子供を叩く悪影響と対策に関する記事

『子供を叩くと親に返ってくる!将来を脅かす5つの悪影響』

「子供を叩くのをやめたい!」そう決心したときの対策と、子供を叩く5つの悪影響を、体験談を交えてわかりやすく解説します。

マーミーTOP  >  子育て  >  子供を叩くと親に返ってくる!将来を脅かす5つの悪影響

子供を叩くと親に暴力的な子に育つかも!?5つの悪影響と対策

子供を育てるということはとても幸せなことですが、毎日休む間もなく大変で、ついイライラして子供に対して感情的になるだけでなく、カッとして子供を叩くパパやママも、決して少なくはありません。子供を叩いた瞬間に「ハッ」として、子供の泣き顔を見て落ち込むなんてことも…。

「子供を叩く」といっても、お尻やおでこをポンと叩く程度のものから、ほっぺたが赤くなってしまうほどの激しいもの、たった一度だけのこと、周りが心配するほど頻繁なものなど、程度も頻度もさまざまですが、やはり子供にとっては一番信頼するパパやママから叩かれることに、良い影響はありません。今回は、子供を叩くことの悪影響と、叩くことをやめるための対策などについてご紹介していきます。

子供を叩くとどう育つ?5つの悪影響

子供を叩く時、親は「二度とやっちゃいけないよ」というメッセージを込めますが、叩かれた子供はそのメッセージをきちんと受けることができるのでしょうか?身近な大人に叩かれた子供には、どのような悪影響が出るのかを一緒に考えていきましょう。

体も心も傷がつく

子供を叩いてしまったとき、一番に気にすべきは子供の身体が怪我をしていないかどうかです。年齢にもよりますが子供の身体は大人よりも小さく、骨格も未熟です。叩いたことで思わぬ怪我をすることはありますし、叩いた拍子に点灯して家具などに体をぶつける危険性もあります。

そしてもう一つ、心配すべきは心の傷です。パパやママは子供にとって特別な存在で、一番の信頼を寄せる対象です。大好きなパパやママに叩かれたことは、体の痛み以上に子供の心にダメージを与え、自分には価値がないという間違った考えを植え付けてしまうリスクがあるのです。

ひろみ
45歳

いくつになっても自信が持てず怯えてしまう

うちは母子家庭だったので、よく祖父母の家に預けられていました。ちょっとしたことで怒鳴られ、「何で!」と反発すると容赦なく祖父や叔父に蹴られたりすることもありました。暴力を振るわれただけではなく、旅行に連れて行ってくれたり、お小遣いをくれたり、色々と気を遣ってくれてはいたのですが、母は「あなたが悪いから叩かれるんでしょ」と、私の話など全く聞いてくれず、次第に自分への自信を失っていきました。

その傷は、学生時代から大人になった今でも癒えることはありません。誰かが責められている声を聞くと、ビクビクしてしまいますし、夫がたまたま手を振り上げただけで、体を丸めてしまう程です。夫に酷いことを言われてもされても、反抗できません。自信が持てず怯えるだけの人生です。

自分が悪かったことを理解できない

子供は自分が弱いことを知っていて、乱暴に扱われることにはものすごく怯えます。そのためパパやママが大きな声を出して叩けば、従順になって言うことを聞きますが、それは一時的なものです。こどもは「叩かれるのがイヤ」だから「いうことを聞く」だけに過ぎないのです。

子供の悪い行動をやめさせたいのなら、子供がしっかりと自分の悪いことを自覚する必要がありますが、叩かれた子供は叩かれたということだけが印象に残って、「自分が悪かった」という大事なことを理解することができません。そのため、何度でも同じことを繰り返し、周りのイライラをさらにあおってしまうのです。

ミニーマム
42歳

善悪の判断がつかない息子に…

息子は小学校の頃、あまり先生の言うことを聞かない子どもで、学校の先生に「つの付く年齢(9つ)までは、親が叩いて教えないと!」と言われ、その日から1ヶ月ほど夫婦で叩いて躾けた時期があります。親の方が辛くて耐えられなくなり、叩くのをやめて謝りましたが、息子はその時なぜ叩かれたのか、全く分からなかったそうです。

その時は、約束を守らなかったり、夫を叩いて反抗したので叩いたのですが、それを息子に伝えると「それがなんで悪いの?」と言われてしまいました。その後、決して手はあげず、子供を信じて根気よく会話で伝え続け、今では約束を守ろうと頑張る子に育ってくれました。

心身の発達が遅れる

叩かれることと子供の発達には、何の関係も無いように思ってしまいがちですが、実は叩く行為によって、子供の心身の発達が妨げられることが分かっています。

2009年に行われたハーバード大学など研究では、「1歳前後で親に躾として叩かれた子供は、2歳になると他の子供よりも心の発達が遅れ、他人との関係を構築できずに攻撃的になる」という結果や、認知力のテストにおいても、叩かれて育った子供は明らかに低いという結果が出ているのです。

暴力をふるう子に成長する

大人でも叩かれることは嫌なものですが、子供は精神的に未熟で、大人よりも強い不安やストレスを受けやすい傾向があります。小さなころは抵抗も出来ずにストレスは心の中で蓄積されていきますが、少し体が大きくなって手足のコントロールがよくなってくると、ストレスのはけ口を求めて、暴力という形で親やお友達を攻撃しやすくなります。また、その暴力は歳をとった自分自身に返って来ることもあります。

叩かれることに慣れた子供は、暴力に対する抵抗感をあまり感じません。自分がされたように、思い通りにいかない時には相手を叩いて済まそうとするため、お友達とのトラブルも多くなりますし、将来的に自分が子供を持った時にも子供を叩いてコントロールしようとしたり、年老いた親に暴力を振るったりする傾向があります。

ババっ子
38歳

なぜだか母親を殴る大人に…

これは、私の母の年の離れた叔父の話です。祖父は昔ながらの厳しい父親で、2人の息子を容赦なく怒鳴って殴っていました。母は若くして私を生んだので、私は小さい頃から祖父の家に行くたびに、二人の叔父が怒鳴られたり殴られたりしている姿を見ていました。その態度は祖母に向けても…。

私が高校生の時、突然怒鳴り声が聞こえました。その日祖父は仕事に行っていたのですが、なんと家にいた叔父の一人が祖母を怒鳴って殴っていたのです。そして、別の日には、もう一人の叔父が祖父を殴ろうとして、祖父ともみあいになっていました。その後、私は祖父の家に近寄らなくなりました。

人に愛情を持てなくなる

幼少期は親子の関わり合いを通して愛情や喜び、相手を信頼する気持ちなどの大事な感情を育んでいく時期ですが、親から叩かれたという恐怖心は親への不信感をうみ、将来的に親への強い反発心を生みます。その結果親に対する信頼をうしない、親子関係を構築できなくなります。

幼少期の親子の愛情は、人生における人間関係の基礎をつくるものです。愛し方がわからない、愛され方がわからないという不安は子供の心を孤独にし、他人との関わり合いを恐れるようになりますし、引きこもってしまうなどのリスクが高くなります

子供を叩くのをやめたい!親がすべき4つの対策

子供を叩くことは、お酒を飲むこととよく似ています。私たちはルールとして「人を叩いてはいけない」と学んで育ちますが、一度感情的になって子供を叩いてしまうと、罪悪感から目を背けようと「これぐらいなら大丈夫なんだ」と思い込む心理が働きます。「人を傷つけることを恐れる」という理性のタガを外してしまうわけですね。

その結果、子供を叩くことを繰り返し、叩き方がエスカレートするなどの悪循環に陥りかねませんので、早い段階でパパやママが自分の行動をコントロールする方法を学び、叩かない対策をすることが大切です。

深呼吸をしましょう

子供がうるさいとき、言うことを聞かないとき、危険なことをしてカッとなり叩きそうになってしまったときなどは、手を振り下ろす前に深呼吸をしましょう。我慢せず、カチンときたら早めに行うことが大切です。大きく深呼吸して大量の酸素を取り込む行為には、副交感神経系の働きを活発にし、血流を促進させてメンタルを安定させる効果があります。

よりスピーディーに感情を安定させたいのであれば、鏡を見ながらの深呼吸がおすすめです。自分の怒った顔やイライラした顔を、鏡を通して客観的に見ることで、感情をコントロールしやすくなる効果がありますよ。

どんな時に子供を叩きたくなるのか把握しましょう

自分がどんな時にカッとなるのか、子供を叩いてしまうのか、自分自身の置かれた状況を把握しておきましょう。感情的になることのコントロールは難しいかもしれませんが、危険な状況を自分で知っておけば、その状況に陥らないよう回避することが可能です。

自分の感情を整理したい時には、状況や自分の感じた事、思ったことを紙に書き出していくのが効果的です。「いつ」「どんな時に」「自分の取った行動」「ほかにできることはなかったのか」を、ツリー方式で書き出していくと、心の整理ができますよ。

子供と距離を置きましょう

子供を叩く衝動に駆られたら、子供とは距離を置きましょう。子供の安全を確保したら、「別の部屋に移動する」「一人で散歩に出る」など自分自身をクールダウンする時間を積極的に持つことが必要です。不安になった子供が泣いて追いすがってくると更にイライラとしてしまうので、多少子供が泣いても声を聞かないように努め、しっかり一人になって落ち着くことが大事です。

もし、ママが子供を叩くことを繰り返して悩んでいるのであれば、子供を保育園などにお願いして働きに出て、子供と物理的な距離をとることも効果的です。自分自身の気分転換になりますし、同年代のお友達をたくさん遊ぶことは、子供を程よく疲労させて行動を落ち着かせるので、ママがカッとなる危険な状況を回避する効果もあります。

決意を紙に書いて貼りましょう

子供を叩かないと決めたなら、決意を大きく紙に書いて、部屋の見やすい所に張っておきましょう。受験生が良くやる行動ですが、とても効果があります。一度決めたことでも、時間が経ては「まあ、いいか」という気持ちになりがちですが、自分のすべきことを何度も目にすることで、決意した時の気持ちをフレッシュに保ち続ける効果があります。

貼りだす場所としては、できるだけ頻繁に目に付きやすい場所が望ましいのですが、あまり人目に触れられたくないのであれば、トイレの中がおすすめです。落ち着いた場所で一日に何度も目にすることで、良い効果が得られますよ。

チョット考えてみて!子供を叩く時の親の心理

「子供を叩く」という行為は、躾の一環としてみなされることもありますが、「体罰」「虐待」ともみられることもあります。これらは線引きが曖昧で、なかなか判断が難しい問題でもありますね。そんなときには子供を叩いてしまった時の気持ちを思い出してみて下さい。

<パパやママが子供を叩くことが多い状況>

  • 子供が言うことを聞かなかった
  • 子どもが喧嘩したり、騒いだりした
  • 子供が危険なことをした
  • 子供がお友達を叩いた

「普段は言葉で注意できるのに、できずに子供を叩いてしまった」という状況には、その時パパやママが疲れていて、イライラして感情のコントロールが出来なかったという心理状態がうかがえますね。「言葉で言ってもわからないから」という気持ちになってしまうのでしょう。

「言葉で言ってもわからないから、叩いてでも子供を思う通りにしたい」という欲求は、「こうあって欲しい」という親の欲求です。自分より大きな、力が強い大人が暴力を振るえば、子供は怯えて言うことを聞きますが一過性で、子供の心に残らず教育にはなりません。

子供への躾とは、子供が泣きやまない時や言うことを聞かない時に理由を尋ね、何がいけないのかを子供に考えさせ、子供自身にやってはいけないことを自覚させる行為であって、決して親の言うことを聞かせることではありません

子供は親の所有物ではなく、どんなに小さくても自分で選ぶことのできる一個の人間であることは忘れてはいけません。もし子供を叩きたいといった衝動に襲われたら、なぜ叩きたいのか、親が思い通りにコントロールをしたいだけではないのかを、振り返ってみましょうね

子供が親を叩くのをやめさせたいときは?

ママやパパが子供を叩いて育てている場合、子供が親を叩くと「私が叩いたから!?」と不安になってしまいますね。叩かれた経験のある子供は、「他人を叩いて言うことをきかせる」ということを学習してしまい、気に入らない時に叩いて攻撃することがよくあります。

また、パパもママも全く子供を叩くことがなかったのに、「お店で見つけたお菓子を買ってもらいたい」「眠い」などの欲求を通すために、子供がママに攻撃になる場合、「大きくなってもこのままだったらどうしよう」と不安になってしまうでしょう。けれど、子供は成長のステップとして攻撃的になることもあります。

どちらの場合にも、身近なパパやママのフォローが必要です。この時期のパパやママの関わり合い方が、子供の将来を左右しますので、子供の様子を確認しながら、適切に対処していきましょう。

「叩いてはいけない」としっかり教えましょう

小さな子供にとっては、全てが学習の対象。自分の我を通すために攻撃になることも、ある意味大事な学習です。しかし、他人を叩く行為は怪我をさせる危険性が高く、周りから受け入れられずに孤独に追い込まれるリスクも高いので、しっかりと「叩いてはいけない」ということを言葉で教えていきましょう

親は子供のお手本ですから、子供に叩いてはいけないと教えるときに、パパやママが子供を叩いてはいけません。叩かずに相手と話し合うことを、親子で学んでいけるといいですね。

子供の行為だけを注意しましょう

子供が悪いことをした時は、頭ごなしに注意してはいけません。子供が攻撃的になる時には、子供は何らかの反発心を心に抱えていて、発散の仕方がわからない状態です。頭ごなしに叱りつけると反発心をあおるだけですから、子供が素直に話を聞く状況を作っていきましょう。

子供に叩くことをやめるように言う時には、子供の悪い所を責めるのではなく、子供の行為を注意しましょう。「叩いてはいけない」ということを「あなたはいけない」と言ってしまうと、子供は自分が否定された気持ちになって親の話を聞き入れることができなくなりますから、言葉は慎重に選びましょう

スキンシップを積極的に取りましょう

子供が周りに対して攻撃的になる背景には、何らかの不安やストレスを抱えていることが多いです。そんな時にはできるだけ子供に愛情を示しましょう。スキンシップは愛情を示す最大の手段ですから、子供を注意する時も手を握るなどのスキンシップを心掛けましょう。

子供が言うことをわかってくれたら、たくさん褒めることも大事です。年齢にもよりますが、子供が叩くことを我慢できたら、大げさなくらい褒めて抱きしめてあげましょう。

子供を叩く夢を見た時は…

親になると子供の夢をよく見ます。子供と一緒に遊ぶ夢、大きく成長した子供と一緒に食事をする夢などの楽しい夢もあれば、子供が怪我をする夢や自分が子供を叩く夢などのネガティブなものもよくあることです。子供を叩く夢を見ると、自分の中にそんな攻撃的な願望があるのかと不安になってしまいますが、大丈夫です。子供に関する夢はあなたの願望を表すものではありません

夢診断や夢占いなどでも、「親が子供の夢を見ることは、自分の自己愛や内向性を暗示している」と判断されます。子供は無邪気で愛らしい反面、手がかかるといった特徴から、コントロールできない自分の姿に繋がっていて、自分自身の欠点や未熟さへのジレンマが、子供を叩くという行為に象徴されると言われています。

子供の夢はストレスを感じている時や、神経が疲れている時に多いので、夢を見たことをきっかけに少し休養をとることを考えてみてはいかがですか?

子供と一緒に成長していきましょう

子供を叩くことが躾であるのか、ただの暴力であるのかはなかなか線引きが難しい問題です。子供がどうしても言うことを聞かないときは、子供を叩くことは仕方がないという意見もありますが、子供への悪影響を考えれば、叩かずにすめば、それに越したことはありません

親にとっても後になって罪悪感を持つよりは、自分の感情をコントロールする方法を身につけた方がお得!パパやママも子供と一緒に成長をしていけるといいですね。

この記事を書いたライター

羽根田るみこ

第一子から15年間保育園に通い続け、まだまだ記録更新中です!