【親子関係修復のために】子供との関わり方/親の心構えについて
忙しいことを理由に、私たち大人は子供との関わりをついサボりがちになってしまい、毎日生活していくことだけを優先させた子育てになってしまいます。そうなると、大人は子供に指示したいことだけを言って守らせたり禁止したりするようになり、気づけば子供との信頼関係が育っておらず、親子関係にヒビが入ってしまうことも!
このように、良好な親子関係を築くのは難しく、夫婦関係に悩むのと同じくらい、親子関係に悩むママも増えているそうです。ここでは、子供との親子関係を修復する方法や、良好な親子関係を築く方法、子供に関する悩みや問題がある場合の、親の心構えについてみていきましょう。
子供との親子関係が不安になるタイミング
子供のことなら何でもわかっているママでも、子供の心が見えにくくなる時期があります。これらは子供の第一次反抗期、中間反抗期、第二次反抗期に当たります。また、小学校入学直後の男の子、小学校3~4年生の女の子は、環境の変化や周囲との関わりが増える時期であり、親に反抗的になりやすい傾向にあります。
生後半年
感情が豊かになり、授乳やオムツなどの生理的欲求で泣くことが多かった赤ちゃんが、欲しいものがもらえないなどの感情的欲求で大泣きすることが多くなる時期です。感情が豊かになったとはいえ、赤ちゃんは言葉を話せないので、ママは赤ちゃんがなぜ泣いているのかわからず悩み、不安になってしまいます。
イヤイヤ期
イヤイヤ期は、子供に自己主張する気持ちが芽生え、一般的に「第一反抗期」と言われます。今までママの言うことや態度に対して受動的だった赤ちゃんが、自分の意見を持ち、自己主張するようになるのですが、その自己主張の仕方がわからず、反抗的な態度やかんしゃくとして現れるため、ママとしてはとまどってしまうのです。
小学校入学直後
幼少期は女の子よりは男の子の方がママに依存しやすくなっていますが、特に男の子は小学校に入学することで、急にママからの自立を示すようになります。これは、ママに依存していた子が、学校や友達中心の生活に変わるからであり、自分の意思をはっきりと示すようになるため、ママには「反抗」と感じることも多いようです。
小学校3~4年
小学校3~4年になると、親に対して口答えをするようになってきます。これは上に兄弟や姉妹がいる子が親に反発するのを見て真似て、それらがクラスメイトにも広がっていくからです。特に女の子の方が口も達者で年上の子を真似ようとする傾向があるようです。親としては、子供の口答えにイライラしたりおろおろしたりしてしまいます。
思春期
思春期に親に反抗するということは、大人なら誰しも経験したことでしょう。成長の過程とはわかっていても、子供からの心ない言葉や、何を言っても聞いてくれない頑なな態度に傷つく親は少なくありません。このような子供の態度に、精神的にも疲弊し、自分の育て方が間違っていたのかと深く悩んでしまうのです。
子供と親子関係がギクシャク!修復は可能?
親子関係がギクシャクしていても、関係修復は可能です!関係修復には、パパやママの子供への接し方を見直す事が大切なのです。自分の非を認めて考えを変えることは難しいと感じるかもしれませんが、
大人だって誰でも昔は子供だったのだから、子供の気持ちに寄り添い理解することは、思っているより簡単なことですよ。
A歳を重ねて自分の子育てを反省しました
20歳で長女を出産しました。「若いママはダメねぇ」と言われるのが嫌で、長女には必要以上に厳しくしつけをしていました。口を開けば小言ばかりの私に、長女もなつくわけがありません。しかし、長女が幼稚園年長のときに長男を出産。26歳になった私は長男に対しては余裕をもって接することができました。その際、私の娘に対する態度がいかにダメだったのかに気づきました。そこで、幼い長男と同じように赤ちゃん言葉や極端なスキンシップで長女にも接するようになり、長女も照れながらも私のその態度を受け入れてくれるようになりました。親子関係の改善には、早いも遅いもなく、年齢なんて関係無いって思えました。今では長男がお昼寝中に、長女が思いっきり甘えてくるようになり、「ママ大好き」とよく言ってくれます。
赤ちゃんとの親子関係の修復方法
乳児期の赤ちゃんは言葉も話せず、ママも赤ちゃんが求めていることが分からず混乱してしまうことがあります。特に、夜泣きで寝不足になったり日中赤ちゃんが泣いてばかりで家事が上手くはかどらなかったりすると、自分に自信がなくなってしまい、心に余裕もなくなってしまうものです。そんな時は、まず自分の状態を立て直すことが大切です。
スキンシップを増やす
皮膚は感覚を受け止める最大の器官であり、赤ちゃんは優しく抱きしめられたりそっと撫でてもらったりすることに敏感に反応します。抱っこや添い寝、ベビーマッサージなどもおすすめです。また、この感覚は心理的にも大きな役割を果たし、言葉の通じない赤ちゃんにとってスキンシップは最大の愛情表現といえます。
赤ちゃんを預けてゆっくりする時間を作る
核家族化によって、日中赤ちゃんと二人きりでいるママも多いと思います。赤ちゃんとの生活は思い通りにいかないことばかりで、そんな生活が続けばママも精神的に追い込まれてしまいます。定期的に赤ちゃんを預けてママがゆっくりできる時間を作ることで、ママもリフレッシュでき、赤ちゃんに対しても新鮮な気持ちで向き合えるようになります。
赤ちゃんへの不安に対する知識を身に着ける
なぜ泣いているのか、この子は病気じゃないのか、赤ちゃんが突然泣いたり泣き止まないことに対して不安を感じることは多いです。それに、赤ちゃんのことをわからない、理解できないと思えば思うほど拒否反応が出るもの。ママは、さまざまな情報を取り入れ、赤ちゃんに関する知識を身に着けることで、不安を解消し、赤ちゃんのことを理解できるように努めましょう。
赤ちゃんの前でとにかく笑顔をつくる
笑顔は良好な関係をつくる魔法のようなもの。まだ言葉のわからない赤ちゃんには最高のコミュニケーションになるし、ママ自身にとっても笑顔を無理矢理にでもつくることで、前向きな気持ちになったり育児に対するモチベーションもアップしたりするのです。
幼児との親子関係の修復方法
幼児期になると幼稚園や保育園などで子供の人間関係も広がってきます。そうすると親として子供に恥ずかしくない行動を取って欲しいと思い、生活習慣や人間関係などあらゆる面でのしつけを開始するのですが、子供は自主性が芽生え、親の言うことを聞かなくなる時期でもあるため、親子関係もギクシャクしてしまいます。
そんなときママやパパは「信じて見守って待つ」という姿勢でいることが大切です。しつけは大事なことですが、自分の好みや価値観で子供を支配してしつけをするのではなく、子供には子供なりの考えがあることを理解し、子供の意見を尊重して耳を傾けるようにしましょう。
幼児期のしつけと、過保護や過干渉は、違うということを理解する必要があります。
コミュニケーションを積極的にとる
頭ごなしに怒ることや注意することは、子供の言い分を全く聞かないという態度の現れであり、子供もそのような親には心を開かなくなってしまいます。普段からコミュニケーションをとることで、子供の気持ちを理解し、なぜそのような(怒られるような)行動をしたのか、子供なりの理由を受け入れてあげることが大切なのです。
スキンシップはまだまだ必要
幼児期はママへの甘えと自立との間で揺れる時期でもあり、特に下に弟や妹ができた子は、ママに甘えたくても甘えられないジレンマを抱えています。そんなときに抱きしめたり頭を撫でたりするスキンシップは最大の武器。言葉にしなくてもママからの愛情がしっかりと子供に届けられるのです。
小さな失敗は経験させる
大人は子供が失敗することがわかっていると、ついつい先回りして行動を制限したり禁止したりしてしまいますが、子供はそうされるとますます反抗したくなってしまいます。子供の自主性を尊重し、小さな失敗には目をつぶりましょう。なぜ失敗したのかを理解することで子供も成長できるのです。頭ごなしのしつけよりも経験ですよ。
ママ友など周囲の人と悩みを共有する
同じ年頃の子では悩みも似ていることが多く、ママ友や周囲の人と親子関係の悩みを共有することで、ママ自身、自分の子育てを見つめ直すきっかけになります。反抗的な子供の態度に悩んでいる状況をママ友との愚痴り合いに換えることで、ママもスッキリした気持ちになりますよ。
小学生との親子関係の修復方法
小学生になると、一人でできることが増え、親に依存することも少なくなり、親との関りも少なくなってきます。そのうえ自分の明確な意思が出てきて、自己を確立しようとするため、それが反抗的な態度に現れたり、自分を理解してくれない親へ不満が募ったりしがちです。
また、思春期に向けて親子関係を良好にして、信頼関係を築いておきたい時期でもあるため、親子関係の修復は大切です。親子関係に悩んでいるママは、幼少期の子供との関り方に後悔しているでしょうが、小学生になってからでも決して遅くありません。幼少期にできなかったことを今子供にしてあげるようにしましょう。
甘えさせてわがままも聞いてあげる
子供を乳幼児期にほったらかしだったと後悔しているママは、今からでも遅くありません!子供は何歳になっても甘えたいもの。とことん甘えさせてあげましょう。わがままになることを心配するかもしれませんが、子供は満たされれば勝手に自立するものなので心配ありません。
余暇の過ごし方を見直す
子供は成長とともに、家族と過ごすよりも自分の好きなことをして余暇を過ごしたいと考えるようになりますが、家族で過ごす時間を無理矢理にでも作り、子供と関わる時間を増やすように努めましょう。土日のうち一日は家族でお出かけするとルールを作っておくのも良いですね。
お手伝いなど役割を与え、できたら褒めてあげる
子供は褒められることが好きですが、小学生頃になると「誰かの役に立ちたい」という気持ちも芽生えるため、ママやパパは、子供の「自分が役に立っている」という実感を得る機会を奪わないようにし、自己を確立できるように関わっていくべきなのです。お手伝いなど家でも子供に役割を与え、できたらたくさん褒めてあげるようにしましょう。
お手伝いは、親子関係の改善のためだけではなく、「子供に責任感を持たせる」「自分で考え行動するという自立心を芽生えさせる」などにも繋がります。
学校や地域と連携をとる
子供が学校という社会に属するようになると、親は子供の行動を把握するのが難しくなります。何か問題が発生したときはもちろん、子供が良いことをしたときも自分のところに情報が入ってくるように、日頃から学校や地域と連携をとるようにしておくと良いでしょう。
テレビや本などからの情報を子供と共有する
子供はテレビや漫画、本などからさまざまな情報を得るようになりますが、なるべくママも子供が観たり聴いたり読んだりしていることを共有するようにしましょう。子供の気持ちを理解することにもつながるし、それらをきっかけにコミュニケーションをとることが簡単になりますよ。
発達障害と親子関係
普通に育ててきたつもりなのに、幼児期の親子関係が上手くいかない場合は、子供に発達障害の可能性も否定できません。
自閉症・アスペルガー症候群・注意欠陥多動性障害(AD/HD)などの場合、親子でのコミュニケーションが上手くとれないことがあり得ます。
厚生労働省が作成した資料に、詳細が掲載されているので確認してみてはいかがでしょう。
(注1)
もし、これらの特徴が我が子にあてはまり長く続き、発達障害のことを良く理解していない人は、一度、発達障害者支援センターなどの相談窓口に相談することをおすすめします。相談し発達障害でないと言われたら、接し方やしつけの方法を変えてみるのが良いでしょう。
発達障害だとしても、適切な療育を受けることで社会に適応する能力を身につけ、自分らしく成長することできるようになります。親としても、適切な対応を学ぶことで、発達障害の子との親子関係を築きやすくなります。
参考文献