小学生女子のダイエットに関する記事

『小学生ダイエットの問題点&親の対応6/キレイになる方法』

小学生なのにダイエットをする女の子達。その後の成長に及ぶ悪影響や問題点について考えましょう。

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小学生のダイエット!女の子に迫る問題と親がすべき接し方

近年、テレビや雑誌などでもスリムなモデルさんや芸能人を多く見かけ、小学生から読者モデルに憧れる女の子たちが、「スリムなスタイルを手に入れるために、無理なダイエットをする」といったケースが増えています。ママとしても、「子供の夢を応援してあげたい」「自我が芽生えた娘と仲良く過ごしたい」と、つい好きなようにさせてあげたくなりますよね。

けれど、大切な成長期に食事制限によるダイエットをしてしまうことは、その後の成長にさまざまな悪影響を及ぼし、未来の娘の夢を奪ってしまうことになりかねません。こちらでは、小学生の女の子が間違ったダイエットをする危険性小学生のダイエットへの接し方をご紹介します。小学生女子の痩せたい願望に、親としてどのように接するべきなのか一緒に考えていきましょう。

小学生女子の間違ったダイエットで起こる問題

小学校に入学すると、女の子は周囲からの目が気になり、容赦ない友達からの乱暴な言葉、ほのかな恋心、カッコよさへの憧れなどの理由から、外見磨きへの興味が強くなります。そして、早い子で小学校2年生頃からファッションに興味を持つようになり、外見磨きを楽しむようになります。
中には「お腹いっぱいだから…」と頻繁に食事を残し、「○○ちゃんは小食ね」と親が思っている間に、深刻な問題を抱えてしまうこともあるのです。

身長が伸びない

過度の食事制限で痩せすぎてしまった身体は、常に飢餓状態になってしまっています。人間の身体は飢餓状態になってしまうと、体内のすべての機能が生命維持のために働きます。つまり、身長を伸ばすことよりも、生きていくことを優先して身体が機能するのです。

現代人に比べ、充分に栄養を摂れていなかった時代の人達は、大人になってからも身長が低い人が多いですよね。大切な成長期に充分な栄養が摂れないと、身長が伸びなくなってしまうのです。

風邪を引き、重症化しやすくなる

小学生女子が間違ったダイエットを行う結果、充分な栄養が体内に蓄えられ、慢性的にエネルギー不足になり、身体の体力や免疫力が低下して、感染症を引き起こしやすくなってしまいます。

また、体力や免疫力がある状態であれば悪化しない感染症や病気なども、ダイエットにより体力や免疫力が低下することで、悪化し合併症を引き起こして、重症化する恐れがあります。

無月経などの月経異常

女の子は思春期になると、少しポッチャリした体型になり、早い子では小学校2~3年生で生理が始まります。小学5年生の宿泊研修や小学6年生の修学旅行前には、小学校からも女の子に生理の説明がり、ナプキンが配られる学校もあります。ママが子供だった頃より、現代の女の子達の体の成長は早くなっているのです。

小学生の女の子が高学年でぽっちゃり体系になるのは、女性ホルモンが正常に分泌され、妊娠・出産に対応できる身体になるために必要なこと!ところが、小学生から食事制限によるダイエットをしている場合、ホルモンバランスが乱れ、生理や排卵が止まる無月経になる、15歳になっても初潮がこない、生理不順などの月経異常を引き起こすことがあるのです。

月経は、女性の身体と心のバロメーターであるので、それが正常に機能しないということは、ホルモンバランスの乱れが深刻な証拠。一般的に、食事制限によるダイエットで、3ヶ月~1年の間に次のような数値で身体が急激に変化することは、ホルモンバランスの乱れに繋がると言われています。お子さんの様子に注意しましょう。

ホルモンバランスが乱れる!危険ダイエット

・体脂肪が15%以下
・2週間程度の短期間に体重が急激に減少
・体重が5~10キロ以上減少
・元の体重の10~30%減少
※肥満体系の女の子の場合、肥満外来の指示に従い、運動・食事療法を行っている場合は、この限りではありません。

子供の頃にホルモンバランスが乱れて月経に支障があると、大人になってからも、妊娠しにくい身体になるなど悪影響が続きます。子供の気持ちは変わります。将来の子供の気持ちも考え、ホルモンバランスを乱れさせる程の食事制限はやめさせ、きちんと話し合いましょう。

骨粗しょう症になるリスクが高まる

人間の骨の中にあるカルシウムの量は18歳がMAX!吸収率の高い子供の頃から、少しずつカルシウムを骨内に蓄積します。そして、18歳からは少しずつ身体の中のカルシウムを失っていきます。吸収率が低下していくのです。

ですから、カルシウムの吸収率の高い小学生の大切な時期に、カルシウムをきちんと摂取し骨内に吸収した子どもに比べ、間違った食事制限によるダイエットで充分なカルシウムが蓄積できなかった子は、歳をとってから骨粗しょう症になるリスクが高くなってしまうのです。

「大人になってからカルシウム摂取に気をつければ良い」というわけではありません!子供の頃の食事が、30年後、40年後の子供の骨や健康を大きく左右するのです。

貧相な体型になる

小学生が間違った食事制限によるダイエットを行うと、引き締まった体を作るための筋肉が失われる恐れがあります。十分な栄養と運動により美しい筋肉がつき、引き締められた体こそが、子供たちが憧れるモデル体型でしょう。

ところが、小学生にそういった知識はなく、ただ体重を減らすだけの食事によるダイエットを行う傾向があります。すると、体全体が筋肉の少ないダランと垂れた貧相な体型になってしまいます。小学生なのにお尻や胸、皮膚が垂れてしまわないように、しっかりサポートしてあげたいですね。

心の病になる

小学生の女の子が、「ダイエットしたい」「痩せたい」という痩身願望を持つ心の裏には、「クラスの男の子にデブって言われた」「好きな男の子の好みが痩せている女の子だから…」など、他人との関係で心が傷ついた経験や、自己肯定感が低いことなどが原因となっています。大人から見て充分痩せているのに、「私は太っている!」と思い込んでしまい、親の声が心に届かなくなってしまうのです。

また、始めた時は軽いダイエットのつもりでも、間違った方法であるがゆえに栄養不足となり、身体の機能が正常に働かなくなってしまい、心も正常に保てなくなって拒食症や過食症などの摂食障害や、うつ症状などの心の病に繋がるケースもあります。

医療機関を受診しましょう!

拒食症や過食症などの摂食障害は、精神的な疾患であるため、医療機関の受診が必要なケースが多く、受診後の治療に時間がかかることもあります。子供自身も非常に苦しみ、自分ではどうすることもできず、命の危険に晒されることもあります。拒食症が疑われるときは、家族間で解決しようとせず、すぐに医療機関を受診しましょう。

早い子の場合、小学校3年生で拒食症になった事例もありますので、食事をしっかり食べない小学生に対して、親は充分な注意を払う必要があるのです。

小学生がダイエットで痩せすぎの大人になると…

女の子が小学生の頃から食事制限によるダイエットを行い、大人になっても痩せすぎの状態が続くことは、一見「スタイルが良くて男性にモテそう」と感じるかもしれませんが、実は様々なデメリットがあります。特に恐ろしいのが、デメリットが自分自身だけではなく、生まれてきた赤ちゃんにも及ぶことです。

妊娠中から痩せ過ぎていると、胎児に充分な栄養が行き渡らず、2500g以下の低体重児が生まれる可能性が高くなってしまいます
また低体重児は、生まれてきたときから身体が飢餓状態にあり、貪欲に栄養を体内に貯めようとするため、肥満や糖尿病などの生活習慣病になるリスクが高くなると言われているのです。

さらに、母親の骨密度が低い、痩せた体型の場合は、子供が骨粗鬆症になるリスクが高くなることも、分かってきています。

小学生にダイエットは必要?親がすべき接し方

「うちの子食が細くて心配…」「カロリーを気にしていたけど大丈夫?」と思うママは、これから紹介する6つの方法を試してみましょう。

子供の様子を観察する

親として、バランスよく食事を摂っているか、子供が拒食症になっていないか、よく観察して見極めることは非常に重要です。

  • 油を食べない
  • サラダばかり食べる
  • 朝食を食べない
  • 今まで食べたり飲んだりしていた乳製品や肉を、急に摂らなくなった

など、食事に関する変化が見られたら、食事の偏りが心配されます。

また、拒食症の症状としては、食事を拒否したり、食欲が著しく低下したりすること以外にも、次のような症状がみられます。子供拒食症になっていないか、または拒食症の予備軍でないか、次の項目をチェックして見極めましょう。

拒食症チェック!

・過度の体重減少(標準体重の85%以下)
・低体温/低血圧/貧血/脈拍数の低下など身体の不調をきたす
・体重が減少することに喜びを感じている
・痩せているのに、太っていると思い込んでいる
・無理して食べると、その後嘔吐してしまう
・今までしなかった行動をとる(脳内麻薬エンドルフィンの分泌による)

子供の話しをよく聞く

なぜ痩せたいのか、子供なりにも本当の理由があります。「好きな子ができた」「読者モデルになりたい」「太っていることをバカにされた」など、子供なりの理由について真剣に耳を傾け、子供の心に寄り添い、子供の考えを否定せず、間違ったダイエットという選択肢ではない、適切なアドバイスをしてあげましょう

自分の体形に関する情報を与える

小学生の女の子の場合、自分のことを客観的に見ることができないため、痩せているのにダイエットをしようとする子が少なくありません。親としては、子供の「痩せたい、キレイになりたい」という気持ちは尊重しつつ、簡単に伝わるように、数値(平均体重やBMI指数など)での情報を与え、太っていないことを諭してあげましょう。

BMI指数は、国際的な標準指数として、肥満度判定に使われています。BMI 体重kg ÷ (身長m×身長m)で求めることができ、日本肥満学会が提示しているBMI指数による肥満度の判定基準は、以下のようになっています。

判定 BMI

判定

低体重

BMI

18.5未満

判定

普通体重

BMI

18.5以上25未満

判定

肥満(1度)

BMI

25以上30未満

判定

肥満(2度)

BMI

30以上35未満

判定

肥満(3度)

BMI

35以上40未満

判定

肥満(4度)

BMI

40以上

例えば、身長142cm、体重39kgの女の子の場合、BMI=39kg÷(1.42m×1.42m)=19.341…となり、この女の子の肥満度は、普通体重となります。

キレイになる正しい方法を教える

「痩せる=キレイになる」と考えている小学生は非常に多く、ダイエットの必要がない女の子でも、キレイになる方法として「痩せる」以外の選択肢が見つからないことが多いのです。

ところが、食制限のみの間違ったダイエットは、キレイになるどころか、小学生がもともと持っていた張りのあるきめ細かい肌、引き締まった体、はつらつとした若々しさを失い、健全な心までも害してしまいます。ぜひ、ダイエットをしなくてもキレイになれる方法を提案してあげましょう。

ダイエット以外でキレイになる方法

  • お肌のケア方法(睡眠や食事、保湿、マッサージ)
  • 美しい姿勢
  • 美しい歩き方や動作
  • ポジティブな発言でオーラを磨く
  • 自分の体型にあった服の選び方

「勉強が疎かになってしまうのでは?」と心配になるかもしれませんが、自分を磨き高く評価されることは、自己肯定感や自尊心を高め、中学高校の親の言うことを聞かなくなる時期に、自分の意思で自分を大切にするように育ってくれます。

「落としたものの真横に立ち、両足を揃えて腰を落として取る」などの美しい所作や、相手の心を和ませ励ませるポジティブな発想や発言、マナーを教えるチャンスと捉え、パパを振り向かせた美しさの秘訣を伝授してあげることで、親子の絆を深めましょう。

食事制限以外の痩せる方法を教える

ぽっちゃり目の小学生の女の子が痩せる方法は、食事制限によるダイエットだけではありません。ダイエットが必要な体系の子供には、親として食事制限以外のダイエットの知識をアドバイスしてあげると良いですね。食事制限以外のお手軽なダイエット方法としては、以下のようなことがあります。

  • 適度な運動で、新陳代謝をアップする
  • よく噛んで食べ、満腹中枢を刺激する
  • 同じ量でも食べる順番を変える(野菜→タンパク質→炭水化物)

おやつはスナック菓子以外にする

成長期には、一日の3食以外にも間食で栄養を摂らなければならないこともあります。でもその間食が、毎回スナック菓子や甘いものなどの高脂質・高カロリーなものであると、太りやすくなってしまい、子供がダイエットしたくなる気持ちを増長させることにもなりかねません。

さらに、おやつの内容を変えるだけでも、ダイエット効果が得られる場合があります。以下のように子供にとって健康なおやつを与えるようにし、3食をきちんと食べたうえで、太らない身体を作る間食習慣を身につけさせてあげましょう。

太らない!おすすめおやつ

・おしゃぶり昆布
・寒天ゼリー
・果物(柑橘類やブルーベリー)
・干しいも
・ドライフルーツ
・ナッツ類
・カリカリ梅

小学生の時のダイエット…後悔する女性の体験談

小学校時代に無理なダイエットをしたばかりに、大人になった現在でも健康被害に悩まされる女性が多いのです。
小学生の娘さんと一緒に読んでみて下さいね。

なつみ
29歳

A身長が止まって、逆に太ってしまった青春時代…

小学4年生のときに、7歳上のモデル体型の姉に憧れて、ダイエットをしました。一番手っ取り早いと思い、過剰な食事制限でのダイエットだったのですが、1ヶ月に4キロの減量に成功しました。
しかし、それから身長がほとんど伸びず、中学校卒業のときで152センチ。高校在学中もまったく伸びず、体重だけが増加するばかり。
それでも、「1ヶ月に4キロ痩せたのだから、いつでも痩せられる」と妙な自信があるまま、結局、貴重な青春の高校時代はポッチャリ体型で過ごしたため、彼氏もできませんでした…。
そればかりか、ポッチャリ体質がすっかり身についたのか、そのまま痩せずに現在に至ります。

みなこママ
36歳

A生理不順が続いています

小学5年生の頃、好きな男の子から「デブ!」と言われたことがショックで、ダイエットを開始しました。小学生なのでダイエットに関する知識もなく、母も太っていたので相談もできず、とにかく食べなければいいという考えでした。
その無理な食事制限で、1ヶ月で5キロの減量に成功。それからは、痩せることが嬉しくて、食べないことが当たり前のようになっていました。ダイエットを始めてから体調も良くなく、一日中寝て過ごすこともあったのですが、また太ってしまう恐怖心から、頑なに食べることを拒否していました。
ところが、15歳になっても初潮が来ず、心配した母が産婦人科で相談したところ、「栄養不足による無月経」との診断でした。それからは指導されたとおり、3食はきちんと摂るようにし、無事初潮を迎えられました。
けれど、高校時代もちょっと太ったかなと思えば、すぐに食事制限することを繰り返したため、ずっと生理不順に悩まされていました。26歳で結婚したのですが、生理不順のせいでなかなか妊娠できず、現在も不妊治療中です。

ひまもん
36歳

A骨粗しょう症に悩まされています。

先月、家の階段で転んだときに、右肘を強打し骨折しました。病院での診断のときに、「骨がスカスカだ」と言われ、現在、骨粗しょう症の治療中です。
医師から、「成長期に無理なダイエットをした経験はないか?」と聞かれ、思い当たるところがありドキッ。
成長期に充分なカルシウムが摂取できていないと、更年期を過ぎた頃に、骨粗しょう症の症状が現れるそうです。実は、小学6年生のときに読者モデルのオーディションを受けようとして、無理な食事制限のダイエットをしたのです。
結局、読者モデルは不合格だったけど、痩せてからの周囲の評判も良く、太らないように食事に気をつける日々が続いていました。まさか、その頃のツケが今頃来るなんて…。健康を害するほどのダイエットは絶対してはいけないと思います。

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