逆上がりを練習しよう!鉄棒でクルッと回れるようになるコツ
逆上がりができないお子様は意外と多いものです。保護者の方の中にも、子ども時代に周りの友達がどんどん逆上がりができるようになり、少し焦ってしまったという経験をされた方もいるのではないでしょうか。
逆上がりは、一人で練習してもなかなか上達しにくい運動です。腕の使い方、足の蹴り上げ、目線、鉄棒の高さといった要素が同時に噛み合ってはじめて回れるようになるため、本人はどこが違うのか気づけないまま回数だけを重ねてしまいがちだからです。
逆に言えば、噛み合っていない箇所を一つ見つけて直すだけで、昨日まで何十回やっても回れなかった子がふっと回れてしまうこともあります。この記事では、できない原因の切り分け方から、家でできる練習、鉄棒での練習手順、年齢別の伝え方まで順番に紹介していきます。正しいコツを押さえて、楽しく逆上がりの練習をしていきましょう。
逆上がりができない主な理由
逆上がりが苦手な子どもには、いくつかの共通点があります。まずは、なぜお子様ができないのかを把握しましょう。やみくもに練習しても上達しないばかりか、ますます逆上がりが苦手になってしまうかもしれません。逆上がりができない理由についてみていきましょう。
1.鉄棒への苦手意識がある
体育の授業の中でも鉄棒が苦手という子は多いです。手が鉄臭くなる、手のひらがヒリヒリする、お腹が鉄棒に当たって痛い、そしてコツをつかむのが難しいと感じる子もいるでしょう。特に逆上がりは、体が逆さまになる感覚に慣れていないことから、苦手意識を持つ子が多い技です。
逆さまになる感覚は、繰り返しの中で少しずつ当たり前になっていきます。まずはぶら下がる、前回りをするなど、鉄棒そのものに慣れることから始めましょう。「回れなかった」ではなく「今日はぶら下がる時間が伸びた」と数えられるものを増やしていくと、苦手意識はゆるんでいきます。
2.鉄棒の高さが合っていない
逆上がりの練習を始める際は、鉄棒の高さが非常に重要です。実は、鉄棒の高さは高すぎても低すぎてもうまく回れません。高すぎると体を引きつけられず、低すぎると足を蹴り上げるスペースが足りなくなります。
適切な高さの目安は、立った時におへそより少し下から胸の高さの間くらいです。この高さなら、腕で引きつけやすく、回転しやすくなります。公園に何本か並んでいる場合は、いちばん低い鉄棒ではなく、おへその高さに近い鉄棒を選んでみてください。学校で回れないのに公園だと回れる、あるいはその逆というお子様は、技術ではなく高さが理由であることが少なくありません。
3.腕が伸びている(引きつけができていない)
逆上がりができない子の中で最も多いのが、鉄棒を握った腕が伸びてしまっている子です。腕が伸びていると、鉄棒とお腹の間に隙間ができてしまい、体を鉄棒に引きつけることができず、うまく回れなくなってしまいます。
腕が伸びた状態だと、体に力が入りにくいため、いくら足を蹴っても体を持ち上げられません。蹴り上げた勢いが、鉄棒を軸にした回転ではなく、体を後ろに押し出す方向に逃げてしまうからです。まずは腕をしっかり曲げ、お腹と鉄棒をくっつけるように意識しましょう。
4.足の蹴り上げ方が間違っている
逆上がりができない子の中で次に多いのが、足の蹴り方(振り上げ)がうまくできていない子です。足を蹴り上げる際に、多くの子どもは前方に向かって蹴り上げてしまっています。これでは体が上ではなく前に移動してしまいます。
正しい蹴り方は、頭上に向かって、真上へ強く蹴り上げるイメージです。「空を蹴る」「鉄棒の向こう側にある壁を蹴る」といった言い方をすると、子どもにも方向が伝わりやすくなります。逆さまになるのは少し不思議な感覚ですが、思い切って蹴り上げましょう。
逆上がりができない原因を切り分ける4つのチェック
ここまで4つの理由を挙げましたが、実際の練習では「うちの子はどれなのか」が分からないまま時間が過ぎてしまいがちです。そこで役に立つのが、失敗の見え方から原因を逆算する方法です。同じ「回れない」でも、体が浮かないのか、途中で止まるのかによって、直すべき場所はまったく違います。
お子様の逆上がりを横から見て、次の表のどれに当てはまるかを確かめてみてください。当てはまる行が見つかれば、その日の練習はそこだけに絞ります。
| つまずきの見え方 | 考えられる原因 | その日にやること |
|---|---|---|
| 足を蹴っても体がまったく浮かない | 腕が伸びている | ぶら下がって腕を曲げたままキープする |
| 体は浮くが前に流れて着地する | 蹴り上げの方向が前向き | 真上を蹴る練習だけを繰り返す |
| 逆さまになるが途中で止まる | 目線が上、つま先の向きが後ろ | おへそを見る、つま先を回る方向へ |
| お腹が鉄棒から離れてしまう | 鉄棒の高さと引きつけ | おへその高さの鉄棒に変える |
もう一つおすすめしたいのが、スマートフォンで練習の様子を撮って本人に見せることです。「腕を曲げて」と何度言っても伝わらなかった子が、自分の動画を見た瞬間に「本当だ、腕まっすぐだ」と気づくことはよくあります。子どもは自分の体がどう動いているかを外から見る機会がほとんどないため、言葉より映像のほうが早いのです。
撮るときは、鉄棒の真横から、足元まで入るように撮影するのがコツです。うまくいかなかった回だけでなく、いちばん惜しかった回も残しておくと、「この時は腕が曲がっていたね」と良い動きを再現する手がかりになります。
まずはお布団で回転する感覚を覚える
逆上がりを練習する際に、いきなり鉄棒で行ってもうまくいかないことが多いです。逆さまになる感覚に慣れていないことから思いっきりできなかったり、回転する感覚がつかめず途中で諦めてしまったりと、苦手な子にとってはハードルが高いかもしれません。
まずは家の中でリラックスした状態で練習しましょう。回転する感覚を身につけることで、スムーズに鉄棒での練習ができるようになります。
1.後ろに回転する感覚を覚える
後ろ向きに回転する感覚を身につけましょう。この時、鉄棒があることをイメージしながら行います。最初は思い切って動けるお布団の上で行うのがおすすめです。
まずはお布団の上で体育座りをして、足を抱えて後ろに倒れるように、背中を丸めて回転してみましょう。これが「体を丸める」という逆上がりの基本動作になります。背中が板のようにまっすぐだとゴロンと転がれないことを、体で分かってもらうのが目的です。
2.座って足を振り上げる練習
慣れてきたら、実際の逆上がりをイメージしながら、足を振り上げて回転する練習をしましょう。これも最初はお布団の上で行うと、思い切り振り上げられます。
お布団の上で体育座りをし、足を前後にVの字に開いた状態から、後ろ側の足を強く振り上げてみましょう。腰を高く上げるのがポイントです。このとき、目線はおへそを見るように意識します。ここで「おへそを見ると勝手に体が丸まる」という感覚をつかんでおくと、鉄棒に移ったときの声かけが一言で済むようになります。
逆上がりの練習を家でする方法:鉄棒がなくてもできる5つ
「練習させたいけれど、近所に手ごろな鉄棒がない」「公園に行くと同級生の目が気になって嫌がる」という声もよく聞きます。逆上がりの練習は、鉄棒がなくても家の中でできることがたくさんあります。むしろ、人に見られない場所で下地を作ってから鉄棒に向かうほうが、上達が早い子も少なくありません。
家でできる練習を、取り組みやすい順に5つ紹介します。どれも1回3分程度で十分です。
- ゆりかご:お布団の上で体育座りをして前後にゴロンと揺れます。背中を丸める感覚づくりです。
- だんごむし:あお向けで足を抱え、おへそをのぞき込んだ姿勢を10秒キープします。回転中の姿勢そのものです。
- 壁のぼり:壁に向かって立ち、足を1歩ずつ壁に上げていきます。逆さま方向に足を運ぶ感覚が身につきます。
- タオル引きつけ:ドアノブや柱にタオルをかけて両手で持ち、腕を曲げて体を引き寄せます。引きつけの筋力づくりです。
- 足上げキープ:あお向けで足を垂直に上げて5秒止めます。蹴り上げの方向を体に覚えさせます。
家での練習は「毎日やらせる」と決めるより、お風呂の前や歯みがきの後など、生活の流れに1つだけ差し込むほうが続きます。回数を増やすより、日をあけないことのほうが効果があります。
タオルを使った逆上がりの練習方法
逆上がりの練習でよく紹介されるのがタオルです。タオルを腰に回して鉄棒と一緒に握ると、腕の力が足りなくてもお腹と鉄棒がくっついた状態を保てるため、回れる感覚を先に味わうことができます。
ただし、タオルを使いっぱなしにすると、タオルなしでは回れないままになってしまいます。大切なのは、段階的に助けを減らしていくことです。次の4段階で進めてみてください。
| 段階 | やり方 | 次に進む目安 |
|---|---|---|
| 1 | タオルを腰に回し、大人が腰も支える | 回る感覚が分かり、笑顔が出る |
| 2 | タオルを腰に回し、支えはなし | 自分の力で3回続けて回れる |
| 3 | タオルをゆるめに持って回る | ゆるめても回りきれる |
| 4 | タオルなしで回る | 10回中3回成功したら定着 |
タオルは、フェイスタオルを縦に細長く折ったものが扱いやすいです。腰の低い位置ではなく、おへその真裏あたりに回すと、体と鉄棒の距離が近くなります。手のひらで鉄棒とタオルをまとめて握り、握り込む力が抜けないうちに蹴り上げましょう。
タオルを外す段階でつまずいたときは、無理に4段階目を続けず、2段階目に戻して成功回数を積み直すほうが結果的に早く進みます。「戻る」ことは後退ではなく、成功の記憶を上書きする作業だと考えてください。
さあ!鉄棒で逆上がりを練習しよう
回転するイメージができたら、いよいよ鉄棒で練習していきましょう。最初はドキドキするかもしれませんが、保護者の方がしっかりサポートしてあげることで徐々に慣れていきましょうね。
1.両手を肩幅に開き順手で鉄棒を握る
鉄棒は、両手を肩幅に開いて握りましょう。逆上がりの握り方は「逆手」と思っている人もいるかもしれませんが、基本的に順手(手の甲が上)で行うようにしましょう。
逆手は握力がなくても引きつけやすい反面、回り終わりで手首が返りにくく、上体を起こした姿勢が安定しにくくなります。慣れていないうちは順手のほうが、回った後にそのまま前回りへつなげやすくおすすめです。
2.体を鉄棒にしっかり引きつける
鉄棒を握ったら、体を鉄棒に近づけるように引き寄せ、お腹と鉄棒をくっつけるイメージを持ちましょう。体が鉄棒から離れた状態で足を蹴り上げると、思うように回れなかったり、体が届かなかったりと難易度が上がってしまいます。
足の蹴り上げと同時に体を鉄棒に引き寄せるのは腕力が必要なため、初心者にはまず体と鉄棒を近づけることが大切です。蹴る前の構えの時点で、すでにお腹が鉄棒に触れているくらいがちょうどよい距離です。
3.足を前後に開き、助走なしで始める
足は前後に開きます。この時、鉄棒をまたぐようにして、蹴り上げる方の足は後ろです。助走をつけて練習していた記憶がある方もいるかもしれませんが、初心者は回るタイミングがつかみにくいので、助走なしで練習を始めるのがおすすめです。
助走は勢いを足してくれる代わりに、腕が伸びる、体が鉄棒から離れるといった課題を見えにくくします。慣れてきたら助走をつけて勢いをつけても回れるようになりますので、まずは止まった状態から回りきることを目標にしましょう。
4.腕を曲げたまま、頭上に向かって足を強く蹴り上げる
いよいよ地面を蹴り上げます。この瞬間がとても大切です。足を蹴り上げる際には必ず頭上に向かって思いっきり蹴り上げましょう。この時、足が前方へ流れないように意識します。
どうしても体と鉄棒が離れてしまう場合は、前の章で紹介したタオルや紐を使って、体と鉄棒がくっついているという感覚をつかむ練習も有効です。蹴り上げた足のかかとが、自分の頭より高い位置を通っているかどうかを、大人が横から見てあげてください。
5.目線はおへそを意識する
逆上がりがうまくできない子の目線は、大体上を向いていることが多いです。これでは体の力がうまく伝わりません。目線をおへそにするだけで、自然と体が丸まり、回転しやすくなります。
頭を下げ、おへそを見ながら回るように意識づけましょう。声かけとしては「あごを引いて」よりも「おへそを見て」のほうが、子どもは動きに変えやすいようです。おへそに好きなシールを貼って「これを見ててね」と伝えると、幼児でも一発で伝わることがあります。
6.保護者の方は腰の辺りを支える
なかなかうまくできない子は、保護者の方がサポートする事でコツをつかめることがあります。サポートするときは、腰の辺りを支えてあげましょう。足を蹴り上げた際に筋力がない子は、どうしてもお腹が鉄棒から離れてしまいがちです。
お腹と鉄棒がくっつくように、腰を下から上に押し上げてあげるとよいでしょう。体がフワッと浮く感覚を覚えることも、とても大切なことです。支える力は少しずつ弱めていき、最後は手を添えるだけにします。「今日はほとんど押してないよ」と伝えると、それ自体が本人の自信になります。
7.回る方向へつま先を向ける
意外と大切なのがつま先の向きです。体を持ち上げられても逆さまの状態で止まってしまう場合、つま先の向きが回る方向に向いていない可能性があります。そうすると、回転の勢いがうまく働かず途中で止まってしまいます。
また、踏み切る際の勢いが足りない場合も同様に止まってしまうので、勢いとつま先の向きに気を付けましょう。逆さまになったところで足首がだらんと伸びている子は、つま先を回る方向へ引っぱるだけで最後まで回りきれることがあります。
8.腕を縮めたまま頭を下げてクルッと回る
ここまできたら、後はクルッと回るだけです。意識するポイントは、最後まで腕を縮めたままで、お腹と鉄棒がくっついていることを確認しながら回ることです。頭が真下に下がる動きと同時に、勢いよくクルッと回りましょう。
回りきったら、そこで終わりにせず、鉄棒の上で腕を伸ばして体を支える姿勢まで通してみてください。「回れた」を「回って起き上がれた」まで持っていくと、次に鉄棒へ向かうときの気持ちがぐっと軽くなります。
逆上がりの手の使い方:握り方と手が痛いときの工夫
意外と見落とされがちなのが、手です。鉄棒を握る手のどこに力が入っているかで、引きつけやすさは大きく変わります。指先だけでつまむように握っている子は、腕を曲げようとしても鉄棒がすっぽ抜ける感覚があり、無意識に腕を伸ばしてしまいます。
握るときは、鉄棒を手のひらの付け根まで深く入れて、親指を下から回して握ります。親指を上に添えたままの「4本指握り」は、力が入りきらず、回り終わりの姿勢も不安定になりがちです。「親指でぐるっと囲む」と伝えるだけで、引きつけが変わる子もいます。
また、練習が続くと手のひらがヒリヒリしたり、マメができたりすることがあります。痛みが出ると集中できず、フォームも崩れてしまうので、次のような工夫を取り入れてみてください。
- 練習前に鉄棒を乾いた布で拭いておくと、砂やザラつきが取れて握りやすくなります。
- 1日の練習は10回から15回程度にとどめ、続けて何十回も握らないようにします。
- 手のひらが気になるときは、指先の出る軍手や子ども用の手袋を使うと握り心地が変わります。
- 痛みを訴える日は、鉄棒を握らない家での練習に切り替えます。
「手が痛い」と言い出したときに「もう少しがんばろう」と押してしまうと、鉄棒そのものを嫌いになってしまうことがあります。手を休める日を作るのも、上達のための立派な練習メニューです。
逆上がりの成功には筋力も大切!
逆上がりをする際に、鉄棒の握り方、足の振り上げ方、回るコツなどをご紹介してきましたが、技術だけでなく、体を支え、引きつけ、蹴り上げるための筋力も必要になってきます。
特に、腹筋、背筋、腕の引きつける力(広背筋など)が足りていないと、フォームが正しくても体が持ち上がりません。フォームの練習をどれだけ重ねても変化が出ないときは、筋力側に理由があると考えて切り替えてみましょう。
筋力アップのためのトレーニング
技術練習ばかりでなく、筋力が足りないときは、筋力をつけるトレーニングをした方が上達への早道です。ただし、まだ体が育っている途中の子どもには、大人と同じような負荷のトレーニングは向きません。遊びの延長でできる方法で、効率的に筋力アップを目指しましょう。
1.鉄棒にぶら下がったままキープ
鉄棒にぶら下がったままキープするトレーニングは、握力と腕の筋力アップに効果的です。鉄棒に慣れるという点でも良い練習です。
筋力がない子は、最初はすぐに手が離れてしまうかもしれませんが、練習していくうちに徐々にぶら下がっていられる時間が長くなってきます。「昨日は5秒、今日は8秒」と数えて記録すると、回れるようになるまでの間も伸びが見えるので、やる気が続きます。地道かもしれませんが、根気強く練習していきましょう。
2.手押し車を練習する
腕や肩の筋力アップには手押し車も有効です。保護者の方と一緒に手押し車の練習をしましょう。練習方法としては、お子様がうつ伏せの状態になり、保護者の方が子どもの足を持ちます。子どもは手の力だけで前へ進んでいきます。
腕立て伏せが苦手な子も、これなら楽しく行えるのでおすすめです。行うときは、広さのある場所で、大人が手の位置を見ながら進む速さを合わせてあげてください。「玄関からリビングまで」とゴールを決めると、遊びとして盛り上がります。
3.キックの練習をする
逆上がりには腕の筋力だけでなく、足で地面を蹴り上げる際の足腰の筋力もとても大切になってきます。足の筋力は、キックの練習で強くしていきましょう。
空手の前蹴りのように足を高く上げることで、足の筋力だけでなく腹筋も同時に鍛えられます。足を高く上げる動作は、逆上がりのイメージもつきやすいので一石二鳥ですね。大人が手のひらを的にして高さを示してあげると、どこまで上げればよいかが分かりやすくなります。
逆上がりのコツは幼児と小学生で伝え方を変える
同じ逆上がりでも、幼児と小学生では届く言葉が違います。年齢に合わない伝え方をしていると、内容が正しくても子どもは動けません。学年ごとのつまずきやすい箇所を整理してみます。
| 時期 | つまずきやすい箇所 | 効く伝え方 |
|---|---|---|
| 年中から年長 | 逆さまの感覚、握る力 | おへそを見てね、など体の1か所だけ |
| 小学1年から2年 | 腕が伸びる | ひじを曲げたままバッジをつける遊び |
| 小学3年から4年 | 蹴り上げの方向 | 動画を見せて自分で気づいてもらう |
| 小学5年以上 | 体重の増加と苦手意識 | 低い鉄棒に変えて成功体験から作り直す |
幼児(4歳から6歳)の逆上がりのコツ
この時期は、腕で体を引きつける力がまだ育ちきっていないため、フォームを細かく直すより「逆さまが楽しい」と思える経験を増やすほうが近道です。だんごむしの姿勢、ぶら下がり、布団でのゆりかごなど、鉄棒以外の遊びを多めにしましょう。
声かけは一度に一つだけにします。「腕を曲げて、おへそを見て、真上を蹴って」と三つ言われると、幼児はどれも実行できません。今日は「おへそを見る」だけ、と決めて臨むほうが変化が出ます。回れなくても、逆さまになれた時点で拍手をしてあげてください。
小学生の逆上がりのコツ
小学生になると、言葉での説明も理解できるようになります。「なぜ腕を曲げるのか」「なぜ真上を蹴るのか」を理由ごと伝えると、自分で修正できるようになるのがこの時期の強みです。
一方で、周りができていることを気にして、練習そのものを避けたがる子も増えてきます。その場合は、人の少ない時間帯の公園を選ぶ、きょうだいと一緒に行くなど、環境のほうを変えてあげましょう。授業で回れなかった経験がある子ほど、家で一度成功しておくと当日の緊張が変わります。
「必ずできる逆上がりのコツ」を探している方へ
検索していると「必ずできる」「一発でできる」といった言葉に出会うことがあります。正直にお伝えすると、どんな子にも当てはまる魔法のコツというものはありません。ただし、できていない箇所を一つに絞って直せば、ほとんどの子は動きが変わります。
「必ずできる」と紹介されている方法の多くは、実際には補助やタオルを使って回れる感覚を先に体験させ、そこから助けを減らしていくという手順です。つまり、一発で回れるようになるのではなく、成功の順番を入れ替えているのです。この記事のタオル4段階も、同じ考え方に立っています。
あわせて知っておきたいのが、逆上がりは学校で必ず全員が習得する前提の技ではないということです。文部科学省の小学校学習指導要領では、鉄棒運動は上がる、回る、下りるといった技を組み合わせて楽しむ運動として位置づけられており、逆上がりだけが評価のすべてになるわけではありません。スポーツ庁も、子どもの運動習慣について継続的な調査を行っており、日常的に体を動かす習慣そのものが重視されています。
できるようになれば嬉しいけれど、できないことがその子の価値を決めるわけではない。この前提を大人が持っていると、練習の空気は驚くほど穏やかになります。
1週間の練習メニュー例
毎日長時間やる必要はありません。むしろ、短く区切って日をあけないほうが体は覚えます。目安として、1週間の組み立て例を紹介します。
| 曜日 | 内容 | 時間の目安 |
|---|---|---|
| 月 | 家でゆりかごとだんごむし | 3分 |
| 火 | ぶら下がりキープと壁のぼり | 5分 |
| 水 | お休み | 0分 |
| 木 | 公園でタオルを使って回る | 10分 |
| 金 | 家で手押し車とキック | 5分 |
| 土 | 公園でタオルなしに挑戦、動画撮影 | 15分 |
| 日 | お休み、動画を一緒に見る | 3分 |
お休みの日をあらかじめ組み込んでおくのがポイントです。「今日はやらない日」と決まっていると、子どもも大人も気持ちが軽くなり、翌週も続けやすくなります。うまくいかない週があっても、メニューを増やすのではなく、当てはまる原因を一つに絞り直すほうが効果があります。
逆上がりの練習をする時の注意点
逆上がりの練習は、一人だとなかなかうまくいきません。子どもだけだと何ができていないのか分かりづらいため、同じフォームのまま回数だけを重ねてしまい、上達が止まってしまうことがあるからです。
大人が横で見ていれば、崩れた箇所にその場で気づけますので、できるだけ一緒に練習してあげましょう。保護者の方と一緒に練習する事で楽しく練習できるだけでなく、親子の絆も深まることでしょう。
もう一つ気をつけたいのが、練習の終わり方です。うまくいかないまま終わると、その記憶が次回まで残ってしまいます。最後は必ず、確実にできることで締めくくりましょう。ぶら下がり10秒でも、補助つきで1回回るでも構いません。「できた」で終える習慣をつけると、次に鉄棒へ向かう足取りが変わります。
逆上がりができるまで繰り返し練習しよう
逆上がりのコツや練習の仕方をご紹介してきましたが、逆上がりはすぐにできるようになるものではありません。コツをつかむまで、何度も諦めずに練習しましょう。とはいえ、子どもにとっては手にマメができたり、思うように回れなかったりと、辛い練習になってしまうかもしれません。
保護者の方がしっかりサポートしながら「絶対できるよ」と励ましてあげて、親子で楽しく練習しましょう。がんばった分だけ、逆上がりができた時の達成感は強くなりますので、ぜひ親子で一緒にがんばってください。
逆上がりの練習に関するよくある質問
逆上がりは何歳からできるようになりますか
個人差が大きく、年長で回れる子もいれば、小学校高学年で回れるようになる子もいます。腕で体を引きつける力が育つ時期に幅があるためで、遅いこと自体は珍しくありません。年齢よりも、ぶら下がっていられる時間や、逆さまになれるかどうかを目安にすると、今どの段階にいるかが分かりやすくなります。
家に鉄棒がなくても練習できますか
できます。布団の上でのゆりかご、だんごむしの姿勢、壁のぼり、タオルを使った引きつけなど、鉄棒を使わない練習で下地を作れます。公園に行ける日に鉄棒で確かめる、という組み立てにすると、限られた時間でも進められます。
タオルを使うと自力で回れなくなりませんか
使いっぱなしにすると、その状態に慣れてしまうことがあります。この記事で紹介した4段階のように、支えを少しずつゆるめて最後は外す前提で使えば、自力での成功につながります。外せなくなったら一段階戻す、を繰り返してください。
順手と逆手はどちらで練習すべきですか
基本は順手です。逆手は引きつけやすい反面、回り終わりで手首が返りにくく、上体を起こした姿勢が安定しにくくなります。まず順手で回れるようにしてから、余裕が出てきたら逆手も試してみる順番がおすすめです。
毎日練習したほうが早くできるようになりますか
毎日長く続けるより、短い練習を日をあけずに重ねるほうが定着しやすいです。1回5分から10分程度で十分ですし、週に2日はお休みを入れて構いません。手のひらが痛むときは鉄棒を握らない練習に切り替えましょう。
できない箇所を一つ見つけることが上達への近道
逆上がりは、才能や運動神経で決まる技ではありません。腕が伸びている、蹴り上げが前に流れている、目線が上を向いている。そのうちのどれか一つが噛み合っていないだけで、その一つが見つかれば、動きは驚くほど変わります。
大人にできるのは、たくさん教えることではなく、今日直す箇所を一つに絞ってあげることです。横から見て、動画を撮って、一緒に確かめる。回れた日はもちろん、惜しかった日も「昨日より足が高かったね」と伝えてあげてください。その積み重ねが、クルッと回れた瞬間の達成感につながっていきます。


