マミートラックに関する記事

マミートラック乗車中ワーママがやる気を失わない方法5つ

マミートラック乗車中ワーママがやる気を失わない方法5つ

マミートラックを知っていますか?働くワーママを思いやった制度とも取れますが、現実的には苦しめられるママも多いマミートラックの罠や原因、モチベーションアップ対策、女性管理職を多く登用する企業や働きやすい職種について解説します。

マーミーTOP  >  夫婦・家族  >  マミートラック乗車中ワーママがやる気を失わない方法5つ

マミートラックに乗るワーママがモチベーションをアップする方法

何かとメディアでも取り上げられることの多い子供を持つワーママの働き方ですが、最近「マミートラック」という言葉をよく耳にしませんか?この言葉って働く女性を励ます言葉なのでしょうか?それとも否定する言葉なのでしょうか?

今回は、マミートラックの意味子供を育てながら働く女性が陥りやすいマミートラックの罠などついて解説しながら、ワーママが前向きに自分らしく社会で働くための対策社会の取り組みなどについて、詳しくご紹介していきます。

マミートラックの意味

「マミートラック」とは、子供を育てながら社会人として働く女性の働き方をさす言葉です。一般的に子育ては、子供を産む役割を持った女性が担う分担が多く、手間も時間も負担が大きいのが日本の現状。そのため、ワーママは肉体的にも精神的にも大変で、どのように日々を乗り切るか悩みがちですよね。

子育てしながら働くママのイラスト

子育ての手間は女性にとって喜びではありますが、社会人として多くの人と一緒に働いているワーママにとっては、「子育てのため」と言いながら子供のために仕事を休んだり、申しつけられた分担を軽くしてもらったりすることは、容易なことではありません。

そのため、働くママは出産前に従事していた仕事をあきらめ、時間や仕事量の融通はつけやすいものの、さして重要視されない、出世やキャリアの対象にならない部署に異動をせざるを得ない、またはそういった選択を周りから迫られるといった状況があります。

多くの働くママが選ばざるを得ない昇進や昇格をあきらめる働き方を、「マミートラック」=「母親コース」と呼びます

マミートラックに乗るワーママへの罠

働くママにとって、育児に対して理解があり、勤務時間や仕事量を融通してくれるマミートラックは、理想的な働き方かもしれません。企業にとっては、優秀な女性従業員を確保し、子育てに理解のある優良企業であるということをアピールすることもできる一石二鳥の配慮です。

しかし、このマミートラックには注意が必要!周りから見れば良い働き方だと捉えられやすいマミートラックですが、乗ったばかりに次のような困った状況に追い込まれる罠に陥りやすいのです。

<マミートラックに乗ったママ達への罠>

  • 雑用的な仕事しか担当させてもらえず、仕事への意欲をなくした
  • 簡易な仕事を続けることで、これまで築いてきた自分の能力や価値に対する自信を失った
  • 出世やキャリアの対象外となり、これまでの時間を無駄にしたという喪失感に襲われる
  • 昇任や昇給に繋がる良い評価を得られないことで、同僚との格差や劣等感にさいなまれる
  • 「会社のお荷物」的な立場に立たされ、他の社員から非難されていると疑心暗鬼に駆られる
  • つまらない仕事と大事な子供を測りにかけてしまい、子供への罪悪感にさいなまれる
  • 「本人の希望」を立てに異動ができず、将来の仕事への希望を失ってしまう

社会の中であれ、家庭の中であれ、勤労は私たち人間が生きるための手段であり、人の役に立つことで自分の価値を実感する喜びです。現代では学校教育を終えた女性のほとんどが社会に出ていきますが、結婚して子供を産み育てていく女性にはさまざまな家庭の役割を担っていて、未婚の頃のように時間の制限なく、好きな仕事に打ち込むことはとても困難なことですよね。

掃除をしているお母さん

そのため、日本では多くの女性が結婚や出産を機に仕事をやめ、家庭労働へと移っていきます。けれど近年、出産後も社会で働くことに喜びを見出したり、経済的に働かざるを得なかったりなどの理由から、子育て中の母親としてさまざまな制限を受けつつも、あえて社会人としての道を選ぶという女性が増えています。

ですが、実際に子供をもち、朝慌ただしく子供に食事をとらせて保育園に送り出し、フルタイムで日中働き、残業などの会社の要求に答えながら、夕方子供を保育園に迎えに行って、買い物、掃除、洗濯、夕食の用意に片付けと一日休む暇もなく働くことは困難。そのため、育児のため、同僚などからの非難の目を気にしたためなどの理由から、マミートラックに乗ってしまうのです。

マミートラック乗車中でもモチベーションをアップする方法

マミートラックに乗ったばっかりに、仕事への意欲を失ってしまう働くママ達ですが、仕事に対する情熱を持っているほど失望は深く、普通にやめる以上の大きなダメージを背負って仕事をやめていくママも多いですよね。けれど、意欲がなくなったからと仕事の全てをあきらめることは得策とはいえません

嫌な思いをしても、それでも「この仕事が好きだ」という思いがあるのであれば、ちょっとした工夫でモチベーションをあげて、仕事に残ることも選択肢の一つですよ。マミートラックの罠を乗り越え、仕事へのモチベーションをあげる方法をいくつかご紹介していきましょう。

脱マミートラックを計画する

下校する中学生達

一時的にマミートラックに乗ってしまってはいても、育児期間には必ず終わりがきます。遅くても子供が中学校に入れば母親の手は大分離れてきますので、「子育てが終われば、普通に働ける!」と希望をもって、今の時間を捨てても将来に希望をつなぎましょう。

将来的に育児よりも仕事に重点を置いていくつもりであれば、今ある仕事をおろそかにしてはいけません。どんなにつまらない、情熱のわかない仕事でも、社会人として引き受けた以上水準以上のレベルで仕上げなければ、将来的に使ってはもらえません。「将来のため」と考えればどんな仕事でもモチベーションをあげることができますよ。

キャリアや昇進に対する意識を捨てる

私達は学生の頃からテストの点数や成績表の評価で競い合い、社会に出ると昇進し、のぼりつめることこそ人生の成功だと教えられて育ちます。だからこそマミートラックに乗ってしまうと、「同期のあの人に遅れた」という劣等感を持ってしまうのですが、よく考えてみましょう。自分の人生にとって昇進することが成功の全てですか?

今、あなたには可愛い子供がいて、苦労があっても楽しい育児をしていることは、昇進以上に価値のあるやりがいのある仕事です。会社で昇進しなくても、あなたの価値が落ちることはありませんよ。昇進しない代わりに時間や精神的な余裕がもて、子供との生活を楽しめるのだと意識を変えていきましょう。

独立計画を立てる

パソコンを弄るお母さん

マミートラックに乗った時に任せられる仕事に満足できないのであれば、その時間の余裕を利用して、独立の準備をするのも良い手です。会社で人に使われているだけが、社会人としての道ではありません。独立したほうが自分で好きな仕事ができますし、育児にかける時間も捻出しやすいので、自分にとってプラスになると考えて選ぶ人も少なくありませんよ。

いざ独立を考え始めると、「どんな仕事でも経験しておけば将来に活用できる」と、仕事への見方が変わってきます。マミートラックのつまらない雑用も、自分の知識を蓄えて人脈を広げる貴重な経験としてとらえることができるので、失いがちだった仕事へのモチベーションをアップさせることができますよ。

ろんろん
45歳

転職という道もアリ!

結婚17年目、高校生を頭に4人の子供のママですが、3年前に20年近く勤めた会社を辞めて転職をしました。転職をした理由は、ズバリ、その仕事では結局どれだけ働こうと、実績を残そうと、「子供がいて長時間働けない従業員で、お情けで雇ってやっている」という立場から抜け出せなかったからです。

そんな状態が15年以上続き転職を考え続けてきたものの、「今後は良くなるかもしれない」「特に資格もないオバサンを雇ってくれる他の会社があるのか」と迷って、なかなかふんぎることができませんでした。ですが40歳を過ぎたところで「自分の人生って、こんなものでいいのかな」と考え直し、お金のためではなく、自分の好きな仕事をしようと決意して、退職届を出しました。前職で十分勤めて仕事もしたし、後輩も育てたので、自分なりの定年退職ですね。

その後、派遣会社に登録をしたのですが、幸いすぐに仕事が見つかり、子供にかける時間も充分とれるような状態で、楽しく仕事をしています。主に短期の仕事ばかり受けていますが、いろいろな仕事を経験できて、刺激的で面白いですよ!来年には派遣をやめて、それまでの実績と人脈を生かして、細々としてではありますが広告関係の仕事で個人事業主として独立する予定です。

女性の場合は、どうしても子供やキャリアのなさ、人脈のなさなどで転職をためらってしまいがちですが、私自身の経験から言わせてもらえば、それまで一生懸命努めて来たのであれば、基本的な社会人としてのスキルもマナーも身についていますので、転職をしても全然問題ないですよ。

実際、私が登録している派遣会社では、「熟練した女性は職場の雰囲気を壊さないので、企業から需要がある」とのことで、仕事が切れたことはありません。女性にとって転職はタイミングが大事です。マミートラックで悩むくらいなら勇気をもって転職するのも、自分を活かす良い方法ですよ。

前向きになることで自分の価値をあげる

笑顔のママ

人間、何でもイヤイヤやっていると成果は上がりませんし、楽しみを感じることもできません。もちろん、そんなイヤイヤやっている人間を見るのは、周りの人も嫌なはずです。マミートラックの仕事がつまらないからと否定的にばかり考えていると、どんなに仕事ができても自分自身の評価が下がってしまうので、無理にでも笑顔を作って、明るい雰囲気で仕事に取り組みましょう。

職場にとって女性は優秀な従業員だけでなく、職場を明るくする花のような存在。育児で大変な時でも嫌な顔をせず、どんな仕事でも明るく引き受ける姿は、きっとあなた自身の良い評価につながりますので、「笑う門には福来る」を信じて、仕事に前向きになることでモチベーションをあげていきましょう。

仕事から距離を置く

マミートラックは仕事に情熱をもっている、真面目な女性ほどつらさを感じやすくなります。今まで仕事に打ち込んでいた情熱を持て余すのであれば、いっそのことその情熱を切り離して、仕事は情熱をかけるものではなくただの生計の手段だと、割り切って考えてみてはどうでしょうか?

仕事を手放す代わりに育児に打ち込むのも、自分の新たなる趣味を見つけて打ち込むのも、仕事から目を反らして、気分を変える手段になります。持ち帰りで仕事をしないと決めて、仕事に関するものを自宅にはおかないようにしてしばらく仕事から距離を置くと、ちょっと冷静になって考えることができるようになりますよ。

自分のライフプランを練り直す

赤ちゃんの三兄弟

あまり魅力を感じなくても、時間や仕事量の融通がつきやすいマミートラックの仕事は、子育てのしやすい環境であることに変わりはありません。どうせ数年子育てに時間をとられるのであれば、この際自分のライフプランを見直して、二人目、三人目を産むことで最大限今の状況を利用することを考えるのも良い手です。

もし、「マミートラックからどうしても降りたい」というのであれば、夫にもっと育児協力を求めたり、実家や婚家などのサポートを受けたりするという、家族関係の見直しも必要になってきますよね。思い立ったらすぐにできることではありませんので、マミートラックにいて時間がとれる内に着々と準備をしておいて、将来の仕事の仕方につなげてモチベーションをアップさせましょう。

マミートラック対策への国の取り組み

マミートラックの問題は、働くママと企業との間だけの問題と捉えられがちですが、マミートラックに苦しむ女性の背景には、社会全体の女性の働きにくさ、育児のしにくさが大きな影を作っています。

その不満を解消するために、政府は女性が自分の希望通りに社会で十分に能力を発揮し、活躍できる仕事環境を整えるために「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)」を整備するなどの対策をしています。

一定従業員数の企業に対して、女性の働きやすさを追求した行動計画の策定を義務付け、行動計画に前向きに取り組んで実績を与える企業に厚生労働大臣が優良認定をすることで、企業にもメリットを与えています。今後こういった対策に共同する企業は増えつづけることで、マミートラックが徐々に解消されるかもしれませんよ。そうやって考えると、今マミートラックで悩んでいても、チョット希望が持てますね。

マミートラックを見直す企業

働いているお母さん

今後さらに厳しくなっていく少子高齢化で、企業としてもワーママは貴重な戦力。これまでのような「結婚までの腰かけ」「子供ができたら退職するもの」という誤った女性従業員への見方を改め、積極的に女性を長く雇用する対策を試行錯誤している企業は増えていますよ。

政府の対策や企業の努力によって、徐々に女性の就業率は上昇傾向にありますが、やはりここにきてストップをかけているのがマミートラックの問題ですね。結婚や出産によって離職しやすい女性を、いかにして職場に長く繋ぎ止め、企業のために役立てるかを考えたときに大事なのは、女性を優遇する制度を作るのではなく、男女問わずにさまざまな働き方ができるフレキシブルな制度を拡充させることにあります。

そのため、真剣にワーママの雇用を進める企業では、男女を問わず、未婚、既婚、子持ちの別なく労働条件を見直して、働くママが負い目を持たずに、育児中であることを考慮しながら自分の希望する仕事で活躍ができるよう、マミートラックの改善にも積極的に取り組んでいます。

<ワーママの雇用を推進する企業の取り組み>

  • 残業などの長時間労働の見直し
  • 効率的な業務プロセスへの見直し
  • 時間ではなく成果を重視した人事評価の見直し
  • フレキシブルワークの導入 など

マミートラックとは無縁!?女性管理職が多い企業や職種

働く場所を変えることはなかなか難しいトコロがありますが、育児にひと段落してこれから就業を目指す場合や、今の職場から転職を考える場合には、できるだけマミートラックの罠を回避できる、働くママを前向きに受け入れてくれる業界や企業に焦点をあてていきたいですね。

2014年に東洋経済新報社が行った調査結果から、女性が貴重な戦力として採用されている企業や業種などについて、ご紹介していきましょう。

女性管理職率が高い企業

仕事中の女性達

女性を重視し、管理職まで登用している企業としては、女性管理職率が高い順に次のようになっています。トップのトレンダースは女性部長比率53.8%、2位ニチイ学館は40.0%ですよ。

1位 トレンダーズ
2位 ニチイ学館
2位 アニコム ホールディングス
4位 リニカル
5位 日本アジアグループ
6位 パソナグループ
7位 ベネッセホールディングス
8位 博展
9位 ポーラ・オルビスホールディングス

女性を多用している企業は比較的小規模な企業が多いのですが、性別だけでなく、人種や国籍にこだわらずに、広く優秀な人材を求めている傾向があります。それだけ能力や要求される職場ですが、最大限自分の能力を生かして、やりがいのある仕事を任せてもらえる確率は高いですね。

女性管理職が多い職種

飲食店で働く女性
  • 各種サービス業
  • 保険業
  • 情報・通信業

やはり、お客様と接する機会の多い職種ほど、柔らかな女性の利点を生かして働けるのかもしれませんね。企業の求める人材と、働くママの希望が一致してこその働きやすい職場ですので、自分にあった職場探しの参考にしてみてくださいね。

マミートラックに悩んでもあきらめないで!

マミートラックの問題は、少子高齢化や女性の社会進出といった社会問題にもつながる難しい問題ではありますが、どうか「もういいや」なんて思わないでくださいね。マミートラックに代表される、いま女性達が直面している問題は、「どうお金を稼ぐか」ではなくて、「どうやって生きるか」という、女性が自分らしく生きるために、前向きに向き合っていかなくてはいけない問題です。

マミートラックで一番怖いのは、さまざまな社会の軋轢や周りの目にママ達が押しつぶされてしまって、社会で働くことを通して「私は期待されていない」とか、「自分には価値がない」と間違った考えを植え付けられてしまうこと。子供を育てることも、社会で自分らしく働くことも、大事な女性の権利ですから、少しでも前向きに改善していけるといいですね。

この記事を書いたライター
羽根田るみこ

羽根田るみこ

第一子から15年間保育園に通い続け、まだまだ記録更新中です!