保育園の審査に落ちたら?働くために即効ですべき5つの対処
子育てをしながら働く女性にとって、保育園の審査に落ちた時のショックは相当なもの。一刻も早い解決が待ち望まれる大問題です。待機児童問題について政府も対処しているとはいえ、今この瞬間ですら、保育園審査に落ちた落胆とやり場のない憤りを感じているママは少なくありません。
保育園に子どもを預けたい差し迫った事情があるのに、審査に落ちて子供を預けることができない時、私たちは一体どうすればいいのでしょうか?今回は待機児童の現状、保育園に落ちたら直ぐに行いたい対処、落ちないための対策などについて詳しくご紹介していきます。
待機児童の現状と「保活」の必要性
保育園は家庭に変わって子供の面倒をきめ細やかに見てくれる、働くパパやママにとってありがたい施設。ですが誰でも利用できるというわけではありません。急激に核家族化や女性の社会進出が進む日本では、まだまだ保育園の数が不足しています。
平成29年3月末に公表された厚生労働省報道資料「平成28年4月の保育園等の待機児童数とその後の状況について」を見ると、平成28年4月時点に保育園の入園を待つ待機児童の数は全国で23,553人。年度途中の10月時点では47,738人にものぼりました。
特に人口が集中し働き口の多い首都圏や都市部では、半分以上の子供が待機児童になってしまうので、こういった地域に住むパパやママにとっては、保育園にすんなりと入れないのは今や常識。そのために復職や再就職の目途が立つよりもかなり早い段階で、保育園に入るための積極的な活動=保活を始める必要性に迫られています。
保育園申し込み&落ちたのがわかる時期
保育園への入園申し込みは、基本的に就業などの差し迫った必要性があればいつでもできます。
ただし4月からの入園を希望する場合は、前年度の11月前後に入園希望の申し込みが始まります。期日を過ぎてしまえば、よほどの事情がない限り申し込みは受け付けてもらえません。早めに希望する園を見学し、申し込みの手続きや期日について確認をしておきましょう。
必要とされる書類をすべて整えて申し込みをすると、2月頃、遅くとも3月には入園審査の合否通知が届きます。不許可になってしまった場合は待機児童にならざるを得ないので、入園申し込み募集前の保活中にあらかじめ対策を立てておくことが大切です。
審査に落ちたらどうする?直ぐすべき対処
保育園に落ちてしまったけれど生活のために働かなくてはいけない場合には、直ぐに別の預け先を探す必要があります。待機児童になるリスクを考慮し、認可保育園だけでなく滑り止めで認可外の保育施設もおさえておくのがベター。
また育休が終わってしまう、審査に納得がいかないけれど審査請求はしない場合にも、次の手順で第一希望に変わる子どもの預け先を探したり、育休を延長したり、次回の申し込みに繋がる有利な状況を作ることもできます。
12次募集に応募する
確実性はありませんが、もともと定員割れしている園や1次募集でキャンセルがでてしまった園が、2次募集をすることがあります。通える範囲の園であれば、前向きに入園の申し込みを検討しましょう。
こういった情報は市町村役場の保育課などで教えてもらえます。地域人口なども考慮してできるだけ倍率の低い園を選んで申し込みをすれば、入園できる確率が高くなります。
2保育ママなどの小規模施設を探す
費用面負担が少ないのは認可保育園ですが、保育ママやベビーシッターなどの認可外の保育施設も検討しましょう。自治体の保育課に資料が備え付けてありますし、ホームページなどで広告を出している施設も多いです。
最近は時間を延長して子どもを預かってくれる幼稚園もあります。子どもの年齢や時間帯の制限もありますので、自分の働き方に照らして無理がなければ前向きに検討していきましょう。
3実家・義両親にお願いする
遠隔地に居住している場合は無理ですが、もし通える範囲に実家や義両親などの親族がいる場合には、もう一度子どもを預かってもらえるか相談してみましょう。お互いに日頃から信頼関係がないとこういったお願いは難しいので、復職・再就職を考えたら、家族ともよく話し合って理解と協力を求めておくことをおすすめします。
4職場への連絡
すでに復職や就業の予定が決まっている場合、保育園に落ちて困るのはパパやママだけではありません。職場の人員対策の面でも支障が出てしまうので、希望する保育園に落ちたため待機児童になってしまうことが分かった段階で、早めに職場にも相談をしておきましょう。
育児休暇は2歳まで延長できる!
平成29年10月1日より改正育児・介護休業法がスタート。子どもを預ける保育園などが見つからない場合は、会社に申し出ることで、子どもが2歳になるまで育児休暇及び育児休業給付金の給付期間を再延長できることになりました。
育児休暇を使い果たしてしまう場合、保育園に落ちると仕事を辞めるしかないと考えてしまいがちですが、こういった離職者を防ぐために、認可外保育園やベビーシッターを利用する家庭への補助制度を導入する企業も増えています。保育園に落ちたことを自分のマイナスポイントとして悲観するのではなく、職場の協力もお願いしていきましょう。
5納得できない場合は役所に相談
受かるかどうかはわからないとはいえ、保育園の申し込みをしたパパやママの多くは、心のどこかで「受かるはず」と思っていることでしょう。実際に不許可の通知が来てしまうと本当に慌ててしまうものですが、審査に落ちたことに納得がいかない場合には、住んでいる市町村の担当課に相談に行くことをおすすめします。
もちろん審査請求をすることもできますが、審査請求に消極的な方は役所に相談するのがおすすめ。自分が落ちた理由を知ることで、次回の申し込み時にどうすれば審査に通るのか対策を立てられます。理由を教えてもらえなくても、相談すれば合格に有利な情報や状態を作るのに役立つケースもあります。
相談に行って良かった
保育園、私も落ちました。フルタイムだし、ウチの地域はそれほど激戦区でもなかったので、本当にショックで…。数日間モンモンと考えたのですが、あきらめきれなくて、市役所の保育課に落ちた理由を聞きに行きました。
クレーマーみたいにすげなく扱われるのかなと思っていたのですが、職員さんは親切でしたよ。落ちた理由は規則で教えられないとのことだったのですが、その段階で定員に空きのある園を紹介してもらえました。
自宅からは遠くて通いにくい園だったのですが、復職の予定を変えることができなかったので、アドバイスに従ってそちらの園に入園したのですが、なんと2ヵ月程して第一希望の園に空きができたという連絡が!「すでに保育園に通っている実績があるから」ということで、転園することができたので、勇気を出して相談に行って本当に良かったと思います。
自分が通える範囲の園の倍率がどれぐらいなのかを教えてもらい、より入園できる確率の高い園を選ぶなど、今後の合格につなげていくのも一つの方法です。
保育園に落ちないための審査対策
保育園に入園の申し込みができるのは、共働き家庭や片親の家庭、病気や家族の介護などのためなど、子どもを家庭で保育できないという具体的な理由が必要です。それでもほとんどの園では入園希望が定員をオーバーしてしまうので、多くの場合、入所基準や保育園に子どもを預ける必要性をポイントで加算して、入園の可否を決定します。
保育園の審査に落ちる主な原因は、加算ポイントが他の人と比べて低いことがあげられます。しかし、中には次のような理由で審査に落ちたというケースも散見されますので、申込書を作る際には十分に注意しましょう。
落ちやすい!申込書の記入内容
- 入園申込書に未記入の部分が多い
- 証明書など必要書類の添付漏れ
- 就業状況などに嘘を書いている
- 申し込みの理由を具体的に記載していない
- 第二希望・第三希望の保育園名を記載していない
市町村の名称やふりがななど自分ではわかっているつもりで省略してしまうと、それだけで「必要事項が記入されていない」と審査にはじかれて落ちてしまうこともあります。必要書類の添付漏れや記載の仕方で勘違いをしてミスってしまうことも多いので、申し込みは日程に余裕を持って行い、書類は直接園の職員さんに手渡しをして、不備がないか確認をしてもらうといいでしょう。
その園に入りたい気持ちはわかりますが、希望通りにいかないのが現代の保育園選び。第二、第三希望園を指定しておけば、第一希望の保育園に落ちたときに自治体から他の園へ振り分けをしてもらいやすいです。自分が通える範囲で、第二、第三希望の保育園名は必ず書いておくことをおすすめします。
平成28年度待機児童数 | ||
---|---|---|
年齢 | 4月時点 | 10月時点 |
0歳児 | 3,688人 | 22,007人 |
1・2歳児 | 16,758人 | 22,183人 |
3歳以上児 | 3,107人 | 3,548人 |
また平成28年度の待機児童を年齢別にみると、4月時点で0歳児はおよそ16%。ところが10月時点では46%と待機児童数が急増しています。ここから4月からの入所は1・2歳児が落ちやすく、それ以降は3歳未満児全体が待機児童になりやすいということがわかります。
入園時期に迷っている0歳児や2歳児のママは、こうしたタイミングを知った上で保育園の審査に落ちにくい有利な入園時期を選ぶのも、落ちにくくする一つの方法です。
保育園に落ちたら早めに対処して!
保育園に落ちたことがわかると、まるで自分の能力や働く権利を否定されたようにも感じてしまうのですが、決してあなたに非があって入園審査に受からないわけではありません。定員がある以上、誰にだって保育園に落ちる可能性はありますから、働くことをあきらめずに次の対策を速やかに講じていくことが大切です。
4月から子供を預けるつもりで準備をしていても、保育園に落ちたことがわかるのは2~3月と結構ギリギリ。落ちたことでショックを受けて手をこまねいていると、子どもの預け先はさらに少なくなってしまいます。落ちたことがわかったら、早め早めに対処していきましょう。