負けず嫌いな子供の性格は良い?悪い?才能を伸ばす育て方のコツ
「もうやめた!」とゲームを途中で放棄し、感情が込み上げてきて大泣きする。こうした負けず嫌いな子供の性格に、振り回されて困った経験があるママさん。その負けず嫌いが実は、将来あなたを喜ばせる結果をもたらすかもしれません。
こちらでは、多くのママやパパが子育て中に苦戦する子供の負けず嫌いあるある、負けず嫌いの性格と才能、天才の子供時代の逸話、負けず嫌いな子供にNGな接し方、負けず嫌いな子供の育て方のコツをご紹介します。
子供の負けず嫌いあるある
子供の頃、特に幼児期はゲームや習い事で負けてしまうと、思わず感情があふれ出してしまう負けず嫌いな子供が実は多いんです。
1ゲームに負けると大泣きする
楽しくゲームをしていたはずなのに、負けると感じ始めたり、実際に負けたりすると、子供が大泣きして周りが困ってしまうことって、子育て中はけっこう起こります。子供にとっては「負けること=絶対あってはならないこと」と捉えており、怒りのエネルギーを発散している状態なのです。
負ける度に大泣きを繰り返すため、大人も子供も疲れてしまい「もうやりたくない」「周囲に迷惑」と感じてしまうことも多いのですが、その際の親の対応によって数年後に子供の負けず嫌いが消失し、後悔することもありますので注意しましょう。
2できないと癇癪を起こす
最初はできると思って取り掛かったのに、実際にはできないため、次第にイライラが募って癇癪を起すのも、負けず嫌いな幼児に多いあるあるです。
特にイヤイヤ期の幼児に多く見られ、「服を自分で着られない」「靴が履けない」など毎日のことなので親も大変!原因は、子供は先を見通す複雑な思考力が乏しく、一度失敗を経験しても失敗した記憶を覚えていないことが多い、あるいは感情のコントロール力が困難なためなどと考えられています。
3できるまで何度も繰り返す
負けず嫌いな子供の中には、大人が呆れるほど繰り返し練習する子もいます。自分ができない事実を受け入れることができず、今すぐにでもできるようになりたいと癇癪を起しながらも練習します。
反復練習は大人でも集中力や根気が必要なのですが、負けず嫌いの子供はできるようになりたい一心で、自主的に繰り返すことができるのです。
娘の負けず嫌いにママが疲れてしまう
我が家の娘は、とにかく負けず嫌いです。ある日、幼稚園のお友達からお手紙を頂きました。そのお手紙はきちんと平仮名で書いてありました。それを見た娘が「何で私は字が書けないの!早く教えて。」と怒り出したのです。
娘に平仮名のドリルを購入して与えたところ、1週間足らずで覚えてしまいました。しかもそれでは飽き足らず、「○○ちゃんより早くカタカナも書きたい」と猛練習をしていました。
私自身は負けず嫌いではないので、目の色を変えてドリルに取り組む娘に付き合わされ、戸惑っています。何回も繰り返し学習することは嬉しいことなのですが、まだ幼稚園児のため一緒に取り組まなければならず、上手く書けないと癇癪を起し怒る娘に、正直疲れてしまいます。
負けると癇癪を起こす性格は才能です!
時間や場所をわきまえずに頻繁に泣き叫ばれるのは困りものですので、我が子の負けず嫌いを長所ではなく短所と捉えてしまうパパやママも少なくありません。確かに近所迷惑なだけでなく、同じ空間にいる親だって気分のいいものではありませんので。そこでお薦めしたいのがママのイライラ対策になるリフレーミングです。
リフレーミングとは、今までと違った角度から我が子の特性を見ることで、子供をポジティブに捉えるようにする心理学技法の一つです。リフレーミングを取り入れ子供と向き合うことで、ママも楽になるだけではなく、子供との関係も円滑になるなどのメリットがあります。
負けず嫌いはリフレーミングすると「努力家で向上心がある」と言い換えられます。つまり努力を惜しまない性格なので、将来勉強やスポーツにストイックに取り組むことができるのです。
大声で泣いたり癇癪を起こしたりする負けず嫌いですが、できるまで何度も繰り返すことは記憶を長期記憶へと定着させ、子供の記憶力を伸ばす重要な行為でもあります!
子供のやる気は、学校に入学してからの親にとって需要なキーワード。子供にやる気がないため自主的に繰り返すことができず、記憶が定着しないため学校でも勉強などの成果が上がらず、大きくなってから親が嘆く家庭は実に多いんです。つまり負けず嫌いは何かを習得するために生まれ持った重要な才能と言えるのです。
天才に多い!負けず嫌いだった子供時代
現在、天才と呼ばれて世界的に活躍している人達も、小さいころから負けず嫌いな性格だったと言われる逸話が聞かれることが多いんです。
マイケル・ジョーダン
世界的バスケットボール界のレジェンド、マイケル・ジョーダンには、ラリーという兄がいますが、幼少期に「兄に勝ちたい!」と何度も勝負を挑んだというエピソードがあります。世界的なスターですら、負けず嫌いな性格によって無意識に努力をしていたのです。
吉田沙保里
霊長類最強女子、吉田沙保里さんの初試合は5歳の時でした。初戦で同い年の男の子に1点差で負け、「負けたから嫌」と言って、リーグ戦の残り試合を全て投げ出したという逸話が残っています。そんな子供時代の吉田選手ですが、翌年には同じ大会で金メダルを取ったと言われています。
彼女は「勝ち続けることで成長したのではなく、負けて強くなった。試合に負けても強敵相手に善戦できて満足という人がいるが、勝負は勝たなければダメ」といった内容のコメントを残していますが、このような発言からも負けず嫌な性格や勝利への強い執着心、絶えず努力を惜しまない前向きな姿勢が感じられます。
浅田真央
フィギュアスケート界の永遠のヒロイン浅田真央も、負けず嫌いで有名です。2歳上の姉の舞さんにとにかく負けたくなかったらしく、人一倍練習していたという逸話があります。同時に小学生の頃から「オリンピックに出る」と周りに発言していたこともよく知られています。
藤井壮太
小学2年生の頃、指導対局で谷川浩司九段(55)の胸を借りたときのお話です。劣性になった藤井棋士を気遣った谷川九段が「引き分けにしようか?」と話した瞬間、将棋盤を抱えるようにして号泣し、お母さんに抱きかかえられて退場したとのエピソードがあります。最年少プロ騎士藤井壮太も、負けず嫌いな子供があっての現在の活躍なのです。
錦織圭
11歳の時、松岡修造と試合をした時の話です。試合には負け、泣きながら「修造さんもう一度試合させて下さい」と願い出たという逸話があります。その当時の錦織圭は小学校6年生。高校1年生に勝つほど実力があったのに、それだけでは満足できない向上心があったのです。
才能を潰す!負けず嫌いへのNGな接し方
負けず嫌いは素晴らしい才能の一つですが、大人が接し方を間違えてしまうと、負けず嫌いの良い特性を潰してしまう恐れがあります。NGな接し方に気をつけて接しましょう。
1他の子と比較する
確かに私達が自分自身を知るためには、他人との比較が必要不可欠です。けれど比較した結果、相手の気持ちを考えずに傷つける言葉を口にするのはルール違反。負けず嫌いな幼い子供とその親に見られることがあるNGな特徴に、こうした他人との比較を口に出すというものがあります。
例えば「僕、〇〇くんより上手にできたよ」や、親の「お兄ちゃんより偉いね」「お兄ちゃんを見習いなさい」などです。
親や子が他の子との比較を口にすると、子供の人間性の形成や集団生活に問題が起こりやすくなります!
人は一人では生きていけません。そのため幼少期は互いの長所を認め合い、助け合えるコニュニケーション能力を身につけさせることがとても重要です。ところが「〇〇くんに勝った」などと他の子と比較して自慢していると、負けた相手を傷つけるため、集団生活における円滑なコミュニケーションや人間関係が困難になります。
また子供によっては勝つことが目的になるため自分の成長が見えなくなり、スキルアップより相手を引きずり落とすことに懸命になる、「あんなに頑張っても勝てないじゃなか」と努力を否定する、やる気を失って課題から逃げるといった問題を、いずれ抱えることになる恐れがあります。
2かんしゃくや悔し泣きを怒る
負ける度にかんしゃくや悔し泣きを繰り返されると、ママやパパはうんざりしたりイライラしたりして、感情のままに子供を怒ってしまいがちになります。確かに場所をわきまえない大騒ぎは困りものですが、怒っても良いことはありません。
負けて騒いたときに親が怒ると、余計に大泣きして騒ぎが大きくなったり、「勝ちたい気持ち=怒られる悪いこと」と勘違いして一生懸命取り汲むやる気を潰してしまったりする恐れがあります
3繰り返しを禁止する
子供が勝つまでやりたがるので、「負けたら終わりだからね!もう一回はダメよ」と繰り返しを禁止するしつけをする人もいますが、これは負けず嫌いな子供の才能を潰すNGな対応です。
勝つまで繰り返したいという気持ちは、たとえ時間の関係で止めさせるにしても、評価して褒めるべき気持ち。それを悪いことのように禁止してしまうと、子供は繰り返して能力を高める喜びを得にくくなってしまいます。
才能を伸ばす!負けず嫌いな子供の育て方
「負けたくない」と言う気持ちは、「頑張りたい」と言う気持ちの表れです。負けず嫌いな子供の子育てでは、勝ち負けの結果で評価をするのではなく、子供の気持ちを上手に導いてチャレンジ意欲を伸ばしてあげましょう。
1勝った時は喜びをまず受け止める
子供はどうしても他の子と自分を比較し、喜ぶ傾向があります。負けず嫌いな子供は特に、勝つと「○○ちゃんに勝ったよ!僕の方が強いよ!」と大喜びしがちなため、大人にとってはとても気になるシーン。でも怒ったりたしなめたりする必要はありません。まずは受け止めてあげましょう。
- 「おめでとう!頑張ったね」
そして落ち着いてから、相手を気遣うことを考えられるように穏やかに導いてあげましょう。
- 「〇〇ちゃんが勝った時にも、『おめでとう』って言ってあげようね」
- 「〇〇ちゃんに『僕の方が強いよ』って言われたら、どんな気持ちがする?」
否定より肯定する方がスクスク育つ!
幼い子供は相手の気持ちを想像する力がまだ十分に育っていません。子は親の鏡ですので、親は言動に注意し、子供を怒るよりも子供のお手本となることを心掛け、他の子や兄弟を比較しないように夫婦で共に気をつけましょう。
また自分の子供にはつい厳しくなりがちですが、子供は不公平さを感じます。他の子供と同様に子供の気持ちをまず肯定し、気づいて欲しい心遣いについては自分で考えられるように、ヒントを与えることも子育てには大切です。
2自分自身と向き合わせる
負けず嫌いな子供の目線は、他人と自分との比較に向きがちです。けれどスポーツ選手へのインタビューでもよく聞かれるように、一流選手は他人ではなく常に自分自身と向き合っています。
- イメージ通りに出来たか?
- 課題を克服できたか?
- 前回と比べてできるようになったことは?
子供が自分自身に向き合えるようになるためには、親の声かけが大切です。勝負が終わった後で、前回と比べて上達した点を伝えたり、勝った後でイメージ通りに出来たか、よい内容だったかを振り返ることができるような「ヒーローインタビュー」をしたりするとよいでしょう。
3負けても褒める
負けず嫌いな子供がゲームに負けると、激しいかんしゃくを起こして親もかなり手を焼きますが、怒って止めるよりも褒めて自主的に止めさせる方がずっと楽です。
- 「すごく悔しいのに泣き止めたら、すごくカッコイイね~」
- 「悔しいから次はどうすれば勝てるか、一緒に作戦を練ろうよ」
暫くして泣き止めたら、「カッコイイ!」と思い切り褒めてあげましょう。
ただし負けて泣くことは大切なこと。子供は泣いてストレスを発散しながら、自分の気持ちをコントロールすることを学んでいる最中ですので、ぜひ可能な限り受け止めて励ましてあげましょう。
4日頃から失敗におおらかでいる
負けず嫌いな子には完璧主義の子も多く、小さな失敗でも過敏に反応してしまうことがあります。日頃から親が小さな失敗でワタワタしてしまうと、子供も失敗を恐れて自信を持ちにくくなってしまいがち。
すると勝ち負けへの執着を強くしてしまいますので、できるだけ失敗しても過敏に反応せずおおらかさを心掛け、朗らかに笑顔で接し、リカバリーする方法を学ばせるチャンスと捉えるとよいでしょう。