密室育児は弊害ばかり?に関する記事

『密室育児は弊害ばかり?専業主婦が我が子に与えられるもの』

密室育児を辛く感じるママは多いのですが、辛さの原因は必ずしも子供と2人きりの生活ばかりではありません。周囲の目がママを追い詰めることも。密室育児を行う専業主婦ママは、ぜひ自分の果たす役割を見つめ直して自信を持ちましょう。

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密室育児は本当に子供や専業主婦にとって問題だらけ?

新聞やニュースでも度々目にする「密室育児」。特に子供の虐待問題は専業主婦の密室育児が原因となるケースも多く、その弊害はもはや社会問題とまで騒がれています。

でも否定的な意見に疑問を感じて戸惑いつつ、専業主婦の育児ライフを楽しむ主婦も少なくありません

密室育児は子供や専業主婦にとって本当に弊害ばかりなのでしょうか?否定的な見解から少し角度を変えて、0~2歳児にママが果たしている役割を一緒に見つめ直してみましょう。

密室育児の意味とは?母子のみで長時間過ごす育児

密室育児とは、子供と母親だけで長時間一緒に過ごす環境で行う育児を意味する言葉です。

一昔前までは今と比べて同居する祖父母がいたり親戚や近所付き合いなどが濃かったりと、日中も母親一人ではなく他の大人と一緒に子供を見守りながら育てていました。

そのため、母親も毎日大人と会話したり我が子について相談したりすることが容易な環境で、子供も小さい頃から様々な大人との関わることができたのです。

戦後の専業主婦の育児はストレスフルな密室育児に変化

ところが戦後、核家族化、少子化、女性の社会進出などが進むにしたがって、「一日中子供以外と会話できない」「子供のことを相談する相手がいない」といった、社会や大人とのつながりを断たれたストレスフルな環境で育児をする専業主婦が増加。

その結果、児童虐待や産後うつなどの問題が増え、一因として密室育児が問題視されるようになり、否定的な意見を新聞やワイドショーで度々目にする機会が増えているのです。

密室育児のストレスや弊害は深刻!ただし全ての母子が対象ではない

否定的な意見として挙げられる密室育児の弊害には、ストレスなど母親と子供への次のような悪影響があります。

  • 母親がイライラしやすい
  • 育児ノイローゼや産後うつになりやすい
  • 子供の情緒が安定しない
  • 子供の社会性が育ちにくい
  • 身体や脳の正常な発達が損なわれる恐れがある
  • 虐待に繋がりやすい
  • 産後クライシスに陥りやすい 等

確かに密室育児が母親にとってストレスフルな環境の場合、母子共にこうした弊害に苦しめられる恐れがありますので、放置せずに夫婦で話し合って何らかの対策を講じる必要があります。

ただし全ての母親が必ずしも密室育児をストレスフルな環境と感じている訳ではなく、むしろ騒がれたり周囲から心配をされたりすることがストレスとなり子育てへの弊害となるケースもあります!

密室育児は辛い!楽しい!ママ達の体験談

実際に密室育児を行ったママ達はどのように感じているのか、密室育児が辛いママと否定されることにストレスと感じているママの体験談を見てみましょう。

ストレスで辛い

けんママ
33歳

不安だらけの密室育児

私には今3歳になる息子がいます。この春幼稚園に入園しましたが、初めの1年は密室育児の不安や会話のないストレスがとにかく辛くてたまりませんでした。

結婚して夫の赴任先の北海道に引っ越してきたのですが、子供が1歳になるまで知り合いができず、日中の会話は電話と宅急便と買い物の時の魚屋さんくらい。妊娠前は微熱が3ヶ月も続き病院に行ったこともあります。その時は「知り合いを作って会話をしないと。恐らくストレスでしょう。」と医師に言われました。

妊娠中は定期健診で病院に行ったり、姉が頻繁に訪ねてくれたり、出産準備をしたりとバタバタしていたので精神的には少し楽だったのですが、出産後は密室育児となってしまいました。そのため息子がよく泣く子だったこともあり、不安でたまらない子育てでよく泣いていました。

息子が1歳になってからは車で15分の子育てサロンに入ることができ、それからはママ友ができたのですごく楽になりましたし、指導員さんに子育ての相談もできたので不安を溜めずに子育てがしやすくなりました。

ライオンズ
20代後半

誰にも頼れない密室育児はとても辛い

結婚後、旦那の実家のある土地に嫁いだのですが、私の生まれ育った町からは新幹線や電車を乗り継いで5時間もかかる遠い場所のため、ここに私の知り合いはいません。結婚前は職場の仲間や地元の友人とよく遊びに出掛けるなど交友関係が広い方だったのですが、今は2歳になる子供と2人きりの密室育児で精神的に参っています。

ママ友を作りたいのですがこの近辺には若いママと子供がいなくて、小学校も幼稚園も3キロ先。外に散歩に出ても田舎なのでやっぱり子供と2人きりで、虫やヘビの方が人より多いです。このストレスは私のわがままなのでしょうか?

否定されるのが辛い

ユートピア
39歳

周囲の心配で密室育児の母親は不安になる

私は高齢出産で念願の我が子を授かり、体力的にはかなりきついのですが、密室育児を楽しく感じています。とはいえ子供もじきに幼稚園に入園するので、その後のことを考えると寂しくて仕方がないのですが、何より辛いのは周囲の心配です。

「密室育児だと子供が可哀想だから、保育園に入れて働いたら?」と姑に言われ、元の職場の同僚からも「日中子供と2人きりで大丈夫?ストレスたまらない?」と言われ、私は欲しかった子供をやっと授かって側にいられて幸せなのに、そんなに子供に悪い状態なのかと逆に不安にさせられて辛いです。

トンボ
32歳

そんなに働かなきゃいけないの?

旦那と職場結婚をして会社を辞めた後、すぐに子供を授かりました。今は専業主婦をしながらの子育ての真っ最中なのですが、0歳から子供を保育園に預けて働く義姉にこの間旦那の実家で会った時に「密室育児ってよくないらしいよ」と言われてしまいました。

義姉は子供が3人いて旦那さんの収入が少ないらしく、働かないとやっていけないのだそうですが、まるで専業主婦の私が働かない怠け者で、子供に悪影響を与えていると言われているような気がして嫌な気分がしましたし、親としてもあれから少し自信を失っています。

2歳までの密室育児のママ達の取り組み

幼稚園や保育園に入園する0~2歳児を子育てするママの多くは、密室育児になることによる子供への弊害を心配して次のような取り組みをし、自ら家の中に引きこもって外出しない「引きこもり育児」にならないように努めています。

  • 日中は図書館や公園に行く
  • 天気の良い日は散歩に連れ出す
  • 子育てサロンや児童館に連れて行く
  • 習い事やプレ幼稚園に参加させる など

外出することで子供は日光に当たり、体を動かし、体も脳も外の刺激を受けることができます!

そのため「密室育児=育児ノイローゼになる」「密室育児=子供に悪影響」と頭ごなしに否定したり、やみくもに不安になったりする必要はなのです。

密室育児の母親が我が子に与えられるもの3つ

母と子が向き合う時間が長い密室育児。確かに向き合うママが育児不安で精神状態が悪かったり自分の役割に不満を抱いていたりすれば子供へのよい影響は与えにくく、むしろ悪影響を及ぼしてしまう恐れもありますが、自分が今世の中や我が子に果たしている役割を実感し、やりがいを感じて楽しく過ごしていれば、子供に多くの恵みを与えることもできるのです!

1愛着を育む時間をより多く与えられる

乳幼児期はおむつ替えや授乳・離乳食、抱っこなど子供の不快を取り除く行為を大人が繰り返し行いますが、同じ保育者が繰り返すことで子供は次第にその保育者への愛着を形成していきます。

この子供の不快を取り除く保育者は母親であることが多いのですが、イギリスの心理学者ラターは「保育者が固定していれば母親でなくてもよい」とも言っていますので、母親ではなく父親でも同じです。(注1)

保育者への愛着は3歳前後に形成されます。しっかりと形成されると子供は次第に外に目を向けるようになり、幼稚園や保育園の集団生活にも興味を持って入りたがるようになるのですが、愛着形成が不足してしまうとなかなか園に馴染めず、親離れがいつまでもできずに親子ともに困ってしまうこともあります。

ただし愛着形成にかかる時間や手間には子供それぞれの個人差がありますので「働いている親とは愛着が形成できない」というわけではありません

子供の心を読み取って適切な働きかけをすることが苦手な保育者の場合、保育の質が低くなってしまうことで逆に愛着形成が不安定になるという3歳児神話への誤解も分かっています。(注1)

ですが母子ともに楽しく過ごし、子供の心に寄り添える質の高い密室育児の場合、愛着形成を行う時間を多く与えることができるため、入園後の生活に慣れやすいのです。

2子供に規則正しい生活をさせやすい

ママやパパの就業時間によって両親が共働きの家庭では、幼児の就寝時間が遅くなることがあります。ところが子供の発育を考えると早く寝かせることが非常に大切。文部科学省も「早寝・早起き・朝ごはん」を推進しています。(注2)

遅く寝ることで子供の集中力は下がり、食欲がなくなって朝食が食べられなくなるなど、発育への悪影響があるのです。

密室育児となってしまう専業主婦にとっては「子供は早く寝かせる」ということが当たり前になってしまうのですが、共働き家庭では必ずしも当たり前ではありません。どうにか早く寝かせたくても、ママの終業時刻が不規則でパパに任せ、パパでは寝てくれなくて深夜まで子供が起きているという家庭も少なくないのです。

3脳の発達をより促せる

脳の発達が目覚ましい幼稚園入園前0~2歳児。母親が密室育児で自分に合ったきめ細やかな刺激を集団生活よりも多く与えることができれば、知能や運動神経など子供の脳の発達をより促すことも可能です。

例えば、散歩中の「タンポポ きれいね」という声かけや子供が指差すもの返答など。密室育児を行うママにとっては当たり前の行為ですが、保育園では一人一人にずっと対応することはできませんので、集団塾で習うか家庭教師に習うかといった違いが生じます。

密室育児のママは自信を持って!

密室育児のママは「私、こんなところで何をやっているんだろう」と自分の役割を見失って焦ることも多いのですが、実は我が子であると同時に社会を担う人財の今しかできない能力開発をおこなう家庭教師のような役割も担っています。ですからその役割に自信を持ち、胸を張って未来を支える人財育成を楽しみましょう。

またその役割が自分には合っていないと思う場合、「母親なのに」という言葉に負けてはいけません。今の母親は昔の母親とは環境が違うのですから楽しめないのもまた当然のことなのです。

罪悪感を抱かず夫婦で話し合い、祖父母や地域のNPO、子育てグループ、ボランティア団体など周囲に助けを求めましょう。密室育児の弊害を放置せず、母子共に守られる環境を家族で築くことが大切です。(注3)

この記事を書いたライター

小森ひなた

子育てと仕事に頑張る共働き主婦です!ルンバ貯金始めました♪