早生まれは損?学力や扶養控除など気になる10項目をチェック
よく「早生まれの人は損をする」なんて言われますが、実際はどうなのでしょうか?今回は、早生まれの人が損する点&得する点を見ていきましょう。
早生まれの子がいるパパやママ、産まれてくる赤ちゃんが早生まれになるプレパパやプレママは、同じ学年の子供との差を感じて不安になる傾向がありますが、なんでも早生まれを理由にしてしまうと、子供が本来の力を発揮できなくなる可能性がありますので、メリットにも目を向けて子供の個性や興味があることを大切にしてあげましょう。
早生まれと遅生まれの違い
「早生まれ」とは1/1~4/1生まれの人、「遅生まれ」とは4/2~12/31生まれの人をさす言葉です。
早生まれの子どもは、小学校入学当初は満6歳になったばかり。入学の翌年ようやく満7歳になります。そのため、早生まれの子供の親は、「あっという間に小学校に入ったなぁ」と感じられることも…。
一方、遅生まれの子どもは、入学した年に全員満7歳になります。入学した月に満7歳になるケースもあるため、理解力や考えを行動にうつすスピード、足の速さ、体力、語彙力などに差が生じやすく、早生まれの子の親は心配になってしまうのです。
早生まれが損と言われる理由10
「早生まれが損」と言われる理由は、子供の頃に限ったことではなく成人するまで多々あります。中でも多くの早生まれの人が損と感じる10の理由とは、一体何なのでしょう?
1児童手当や子供手当/扶養控除で損
早生まれの子供は、税制面でダブル損するといわれています。一つ目が「扶養控除」。二つ目が「児童手当(旧子ども手当)」です。
一つ目の扶養控除とは、納税者(保護者)が扶養親族となる子供に対する所得控除が受けられるという制度です。ここでいう「扶養親族となる子供」とは、その年の12月31日の段階で16歳以上の子供のこと。子供は15歳で高校に入学しますが、その年の年末に16歳になっているのは遅生まれの子供のみ。つまり、早生まれの子供の親は扶養控除を受けられるのが1年遅れてしまい、結果的に1年分損をすることになってしまいます。
一方、二つ目の児童手当(旧子ども手当)とは、0歳~中学校卒業までの子供の親に国から給付される手当ですが、こちらは15歳になった年の年度末(3月末)まで支給されます。早生まれの子供は15歳になってすぐに同級生と同時に支給停止。4月2日に生まれた遅生まれの子供は192ヶ月分もらえますが、3月31日に生まれた早生まれの子供は180ヶ月分しかもらえません。つまり1年分損なのです。
2保育園に入園できないことがある
保育園によっては0歳児の入園を断っているところがあるため、産後職場復帰したいママは、ただでさえ保育園探しが大変なのに、早生まれの赤ちゃんのママであるために更に難しくなってしまいます。
同級生の赤ちゃんが保育園に入れるのに、自分の赤ちゃんは早生まれのため入園を断られ、1年間職場復帰を遅らさざるを得ないという場合もあります。
3七五三が大変
七五三のお祝いをする場合、早生まれの子供は特に3歳のお祝いで苦労される方が多いです。七五三は、数え年でお祝いするのが昔からの風習でしたが、早生まれの子供の場合は数え年だとまだ1歳になってしまいます。
また、体が小さいため着物のサイズが限られて子供の気に入る柄が選べない、周囲の子よりも体力がなく着付けやお参りですぐに疲れてしまったり、良い写真が撮れなかったりすることもあります。そのため、早生まれのお子さんの場合は3歳の七五三を満年齢でお祝いする家庭が多いです。
4小さい頃の能力や学力差
早生まれの子供の場合、幼稚園や保育園の時には周囲との発達差がかなりあり、親子ともにコンプレックスを抱きやすいです。同じ学年でも3月生まれの子供と4月生まれの子供では約1年の差があり、特に小さいころは体力面や語彙力など言葉の面で差があることが多いです。
年少から幼稚園に入園する早生まれの子供の場合、オムツが完全に外れていなかったり、言葉があまり出なかったりということもあるため、パパやママの判断で体力がついた年中から入園にするご家庭も少なくありません。
5同級生の中で自分だけ入場制限にひっかかる
年齢制限のある施設の場合、誕生日が来ていないため同級生の中で自分だけ入場制限に引っかかってしまうことがあります。施設により年齢制限を小学生以上・中学生以上としているところもあれば、○歳以上としているところもあるのです。お友達と遊びに出かけたのに自分だけ入場できず、寂しい思いをしたという経験がある早生まれの人も…。
6免許取得が自分だけ遅くなる
早生まれの人は免許取得が同級生に比べて遅くなってしまいます。免許の取得は、普通自動車が満18歳以上・軽自動二輪車(原付)が満16歳以上と満年齢で区切られているため、遅生まれの早い子は高校や大学入学直後の夏休みには免許を取得できるのに、早生まれの人は翌年の誕生日まで免許を取得することが出来ません。
同級生が免許を取得したのに、自分だけなかなかとれず「友達を羨ましく思った」という早生まれの方は少なくないんです。
7受験で誕生日どころではない
1~3月は受験シーズン。そのため、早生まれだと受験の年はのんきに誕生日を祝っていられないということになってしまいます。お誕生日ぐらいは外食をしてお祝いしたいと思っても、受験を控えていてはインフルエンザなどに感染する可能性があるため、外出を控えざるを得ないのです。
塾や予備校で忙しくお誕生日を祝う暇がないという人もいるでしょう。人によっては、自分の受験でなくても兄弟の受験で誕生日を祝って貰えなかったという寂しさを味わった方もいます。
8地域によっては成人式を同級生と祝えない
一般的に成人式は学年で区切られることが多いのですが、地域によっては成人の日時点の年齢で区切るところもあります。懐かしい同級生と久々にあえる機会である成人式に、自分だけ参加できないのは寂しいものです。人によっては、同級生に会いたいために、会場には入らないけど顔を出したという方も…。
9飲み会で自分だけジュースの時がある
お酒を飲めるのは20歳になってからです。同級生でも誕生日を過ぎた20歳と誕生日が来ていない19歳では、残念ながら差が出てしまいます。同級生との飲み会の場で「自分だけ誕生日が来ていないためジュースしか飲めない」ということもあります。特に成人式の後の飲み会の場で、自分だけお酒を飲めないのは寂しいんです。
10年金をもらうまでの期間が長くなる
早生まれの人は退職してから年金を支給されるまでの期間が長くなることがあります。会社により定年退職日を退職年齢が来た年度末としている所と、誕生日にしている所があります。
年度末の一斉退職で4月生まれの人が60歳で退職した場合、約4年後の65歳で年金が支給されます。
一方、3月に生まれた早生まれの人の場合には、年金が支給されるまで約5年と長くなってしまうのです。
早生まれは損じゃない!メリット10
早生まれは決して損なことばかりではありません。生れた月によって有利・不利と決めつけるのではなく、その子一人一人の良いところを見て伸ばしてあげましょう。
1幼稚園などで周りから可愛がられる
年少さんで幼稚園に入園した早生まれの子供は、体もまだ小さくとても幼い印象を受けます。そのため、同級生のママや4、5月生まれの大人びたクラスメイトが、可愛がってくれることがよくあります。面倒見のよい女の子がお着替えを手伝ってくれたり、お帰りの支度を手伝ってくれたりすることも多いんです。意外と早生まれの子供がクラスの人気者になることもあります。
2できなくても多めに見てもらえる
早生まれの子供の場合、入園する時にまだオムツが外れていなかったり、お着替えが一人で出来なかったりということが良くあります。けれど、周りと比べてできないことがあっても「○○ちゃんは、早生まれだから仕方ないね」と多めに見てもらえることが多いんです。幼稚園や保育園の先生にも、手厚く面倒をみてもらえることもあります。
3周りから刺激を受けて早く成長できる
早生まれの子供は、遅生まれの同級生に比べて成長が遅れていることが多いのですが、同じ学年の4、5月生まれの子供の成長スピードと比べると、ずいぶん早く成長しています。早生まれの子供は、早く幼稚園に入園するため周囲から刺激を受けるので、産まれた時期が数ヶ月しか違わない一学年下の子供に比べて早く成長できるのです。
4制服を買い替えずに卒園出来る
幼稚園に入園する時は、みんな制服がブカブカですが、体の小さい早生まれの子供は特にブカブカの制服を着ていることが多いです。ところが、他の子供が大きくなり制服を買い替えることになっても、初めが小さい早生まれの子供は、入園当時の制服を卒園まで着られることが多いというメリットがありますし、制服を買い替えた子からお下がりをもらえることも。幼稚園の制服は意外と高いので、パパ・ママにとっては経済的で助かります。
5年齢が上がるにつれ周りに追いつく喜びがある
幼稚園や保育園に入園したばかりの頃は、周りの子供と比べて体も小さくできないことも多いのですが、卒園する頃には、周囲との差が小さくなっていることが多いです。小学校に入学し、学年があがるにつれてどんどん遅生まれの子供との差は縮まっていきますので、パパやママは自分の子供が周囲に追いつき自信を持っていく姿を見守ることができるという楽しみがあります。
6家庭での保育期間が短い
早生まれの子供は、3歳の誕生日が来るとすぐに幼稚園入園することができるため、家庭でママと二人で過ごす期間が遅生まれの子供より短くなる家庭も多いです。幼稚園に入園したら仕事をしたいと考えているママにとっては嬉しいでしょう。また、下に兄弟が出来て2人お世話するのが大変なママなら、上の子供に早く幼稚園に行ってもらうことは非常に助かります。
7浪人してもわかりにくい
早生まれの人の場合お誕生日が来るのが遅いので、浪人したとしても一学年下の人と比べて年の差をそれ程感じることがありません。干支も同じなので話も合わせやすいです。一浪した後に入学しても、同級生となる一学年下の人たちと、違和感なく馴染めるのは、早生まれの人ならではのメリットです。
8同級生より若くみられる
早生まれの人は、同級生が20代・30代になっても一人だけ10代・20代でいられる期間が長いでので優越感を味わうことができます。自分の年齢の10の位がひとつ上がると一気に年を取った気がします。特に女性にとっては、同級生よりも若くみられることは嬉しいのではないでしょうか。
9退職する時期が同級生より遅い
定年退職する時に定年する年の誕生日付で退職となる会社の場合、同期入社の同級生と比べて退職時期が遅くなります。入社時期は同じなので、遅生まれの同級生よりも長い期間働くことが出来るのです。
昔と比べて年金の支給年齢があがっており、今後支給額も減少することが予想されます。少しでも長く会社で働くことができるのは大助かりです。
10早生まれならではのエピソードを披露できる
「早生まれだから○○の経験をした」「早生まれでこんな得をした(損をした)」などと、早生まれならではのエピソードを披露することが出来ます。あまり親しくない方との食事の席でも、お相手の方も早生まれだったため早生まれあるあるで話が盛り上がることもあるかもしれません。
早生まれの子育ては焦らず!入園時期選びのコツ
早生まれの子を育てる親にとって、入園入学後に周囲について行けるかも心配事の一つ。そのためつい家庭でのしつけを頑張り過ぎて、子供のペースが見えなくなるママも。けれど子供の成長には、自分のペースで一歩ずつ進んで自信をつけていくことも重要です。
能力よりも高すぎる課題を与えることは、三日坊主や自信の損失、親のストレス過多に繋がりかねません。子供は子供なりに毎日休むことなく成長していますので、やる気を育むためにも子供の成長のペースを尊重することは大切です。
幼稚園に何歳から入園させるか悩むご家庭も多いのですが、子供だけでなくママの性格や家庭での過ごし方も考慮して時期を選ぶとよいでしょう。