知っておきたい!左利きの脳の構造と特徴/理系脳って本当?
左利きの人の脳って、どうなっているか考えてみたことありますか?実は、左利きの人の脳は、右利きの人の脳とは構造やネットワークの使い方が違っていることがあるのです。
今回は、そんな左利きの脳の構造や特徴、後半では左利きの人に起きやすい日常のちょっとした苦労話など、統計的な事実や体験談も織り交ぜながら具体的にご紹介します。世界的に見ても左利きの割合はおよそ10%と少数派!左利きのお子さんをお持ちのママ、左利きのメリット・デメリットをしっかり把握し、すっきりした気持ちで育児にむかいましょうね!
左利きの脳の構造3パターン
「子供が左利きなのですが、このままにさせていてよいのでしょうか?」「左利きだと子供の成長面でどんな影響があるのかしら?」と悩んでいるママの声を時々聞きます。うわさではよく、「脳科学的には天才が多い」「左利きは理系脳」などの噂もありますよね。周りにいる左利きの大人を思い出して、「なるほどそのとおりかもしれない…」と思ったり、「そうでもないかなあ」と思ったり…。
実際の左利きの脳に関して、まずおさえておきたいのは人間の右半身の動きは左脳が、左半身の動きは右脳がつかさどっているという点!首の部分で神経が交差していて、このような状態になっているのです。つまり、右手を使うときには左脳が働き、左手を使うときには右脳が働いています。
どうして左利きになるのか、原因には遺伝や胎児期の環境など諸説ありますが、よく使う部分がよく発達することになるので、結果的に利き手は脳の構造に影響を与えると考えられ、次のような3つのパターンがあると言われています。
左利きの脳の構造3パターン
- 右利きの脳と同じ
- 空間認知能力、言語中枢能力が左右の脳両方にある
- 左右の脳が右利きの人と反対になっている
1右利きの脳と同じ構造
左利きの人でも、ご飯を食べるときに箸を持つのは左手だけど、文字を書くときにペンを持つのは右手だという人がいますよね。このように用途によって利き手を使い分けることを「交差利き(クロスドミナンス)」と呼びます。
右利きの人はほとんどすべてのことを右手で行うのに対し、左利きの人のおよそ半数の人は、子供の頃に文字や箸だけ右に矯正されたり、本人の利便性に応じて変えたりして、右手と左手を行動によって使い分けていると言われています。
つまり、左利きの人の多くは、左手も右手も両方上手に使いこなせるので、右脳も左脳も発達しやすいといえます。その結果、左利きであっても、右利きの人と脳の構造が変わらない構造になることがあるのです。
2空間認知能力、言語中枢能力が左右の脳両方にある構造
色々な研究もなされているようですが、よく言われている原因としては、途中で利き手が変わったということがあります。途中で利き手を変えると、それまで使っていたほうの利き手の働きが残るということなのか、空間認知能力や言語中枢能力が両方の脳に存在する構造になりやすいそうです。これもまた面白いですね!
空間認知能力とは、物体の位置や、向き、形、大きさなどを正確にとらえる能力のことで、一般的には右脳がつかさどる能力だとされています。
言語中枢能力とは、言語活動(主に言語を理解したり、話したりすること)をつかさどる中枢で、一般的には左脳にあるといわれています。
この2つの能力が、左脳にも右脳にも両方に存在するという構造が、このパターンです。つまり言語活動をするときにも、空間を認識するときにも、左脳と右脳の両方を使っている場合があるのです。
右利きの大人の約90~95%が言語活動の際に主に左脳だけを使うのに対し、左利きの大人は約60%の人しか左脳を使っておらず、左利きの大人の残り約40%は、言語活動をする際に右脳も左脳も使っているということがわかっています。
3左右の脳が右利きの人と反対になっている構造
こちらはタイトルのとおり、左脳と右脳が反対になっているというケースで、本来右脳であるべきものが体の左側にあり、左脳であるべきものが体の右側にあるというパターンです。結果的に右にある左脳が指令を出すので、左手が利き手として動いているということになります。単純なようでいて、言葉にするとちょっとわかりにくいパターンですよね。
以上、左利きの人の脳の3つの構造についてご紹介しました。同じ能力が、人によって脳の違う場所で発達しているなんて、しかもそれが利き手と関わっているなんて、とても興味深いですよね!
左利きの人の脳梁は太い!
人間の脳には、左脳と右脳との間の伝達の役割を担う「脳梁(のうりょう)」という部位があります。その「脳梁」の太さが、左利きの人のほうが右利きの人より11%ほど太いと言われています。
右脳と左脳というと、脳が真二つに分かれて別々に活動しているような感じがしますが、実際には右脳と左脳は、常に連携し「脳梁」を介して連絡をとりあいながら、力を合わせて働いています。「脳梁」が太くて丈夫だということは、それだけ右脳と左脳との連携がスピーディで安定し、相互に支えあう力が強いということなのです。
左利きの脳は適応力が高い?(新しいスキルの習得など)
左利きの人の場合、言語中枢能力や空間認知能力といった大切な働きをする部分が、右脳にも左脳にも発達することがあるとお伝えしましたよね。そのことに関連して、左利きの方は新しい環境や難しいツールに直面した際にも、柔軟に適応できることが多いと言われています。
脳は、ある機能が働きにくい時に別の部分の脳が補うことが知られていますが、左利きの場合は、脳梁が太く、左右の脳のネットワークが広く繋がっている場合が多いので、未知の操作を覚える時にも両方の脳が情報を補い合って支えてくれることが多いと言われています。そのため、新しいスキルの習得がスムーズに進むことがあるのだそうですよ。これは大きなメリットになりえますね。
Aスマートフォンの習得が早かった父
去年、私の父がスマートフォンを使い始めました。急に機種変して、しばらくは全く操作もできなかったりして、大変心配しましたが、なんとか今元気に使いこなしてくれています。
もともとおしゃべりが好きな父だったので、メッセージ入力で言葉が伝えにくくなるととてもかわいそうだと心配していたのですが、今は時々詰まる程度でほとんど普通にやり取りをすることができています。
親戚の方にそのことを話すと、「左利きだから脳が柔軟で習得が早かったんじゃないか」と言われました。初めて知って驚きましたが、もしそうなら良かったです。
左利きの人は理系脳が多い!?
左利きあるあるネタとして「左利きは理系脳」という話を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか?左利きの場合は物体や事象を立体的、空間的にイメージする力に長けていることが多いと言われます。いわゆる、「理系脳」というやつですね。地図を読むのが上手で方向感覚に優れていたり、数学の、主に図形領域の問題に強かったりします。
また、サッカーなどのスポーツにも理系脳が有効な場合もあり、左利きの天才選手の話しを耳にすることもありますよね。右脳が司る、心理戦や動きを瞬発的に読み取る力に長けていることが分かっています。なんか、カッコイイ、知的なイメージがします。
左利きの人は理系脳と言われるけど本当?
ではなぜ左利きには理系脳が多いと言われるのでしょう。左利きの場合、左手の動きをつかさどっている右脳が発達しやすいわけですが、その右脳には一般的に空間認知能力がそなわっていることは言及しました。「右脳が発達しているのなら、空間認知能力も高いだろう」という理由から、左利きには理系脳が多いという話になっているわけですね。
ですが、ここで思い出していただきたいのは、脳の構造には個人差があり、左利きの脳の構造にも3つのパターンがあるということです。なので、当然ですが、左利きだからといって、必ずしも理系脳がそなわっているとは限りません。あくまで、傾向的な話としてとらえておいたほうがいいですね。
実際に、左利きのお子さんが小学生の頃から数学が得意で、そのまま理系の道へ進学したというケースも聞きますが、逆に何をするにも完全に左利きだというお子さんでも、一番ニガテな教科が数学で、反対に英語や国語が大好きで語学系の大学へ行かれたというケースもあります。
A左利きの次男だけが超理系!
うちは旦那と二人息子の4人家族ですが、私や旦那、長男が右利きなのに、次男だけが小さいころからかたくなに左利きでした。周りがみんな右手を使っているのになぜ次男だけがと不思議でした。
学校に行くようになってからも、次男だけ違いました。私たち夫婦は超文系夫婦で、長男も国語や英語が好きな文系っ子だったのに、次男は完全に理系でした。小学生の頃から数学や理科が好きでした。我が家では貴重な理系っ子なので、新鮮です。方向音痴な私や旦那はよく彼に助けてもらっています(笑)。
A左利きなのに割り算でつまずく娘
私の娘は今年小学5年生になります。5年生になったとたん、算数が苦手になりました。どうやら割り算でつまずいているようなのです。そんな娘は、小さい時から左利きで育ちました。左利きは理数系ができるって聞いていたし、今まではけっこう得意なほうだったんですけどね…。
5年になって、逆に国語が大好きになってきて、このままだと文系まっしぐらって感じです。流行りの「リケジョ」かっこいいなとか思っていたけど、どうやら違うみたい。まあ、勉強そこそこ頑張ってくれたらどちらでもいいんですけどね(汗)
ここまでは左利きの素敵な特徴をご紹介してきましたが、ここからはちょっと左利きのデメリットのご紹介です。まだ利き手が定まらない小さなお子さんをお持ちの親御さんが一番気になさるところですよね。しっかりみていきましょう。
左利きが日常で直面する「右利き社会」の壁!?
世の中の道具や設備の多くは、右利き用にデザインされています。そのため、右利きの人より左利きの人のほうが、次のような日常のちょっとした不便に直面しやすいという事実があります。
例えば、ハサミやカッター、スープをすくう横口のおたま、自動改札機のタッチパネルなどは、左利きにとっては使いづらい代表格といわれています。なぜなら、これらはすべて右手の動きを前提に作られているからです。「まあ、今の世の中便利な左利き用グッズも増えているのでは?」と思ったりしますし、そう考えればさほど大きなデメリットでもない気はしますけどね。
もちろん、どうしても右利き用の道具を使わなければならない時は本当に操作が大変だったりしますので、お子さんが不便を感じないに越したことはないのですけれど…。左利きでハサミが使いにくいという方もいらっしゃいますが、左利きのせいだと深く悔やんでいる方は私の周りには一人もいません。左利きの特徴として「右脳と左脳の両方を日常的に鍛えられる」ともいわれていますし、不便さを工夫で乗り越えることが脳への良い刺激になっているのだと捉え、前向きに子育てすることが大切ですね。
A左利きだからお習字が苦手なんちゃうで?!
今年の春からついにあのお習字の授業とやらが始まってもうて…。筆も持ちにくいし、手も墨で汚れて辛いです。それを見てたお習字が得意な友人Aが、「左利きやからお習字が苦手なんちゃうか」と言ってきたんですよ。
家に帰ってちょっと調べたら、確かにそんなことが書いてあったりして。左利きとお習字に関係があるなんて、ショック…、こんなに毎回ひどい字になるんなら、小さい時から右利きにしとくんやったとちょっと後悔してた。
そんなある日、また同じ友人Aに会ったんやけど、思いっきり手に墨をつけてて。「俺もお習字で失敗してもうた~」やって。今年のお手本は難しいらしいし、利き手関係ないかも(笑)。
左利きの脳を理解して、子供に合った子育てをしよう!
小さいお子さんが今は両手を使っていて、「将来左利きにならないようにしなくては」と気にしていらっしゃった親御さんもいますよね。今回は脳の構造から出ている傾向をいくつかご紹介しましたので、参考になさってくださいね。赤ちゃんや幼児の利き手は変化すると言われていますので、4歳未満のお子さんのママは無理に矯正しようとせず、穏やかな気持ちで見守ってあげましょう。
また、実際に左利きの大人に質問するとメリットを感じている方が多く、差別があった昔とは違い、プロのスポーツ選手を目指して、右利きをわざわざ左利きに変える人までいる程です。お子さんが左利きだからとあまり心配し過ぎず、「この子が授かった特別な才能だ!」と、胸を張ってお子さんの個性を丸ごと受け入れてあげましょうね。




