離婚届に証人が必要な場合・離婚届の書き方出し方
性格の不一致や価値観の違い、あるいは配偶者のDV…幸せな新婚時代もつかの間、結婚生活が始まってみると様々な問題が起こり、思っていたのとは違う結婚生活に、配偶者との関係も悪化の一途をたどってしまうケースも少なくありません。関係修復の努力をしても上手くいかないなどで離婚を選択することもあります。
しかし、離婚は調停を起こしていたら調停や裁判、戸籍や養育費などのお金の取り決めといった手続きが多く、馴染の無いややこしい問題だらけ離婚届提出の段階では証人欄にも一瞬戸惑ってしまう人も少なくないでしょう。
いざ離婚届をだそうとしたら証人が必要らしいが頼める人がいない…
証人というと責任重大なイメージもあって、友人知人に依頼するのは気が引ける…そんな方がスムーズに新しい生活に踏み出せるように、離婚届の証人についてわかりやすく解説していきます。
離婚届に証人が必要となるケースと証人の責任
離婚届けの提出時は、必ず証人が必要なわけではありません。離婚の方法によっては証人が不要な場合もあります。また、離婚届けの証人の条件とは難しいものではありません。
「離婚届の証人」を依頼するときや記入への不安は一つ一つとり除き、安心して記入を進めていきましょう。
離婚届に証人が必要な場合はどんなとき?
離婚と一口に言っても、その手段は具体的に協議離婚、調停離婚、裁判離婚という形をとります。協議離婚とは財産分与や親権など、夫婦で話し合って決めて行うものです。
とは言っても離婚については離婚の条件など話し合うことはたくさん。マイナス要素の濃い離婚話は平穏には進まないケースも多く、夫婦二人の話し合いに折り合いがつかずお互いの合意がうまく行かないときは調停離婚へ進みます。調停離婚では、家庭裁判所の調停委員を介してお互いの合意をめざします。この場合は証人は必要ありません。
協議離婚では離婚届けの証人が必要
夫婦二人で離婚を進めていく協議離婚では、計2人(夫婦それぞれにひとりづつ)の証人が必要となります。
離婚届の証人になれる条件
離婚届の証人は、夫婦本人以外の成人なら誰でもなれます。
また、夫側から1人妻側から1人をださなければならないなどというような決まりはなく、夫婦どちらかの両親が、当事者である夫婦それぞれの離婚届の証人になっても全く構いません。成人であれば、夫婦の子供も証人になれます。
誰でも証人になれるとはいっても、離婚とはデリケートな問題。「知人」レベルの知り合いには依頼しにくい等の理由で、通常は夫婦の親兄弟や友人に依頼することが多いようです。
離婚届の証人に責任はある?
やはり友人知人には離婚届けの証人を依頼するのは少し気が引けたり、依頼された友人側も困惑してしまうことも多いでしょう。離婚届けの証人となったことで、何かトラブルや厄介ごとに巻き込まれてしまったりするのでしょうか?
離婚届けの証人は、離婚届への署名押印、離婚届の提出が婚姻関係を解消し戸籍が変動する手続きであるため、第三者が夫婦二人の意思を証明するべきという形式的な観点から、協議離婚で必要とされています。つまり、「当事者二人の離婚の意思を確認しましたよ」というサイン。
離婚のトラブルが発生したとしても、それは当事者二人のトラブルであって証人になったからといって法的な責任を負う事態には繋がりません。
友人には少し頼みにくいですが、親兄弟が身近にいないのなら責任を負う必要がないことを伝えて頼んでみましょう。
離婚届けの証人欄記入に必要なもの
証人は署名・生年月日・住所・本籍地の記載と押印をする必要があるので、印鑑を用意してもらいましょう。シャチハタの印鑑では受理されないので注意しましょう。
証人になってくれる人がいない時は
離婚の問題はデリケートかつ重大なもの。多く親兄弟や友人にはどうしても頼みにくい、または遠方に住んでいるなど様々な事情で第三者の署名捺印を得られない、証人を頼める人がいない、というケースは実際少なくありません。しかし、離婚届の署名捺印は、依頼する第三者本人のものでなければならず、勝手に記入したり代筆する行為は有印私文書偽造となってしまうので、絶対にしてはいけません。
どうしても、証人を頼める人がいないというときは、離婚届の代行サービスを利用したり、離婚について相談している弁護士がいれば、その方についでに依頼しても良いでしょう。
証人代行の料金は、手数料込みで一人3000~5000円であることが多いです。
離婚の取り決めや手続きは慎重に
離婚に関する問題は戸籍法などの法律や手続きが絡み、多くの人にとって不慣れな専門知識を必要とすることが多いです。
離婚届けの記入や証人の依頼はどちらかというと簡単な問題です。不安なこと、わからないことにひとつひとつしっかり対応していくことは大変ですが、子供がいる場合の離婚ならなおのこと離婚後の生活の為にも決めるべきことはしっかりと決めていくべきです。根気よく、ひとつひとつ取り組んで解決していけば、その先には新しい生活が待っています。