なぜ泣きわめく?子供に感情のコントロールを学ばせる親の対処法
泣きわめく子供への対処が上手くいかず、呆然としたりイライラしたりしてしまうのは、多くのママやパパが通る道。
いったん不機嫌になるとまるで怪獣のように泣きわめき続けるのが子供なので初めは戸惑いますが、何度も経験するうちに泣き止ませ方のコツが少しずつわかってきます。
ただしそのコツが脅しなどの間違った方法だと、その場は泣き止んでも泣きわめく以外の解決方法を身に着けられないまま成長することがあります。
その結果、年齢と共に親も周囲もその子自身も感情のコントロールができないことに悩みながら辛い思いをすることに。ぜひ感情のコントロール方法を身に着けやすいやり方で、泣きわめく子供を育ててあげましょう。
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どうして子供は泣きわめくの?原因は単純だった!
そもそも子供はなぜ泣くのでしょうか。泣きわめいてしまう原因を知っておくと、子供の心理に寄り添って対処しやすくなりますのでチェックしておきましょう。
- 助けを求める手段が泣くことに偏っている
- 親の言うことが理解できない
- 言葉で気持ちを表現できない
- 先のことや相手の気持ちを想像できない
- 自我の芽生えや確立に向けた成長過程
子供が泣きわめくのは悪い事じゃない!
子供は赤ちゃんの頃から泣きわめくことで自分自身を守っていますので、発達途中の子供が泣くのは必要で当然のことです。まずは子供が泣きわめくことを「悪い事」と考えて大人の都合を押し付け、子供を責めることをやめましょう。そして徐々に感情のコントール方法や泣くこと以外の助けの求め方を身に着けていけるように教育しましょう。
泣きわめく子供を早く泣き止ませたい一心でやりがちな5つのNG対応
子供の泣き声は、長時間続くといくら親であってもイライラしてきます。
あなたは早く泣きやませたい一心で、こんなNG対応をしていませんか?
- 抱っこしてなだめる
- 怒る
- 脅迫する
- 理由を聞く
- 折れて子供の要求をきく
子供の不安を増幅させてしまう対応や、「泣けばなんとかしてもらえる」「泣けば思い通りになる」と勘違いさせ続けてしまう対応には、特に気をつけなければいけません。
泣きわめいてもルールは厳守して!
一度折れて家庭内での我が家のルールや公共ルールを曲げると、子供はその後も「ルールは必ず守らなければならないことじゃない」と考えるようになってしまい、成長と共に手が付けられなくなってしまいます。「まだ小さいから」という理由から親がルールを守れないなら、いっそのこと子供とのルールを作るのをやめましょう。ルールは守るものだと親の背で教えてあげることが重要です。
泣きわめく子供が感情のコントロールを学べる対応は「見守り」
子供が泣きわめく声は親のイライラを増幅させてしまうものですが、親は振り回されずに落ち着いていることが大切です。
その結果、次のような冷静で適切な対処法を実践してあげることができますし、子供は自分の気持ちをコントロールする方法を身に着けやすくなります。子供の心を成長させることが出来る大切なチャンスと捉え、真正面から向き合ってあげましょう。
子供の心を成長させることが出来る大切なチャンスと捉え、真正面から向き合ってあげましょう。
1泣きわめいたら他人の迷惑にならない場所へ子供を移動させる
店内や公共の場など他人の迷惑になる場所で子供が泣きわめくと、「早く静かにさせなければ」という気持ちが先行し、冷静に対処できなくなってしまいます。
まずは、泣き叫んでも他人の迷惑にならない場所や人目につかない静かな場所へ子供を移動させて、子供も親も気持ちを落ち着かせるところから始めましょう。
たとえば新幹線内ならデッキ、スーパーなら店の外、車で出かけた場合は車内などです。屋内にある非常階段の踊り場も、安全性が保てる構造になっていて、子供が興奮して暴れたり走り回ったりしない状態であればおすすめです。
親が怒らず対処すれば世間はそれほど気にしない!?
他人の迷惑にならない場所でも、子供が泣きわめくことで人目が気になって仕方がないママもいるでしょう。けれど子供は泣いて成長するもの。だからこそ育児中は過剰に気にせず、騒いでいい場とそうでない場を区別することが大切です。世間には泣きわめく子供より、その子を怒る親や何も対処しない親を迷惑だと感じる人が多いことを知っておきましょう。
2落ち着くまでスキンシップで子供に安心感を与える
泣きわめいている子供には、まず絶対的な安心感を与えてあげましょう。
これには、抱きしめてあげることが一番です。
「ママはそばにいるよ」「あなたの味方だよ」ということをスキンシップで認識させることで、子供の不安定な気持ちも徐々に落ち着いてきます。
3子供が泣きわめいて暴れたら、親は側で優しく見守る
次に言葉がけですが、子供が興奮状態のうちはいくら言葉でなだめても、ほとんどの言葉は耳に入っていきません。
それどころか泣きわめく最中に大人が構い過ぎると、子供は身を守る手段の一つとしていつまでも泣きわめく行為を定着させてしまい、不適切で自分にとって不利な行為だと認識しづらくなります。
また子供が暴れる場合は抱きしめ続けると余計に興奮したり、親も子もケガをしたりする恐れもあります。
ですから「お話ができるようになるまで、ママは待っているね」と優しく語りかけ、子供が気持ちを落ち着けるまで側を離れずに、「まだ気持ちをコントロールできないから、この子も大変なのよね」と優しい気持ちで冷静に見守ってあげましょう。
4泣きわめくのをやめて落ち着いたら、子供の気持ちに共感しよう
きちんと話せる状態になったら、子供は自分から親にすり寄ってきたり、別の物に興味を示して遊び始めたりします。
そうなったら子供の言葉に耳を傾けて、「もっと遊びたかったね」などと共感する声をかけてあげましょう。
何が嫌なのか、何をしたいのかなど子供がうまく言葉にできずに泣いてしまった感情を、親が代弁しながら気持ちに共感してあげるのです。
たとえ子供の主張が間違っていても、まずは気持ちを否定せずに共感し、ありのままの自分を受け入れてもらえている安心感を与えましょう。そうすることで子供は自分の非を認め、行動を改善する勇気を持つことができます。
本当にわかってない?泣きわめく子供の問題行動
問題行動を繰り返して怒られて泣きわめく子供の場合、年齢にもよりますが親にダメと言われる行動を分かっているけど納得できない、あるいは我慢できないということが多いです。小さい頃は力で抑え込めても大きくなってから手に負えなくなりますので、何度もお説教をするのはやめて共感で愛情を育み「困らせたくない」という想いが膨らむように育ててあげましょう。
5いつもなら泣きわめくことを我慢できた時は、子供を褒めて!
「いつもなら泣きわめいているのに」と思うシーンで子供が泣かなかったら、小さなご褒美をあげたり褒めたりして子供の努力を認め、親子で喜びましょう。
子育て中はつい泣きわめくなどのマイナス部分にばかり親が注目してしまいがちなのですが、出来たことに注目した方が親子共に楽しく過ごせ、子供の成長スピードもアップします。
よく泣きわめく未就園児には、「気をそらす」も有効な対処の一つ!
言葉でのコニュニケーションがまだ困難な1~2歳の未就園児には、安心できるぬいぐるみを与えたり、おもちゃを渡したり、風景を変えたりすることで気をそらして泣き止ませるのも有効な方法です。
この時期は理屈ではなく、感情で動くのがメインの時期。親や周囲の気持ちを言葉で伝えて泣きわめく態度を改善してもらおうとしても、感情のコントロールができません。また記憶力がそれほど発達していませんので、すぐに忘れて繰り返してしまいます。
大人のように理屈で理解することも困難ですので、表情からなんとなく感じ取って自分も情緒が不安定になる程度。それならいっそ忘れっぽいのを利用して気を逸らした方が、親子共に楽なのです。
6歳~小学生の子供が泣きわめくなら、中間反抗期かも!?
親としては子供が年長児や小学生になっても泣きわめくと心配になるかもしれませんが、実はイヤイヤ期から思春期までの自我の確立に向けた過程で、早い子では6歳頃から訪れる「中間反抗期」が関係している可能性があります。
思春期ほど激しいものではありませんので気づきにくいのですが、日頃から親に対し口答えをしたり、物にあたったり、親を無視したりすることが増えます。
そんな態度を「生意気だな」と感じた親が叱りつけたことで子供が泣きわめくようであれば、まずは子供の言うことに耳を傾けてあげることが大切!
自分の意見をきちんと受け止めてもらえれば、泣きわめかずに親からの提案や意見を素直に聴きやすくなります。
夜泣きわめくのは夜驚症かも!?頻繁なら専門医受診も検討しよう
子供は夜中に突然大声で泣きわめくことがありますが、その原因が睡眠障害の一種「夜驚症(やきょうしょう)」であるケースも少なくありません。
日中の恐怖体験や興奮、ストレスなどが原因となりやすく、好発年齢は3歳~小学校低学年と言われ、年齢が上がると自然に治まることが多いです。
1~2度であればよいのですが、度重なると親にとってもストレスになります。あまりにも頻繁で困っている場合は、かかりつけの小児科医に相談して専門医を紹介してもらいましょう。
また泣きわめくのは子供らしさの象徴的な姿でもありますが、夜中に何度も泣きわめくとなるとご近所トラブルの原因となります。
特に集合住宅の場合は「虐待で通報されるのでは?」「ご近所から苦情がくるかも」と親も気になることでしょう。
「いつもご迷惑をお掛けして申し訳ありません」と謝っておくと、多くの場合は快く「大丈夫、気にしないで」と言ってもらえますので、先に声をかけて事情を説明しておきましょう。
泣きわめく子供がよくなる病気に注意!呼吸困難になる泣き入りひきつけ
生後6ヶ月~2歳頃の乳幼児に見られることの多い「泣き入りひきつけ」は、泣きわめきすぎてけいれんや呼吸困難などを発症する、割合としては約4~5%の子供に見られる比較的頻度の高い疾患です。
泣きわめく子供のパパとママは、事前に原因や対処法などを確認しておき、いざという時には慌てず冷静に対処しましょう。
また泣きわめく子供を放置してしまうと、子供が泣き入りひきつけを起こした際に早めの対応ができなくなってしまいます。決して子供から離れずに見守ってあげましょう。
よく泣きわめく子供は、日頃から追い詰めないのが一番!
泣きわめく子供に親が参っている場合は、その子の気持ちや能力を日頃から配慮して、泣きわめくほど追い詰める状況を回避するのが一番の対処法です。
例えばコップの牛乳をよくこぼして泣きわめく子供の場合は、しばらくコップに少量だけを入れたり、ストローで飲ませたりする。買い物中に待てなくて泣きわめく子供の場合は、買い物時間を減らせるようにネットスーパーを利用するなど、親がよく失敗することにお膳立てをし、子供の成長をしばらく待ってあげるのです。
失敗は泣きわめく原因の一つになりやすいのですが、こうしたお膳立てをしばらくしてあげることで失敗体験はけっこう減らせますので、泣きわめかれて親が参ってしまうことがかなり減ります。同年齢の子供や兄弟と比較せず、ぜひお子さんの能力に合わせて出来ることを頑張らせてあげましょう。