新婚ストレスで起こる体調不良とは?男女別の原因や3つの対処法
小さな頃から「将来は、幸せな花嫁さんになってね」と育てられ、結婚が人生の憧れのステージだったという女性は多いですよね。ところが、大好きなパートナーと念願の結婚をした幸せいっぱいの新婚生活が、ストレスで急に色あせて見えて、なぜか涙が出てしまったり、体調まで悪くなってしまったりすることはよくあります。
こういった新婚ストレスは、男性側でも感じている事なのですが、女性の方が深刻になりやすく、さまざまな体調不良に苦しむ人もいますので注意が必要です。今回は新婚カップルをどん底に陥れる、新婚ストレスの原因やそれによって引き起こされる体調変化などについて紹介しながら、幸せな新婚生活を取り戻すためのストレス解消法などについてご紹介していきます。
新婚ストレスとは?
「新婚ストレス」とは、結婚してさまざまな環境が変わったことで感じるストレスで、新婚旅行から帰って新生活がスタートするとともに、ジワリジワリと心の中に忍び寄り、いつの間にか大きな負担となって体調不良を引き起こします。
ストレスは、私たちの心や体を緊張状態にするもので、程よいものであれば体や心を興奮させて「頑張ろう」「やってみたい」というポジティブな気持ちにさせてくれます。
しかし、「ストレスは万病のもと」とよくいわれているように、強いストレスや複数のストレスは過剰に自律神経を刺激し、心拍数や血圧を高めるなどのストレス反応を引き起こすため、血管や脳を破壊したり、悪性の腫瘍を活性化させたりといった危険を引き起こします。
女性に起こる新婚ストレスによる体調不良
- うつや気分の落ち込み
- じんましん
- 胃の痛みや頭の痛み
- ひどい肩こり
- 下痢
- 倦怠感
- 不整脈
- 生理不順や不正出血 など
結婚後の女性と男性のストレス度の違い
新婚なのに「あんまり幸せじゃないな…」と感じるのは女性だけだと思われがちですが、そんなことはありません。結婚したことによる環境の変化は、男性も感じています。ですが、新婚期のストレスに関しては、女性側の方が強く感じる傾向があるのです。
なぜ、男女で新婚ストレスの差が出てくるのか、新婚期に感じやすいストレスを分析してみましょう。
男女共にかかる新婚ストレスの原因
結婚して新生活がはじまることによって、夫と妻に共通して降りかかるストレスには、次のようなものがあります。
- セレモニーとしての結婚の手続き
- 妻・夫がいることによる意識の変化
- 引越しなどの住環境の大きな変化
- 婚家との付き合いや家族構成の変化
- 食習慣の大きな変化
- 夫婦喧嘩などのトラブル
- 生活習慣やライフスタイルの変化
- 家計の収入と支出の変化
- 社会的立場の変化
- 遊び・レクリエーションの変化
こうして挙げていくと、結構な量のストレスですよね。ただし、こういったストレスは、男性の方が受け流しやすい傾向があります。なぜなら、「結婚」に対するイメージが基本的に男女で次のように違うからです。
- 男性⇒結婚はこれからの人生のスタート
- 女性⇒これまでの人生におけるゴール
ストレスの受け止め方、姿勢が違うんですね。一般的に家計を担う役割を果たす男性にとっては、新婚期の緊張は程よく働き、新婚期のストレスによって「これから頑張ろう」と、一家の大黒柱的なやる気を引き出すことが多いです。
女性だけにかかる新婚ストレスの原因
夫と妻に共通してかかるストレスにプラスして、女性の場合はその社会的役割から、次のようなストレスが余分にかかります。
- 妊娠の期待
- 初めての妊娠・出産への不安
- 仕事をやめる
- 仕事の配置転換や上司の扱いの変化
- 仕事と家事のペース配分の変化
- 家事の負担の変化
女性の場合は、結婚準備で忙しくしている時は良い方面にストレスが働いているものの、結婚式と新婚旅行という山場を越えたあたりで、「やっと終わったという疲労感=緊張状態の解放」を感じ始め、無防備な状態になったところで、さまざまな環境の変化や今まで見ぬふりをしていた不満に気が付くので、より強くストレスと向き合うことになります。
同じようなストレスでも、人によって受け止め方は違いますし、その時の精神状態によっても受け止め方は違います。新婚期の女性のように、疲労を一気に感じているときはストレスを一番強く感じてしまうのです。
だからこそ、新婚期の女性はストレスによって脳卒中や心筋梗塞、糖尿病や高血圧などの生活習慣病を引き起こすリスクがたかくなります。夫婦で新婚期の女性への心と体の健康に配慮することが大切です。
新婚女性が感じやすい5つのストレス
新婚ストレスを強く感じてしまう女性は、真面目な頑張り屋さんであることが多いです。結婚生活に対して高い理想を持っていて、それに向けて頑張って準備をしてきたからこそ、結婚後の理想と現実の違いに気が付いて、強い不満をため込んでしまうのです。
幸せあふれる新妻をがく然とさせる、現実と理想のギャップをいくつか紹介していきましょう。
12人分の家事って大変!
男女平等の世の中とはいうものの、結婚生活は家事の負担など女性側の負担が大きくなります。初めのうちは喜んで手伝っていた夫も、時間がたつにつれて妻の存在に慣れ、「やっておいて!」なんて手抜きを始めることも…。それが、「こんなはずじゃなかった!」という強いストレスの原因となります。
- 男性
⇒ 今まで全部自分でやっていた家事が、妻がいることで負担量が1/2に減る - 女性
⇒ 今まで1人分の量の家事で住んでいたのに、夫ができたことで2人分の処理に増える
2「妻」の役割って重い!
昔ほどうるさく言われることはなくなったとはいえ、まだまだ世間の中では「家を守るのは女性の仕事」「結婚したら、妻は子育てに集中すべき」という考えをする人が多くいます。女性にとって妊娠・出産はとてもデリケートな問題なのですが、それを当事者である夫ならまだしも、ろくに知りもしない義両親や親族にせっつかれるのはとてもストレスが溜りますね。
女性は結婚をすると、どうしても親戚付き合いが増え、社会的にも「既婚の女性」としての役割を求められます。今までの自由な生活から、一変してさまざまな既婚女性の仕手のマナーや社会常識を押し付けられることによって、「こんなに大変なんて聞いていない!」という気持になってしまうのです。
3結婚生活って物入り!
単純に考えて、夫婦二人で暮らせば収入は二人分、そして支出も二人分。ですが、結婚式や新居への引っ越しなどに使った費用の支払いがあるので、新婚期は結構な支出があります。ましてや将来の子供の事や生活設計を考えれば、「出来るだけ節約をしよう!」という欲も生まれてきて、ついつい家計を切り詰めて無理をしてしまいがちなのです。
独身の頃は自分の権限で、自由に使えていたお金も、基本的には夫婦の共有の財産になり、結婚後は今まで通り趣味に好きなだけお金をつぎ込むことはできません。お金の不満は離婚の原因にも直結しやすい要因ですが、こういった初めての不自由さを感じる経験は、「結婚しなきゃよかったのかも…」という迷いを引き起こし、強い新婚ストレスを生み出してしまうのです。
4夫ってこんな人だったの!?
どんなに交際期間が長くても、一緒に暮らさなくてはわからないことはたくさんあります。意外と戸惑うのが食事の内容や習慣。味付けの嗜好や料理の品数、朝食の習慣の違いなどは、体になじんでいるものですので、どれだけ愛する人のためでも、急に変えることには強い抵抗をかんじるものです。
ライフスタイルや生活習慣の違いもそうですね。朝型の人、宵っ張りの人、休日は遅くまで寝ていたいし、一日の最後にはリラックスして一人でビールを楽しみたいなど、結婚したことであきらめなくてはいけないことが多いので、「この人とはあわない…」という不安とストレスが募ってしまいます。
5思ったより幸せじゃない…
「結婚をすれば、幸せになれる」なんて、思いこんでいる新婚女性は結構多いですよね。女性は一定の年齢を超えると、「結婚はまだ?」と周りからせっつかれることが多いので、「結婚さえすれば…」という願望を抱いてしまいがちです。そのため、実際に結婚をしてみて幸せを実感できないと、漠然とした不安を感じてしまいます。
生まれも育ちも違う男女が一緒に暮らし、幸せをかみしめるためにはそれなりの努力が必要。ところが、結婚願望が強すぎると、「幸せになれないのは私のせい」と自分に自信を失ってしまったり、「旦那が幸せにしてくれない」と恨みを募らせてしまったりして、幸せを感じ取れないストレスにさいなまれてしまうのです。
新婚男性が感じやすい4つのストレス
結婚の現実に驚いてしまう妻に対して、夫は結婚生活のどんな部分に不満を抱きやすいのでしょうか?面白いことに、女性は結婚によって変化してしまった環境や、自分の置かれた立場に対して強いストレスを感じますが、男性は結婚によって変わってしまった、もしくは気が付いてしまった、妻の嫌な言動や態度に強いストレスを感じる傾向があります。
女性の方がこういった男性の抱きやすいストレスの原因を理解しておけば、少なくとも最悪のケースは避けられるかもしれません。男性が新婚の頃に感じやすい不満をご紹介しますので、参考にしてみてくださいね。
1妻が家事をしてくれない…
頭では家事は男女で協力してとは分かっていても、男性の多くは「妻が手入れをした、過ごしやすい自宅で安らぎたい」と心のどこかで思っています。そのため、妻からキッチリと家事分担を押し付けられてしまったり、自分が思うような世話を妻がしてくれなかったりすると、途端に強い不満を抱いてしまいやすくなるのです。
2妻が全く感謝をしてくれない…
女性が男性を頼りにするように、男性は女性に安らぎや癒しを求めます。交際期間中は何をしても、「ありがとう」「うれしい」と優しい気持ちを伝えてくれていたのに、新婚期の妻は結婚生活に不満を感じてイライラしがちで文句が多い傾向があり、男性としては妻の態度に幻滅し、妻の愛情を疑って強いストレスを感じてしまいます。
3両親の悪口を平気で言う…
男性は強がっていても家族のつながりを求めるものですし、体面を気にすることがあるので、妻には両親を含めて自分の顔を立ててもらいたいと思っています。そんなときに、家族になった気安さから、妻が自分の両親の悪口や不満を聞いてしまうと、「自分が大事にされない」「尊重されない」と思い込んでしまい、強い怒りを抱いてしまいがちです。
4妻が責任を押し付けてくる…
男性は女性、特に妻となる女性には強い保護欲を持っている人が多いのですが、何でもかんでも頼られると、さすがにイラッとしてしまいます。特に仕事や人間関係で疲れて、精神的にボロボロになっている状態のときに、妻が夫の気持ちも考えずに難しい選択や判断を頼ってくると、イライラとした気持ちが抑えられず、強いストレスが蓄積していってしまうのです。
新婚女性は試して!3つのストレス対処法
新婚生活は思い描いていた物とは違うかもしれませんが、理想は理想、現実は現実として受け入れていくしかありません。でも、最初から嫌なストレスを受け入れていくことはできませんよね。こういった時に大事なのは、ストレスを心の中にため込まないことです。
せっかくの新婚生活を「もうイヤ!」や「ギブアップしたい!」という嫌な思い出で過ごすことが無いように、少しずつストレスを解消していきましょう。新婚女性のおススメのストレス対策を3つご紹介しますので、一人でやるのではなく、旦那さんと一緒にストレス対策をするのもおススメですよ。
1嫌なことから距離をおく
新婚ストレスを解消する一番の近道は、早い段階で新しい環境になれ、自分とパートナーとの違いを受け入れていくことですが、こればっかりは時がたたないと解決できないことが多いです。時間がかかって心が折れてしまわないように、いっそのこと嫌なこと、負担に感じることから距離を置きましょう。
家事が面倒だったら、しばらく手を抜いてやらなくても死ぬことはありませんし、気持ちが落ち着いてくれば嫌なことでも夫と穏やかに話す体制が整ってきます。せっかく人生に一度の新婚生活です。後で、笑顔で新婚生活を振り向くことができるよう、嫌なことからは遠ざかり、好きなことを優先させて過ごしましょう。
2軽めの運動を習慣にする
ストレス発散に一番良いのは、身体を動かしてエネルギーとともに不満やイライラを発散させることです。体が暖まり、少し息が上がる程度の軽めの有酸素運動は、ストレスの感受性を鈍くし、自律神経の興奮を抑え、イライラとした気持ちを静める効果がありますから、週3~4回、30分程度の速足散歩やウィーキングを日常の習慣にしましょう。
新婚期の運動は、幸せ太りを防ぐ効果もあります。運動習慣としては、自宅内でできるヨガやストレッチでも良いのですが、外の空気を食うこと自体が気分転換になりますから、旦那と一緒におしゃべりしながらの散歩などに取り組んでみてくださいね。
3お笑い番組でバカ笑いをする
笑うことも、ストレスを発散するために有効な手段です。これは、笑顔を作ることでポジティブな気分になれるということだけでなく、お腹を抱える程笑うことで酸素をたくさん体に取り込み脳の働きを活性化させ、乱れた自律神経を整える効果があるからです。
テレビでは毎日のようにお笑い番組を放映していますよね。お気に入りのコメディアンのとっておきのDVDを1本確保しておくのもいいですよ。仕事が休みの前日は、夜更かし覚悟で旦那さんと一緒にバカ笑いをすると、新婚ストレスによる夫婦のわだかまりも解消しやすくなるはずです。
新婚ストレスは乗り越えられます!
新婚生活は他人との暮らしの第一歩で、今後の夫婦生活を左右する、とても大事な時期です。この時期は、夫と妻、どちらともの努力と歩み寄りがなくては成り立ちませんので、イラッとした気持ちを感じたら早めに対処して、生活の改善を考えていきましょう。
プロポーズから結婚の準備で気持ちが盛り上がってきただけに、新婚生活で感じる不満や環境の変化、相手の嫌な所は鼻につき、新婚生活はイライラを感じがちな時期ですので、最初の1年間は夫婦ともに穏やかにはいられないかもしれません。けれど、徐々にお互いを認め合うことでストレスは和らいでいきますので、焦らず、時間をかけて新婚ストレスを乗り越えていきましょう。