パペットはイヤイヤ期の助っ人!上手な使い方をマスターしよう
イヤイヤ期は人間の成長過程で誰もが通る道。自我の芽生えとも呼ばれ子供が反抗するのは当然であり順調に育っている証拠なのですが、分かっていてもイライラしてしまう…。そんなママにおすすめしたいのがパペットを使った育児法です。
今回はまだパペットを使ったことがないママだけでなく、使ったけれど効果を実感できなかったママも役立つように、育児に使うパペットの選び方、イヤイヤ期に効果的なパペットの使い方、先輩ママ達からのアドバイスなどをご紹介します。
パペットとは?
「パペット」とは中に入れた手だけでぬいぐるみや人形を動かす、操り人形(腹話術人形)や指人形のことで、海外では「ハンドパペット」「ギニョール」などと呼ばれています。ちなみにピアノ線などをつけて外から操る人形を「マリオネット」、マリオネットのように糸や棒をつけパペットのように中に入れてより複雑な動きができるようにした操る人形を「マペット」と言います。
育児に使うパペットの選び方
パペットには子供の好きなキャラクターや動物など様々な種類があり、子育ての思い出にパペットを手作りするママもいます。子供によっては大切なお友達であり心の支えとなるパペットですが、1~3歳のイヤイヤ期の育児に使うパペットは、選び方を間違えると効果を実感できないことがあります。
ですから人からもらったパペットや懸賞で当たったパペット、絵本についていたパペットなど、これまで子供がパペットに興味を示さなかった場合は、パペットの選び方を見直してみましょう。
- 子供本人に写真や実物を見て選ばせる
- 機嫌のよい時間帯に選ばせる
- 手作りは好きなキャラクターや動物等
- 壊れにくい物を選ぶ
- 大人の手が入るサイズの物を選ぶ
- 怖がるものは避ける
パペットはイヤイヤ期の様々なお困りシーンの助っ人となる反面、指人形のような小さい物だと失くしやすいため、それが元で子供がパニックを起こして泣きじゃくり、てんやわんやの大捜索が始まることがあります。そのため指人形よりも大人の手が入るサイズのものを選ぶとよいでしょう。
イヤイヤ期の子育てでは「好き」「嫌い」が重要なキーワード。幼児は好奇心を示したものに素直に惹かれていく反面、熱心に勧められた物には興味失う傾向がありますので、その特性を踏まえてパペットは自分で選ばせるのがおすすめです。パペットに興味を持つことで脳の働きが変わり、学習能力が高まるというメリットがあります。(注1)
逆にパペットに親の代わりに厳しく注意してもらおうと、子供が怖がるパペットを選ぶのはおすすめできません。子供によっては日中の恐怖体験が原因で、夜驚症や夜泣きが起こる恐れもあります。
イヤイヤ期の育児に効くパペットの使い方
パペットは一見ただの幼児の遊び道具のように見えますが、子供の心を惹きつけて主体的に動いてもらうために幼稚園、保育園、医療現場、教育現場、福祉などでも使われている立派なコミュニケーションツール。心理療法の中にはパペットセラピーという人形療法もあるほどです。
イヤイヤ期の子育てでは親の冷静な対応が大切。子供の反抗やかんしゃくに感情的に向き合っても、親子共に疲れてしまいます。
ですから1~3歳の子育てでは子供に選ばせたり、目先を変えたり、やりたかった気持に共感したりする対応が大切(注2)。と、頭ではわかっていてもイライラするのがイヤイヤ期の育児なので、ひどいママは長期の育児スランプに陥ることも…。
そこでパペットという第三者を母子二人きりの生活に加えると、ママも子供も甘えやイライラから解放されやすくなり、冷静な対応をしやすくする効果が得られるというわけです。ぜひ子供の心に響く使い方で、パペット育児を行いましょう。
- 親の代わりに誘うように話しかけてもらう
- パペットに「すごいね!」と褒めてもらう
- 気持ちをパペットに代弁してもらう
- 本当に伝えたいことはパペットに伝えてもらう
- パペットでお手本を見せる など
Q 先輩ママ、イヤイヤ期に効果アリのパペットの使い方を教えて!
パペット育児を行って成功したと実感している先輩ママにイヤイヤ期のパペットの選び方、使い方、効果やメリット、デメリットなどをアドバイスしてもらいました。子供が言うことをちっとも聞かずに困っているママは、ぜひ参考にしてイヤイヤ期を上手に乗り切りましょう。
パペットで指示すれば、遊び感覚でできる
当時私は24歳、子供は2歳でした。ママ友の家に遊びに行った時にパペットがあって、子供がとても興味を示したので、これは使えるかもと思い、300円均一ショップで購入しました。動物のパペットで何種類かあったので、子ども自身に選ばせました。
パペットを使うことで子どもにうまく指示ができるようになりました。例えばパペットを使いながら「僕もお片付けするから一緒にしようよ」などと誘うように話しかけました。すると子どももパペットと一緒に遊び感覚で片付けようとしてくれるようになりました。
何でも嫌がっていましたが、パペットを使うことで子どもも私も感じ方が変わって、それまでならできなかったことができたりして良かったと思います。
パペットを洗濯している時や外出先などパペットが使えない時には、相変わらずイヤイヤだったので大変でした。イヤイヤ期でお互いにストレスが溜まっている方には、気分転換にもなりますので一度パペットも使ってみてほしいと思います。
パペットにお手本を見せてイヤイヤ期を乗り越えた
パペットを使った当時、私は35歳、子供は1歳でした。パペットは近所のお店で見つけた市販品を使いました。子供は1歳でイヤイヤ期に突入し、私の言うことを素直に聞かない日々が続き困り果てていました。そこでぬいぐるみやマスコットが大好きな子でしたので、パペットを使ってお手本を見せたり、ママの気持ちを代弁させたりすることを考えました。
すると、絶対に嫌だと示していたことも、パペットが行うとご飯を食べたり、トイレに行ったりと素直に聞いてくれることが増えたのです。子供は非常に喜び、パペットをやってほしいとお願いしてくるようになりました。
困ったのは、しょっちゅうパペットをしてくれといわれ、しないと大きく泣かれてしまうことです。どうやっても聞いてくれず苦労したこともあります。でもパペットを使うことで助かって救われたこともたくさんあり、使ってよかったと思っています。素直に聞いてくれる機会が増えるとやはり楽です。イヤイヤ期に悩んでいるママさんには、一度パペットを使って対応をしてみることをおすすめしたいです。
弟に見立てたパペットを使って褒めて伸ばした
息子にパペットを使ったのは、私が34歳、息子が2歳の頃でした。パペットは手作りです。手芸が趣味なので、簡単なものを図書館で借りた本を見て作りました。末っ子の息子は甘えん坊で、なんでも人にやってもらい、自分でしませんでした。それでパペットで弟を作りました。
息子が一人で靴を履けたら「お兄ちゃん、さすがだね」「かっこいいね」とパペットにセリフを言わせる感じで息子に向き合いました。すると、どんどんパペットに良いところを見せようと、お片付けやお着替えも挑戦するようになりました。
何でもイヤイヤする時期で私も疲れていましたが、パペットを使ったことで少しは楽に子育てできたと思います。私と子ども二人きりだとムカムカして声を荒げることもあったけど、パペットを入れる事でワンクッション置く事ができます。
パペットを使った事で良いことばかり、困る事はありませんでした。子どもが好きなキャラクターのパペットを用意すると、子どもの食いつきがいいかもしれません。可愛い声を出すと喜びます。
パペットを使って育児を楽に
私が36歳、子ともが一歳半くらいのときにパペットを使いました。パペットは、ミッフィーのパペットを買いました。歯磨きを嫌がる子供にミッフィーのパペットを使い、パペットと一緒に歯磨きをしました。そうすると、全然嫌がらずに口を開けてくれるようになりました。
子供はどうしても自分の思うようにしたい時期があります。パペットはそんなイヤイヤ期にはもってこいのアイテムだと思います。特にパペットを使って困ることはありませんでしたので、パペットを使ってイヤイヤ期を乗り切る育児はとてもおすすめです。イヤイヤ期以降でも、何かあるごとにパペットから伝えてもらうと、子供にはすんなり入っていました。
パペットを上手く使ったらストレスが減るかもしれない!
パペットを使い始めたのは、子供の自我が見え始めてきた?と感じた0歳の赤ちゃんの頃。まだ10カ月で、私が27歳の時でした。よくテレビなどでお母さんが子供にしていたのを見ていたので、我が子にもしようと思いました。
パペットは気に入ってくれるか分からないので最初は100均一で試してみて、気に入ってくれたので少し高めのパペットをネットで買いましたが、気に入って夜も離すことなく持っていました。
一歳になると更に自我が出てきて、色々なものにイヤイヤして言うことを聞かなくなりました。その時にパペットを使って「これやってね」「美味しいから食べようよ」と声をかけると、笑顔でしてくれました。
パペットを使う事で私のストレスがなくなり楽になりました。パペットを凄く激愛していたのでパペットを使うとしてくれますが、普段は御飯や着替えやお風呂を凄く嫌がっていました。
もし悩んでいるママがいたらパペット育児をしてみてもいいかもしれません。折角買っても使ってくれるか心配なら、100均一でも売っているので試すのもいいかもしれません。それに我が子の場合はパペットを使う事によって思いやりを持つようになったり、物を投げるという行為がなくなったりしました。
パペットぞうさんには心開く可愛い息子
私が28歳の時、息子は2歳半。当時息子と2人で買い物していた時、息子が「あれ欲しい!」と指差したのがパペットのぞうさん。ちょうどその頃イヤイヤ真っ盛りの時期で、私も子供産む前には保育士として働いていて「そういえばこういうの、子ども達が好きだったな。パペット使って見せると、子ども達が喜んで普段やらないこともスムーズにやっていたな。」と思い出し、これは良いきっかけかもしれないと思い、その場でパペットを買いました。
息子は結構やんちゃな子で、気に入らない時はおもちゃを投げたりゴミ箱に捨てたりしていました。物を大切にして欲しかったし、勿体無いような事をして欲しくなかったのですが、私がそれを話しても聞く耳持たずでした。
そこで買ったパペットをその日から使い、お片づけする時や物を粗末にした時などぞうさんに登場してもらいました。ぞうさんが登場すると、こちらを見向きもしなかったのに、息子の方からパペットに話しかけにきていました。
「ぞうさんと一緒にお片づけしよう!」と促すと驚くほど素直にお片づけを始めた息子にびっくりしました。しかしパペットも使いすぎると意味がなくなってくきて、聞いてくれないことも出できて困ったことがありました。
パペットの種類を増やしたり、頻繁にパペットを使わずたまに出したりするようにすると、結構子どもは目を輝かせイヤイヤをうまく乗り切ることが出来ました。
パペットはイヤイヤから気をそらすのに大活躍
私が34歳で息子が2歳の時に、子供が好きなキャラクターでカラフルなパペットを買って育児に使いました。子供にイヤイヤスイッチが入り、大人が何を言っても聞いてくれない時に「〇〇くん、大丈夫?一緒に〇〇しようよ!」などとパペットから言われると、急に笑い出すなどコロっと気分を変えることができました。
子供は純粋で本当にかわいいもので、パペットで話しかけるとまるでパペットが生きているかのように答えていました。イヤイヤスイッチが入った時は、意地を張ってママの言うことを聞かなくなるのですが、パペットに言われると意地を張らず素直に聞き入れやすいのかもしれません。
パペット育児にはイヤイヤ期が楽になり、ママからの言葉だけでなくお友達からの言葉として伝えたいことを伝えることができる、子供の気分を変えることもできるといったメリットがあります。
逆に困ったことは、パペットをボロボロにしてしまったことです。子供は気にいるとそればかり持っていますし、振り回したり引っ張ったりする時期なので、しっかりした作りのものを選ぶといいと思います。
子供のイヤイヤ期に付き合うのは本当に大変だと思います。ポイントは子供の気分を変えることです。何か他に気をそらしたり、パペットで気分を変えてあげたりするといいと思いますよ。また、私は上の子がイヤイヤ期真っ只中のときに下の子を妊娠していたので、パペットを使って下の子のお世話のシュミレーションもしました。おすすめです。
パペットを使ったイヤイヤ期の手助け
私は当時25歳で子供は2歳でした。子供はアンパンマンが大好きだったので私が買ってきたアンパンマンのパペットを大変気に入っていました。
パペットは子供が物を投げたり、叩いたりした時に「痛いよ~やめて欲しいよ~」など気持ちを代弁してもらって、子供に悪いことをするとパペットが傷つくんだと思ってもらうために使っていました。
そうすることで親が言うよりも子供にすんなりと伝わるみたいで、パペットを撫でたり「ごめんなさい」と言ったりするようになりました。そのおかげで謝ることの大切さや、乱暴なことをしないことを早いうちから学べました。
このパペットには大変助けられました。やはり好きなキャラクターに言われると、子供もきちんと聞いてくれるし、イヤイヤ言っていても、パペットを出すとすぐに御機嫌になり気持ちを切り替えることが出来たからです。
しかし常にパペットを持ち歩かなければいけないので、困ることもありました。無いとわかれば不機嫌になるからです。でも好きなパペットが育児中に一つあると大変助かりますよ。子供も気持ちの切り替えが早くなりイヤイヤしている時間が減ってくるし、親もこれがあれば乗り越えられると心の支えになると思います。
仲良しのパペットで嫌いなトマトをパクリ!
息子がまだ赤ちゃんの頃、友人から頂いたセサミストリートのエルモのパペット。真っ赤な顔にハッキリとした目、息子が大好きなお人形になりました。
離乳食もだいぶ進み1歳半頃、どうしてもトマトが食べられませんでした。そこで思いついたのが仲良しのエルモパペットです。食事の際「ねぇねぇ、なんでトマト食べないの?」とエルモを使って話しかけてみることに。不機嫌だった息子が「なになに?」と興味を示してくれました。
「僕と同じ赤い色だよ。息子君は赤いの嫌い?食べてくれたら嬉しいんだけどな…」と私の迫真の演技。「エルモ泣いちゃったね。息子君ちっちゃいのでいいから食べてみたら?」と声をかけると、小さなひとかけらでしたが食べる事が出来ました!
「すごーい!息子くん、トマト食べてくれた!ありがとう!!」とエルモで話しかけると、息子は大喜び!その後はエルモに誉められたい気持ちから、トマトを食べてくれるようになりました。
母と子の2人だけで密室育児になりやすい時期ですが、パペットという第三者を入れることで意固地になっている子供も心を開きやすくなるのかと思います。他にもあった自我の芽生えに伴う困りごと(トイレを拒否する、出かけたがらない等)は、子供の意思をできるだけ尊重しつつ、事あるごとにエルモに活躍してもらって乗り越えました。
ただしエルモを洗濯している時はイヤイヤがひどくなり、少し困りましたが(笑)。頑固な気持ちも、大好きなパペットなら和らげることが出来るかもしれませんよ。
パペットの前だと素直になる我が子
母である私が38歳で、娘が2歳の時、ちょうどイヤイヤ期の真っ只中でした。私が勧めるものは服もごはんもお風呂もすべて「イヤッ!」の一言で済まされ、目の前が真っ暗になる思いでした。
そんな時ふと「娘が大好きだったおばあちゃんからのプレゼントの熊のパペットがしゃべったら喜ぶかな?」と思い、私が高い声で演じてみたところ、効果絶大でした!その日からお出かけも食事もくまちゃんと一緒です。
パペットが転んで「痛いよ~」と泣いてみせたりすると、「くまちゃん大丈夫~?お薬塗ろうね」と優しい一面を発見できたり、パペットがお散歩を渋っていると「一緒にお外いこうよ」とまるでパペットのお姉ちゃんになったような言動をしたりするようになり、娘の心の成長に大きな影響をあたえてくれたと思います。
おかげで叱って無理やり行動させる育児ではなく、パペットと一緒に楽しく行動する育児へと変わり、イヤイヤ期を楽しみながらうまく付き合えるようになりました。私はパペットを使っての育児で困った経験はありませんが、娘はそのくまちゃんだけ信頼しきっていたので、失くしたり破損したりしないように気をつかいました。
今イヤイヤ期で悩んでおられるママさんは本当に大変だと思いますが、ママからお子さんへ直接伝えるよりも、パペットをワンクッションおくだけで、お互い気持ちがやわらかくなりますので、お気に入りのパペットを一緒に選んでぜひ育児に役立ててみて下さいね。
参考文献