
保育園に通わせているからって、愛情不足につながるわけではありません
現在、待機児童が社会問題になっているほど、「働く母親」が増えています。母親たちは「働かなくては経済的に厳しい」という理由以外にも、「社会と関わりをもちたい」「資格を生かしたい」といった理由で、どんどん意欲的に働きに出ています。
そんな母親たちの精神状態は、家庭や子供にいい面でプラスになるということが、近年着目されてきているのです。
育児は、母親と子供が一緒にいる時間が、長ければいいというものでもありません。その内容が重要なのです。
たとえ短い時間でも、休日だけでも、一緒にいる時間を大切にしたくさん愛情をかけてあげて、たくさん遊んであげれば、子供は十分満足できるものですし、発育にも悪影響を及ぼすようなことはないでしょう。