アメリカ流子育ての考え方と日本への応用:自立心・褒める育児・夫婦関係のコツ
アメリカの映画やドラマで見る子育てのワンシーンに、日本人とは異なる文化や考え方を感じて驚いたことはありませんか?
文化や社会制度、法律が違うため、子育ての方針が異なるのは当然のことです。しかし、その中には日本の子育てを楽にするヒントや、お子さまの自立心や自己肯定感を育む上で参考になる考え方が多く含まれています。
今回は、アメリカ流子育ての特徴的な7つの方法と、それを日本の育児にうまく取り入れるための工夫をご紹介します。ご自身の子育ての負担を軽減し、夫婦関係を良好に保つための参考にしてください。
子育ての負担を軽減!アメリカ流育児の考え方7つ
1.生まれたときから「一人寝」を促し自立心を育む
アメリカでは、子どもの自立心を養うという考え方から、出産前から子ども部屋を準備し、生まれたときから自分の部屋で寝かせる家庭が多く見られます。赤ちゃんはそこで一人で寝かせられるのが一般的です。
夜泣きが聞こえるように、親の部屋にベビーモニター(トランシーバーのようなもの)を置き、泣き声が聞こえたときに初めてあやしに行き、また寝かしつけます。多少のぐずりであればすぐに駆けつけず見守ることで、赤ちゃんは自分で寝る力を徐々に身につけていきます。
日本では添い寝をする家庭が多数派ですが、アメリカでは自立心を重視し、夜は一人で寝かせるという方針をとります。この方法は、親の睡眠時間を確保し、産後の体力を早く回復させるというメリットも大きいです。
アメリカ流子育てのメリット
親の睡眠の質が向上し、産後の体力を早く回復できる。お子さまの自立(セルフネンネ)を促すことができる。
2.お風呂は「裸で一緒に入らない」という文化
アメリカでは、子どもと親が一緒に裸でお風呂に入るという習慣はありません。一般的に、親は服を着たまま子どもをお風呂に入れるのが普通です。また、思春期前後の子どもが異性の親と裸で入浴することに対しては、文化的な違いから非常に慎重な姿勢がとられています。
この習慣は、プライバシーの尊重や性の意識に対する考え方の違いに基づいています。子どもの成長に応じて、親が一人でゆっくり入浴する時間を確保できるというメリットもあります。
アメリカ流子育てのメリット
親が自分自身の時間やリラックスできる時間を持ちやすくなる。
3.赤ちゃんを預けて「夫婦のデート」を頻繁に行う!
アメリカでは、子どもをベビーシッターや託児所などに預けて、出産後もパパとママ二人きりで外出することが比較的頻繁にあります。日本では抵抗を感じる方もいるかもしれませんが、これは「夫婦の関係を最優先する」という考え方に基づいています。
パパとママが幸せで楽しく過ごせていることが、結果的に子どもにとっても一番の幸せとなる、という価値観が根付いています。夫婦が定期的に恋人時代の気分に戻れる時間を持つことは、産後クライシス(産後の夫婦関係の危機)を回避し、夫婦円満を維持するための重要なコツなのです。
アメリカ流子育てのメリット
夫婦関係を良好に保て、産後クライシスの回避につながる。親がリフレッシュすることで、より良い育児ができる。
4.自分の子どもを心から「褒める」文化
アメリカでは、親が「うちの子は天才!」と心から子どもを褒め、子どもの出来の良さを他人に積極的に話す文化があります。ボールが上手に蹴れたら「うちの子はサッカーの才能がある」と伝え、絵を描いたら「信じられない!なんて素晴らしいアートなの」と最大限の賛辞を送ります。
日本では、他人に子どもの自慢話をすると謙遜しがちですが、褒める育児は、子どもの自己肯定感を育む上で極めて重要です。子どもが上手に出来たときや、努力した過程を具体的に、大げさなほど褒めることで、「自分はできる」「自分は大切にされている」と感じ、何にでも積極的に挑戦する子どもに育ちます。
アメリカ流子育てのメリット
自己肯定感が高まり、自信を持って何にでも積極的に取り組む子どもに育つ。
5.感情のコントロールを学ばせるために「思いっきり泣かせる」
イヤイヤ期の対処法も、日本とは考え方が異なります。アメリカでは、子どもが泣いても、日本のようにすぐに機嫌を取ったり、怒鳴ったりして無理に泣きやませたりはしません。
公共の場で泣き叫ばれた場合、親は車の中や人がいない所に連れていき、思い切り泣かせます。そして「泣き止んで、冷静に話ができるようになったら声をかけなさい」と伝え、その間は親は知らん顔をして話しかけません。
これは、「泣き叫んだり癇癪を起こしたりしても、要求は通らない。冷静に話し合うことが大切だ」という姿勢を態度で示すためです。子どもは泣きたいだけ泣くことで感情を発散し、やがて「泣いても無駄だ」と理解し、感情をコントロールする方法を自然と学んでいきます。
アメリカ流子育てのメリット
子どもが感情のコントロールと、冷静な話し合いによる問題解決の重要性を自然に学ぶ。
6.小学生から「金銭管理」をさせて自立性を促す!
アメリカでは、小学生になったらまとまったお金(お小遣い)を渡し、自分でやりくりさせる金銭教育が一般的です。学用品やおやつ、家庭によっては衣類まで、自分で計画的に購入させます。
お金が足りなくなっても、翌月のお小遣い日まで絶対に追加で与えないようにすることで、子どもは「お金には限りがあること」や「計画的に使うこと」を学びます。また、お金を得るために、家事や庭掃除などを手伝って賃金を得るといった、労働の対価も学びます。
アメリカ流子育てのメリット
子どもが計画性と金銭感覚を養い、自律的な大人になるための準備ができる。
7.トイレトレーニングが「ゆるい」スタンス

アメリカでは、おむつが取れる時期に関して、非常にのんびりと構えています。「どうせいつかは取れる」といったスタンスで、周りからのプレッシャーも少ないのが特徴です。
日本では、周囲の子がパンツに変わると「幼稚園でからかわれるのでは」「発達が遅れているのでは」と心配したり、周囲から「まだおむつが取れないの?」などといったプレッシャーを受けたりして、親が精神的に追い詰められることも少なくありません。
トイレトレーニングは、子どもの発達の準備が整っていることが重要です。アメリカ流の「焦らない」スタンスは、日本の親御さんが育児のプレッシャーから解放され、お子さまのペースを尊重するために非常に参考になる考え方です。
アメリカ流子育てのメリット
トイレトレーニングに関するプレッシャーから解放され、親子のストレスを軽減できる。



