赤ちゃんが口をブーブーしながら唾を飛ばすのはなぜ?
赤ちゃんは、日々成長を続けています。これまでにしたことのないようなことを突然しはじめて、ママを戸惑わせることがありますよね。
そんなママが不思議に思う行動の一つに、赤ちゃんが口をブーブーさせて唾を飛ばす行動があります。この行動には一体どんな意味が含まれているのでしょうか?
口をブーブーしている意味が分かると、赤ちゃんをもっとより深く知ることができるかもしれません。そして、赤ちゃんとコミュニケーションを取ることがもっと楽しくなるはずです。
赤ちゃんがお口をブーブーする理由
赤ちゃんが、唇を震わせてブーブーと音を出したり、唾をブクブクと泡立てたりしはじめると、赤ちゃんに変な癖がついてしまわないか不安になってしまいますよね。
でも、その理由を知れば、一概にいけないこととは思えなくなるはず。赤ちゃんがお口をブーブーするのには、次のような理由があります。
唇を動かして遊んでいる
実際に口をブーブーしてみると分かるのですが、息を吐き出している時に唇が一時的に振動すると、独特な唇がしびれるような感じがすることがあります。
何かの拍子に唇が「ブー」となった時、面白かったので何度もやっていることがあります。さらに、赤ちゃんは加減ができないので、ママが不安になってしまうほどブーブーを連発することも…。
このような赤ちゃんの遊びは、この時期にしか見られないもので、次の新しい遊びが見つかるとやらなくなることが多いので安心してくださいね。
よだれがブクブクする感触が新鮮
普通に「あー」とか「うー」とか言っているのと違って、お口をブーブーするとよだれが口の外に溢れて出てくることがあります。
よだれがブクブクと泡立ったり、ブーブー続けることによって口の周りがよだれまみれになったり、これまでに味わったことのない感触が珍しくて、何度もブーブーしてしまうのです。
実は赤ちゃんは、唾液を飲み込む能力が未熟で口に唾液がたまりやすいため、口を動かして遊んでいるうちに、よだれがブクブク出てしまうのかもしれません。
口から音が出るのが面白い
口を閉じた状態で唇をブルブルさせると、「ブー」「ブー」という音がします。大人なら「そんなの当たり前!」と思うものですが、赤ちゃんにとっては大発見なのです。
口から音がすることは、赤ちゃんにしてみると初めての体験で、面白くてしょうがないのでしょう。自分の声と交互に出してみて、音の違いを楽しむことあります。
声を出す練習をしている
唇を震わせてブーブー音を出すことは、赤ちゃんの発声につながります。まだ、母音などの初歩的な発声しかできない赤ちゃんが、お口をブーブーするなどの日常の遊びによって、それまで出せなかった音が出せるようになるのです。
「バ」や「ブ」の音は、上唇と下唇を閉じた状態で音を出す両唇摩擦音や両唇破裂音といって、発声が難しく、小さな赤ちゃんには高度な発音です。
4ヶ月くらいまでの赤ちゃんは、クーイングという「あー」とか「うー」などの母音を中心とした発声を行いますが、その後、徐々に「バー」や「ブー」などの子音が加わった喃語が話せるようになります。
歯が生えてきてムズムズする
生後6ヶ月くらいになると、歯が生え始める赤ちゃんが多くなります。この歯が生え始める時期は、口の中がむずむずしたり、痛痒かったりします。
赤ちゃんは、そのような口の中の不快感を紛らわすために、お口をブーブーすることがあるので、歯が生えてきたようなら、歯がためを与えることでお口をブーブーしなくなるでしょう。
ママの反応を見て楽しんでいる
赤ちゃんがお口をブーブーした時に、ママがびっくりしたような顔をしたり、困った顔をしたりすると、赤ちゃんはその瞬間を見逃しません。
赤ちゃんは、普段からママの顔をじっと見て観察していることから、ブーブーするとママが普段と違うリアクションをすることが分かると、面白がってわざとわざとブーブーし続けることがあります。
赤ちゃんがお口をブーブーするのはいつからいつまで?
赤ちゃんのお口のブーブーは、発声がクーイングから喃語に移り変わる、生後4~5ヶ月くらいの時期からはじまります。そして、いろいろな言葉を覚えて話しはじめる1歳前後になると、自然とやらなくなる子が多いようです。
赤ちゃんがお口をブーブーするのは、数か月の短い時期なので、無理にやめさせる必要はありません。遊びや発声練習ととらえ、赤ちゃんが口をブーブーしたら「上手ねー」と声をかけて、コミュニケーションにつなげるといいですよ。
喃語が始まる時期は?赤ちゃんへの上手な答え方
子音を含む複数の言葉を組み合わせた言葉のことを喃語(なんご)といいます。赤ちゃんが生後5ヶ月くらいになると、「あー」「うー」などのクーイングから徐々に喃語を話すようになります。
喃語を話しはじめた赤ちゃんに、ママが自然に語りかけるマザリーズ(motherese)を行うことによって、言葉を単なる音としてしかとらえていなかったのが、徐々に意味が理解できるようになります。
ママは赤ちゃんを目の前にすると、自然と口調や音調が変わりますよね。実は、マザリーズは、どこの国でも地域でも共通してみられる赤ちゃんに対する語りかけのことで、話かけるときなどに自然とマザリーズが使われているのです。
赤ちゃんにどのように語りかけたらいいのか分からないというママは、次のマザリーズの3つの特徴を参考にして、赤ちゃんに話しかけてみましょう。
マザリーズの3つの特徴
- 普段よりも抑揚をつけて話す
- 普段よりもゆっくりと話す
- 普段よりも高めの音程で話す
この3つの特徴のある話し方は、赤ちゃんに安心感を与えると同時に、赤ちゃんの注意をひきつける効果があります。言葉のわからない赤ちゃんでも、ママの語りかけにこたえようとする動作が活発になります。
知っておきたい赤ちゃんの歯ぐずり対策
生後5~6ヶ月になり歯が生え始める兆候が見られると、赤ちゃんは機嫌が悪くなったり、夜泣きをするようになります。これを歯ぐずりといって、歯ぐずりがはじまると歯茎がむずがゆいので、しきりに触ったり、泣くこともあります。
歯ぐずりは、どの赤ちゃんも必ず通る道で、特にこれが効く!という対処法はないのですが、歯ぐずりが始まったら、歯固めや専用のおもちゃを噛ませてあげると、赤ちゃんの気持ちが落ち着くことがあります。
歯茎を冷やすと不快感が軽減されることから、濡らして冷蔵庫で冷やしておいたガーゼを噛ませてあげるのも効果的です。
また、乳歯が生えてから磨きを始めるのが一般的ですが、歯ぐずりの赤ちゃんに柔らかい赤ちゃん用のゴム歯ブラシを噛ませてあげると、歯の不快感を軽減させることが出来るのと同時に、歯磨きの習慣もつけることにもつながります。
離乳食の遊び食べに要注意!
赤ちゃんがお口をブーブーさせることによって、唇をブルブルさせたり、よだれをブクブクさせたりすることが楽しくて仕方なくなると、気をつけたいのが離乳食の遊び食べです。
離乳食を食べている途中でお口をブーブーさせたり、口の中の食べ物を飛ばしたりすることがあります。
ママとしては、家事や上の子のお世話などで忙しい中、たびたび遊び食べをされるとイライラしてしまいますが、遊び食べは、子供が成長していることの表れのため、頭ごなしに叱らない方がいいでしょう。
ただし、きちんと食べるように言い聞かせることが大事。赤ちゃんもはっきりは分からなくても、ママの表情を見て、これが良くないことだと理解できるはずです。
それでもやめない場合は、思い切って食事を片づけてしまいましょう。何回か繰り返すうちに、赤ちゃんも「お口ブーブーすると片づけられる!」と理解できるようになるはずです。