【夫婦の寝室別】別室寝が夫婦仲や健康に与える影響と解決策を徹底解説
近年、夫婦が別々の寝室で寝る「夫婦別室(別々寝)」を選択するケースが増えています。ある調査結果によると、円満な夫婦の多くは同室で寝ているというデータがある一方で、いびきや生活リズムの違いから、別室寝を選ぶ夫婦も少なくありません。
夫婦の寝室のあり方は、単に寝る場所の問題だけでなく、夫婦仲や日々の健康(睡眠の質)に影響を及ぼすと言われています。今回は、夫婦が寝室を別にする理由、考えられるデメリット、そして夫婦円満を保つための具体的な解決策について、詳しく見ていきましょう。
夫婦が寝室を別にする主な理由3つ
新婚時代は同じ寝室で寝ていた夫婦でも、時間の経過やライフスタイルの変化に伴い、別室で寝ることを選択するようになるのはなぜでしょうか。主な理由を3つご紹介します。
1育児や生活リズムの違いによる睡眠の質の確保
出産をきっかけに、妻が子どもの夜泣きや授乳に対応するため、夫と別室で寝るようになる夫婦が多いです。この場合、子どもがある程度大きくなり、一人で寝られるようになっても、そのまま別室が定着してしまうケースが見られます。
主な要因
- 夜泣きや授乳で夫の熟睡が妨げられ、仕事に支障をきたさないようにするため。
- 妻が夜間の育児を自分一人で担うことに精神的なストレスを感じてしまうため。
- 住居の広さや間取りの関係で、家族全員が快適に寝られるスペースを確保できないため。
また、夫婦間で仕事の開始・終了時間や就寝時間が大きく異なる場合、相手の帰宅や目覚まし時計の音、照明などで睡眠を妨げないよう、別室を選択することもあります。
2いびき・寝言・寝相など睡眠中の騒音や行動
夫婦の寝室を別にする理由として非常に多いのが、いびきや歯ぎしり、大きな寝言など、パートナーの睡眠中の騒音や行動が原因で熟睡できないという理由です。特に、加齢に伴い睡眠の質に対するニーズが高まることで、自分のペースでぐっすり眠ることを求める傾向が強くなります。
騒音以外の睡眠を妨げる要因も、別室を選択するきっかけとなります。
睡眠を妨げる具体的な要因
- パートナーが夜中に何度もトイレに起きるため、そのたびに目を覚ましてしまい、寝つきが悪くなる。
- 夫(または妻)が夜更かしで、部屋の音やスマホの光が気になって眠れない。
- 寝相が悪く、寝返りの際の音や振動が気になる、または物理的な接触が不快に感じる。
- パートナーの帰宅時間や起床時間が不規則で、生活リズムが合わない。
3プライベートな空間と時間の確保
結婚後も、自分一人の時間を持ち、自分の内面と向き合う空間は大切です。結婚前は持てていた自分だけの時間が、結婚後に持てないことにストレスを感じる人も少なくありません。
そのため、夫婦がお互いに適度な距離を保ち、精神的なゆとりを作る目的で、寝室を別にした方が良いと考えるケースもあります。特に、寝る前にスマートフォンを操作したり、自分のペースで趣味や読書をする時間を確保したいという理由から、夫婦別室を選ぶこともあるようです。
夫婦の寝室が別のことによるデメリット3つ
前述のアンケート結果から、別室寝が夫婦関係に影響を及ぼす可能性は否定できません。睡眠の質を優先して別室にした結果、夫婦関係や安全面でどのようなデメリットが起こり得るのかを理解しておくことが重要です。
1夫婦間のコミュニケーション不足とすれ違い
子どもが成長するにつれて、夫婦だけでゆっくり話せる時間は少なくなります。特に共働き世帯では、寝室が唯一、就寝前のリラックスした状態で会話できる貴重な時間(ピロートーク)になり得ます。寝室が別になると、この非公式なコミュニケーションの機会が失われてしまい、日々の細かな情報共有や感情の確認がおろそかになりがちです。
コミュニケーション不足は、夫婦間の認識のズレを生み出し、特に子育ての方針や家計の管理など、夫婦で話し合うべき重要な事柄が疎かになると、家族関係全体に支障をきたしてしまう可能性があります。
2緊急時や健康状態の異変への気づきの遅れ
騒音の原因とされるいびきは、単なる迷惑行為ではなく、睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)などの疾患のサインである場合があります。同室で寝ることで、パートナーの呼吸の停止や異常な寝息に気づき、早期に専門機関の受診を促すきっかけになることがあります。
また、夜中に起こりやすい脳梗塞や心筋梗塞といった緊急性の高い事態や、体調の急変も、別室で寝ていると気づくことができず、発見や対応が遅れてしまうというリスクも考えられます。特に冬場の急激な温度変化(ヒートショック)による体調不良なども、同室であれば気づきやすいでしょう。
夫婦別室は、家族としてお互いの健康状態や命に関わる異変を早期に発見できる機会を失うことにつながります。
3安心感や親密さの感覚が希薄になる

就寝前の時間や、同じ空間で過ごすことで得られる身体的な親密さや安心感は、夫婦関係を維持する上で大切な要素です。夫婦の距離が物理的に離れることで、一緒にいることで自然に感じていた親密さや幸福感を得る機会が減少し、無意識のうちに寂しさや不満が蓄積してしまうことがあります。
これが「なんだか最近イライラする」「パートナーのことがこれまでより気にならなくなった」といった感覚につながる可能性もあります。別室寝を選択した場合は、日中のスキンシップや意識的な会話の時間を増やすなど、親密さを保つための別の努力が必要になります。
夫婦円満を保つための寝室の選択肢と解決策
夫婦別室を選択する最大の理由は「睡眠の質の確保」にあることが多いです。そのため、同室であってもお互いの睡眠の質を確保することが、夫婦円満を保つための最善の解決策となります。同室を維持するための具体的な方法をご紹介します。
1睡眠環境を分離する(ツインベッド・寝具の工夫)
一つの部屋にシングルベッドを二つ並べるツインベッドの配置は、寝相の悪さや寝返りの振動を解消する最も有効な方法の一つです。ベッドが分かれていることで、お互いの睡眠中の動きが伝わりにくくなり、適度な距離も保てます。
具体的な寝具の工夫
- マットレスや布団を別々にする:振動や寝返りを気にせず、自分の好きな硬さの寝具を選べます。
- 遮光性の高いアイマスクや耳栓の活用:パートナーの夜更かしの光や軽い寝息が気になる場合、自分の感覚をシャットアウトするアイテムが役立ちます。
2いびき・騒音対策を徹底する
いびきが原因で別室を選択する場合、そのいびき自体を軽減する対策を講じることが重要です。いびきは睡眠の質の低下にもつながるため、パートナーと協力して改善に取り組みましょう。
いびき・騒音への具体的対策
- いびきの原因を特定する:いびきがひどい場合は、医療機関での睡眠時無呼吸症候群(SAS)などの専門的な検査を検討しましょう。
- 横向き寝を促す:横向きで寝ることで、舌の付け根が沈むのを防ぎ、いびきが軽減される場合があります。専用の抱き枕なども有効です。
- ノイズキャンセリング機能付きの耳栓:相手のいびき音を打ち消すことができる、高性能な耳栓も市販されています。
3コミュニケーションの「質」と「量」を意識的に確保する
やむを得ず別室寝を選択した場合でも、夫婦関係の希薄化を防ぐために、日中のコミュニケーションの質と量を意識的に高めることが大切です。
会話・親密さの確保
- 「おはよう」と「おやすみ」を必ず伝える:短い挨拶でも、毎日顔を見て交わすことが重要です。
- 夕食後の団欒時間などを「非公式なミーティング」の時間と位置づけ、仕事や子どものことなど、お互いの状況を共有する時間を確保します。
- ハグや軽いスキンシップなど、身体的な親密さを保つための行動を意識的に増やしましょう。
夫婦にとって最も大切なのは、お互いが快適に過ごせているかどうかです。別室寝はデメリットだけでなく、それぞれが十分な休息を取り、日中を快適に過ごすための「手段」と捉えることもできます。夫婦で十分に話し合い、お互いの健康と夫婦関係の両方を大切にできるベストな方法を選択することが重要です。



