共感力とは?高め方や調整方法に関する記事

『共感力を高めるエンパシー教育?欧米教育界が注目する能力』

共感力はリーダーとして成功するカギと言われ、グリットと共に欧米教育界で注目を集めていますが、高すぎることで苦しむ子供達も…。共感力の正しい意味や家庭で共感力を養う方法と共に、高すぎる子供への親の対応についても解説します。

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共感力とは?子供の成功に役立つエンパスを育てる5つの方法

今、私たちの社会は自由でありながら複雑で、大人でも周りの人と良い関係を築くことができず、思い悩んでしまうことがありますよね。それは世界各国が共通して抱える問題で、欧米教育界はこれからの社会をけん引していく子供に必要な能力は「共感力」だ!と、近年共感力を育む教育に注目しているんです。

こちらでは、日本でも最近注目を集め始めている共感力エンパスを育てる教育共感力が高すぎる子供への対応家庭で共感力を高める方法について、詳しくご紹介していきます。成功者に多いグリットと共に求められる能力ですので、ぜひ子育てに役立てて下さいね。

「共感力」「エンパス」「エンパシー」の意味とは?

「共感力」「エンパシー」とは、どちらも同じ意味で、相手の目線で物を考えて共感することができ、相手からも「この人ならわかってもらえる」と信頼される能力のことをいいます。

例えば、風邪をひいて苦しそうな人に、ごく自然に「大丈夫?ツライよね」と慰めの声をかけることができたり、失敗して涙ぐむ友達のそばで、共に涙を流して寄り添ったりできるのは、共感力があるから。「共感力ならうちの子もある」と思うパパやママが多いのでが、中にはこの共感力が非常に高い人がいて、そういった高い共感力を持つ人は「エンパス」と呼ばれています。

共感力によって、私たちは相手を理解したり、思いやって勇気づけたりすることができます。また、相手からよき理解者として信頼を得ることもできます。共感力が高い人がリーダーとなった時、相手の自己肯定感を高める対応ができるため、相手の可能性をより引き出すことができますし、信頼を得ているため集団による成果をより高めることも可能なのですが、逆に共感し過ぎて苦しくなることもあるため、その能力をコントロールすることが大切になります。

共感で子供のトラブルが減る!エンパシー教育とは?

相手の気持ちになって考えることができる共感力は、自分以外の他人とコミュニケーションをとるために必要不可欠。共感力は経験によって養われていきますので、他人との交流の中で失敗や成功を重ね、相手の気持ちを考える経験を積極的に持たせることを「エンパシー教育」といいます。

代表的なのが、カナダのトロントの女性教師メアリー・ゴードン氏が始めた、赤ちゃんを先生にしたエンパシー教育です。ゴードン氏は、子供同士のコミュニケーションが上手くいかずにトラブルが続発している状態を見て、子供達の共感力を養うために、自発的に意思伝達したり思い通り動いたりできない赤ちゃんと子供達を一緒に過ごさせることにしました。

その結果、子供達は赤ちゃんが何を感じているのかを観察し、理解することができるようになり、子供同士のトラブルが激減するという良い結果を得ることができたのです!

ゴードン氏のエンパシー教育は、たった2つの幼稚園のクラスから始まり、いまやカナダ全体の2,000校以上の公立学校に広がり、オーストラリアやニュージーランドをはじめとする世界各国でも導入が始まっています

なぜ今、共感力が求められているの?

今、私たちの社会では、子供達が将来地方や国の垣根を越えて、さまざまな人種や宗教、主義の違う大きな集団の一員として活躍していくことが求められます。ところが、子供達が長い時間を過ごす学校では、同じ人種、同じ国、同じ地域であるにもかかわらず、嫌がらせや不登校などのトラブルが増え、追い詰められ、命を落としてしまう子供さえいます。

こうした悲しい現状の中、一人一人が共感性を高めることにより相手の痛みを感じられるようになれば、トラブルを回避したり、上手く収めたりすることが可能になりますよね。また、リーダーとなる人材がそれぞれの気持ちに共感できることで、様々な意見を持つ子供達をまとめ、引っ張っていくことも可能になります。

さらに、企業が新しい製品や商品を生み出して成功するためには、いま人々から何を求められているのか、声なき声を敏感に読み取りニーズを感じ取れることが大切。それには共感力が必要不可欠です。特にこれからのグローバル社会では、見知らぬ環境で暮らす人々を理解する共感力こそが、集団を束ねるリーダーに不可欠と期待されているのです。

時代が求める!共感力の高い人の特徴

日本人は四季の環境の変化を敏感に察知する能力を持ち、「気配り」を重視する民族。そのため、日本人は共感力の高い人の良い特徴もマイナス面の特徴も兼ね備えているといわれていますが、共感力の高い人には一体どんな特徴があるのでしょう?こちらでは、共感力の高いエンパスの特徴をご紹介します。あなたやお子さんはいくつ当てはまりますか?

  1. 正義感が強い
  2. 人に憧れやすく、その人になりたいと思う事が多い
  3. お世辞や社交辞令にイライラすることがある
  4. 繊細すぎて困ることがある
  5. 感情に動かされやすい
  6. どっちつかずの状態に陥りやすい
  7. 疲れやすく、よく体調を崩す
  8. 相手に強く迫られると、何も考えられなくなる
  9. 風邪をもらうことが多い
  10. 聞かなくても相手の気持ちがなんとなくわかる

共感力が高いエンパスの子はツライ!?

共感力の高さは人それぞれに違いますが、共感力の高い子供は周りの感情に振りまわされ、自分を見失ってしまいやすいため、精神的につらい思いをすることも多いです。共感力の高さゆえに苦しんでいるエンパスの子供は、一体どのように共感力をコントロールすればいいのでしょう?

エンパスの子は共感力をOFFにしよう

共感力が高すぎるエンパスの子供達は、自分と他人の境界が曖昧になるため、相手の感情に引きずられて苦しむ傾向があります。その結果、自分を守ろうとするあまり自分の殻に引きこもってしまいがちになるため、親や周りから心配されたり、指摘されたりすることもあり、自分に劣等感を抱いてしまうことさえあるのです。

例えば…

  • 学校の集団生活になじめず、一人になりたがる
  • 自分の感情をうまく表現できない
  • 悪口を聞くと吐き気がする など

共感力がずっとONになっていると、エンパスの子供は自分自身を守ることができず、裸で嵐の中に立っているような心理状態になります。そこで一番頼りたいのが、パパやママ。ところが、エンパスの子供達はパパやママの不安さえ読み取ってしまいます。

ですから、「うちの子は共感力が高いエンパスかも…」と思ったら、子供の繊細さやハッキリと意思表示ができない態度、集団になじめないことなどを責めたりせず、共感力をOFFにする方法生活に瞑想をとりいれて自分を取り戻すことを教えてあげましょう。

共感力をOFFにする具体的な方法の例

共感力をOFFにする方法には色々あります。まずは、お子さんに自分の苦しみが共感力の高さをコントロールできないためだと教えて、こちらでご紹介する方法に取り組ませてみましょう。

  • 不安になったら深呼吸を繰り返して、一旦考えることをやめる
  • 音楽を聴く
  • 好きなことや物に意識を集中する

エンパスの子供達の持つ共感力は素晴らしい天分の才ですが、OFFすることを知らないのはあまりにも無防備。自分の身を守ることも大切だと伝えあげてくださいね。
また、お子さんが小さい場合には、苦しむ様子を見て親が手助けしてあげても良いでしょう。

  • 子供が感情的に引きずられそうになったら、名前を繰り返し呼びかけ、子供にも名前を言わせる
  • 普段から子供の好きな色や物、考えていることを問いかけて、子供に言葉で答えさせる

共感力を高めるのと同様に、共感力を意識的にOFFすることも、経験や訓練で身につけさせることができます。共感力をON/OFFするための方法をわかりやすく解説した本も市販されていますので、参考にしてみて下さいね。

ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。

著者:エレイン・N・アーロン
訳:冨田 香里

SB文庫

価格:780円 + 税

共感力の高さから、繊細でちょっとしたことにも動揺してしまうため、神経質・臆病・引っ込み思案などと受け取られやすい人におすすめの、自分の神経の細やかさを上手に使いこなすことを説明している本です。
具体的な例を示しながら、わかりやすく解説しているので、親が共感力の高い子供を理解するためにも良い参考書になりますよ。

エンパシー~共感力のスイッチをオン/オフしよう

著者:ローズ・ローズトゥリー
訳:埴原由美

株式会社ヴォイス

価格:2,000円 + 税

自分自身、子供の頃から共感力が高く、精神的に葛藤する日々を送ってきた著者が、自らの経験を解説しながら、共感力のオン/オフすることの大切さを紹介している本です。
共感力や感情をコントロールするテクニックを数多く紹介しているので、初心者や子供でもわかりやすく、参考になりますよ。

共感力を高める子育てをしよう!5つの方法

共感力の高い子供は、他人に対して優しく接することができ、周りから愛されるようになるため「我が子には、ぜひ共感力を高めて欲しい」と考えるパパやママは多いですよね。共感力を育てる訓練は、生まれたときから家族との関係の中で既に始まっていますよ。

親が良い手本となる

子供にとって一番のお手本は、身近にいるパパやママです。パパやママがお互いを理解し、相手を思いやる愛情にあふれた姿を子供に見せることこそ、最も身近なエンパシー教育となるのです。夫婦で意見が食い違ってしまったときなど、相手と話しをしながらお互いを理解していく姿を間近で見ることで、子供も他人の意見を聞いて理解することの大切さを覚えていくことができるようになりますよ。

シングルマザーやシングルファザーのご家庭でも、実家の親や兄弟、親戚、先生など様々な人と親が関わる姿を見ることで、子供は常に学ぶことができます。ですから、他人と意見が食い違っても、親である自分が自ら相手の立場や考えを理解しようと努めることが大切です。

自分より弱い存在と触れ合う機会を持たせる

共感力が育ちやすいのは、自分が愛情を向けやすい存在が身近にいる環境です。自分よりも小さい兄弟の面倒を見ること、ペットの世話をすること、年老いた祖父母との触れ合いなどは、相手のして欲しいことを察して理解する、共感力を育てる良い訓練になります。

子供が小さいと親はつい「危ない!」と、弟や妹の世話に手を出させないようにしがちですが、お風呂で体を洗う、服を着替えさせるなどのお世話でも、親が寄り添い積極的にかかわりを持たせていくことで、相手を理解することを自然に学び共感力を高めて行けるのです。

相手の気持ちを考えさせる

日頃から答えを教えるのではなく、子供自身に考えさせることはとても大切なエンパシー教育になります。
例えば、絵本を読むときに、「ウサギさんは、どうして〇〇したのかな?」と問いかけたり、お友達と一緒に遊んでいてトラブルになったときに、「〇〇君はどうしてこんなことをしたんだと思う?」と相手の気持ちを考えさせたり。

このように、相手の気持ちを考える機会を多く持つことで、子供は自然に相手の気持ちを考える習慣が身に付き、自分の感情を整理する方法を学ぶだけでなく、共感力を養う良い訓練になるのです。ですから、「ウサギさん、イライラしていたんだね」「○○君寂しかったんだね」などと、先に口を出すことはやめましょう。

子供の気持ちを聞く

共感力を高める一番の方法は、パパやママが心から子供の気持ちや感情を理解し、共感して話を聞いてあげることです。日頃から頭ごなしに親の意見を押し付けるのではなく、「どう思う?」と子供の意見を聞いて尊重しましょうね。また、失敗したりトラブルを起こしたりした時も「何やってんの!」などと、頭ごなしに怒るのではなく、まずは「どうしたの?」と聞いてあげましょう。

共感して話しを聞いてもらうことで、子供は自分を大事にされることを感じとります。そして、自分の非を認める勇気を持つことができ、親への信頼や自己肯定感が増します。こうして、子供は親の姿を肌で吸収し、いつのまにか他人にそうした共感力の高い接し方をする人間へと成長していくことができるのです。

子供にポジティブな言葉をかける

叱られたりバカにされたりすると、多くの人はイライラとして周りに優しくできなくなってしまいます。こうしたストレスは共感力を鈍らせますので気をつけて下さいね。周りに不信感を抱いてしまうと、相手を理解しようという気持を持つことは容易ではありません。家庭ではできるだけ子供を褒め、ポジティブな言葉をかけて、たくさんの愛情を示してあげましょうね。

共感力のある愛情あふれる子供を育てましょう

大昔、私たち人間はもっと厳しい環境で生活をしていて、信頼しあえる仲間と一緒でなければ生き残っていくことができませんでした。しかし現代では、そういった危険が無くなったためか、集団としての意識が薄れ、個人主義に走る人が増え、子供達もさまざまなトラブルを抱えてしまいがちです。

共感力は私たちが集団で安全に暮らせるように、神様が授けてくれたギフト。共感力を上手に活用すれば、自らの成功につなげることもできますし、人や社会に役立てることもできます。親はたくさんの愛情を子供に示し、愛し、愛される共感力の高い子供に育てていきましょう。

この記事を書いたライター

羽根田るみこ

第一子から15年間保育園に通い続け、まだまだ記録更新中です!