「孤育て」にならないためには?孤独な子育てから抜け出す方法
出産後、必死に子育てをしていたら、いつの間にか「孤育て」に変わっていた…そんなママは意外と多いはず。子育て中のママは、さまざまな条件から孤独に陥ってしまいやすいものです。
一度、孤育てに足を踏み入れてしまうと、なかなか抜け出せない上、ママの心と体に与える影響は想像以上に大きいため、ママは孤育てとはどのようなものかを知り、孤育てから抜け出すために対処する必要があります。
なぜ、子育て中のママはなぜ孤育てに陥ってしまうのでしょう?ここでは、孤育てになりがちなママのタイプのほか、孤独な子育てから抜け出す方法についてご紹介します。
子育てを楽しむためにも、孤独な状況を見直し、改善することで孤育てを上手に乗り越えましょう。
孤育て(こそだて)とは?
「孤育て」とは読んで字のごとく、孤独な子育てのことをいいます。
「周囲の助けが得られない」「全てを自分一人で背負わざるをえない」などの理由から、子育てに孤独を感じるママが増えています。
特に、初めての子育ての場合、分からないことばかりで、些細なことで不安になりやすいものです。
中には、「出産ギリギリまで働いていた」「周囲に未婚者が多い」など理由で、ママ友を作る暇や機会がなかったために、子育ての悩みや愚痴を気軽に話せる相手すらいないというママも…。
子育ては本来一人でできるものではないため、子育て中のママには周囲の手助けは必要不可欠だといえます。
子育て中のママが孤独を感じる瞬間ってどんな時?
夫や子供がいて、一人きりというわけではないのに、なぜママは孤独を感じるのでしょう?
いくら孤育て中だとはいえ、ママは一日中「孤独だーー」「さみしいーー!」と感じているわけではありません。忙しく家事をこなしている時や、子供と遊んでいる時、夫と話をしている時などには、孤独とは無縁の状態のはず。
子育て中のママが、日常生活の中でふと孤独を感じるのは、主に次のような時です。
想像したより子育てが大変だった
子育ては一日24時間一年365日、休みもなければ、多少体調が悪くても動かざるを得ません。出産前まで「フルタイムで働くより楽!」なんて思っていたママもいらっしゃることでしょう。
ところが、現実は想像以上に過酷で…。「みんなは普通にできているのに、なぜ自分だけこんなに大変なの!」と感じてしまうと、子育てに対する孤独は大きくなります。
夫が子育てに協力してくれない
「頼れるのはパパだけ」と思っていたのに、夫が育児に協力的ではなかったり、思っていたよりも使えないと感じたり。パパが子育てに協力してくれないと、必然的にママ一人で子供の世話をしなければなりません。
協力してくれない夫に対する失望感や、子育てのつらさや悩みを共有してもらえない辛さから、ママの孤独はどんどん深まっていきます。
一日中家族以外の人と話していない
夫が仕事に行っている間、家にいるのは子供と自分だけ。日中、子供と家で二人きりで過ごしているママの中には、夫以外の大人と会話を交わしていない…なんてことは、よくあるのではないでしょうか。
特に、子供が生まれたばかりの場合、気軽に外にも出られないし、小さな赤ちゃんに話しかけても、もちろん返事なんてしてくれません。そんな毎日が続くと、孤独を感じるのも当たり前ですよね。
社会から孤立しているように感じる
母親が一生懸命、育児をするのは当たり前だという風潮が強いため、いくら育児を頑張っても、誰からも認められないことで、孤独を感じてしまうというママも。
特に、出産前までバリバリ働いていたというママは、それまでの「仕事=社会貢献」と意識から抜け出せないと、自分だけがどんどん社会から取り残されていると思うようになり、強い孤独を感じてしまいます。
孤育てになりやすいママの5つの特徴
日々の子育ての中で孤独を感じているママだけでなく、自分は孤独とは無縁…と思っていても、孤育て予備軍の可能性があるママもいます。
特に、次のような特徴が思い当たるママや妊婦さんは、孤育てに陥りやすいので十分に注意しましょう。
1.夫の仕事が忙しい
夫の仕事が忙しくて育児への協力が得られないばかりか、ろくに会話もできないため、一日の出来事や子育てのつらさを聞いてもらえないというママは要注意です。
子育ての悩みを共有したり相談に乗ってくれたりする人がそばにいないと、ママは自分一人で子育てをしているように感じて、孤独感が増していきます。
2.身近に頼れる人がいない
子供の発育についてちょっと気になることがある時や、ママの体調が悪い時などに、気軽に頼れる人が身近にいるのといないのとでは大きな違いです。
すべてのことを一人でこなさなくてはならない、というプレッシャーがのしかかってくると、ママは頼れる人が身近にいれば…と切に願うようになります。
3.まじめで完璧主義
慣れない育児だけでも大変なのに、食事の準備や掃除、洗濯などの家事まで完璧にこなそうとすると、誰だって体も心もくたくたに疲れ果ててしまいます。
特に、ママが完璧主義者の場合は、「ちゃんとやらないと母親失格」「私にできないはずはない」という思いが強いので、誰かに助けを求めることもできず、どんどん孤独に陥っていきます。
4.どちらかといえば人見知り
ママ友がいれば、子育ての悩みや旦那の愚痴が言い合えるのに…。人見知りが強くてママ友がなかなか出来ないというママは、ぐっと孤独感が強くなります。
学生時代や働いていた時には自然に友達ができたのに、ママになってからは友達ができないという人は、よほど自分から行動を起こさないと、友達と呼べる人に出会うのが難しくなります。
5.人に頼るのが苦手
本来なら、子育てはいろいろな人の助けを借りて、はじめて成り立つものなのに、上手に人に頼ることができないというママは、自らを孤育てへと追い込んでしまう傾向にあります。
どうしても身近な人に頼ることができないというママは、一言「助けて」と言えば楽になることもあるので、一人で何でも背負わなければいけない!という思い込みを捨て、周囲の人に甘えてみることも大切です。
こんな生活習慣は要注意!
孤育てに陥る原因は、ママの生まれつきの性格や、夫の転勤などの生活環境の変化などが上げられますが、それ以外にも、ママの毎日の生活習慣が影響している場合があります。
赤ちゃんがいるから仕方ないと思うのではなく、まずは、次のような生活習慣を見直すことから始めてみてはいかがでしょう。
家に引きこもりがち
もともと出不精だったり、子供が病気がちなどの理由から外出の頻度が低いと、家族以外の人と接する機会が極端に少なくなってしまいます。
赤ちゃんの月齢の低いうちは外出を控える必要がありますが、外出によって得られる刺激は、子供の発達に欠かせないものであるのと同時に、ママのリフレッシュにもつながります。
自分の時間がまったくない
出産後は、数時間おきの授乳や細切れの睡眠が続き、その合間に家事をしなくてはいけないので、子育てに慣れないうちは、24時間をなかなか有効活用できません。
自分の時間が持てずに、息抜きができない状況に陥ってしまうと、ママのストレスは溜まる一方。ゆっくりと食事や睡眠がとれなくなることで、徐々に気持ちの余裕がなくなって、子育てがつらいと感じるようになります。
いつもイライラしている
出産後のママは、ホルモンバランスが変化からイライラしがち。さらに、子育てが思い通りにいかなかったり、夫や姑などに対してイラッとしてばかりいると、気がつくと常にイライラしている状態になります。
子育てイライラを上手に発散できないと、知らず知らずのうちにママは孤立の道をまっしぐら。孤独な日々を送る中で、イライラの矛先が自分自身や家族に向くことで、孤育ての無限ループにはまってしまいます。
何をしても達成感が得られない
フルタイムで働いてバリバリ仕事をしていたママにとって、子育ては毎日同じことの繰り返し。達成感が得られずに、物足さを感じるようになります。
さらに、子育ては、いくらママが頑張っても、誰にも評価してもらえないどころか、当たり前のことと思われがち。「こんなに頑張っているのに…」という気持ちが強くなると、えも言われぬ孤独を感じてしまいます。
孤育てから抜け出す5つの方法
孤育てにハマってしまったママの中には、何とかしてこの孤独な毎日から抜け出したいと感じている方もいるはず。それでは、どうすれば厄介な孤育てから脱出することができるのでしょう?
ママの性格や生活環境は簡単に変えることは難しいかもしれませんが、次のようなことを実践してみたら、日々の中で何かが変わるかもしれませんよ。
1夫に孤独を理解してもらう
夫が仕事で忙しい、子育てのつらさを分かってくれない…などの理由により孤独を感じるママは多くいます。そんなママは、子育てについて悩んでいることや孤独を感じていることを夫に理解してもらうだけでも、気持ちが楽になるかもしれません。
中には、「妻が子育てでつらい思いをしているなんて、夢にも思わなかった」なんて男性もいることから、はっきりと「さみしい」「つらい」という気持ちを打ち明けて、孤独を改善する方法を一緒に考えてもらいましょう。
2第三者に相談する
パパがあてにならないなら、家族や先輩ママなどに悩みを聞いてもらうのもおすすめです。もしも、周囲に頼れる人がいない場合は、自治体の保健センター等で行っている育児相談に相談してみるといいでしょう。
ネットで「○○市(お住まいの自治体) 子育て相談窓口」と検索すると、問い合わせ先が分かりますよ。
その他にも、次のような相談窓口があります。
3子供を預けて自分の時間を作る
自分の時間を積極的に作り、人と接する機会を増やすことで、ママの孤独感を解消することができるかもしれません。
「友達に会う」「趣味を楽しむ」など、自分が自由に使える時間が欲しいというママは、次のような場所に子供を預けてみてはいかがでしょう。
保育園の一時預かり
保育園の一時預かりとは、ママがフルタイムで働いている場合に子供を預けるのではなく、子育て中のママがリフレッシュするためや、子供を連れて行けない用事がある時などに、子供を預けることができる制度のことです。
保育園なら安心して預けられるし、同世代の子供と遊べるので、ママだけでなく子供にとってもいいリフレッシュになるかもしれません。
ファミリーサポートセンター
ファミリーサポートセンターとは、子供を預かって欲しい人(利用会員)と子供を預かってくれる人(提供会員)を引き合わせてくれる、自治体が中心となって運営している施設です。
利用会員として登録後、子供の預かりを依頼すると、ファミリーサポートセンターが間に入って、子供を預かってくれる提供会員と交渉してもらえます。
認定こども園
認定こども園は、保育と教育を同時に行う保育所と幼稚園の特徴を合わせ持った施設です。保育施設を利用する基準となる認定区分が、1号認定から3号認定までの子供が利用できます。
そのため、0歳から預けられるほか、保育園と違って3歳以上なら保育が必要と認められる理由がなくても、子供を預けられます。
病児保育
病児保育とは、病気やケガの子供を預かってくれる施設で、子供が病気でも仕事が休めない働くママのほか、急用などで子供のお世話ができないママなどが主に利用しています。
小児科のような医療機関に併設されている場合、医師や看護師が同じ施設内に常駐しているため、子供の具合が悪くなったらすぐに診察を受けることができます。
4同年代の子供を持つママ友を作る
孤育てから抜け出す方法として効果的なのが、同年代の子供を持つなど、自分と似た育児環境のママ友を作ることです。お互いの悩みを理解し合えるので、話をするだけでも孤独感なんて吹っ飛んでしまうはず。
とはいっても、近所に友達がいないのでママともがなかなかできないというママは、次のような場所に出かけたら素敵な出会いがあるかもしれません。
子育て支援センターや子育てサロン
子育て支援センターや子育てサロンとは、自治体が中心となって運営している施設で、遊戯スペースで子供を遊ばせることができるほか、いろいろなイベントが開催されています。
同じように子供を遊ばせるために利用しているママが多いため、未来のママ友と出会うことができる確率は大!人見知りのママは、まずはセンターのスタッフにあれこれ相談してみてはいかがでしょう?
公園
天気の良い日は億劫がらずに、まめに公園に出かけるようにしましょう。同じ時間帯に子供を遊ばせるためにきているママに出会えるかもしれません。なかなか勇気が出ないというママは、最初は簡単な挨拶から始めるのがポイント。
「いいお天気ですね」とか「お子さんおいくつですか?」のような簡単な会話からはじめて、徐々にいろいろ話してみると、きっと仲良くなれるはずです。
子連れがOKなサークル
子連れでもOKなヨガや水泳、ダンス、英会話などのサークルに入るのもおすすめです。このようなサークルには、託児サービスがあるタイプや、子供も一緒に参加できるタイプがあります。
体を動かしたり、普段はできない勉強をすることでママの気分転換にもなるし、同じ趣味のママとなら話も弾みますよ。
5地域の子育てイベントに参加してみる
自治体や地元企業が主催する、お住まいの地域で行なわれる子育てイベントにも積極的に参加してみませんか?そのようなイベントには、子育て中のママが多く参加するので、ママ友を見つけるチャンスでもあります。
普段から、自治体の広報誌やフリーペーパー、新聞などでイベント情報をチェックして、見逃さないようにしておきましょう。