幼稚園受験の合否は親次第!?子供を合格させたい親がすべき準備7
10月を過ぎると、幼稚園の願書配布や入園説明会など次年度の幼稚園入園に向けて準備が慌ただしくなっていきますね。けれど、国立や有名私立幼稚園受験する場合、その時期から準備を始めるのでは手遅れになることが多いんです。
今回は、国立や有名私立幼稚園の受験について、親次第と言われる理由、子供を合格させるために親がすべき準備7つ、受験する幼稚園選び、幼稚園受験のメリットとデメリット、早生まれの子の幼稚園受験など幼稚園受験に関する様々な情報をお届けします。
なぜ親次第?幼稚園受験の高いハードル
幼稚園や小学校の受験はよく「親次第」と言われます。既に受験を控え、幼児教室に子供を通わせているママは、先生から説明を受けていますよね。けれど、そうでないママやパパの場合、「子供が優秀かどうかじゃないの?」と勘違いしている人も…。希望の幼稚園に受験で合格させるためには、まず親が意識を改めることが大切ですよ。
幼稚園受験の入試問題は難しい
幼稚園の受験は中学や高校、大学の受験と違い、知識を詰め込んで試験に臨むというわけではありません。合否の判断基準として、「基本的な生活習慣が身に付いているか」というポイントが、しっかりとチェックされます。
例えば、毎日規則正しい生活が送れているか、成長期に合わせた心と体の発達をしているか、親子の信頼関係があるかなど。
「2歳、3歳の子ども相手に、そんなのどうやって判断するの?」と思うかもしれませんが、相手は教育のプロ。その年齢の子供ができて当たり前のことだけをチェックするのでは判断が難しいのですが、実は当たり前にできることだけではなく、より高いレベルの行動ができるかどうかを、子供の様子から読み取るのです。
- 挨拶を大きな声できちんとできるか
- 親と離れて過ごせるか
- 先生の話しかけにきちんと答えられるか
- 椅子に座っていられるか
- 身近な物の名前や数がわかるか など
ママやパパが「この子はきちんとできる」と思う子供でも、いつもと違う環境で行うのは難しいもの。また、しつけや情緒を育むこと、精神的な安定感などは各家庭で行うべきことであり、幼児教室だけでできるものではありません。ですから、普段から親がどのように子供と関わり、どのように子供の成長によい影響を与えているのかが問われるのです。
親と離れて泣く年齢
受験時にはママと離れて試験会場に向かわなければなりません。まだまだママに甘えたい盛りの2~3歳児。ママと離れてちょっとだけ泣く程度なら問題はありませんが、試験中ずっと泣いているようでは、きちんとした考査を行うことはできませんので不合格になることも…。
受験前にちょっと離れる練習をしたからといって、泣く子が泣かなくなるわけではありませんので、子供の安定した情緒をはぐくむためにも、受験することを決めた早い時期から、準備しておくことが大切です。
親の教育や育児方針が問われる
幼稚園受験を行う国公立付属幼稚園や有名私立幼稚園は、教育方針や指導内容がそれぞれ違うため、保護者の理解と協力が求められ、場合によっては宗教観への理解を求められることもあります。そのため、合否の判定基準の一つとしてどれだけ園のことを理解し、家庭の教育方針と合致しているかという点も合否の重要なポイントになります。
特にパパとママの教育や育児方針が食い違っていると、子供や園への悪影響が懸念され、合否に大きく影響することがあります。育児方針が食い違う家庭では、夫婦喧嘩が増えるなど子供の情緒にも影響を与え、受験に不利なだけでなく子供の人格形成にも悪影響を及ぼします。試験対策のためだけのすり合わせではなく、日頃から夫婦できちんと話し合っておきましょうね。
幼稚園受験に合格させたい親がすべき準備
小学校の受験と違って、幼稚園の受験では難しい知識問題が出されるということは基本的にありません。勘違いされやすい慶応幼稚舎は小学校ですので、ネットで検索すると出てくる難問を教え込む必要なんてないんですよ。
だからこそ、幼児教室の先生任せにできない幼稚園の受験。早い段階から親が家庭でしっかり準備をするかしないかが、合否の分かれ道に…。こちらでご紹介する7つの準備を今すぐ始めましょう。
1入試問題への対策を行う
とくに有名私立幼稚園の受験では、受験対策をしてくれる幼児教室や塾に入れる保護者が多いです。子供自身が親と離れた場所で語彙力や知識、集中力を養い、面接できちんと答えられるように練習するためだけでなく、親が志望する幼稚園の受験に対する詳しい情報を得られる点でも心強いですよね。
今はネットなどで入試問題や情報を手に入れやすくなりましたが、不正確な情報も多いのが実情。ある程度費用はかかるものの、入試のプロである幼児教室や塾であれば、何年も培ってきたノウハウや毎年の受験傾向などの情報が手に入るため合格に有利なのです。
塾に入れない場合も、入試問題の過去問が販売されている幼稚園もありますので、購入して受験対策をしておきましょう。過去問はネットでも購入できますが、受験を行う幼稚園の通園範囲にある書店に置かれていることが多いですよ。
2子供が親と離れられるようにする
普段は泣かずに親と離れられる子供でも、受験当日は不安になって表情が暗くなったり、体調を崩してしまったりすることがあります。受験当日の幼稚園は、子供にとって知らない場所。知らない環境に連れていかれ、親も他の保護者も、受験する子供達も緊張している張りつめた空気。何の準備もしていなければ、不安になってしまうのは当然ですよね。
ですから、多くの保護者は少しずつ自然に親元から離れられるようにするために、塾に入れて慣らすことが多いんです。
2~3歳児にとって、慣れない環境で泣かずに親から離れるのは、そう簡単なことではありません。受験や就園に向けて毎日の生活の中で、少しずつ親子の信頼関係を築くと共に、周囲の大人達への信頼を増すことも大切。塾に入れない場合も様々な場所で様々な大人と接し、社会性を養って子供の自立を促していくことも、大切な準備になりますよ。
3当たり前のことができる子に育てる
受験のあるような有名私立幼稚園の場合、当たり前のことを高いレベルでクリアできることが親と子に求められます。「まだ幼い子供なんだから、出来なくて当たり前よね」という感覚は、幼稚園の受験には通用しません。
親から言われて仕方がなくやるのではなく、基本的な生活習慣を身につけ、本人の意志で自然に行えることがとても大切なのです。
たとえば、試験で「朝起きてから、何をしますか?」と聞かれた時、子供はいつも行っていることを思い出して答えます。身についている子であれば「顔を洗って…」と自然に答えられますが、日頃から親が急かして手だし口だしばかりしていると、親に言われたことをただやるだけになってしまうため身につかず、試験でも答えることができません。日ごろから行っていない場合は、なおさら答えられませんよね。
食事やトイレ、衣服の着脱は一人でできるか、あいさつや返事がきちんとできるか、約束を守るか、自分でお片づけができるか…といった幼児としてのマナーやルールなどを身につけるためには、日頃から子供のペースに合わせて丁寧に取り組むことが大切。子供が自らの意志で自律できるように、子供の気持ちを大切にしましょうね。
4子供への声かけに注意する
子供の話す力や語彙力の発達には、日頃から子供への語りかけや絵本の読み聞かせなどで、言葉にふれさせることが大切です。受験まで幼児語が残ることはありますし、実際にその状態で受験する子供も少なからずいます。ですが、親はできるだけ正しい言葉で声かけをし、聞かれた質問にきちんと受け答えができるように、日頃から自らの言動に気をつけて生活することが大切です。
子は親の鏡。受験のために子供に覚えこませようと教え込んだり注意したりするのではなく、親がお手本を見せることが何より大切です。ママだけがきちんとしていても、パパが乱れているとなかなか子供に身につきませんので、夫婦で注意しましょうね。試験では親から子供への声かけもチェックされ、そこから家庭の雰囲気などを見られることもありますよ。
5夫婦で教育方針を一致させ、日頃から実践する
夫婦で育児や教育に関する方針についてしっかり話し合い、意識をすり合わせましょう。どの家庭でもパパとママの育った家庭環境は違い、少なからず教育方針には違いがあるもの。ですが、幼稚園の受験では、親の日頃からの生活態度による子供の行動、子供への親の接し方、教育方針などが問われます。
また、夫婦で同じ意見を持っていないと、試験当日の面接で失敗するだけでなく、受験をきっかけに教育方針や育児方針の不一致による夫婦の不和にまで発展しかねません。パパにも日頃から実践してもらわなければなりませんので、しっかりと家庭の育児や教育方針について話し合い、夫婦で協力できる体制を築いて受験に臨みましょうね。
6円満な家庭を作る
幼稚園受験には、子供の情緒の安定がとても大切です。落ち着いて周囲の人と穏やかに接することができる子供は、情緒が安定しています。情緒が安定した子供でも、多少わがままを言ったり、できないことに対して泣いたりすることはありますが、その状況をママやパパが日頃から穏やかな気持ちで見守り穏やかに接しているため、子供は安心して落ち着いた態度へと変わることができるのです。
もちろん、子供の性格には個人差があるため、両親が穏やかに接していても感受性が豊かな子供は些細なことで不安になりやすく、なかなか情緒が安定しないために親も苦労するでしょう。そのため、どうしても幼稚園受験が難しくて断念するご家庭もありますが、円満な家庭で過ごすことで「小学校受験は見事合格できた!」いうケースもあります。
ママとパパが穏やかに過ごすためには、何より夫婦円満に過ごすことが大切。子供の情緒を安定させて幼稚園受験を成功させるためにも、子供中心の生活に偏らず、まずはパパとママが仲良くいられる円満な家庭環境にすることを心がけましょうね。
7服装や髪型など受験に相応しい準備をする
面接時の服装や持ち物など、親も子供も合否に影響するのではないか心配になりますよね。幼稚園受験に特化した指導をしてくれる幼児教室や塾では、服装、持ち物、髪型、化粧など細かなところまでアドバイスしてくれますが、そういったアドバイスがない場合は心配ですよね。
子供の受験時の服装は、受験のために用意した真新しいものはあまりお勧めできません。受験する幼稚園によりフォーマルさの指定に差がありますが、いずれにせよ受験日までに何度か着せて慣らしておきましょう。また、靴に関しては動きやすい上履きなどの指定がある幼稚園もあります。
ママは座った時に膝が出ない程度の長さのフォーマルなワンピースやスーツなどを選ぶようにしましょう。色は一般的に言われている紺にこだわる必要はありません。ただし、場にふさわしい清潔感のある服装を選びましょう。
バッグはシンプルなデザインのハンドバッグ、靴は黒い皮革素材のパンプスでヒールの高さは3~5cmのものを選びましょう。妊婦さんの場合はヒールの低いものを選ぶと安心ですね。
パパは紺やグレイ系統の落ち着いた感じのスーツを選ぶのが基本です。ノーネクタイのラフな感じは避けましょう。いつものママやパパの服装が違う状況に、子供自身が緊張して不安になってしまうこともありますので、受験までに一度、幼稚園まで出かけて練習しておくといいですね。
子供に合っている?受験する幼稚園選び
幼稚園を選ぶ際は、家庭の教育方針と幼稚園の教育方針が一致しているかだけではなく、子供に合った幼稚園かどうかという点も重要です。受験時に合わない幼稚園受験させることで、不合格になり子供を傷つけてしまうこともあります。
仮に合格したとしても、入園後に子供が幼稚園に合わないためにつらくなり、園でトラブルを起こすことも。そうなると通園させる親のほうもつらくなってしまいますので、「有名な幼稚園だから」などとネームバリューだけで選ばず、子供に合う幼稚園を探すように情報収集を念入りにすることが大切です。
幼稚園に通わせる大きな目的は社会性の育成ですよね。お友達や先生と心を通わせる力を育てるためには、何より幼稚園生活を子供が楽しむことが大切です。幼稚園のパンフレットに一通り教育方針や指導方針などは明記されていますが、実際に幼稚園に行って園の雰囲気、子供たちの様子、先生の指導方法を見学するのもいいでしょう。園庭開放や行事に参加できる幼稚園の場合は、積極的に参加するようにしましょうね。
幼稚園受験のメリットとデメリット
早期教育がもてはやされている現在、できれば早いうちからいい教育を受けさせ、きちんとした学校へ入学させ、立派な仕事について欲しいと願う親は多いですよね。けれど、幼稚園受験には、しっかりとした教育が受けられるメリットがある一方でデメリットもあります。メリットとデメリットのどちらも知ったうえで、幼稚園受験をするかどうかを家族で話し合って決めましょう。
幼稚園受験のメリット
以下の教育方針や教育計画を持っている家庭の場合は、メリットがあります。
- 幼稚園でしっかりと学習をさせたい
- 幼稚園から小・中・高もしくは大学といったエスカレーター式に進学させたい
- 小学受験を見据えている
国公立あるいは私立小学校の付属幼稚園の受験を考えているご家庭の場合、そのまま小学校に進学できる幼稚園もあります。これは大きなメリットですよね。
また、付属小学校がない幼稚園の場合も、受験を考えている他のママなどから幼児教室や塾などでは得られない受験情報が自然と集まりやすいですし、小学校の受験を予定している幼児が多い環境なので、幼稚園側も小学校受験に対して理解を持っているという点も大きなメリットですね。
幼稚園受験のデメリット
一方で、保護者関係の煩わしさを感じるママも多いです。
例えば、幼児教室や塾で行われる模試の成績の順位を気にしたり、他のママが持つブランド品と色が被らないように配慮したり…。入試直前になると、どの小学校受験するのかという情報が飛び交い、子供自身よりも親が神経過敏になってしまうというデメリットも覚悟しておいたほうがいいですよ。
受験のない公立幼稚園や私立幼稚園よりも費用が高額になり、習い事などの費用も含めて教育費がかなりかかります。
幼稚園受験の面接で聞かれることは?
受験時の面接は、親子面接、親だけの面接、子供だけでの面接、と幼稚園によって異なります。受験する幼稚園がどのような形式をとっているのかは、必ず確認しておきましょうね。子供に聞かれることは、それほど難しい問題ではありません。面接をする幼稚園側の狙いをまとめましたので、子供だけではなく、親のほうもしっかり準備しておくといいでしょう。
幼稚園側が面接で知りたいポイント
- 子供と両親の人柄はどうか
- 基本的な生活習慣は身についているか
- 幼稚園と家庭の教育方針に差がないか
- 家庭の雰囲気は良好か
- 家庭での子供への接し方はどうか
- 幼稚園の教育方針をどのくらい理解しているか
- 志望理由について明確な信念を持っているか など
早生まれの子は幼稚園受験に合格できない?
確かに早生まれの子供は、4月や5月生まれの子供に比べると1年近くもの成長の違いが見られます。受験する2~3歳児では、月齢ごとでも発達の違いが見られるほど。体も一回り小さかったり語彙力の差が見られたりと、早生まれの子供は幼稚園受験では不利になると思われがちですね。
けれど、子供の成長には個人差があります。実際には、早生まれでも合格する子供もいます。子供の成長は、兄弟の有無など環境によっても差がありますので、早生まれだというだけで過剰に心配する必要はありませんよ。
私立・国立幼稚園受験情報はどうやって入手するの?
受験する幼稚園のHPでは見学会、説明会、願書配布などの情報を入手することができます。また、様々な幼稚園受験の情報提供サイトにて、情報を入手することも可能ですので、こまめにチェックしておきましょう。
ただし、一般的には幼稚園受験に特化した塾で、細かな情報や裏情報などを入手する人が多いです。国立の付属幼稚園の場合は、新聞に願書配布日などの情報が掲載されることもありますよ。
家族の経歴も影響する!?本末転倒に注意
私立・国立の幼稚園受験では、親がその幼稚園の出身者であることや、親の経済力が合否を左右する要因になるという声も聞かれます。また、国公立付属幼稚園の場合、子供の能力ではなく園が求めるタイプかどうかで選ぶところや、抽選結果が全てというところも…。実際のところは園の関係者にしかわからないことですが、裏を返せば納得のいかない結果になるご家庭もあるということ。
受験に不合格になると、ママが落ち込んで子供や家庭に悪影響を及ぼしてしまうもあります。それでは、何のために受験をしたかわかりませんよね。なぜ受験するのかを問われれば、皆さん「子供の幸せのため」と思われることでしょう。合格であれ不合格であれ、幼稚園の受験結果によって子供の健全な成長が妨げられないように、親としてしっかりと配慮したいですね。