親の口癖が子育てに与える影響に関する記事

『親の口癖で我が子の能力を潰してない?言葉が与える影響』

子供は日々親の真似をして言葉を覚えていくため、親の口癖が子供の現在そして未来に与える影響は大きなもの。子供を思う親心からでる口癖で子供を不幸にしないように夫婦で見直し、子供の能力を伸ばす口癖に変えましょう。

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親の口癖が子供に与える影響~言葉の力で幸せを招き入れるには?

言葉とは自分の感情や考えを相手に伝え、また相手から受け取るための道具。自分や相手の心が誰にでも伝わる形になったものです。古代日本では「言霊(ことだま)」といって、言葉には魂が宿り現実に変えることがあると考えられていて、今でも言霊を信じている人達がいます。ですからできるだけポジティブな言葉を使いたいところ。

ところが既にネガティブな口癖がある親も多く、となると心配なのは子供への悪影響。

そこで今回は、よくある子育て中の親の口癖、親の口癖で子供が受ける影響、親の口癖が子供に悪影響を与える心理学的な理由、親の悪い口癖の悪影響が子供にでた時の対応について解説します。

よくある!子育て中の親の口癖

子育て中の親は子供に次のようなネガティブな口癖を聞かせることが多いと言われていますが、あなたはどうですか?

  • 「めんどくさい」
  • 「どうせ」
  • 「早くしなさい」
  • 「疲れた」
  • 「きちんとして」「ちゃんとしなさい」
  • 「あの人はダメだ」
  • 「どうしてあなたは」

親の口癖で子供が受ける影響って何?

パパと子供が寝ている姿をふと見ると同じポーズで寝ていて笑ってしまったという経験をしたことがあるママは多いのですが、子供は親の行動やしぐさ、口癖などが自然と身についていくことがよくあります。ですから親の口癖次第で良い影響も悪い影響も当然受けることになります。

親の口癖から受けるよい影響

親の口癖がポジティブな場合、子供は日頃から前向きな言葉のシャワーを浴びることになります。
例えば足の小指をぶつけて痛い時に「ママじゃなくてよかった」という口癖があるパパの子供は、自然に自分が痛い思いをした時に「ママじゃなくてよかった」と思うようになるなど、言葉だけでなく考え方にも親のポジティブな口癖の影響を受けやすいのです。

  • 労わりの言葉が自然に出てくる
  • 人に好かれる
  • 前向きな思考が身につく
  • 諦めない心が身につく
  • 人を明るく勇気づける など

そしてポジティブな影響を受けることで人とのコニュニケーションが円滑に行いやすくなり、「優しいね」などと褒められることも多くなるため自己肯定感が高くなるなど、親の口癖の影響によって自分の力で現在および将来的に幸せになる環境を整えやすくなるのです。

親の口癖から受ける悪い影響

一方、親の口癖がネガティブな場合、先程とは反対に後ろ向きの言葉のシャワーを浴びることになります。
例えば足の小指をぶつけて痛い時に「こんなところに置いたのは誰だ」とすぐに人のせいにする口癖があるパパの子供は、何でも人のせいにしやすくなります。

  • なんでもすぐにあきらめてしまう
  • 人や物のせいにする
  • 自分を不運な人間だと思い込む
  • 人を傷つける言葉を平気で言う
  • 自分のことは棚に上げて人を攻撃する など

子供が受ける悪影響は親の口癖によって異なりますが、よくあるネガティブな親の口癖が「大人になってもつまらなそうだから、大人になりたくない」「自分はダメな子なんだ」「先生や友達が悪いんだ」などといった子供のネガティブな感情に繋がってしまうこともよくあります。

また親が愛情たっぷりに育てていても人を傷つける言葉を口癖として子供に浴びせていると、子供はその言葉をお友達に悪気なく言ってしまいます。すると本人がお友達を好きでも相手に伝わらず、逆に嫌われたり喧嘩になったりすることもあり、たとえ話し合いのチャンスを得られても自分の何が悪いのか理解できずに混乱してしまいます。

親の口癖が悪影響を与える心理学的な4つの理由

心理学的にも親の口癖は小さな子供に大きな影響を与えます。悪い影響、よい影響のどちらも。心理学的な効果を知って、ポジティブな口癖の効果で子供を伸ばしてあげましょう。

1インプリンティング

卵から孵ったひな鳥が初めに見たものを親と思い込んでついていくのをインプリンティングと言いますが、人間の場合は発達の初期段階である乳幼児期に覚えた記憶は後々になって変えようとしても難しいくらいに、「強固な記憶」として残ることがあります。

「三つ子の魂百まで」「三歳児神話」とよく言われますが、人間の脳の発達は3歳までが非常に重要なため、それまでにネガティブな口癖などの悪い刺激を与えることで、子供の精神が健全に発達できないこともあると考えられています。(注1)

2セルフイメージ

人はそれぞれ自分自身がどういう人間であるかというセルフイメージを持っていて、自然にそのイメージを崩さないように振舞うと心理学では考えられています。

幼少期はそんなセルフイメージを作り始める大切な時期ですが、親が「早くしなさい」「きちんとして」「どうせあなたは」といったネガティブな口癖を浴びたり、親自身をダメだと思う口癖を言ったりすることで、子供のセルフイメージは悪くなってしまいます。

親が子供と自分を切り離して考えるのが困難なように、幼少期の子供も自分と親を切り離して考えることが困難。ですから「親から言われたから自分はダメなんだ」「親がダメなら自分もダメ」と子供が悪いセルフイメージを抱く口癖は控え、「なんでも丁寧にできるのね」「あなたならできる」とポジティブなセルフイメージを抱けるようにしましょう。

3ピグマリオン効果

親や教師が子供に期待して接することで、子供が期待に応えようとして成果を上げることを心理学ではピグマリオン効果と言います。親の期待が子供のやる気を引き出すのです。

例えば「お母さんあなたのピアノ演奏好きよ。素敵ね」と言う口癖のある母親の子供が、大人になって「母が私のピアノ演奏を楽しみにしていてくれたのが嬉しくて練習した」というのがそれです。あなたも経験がありませんか?

一方「負のピグマリオン効果」というのもあり、こちらは期待されていない子供の成績が下がるというもの。
「どうせあなたは…」「あなたはいいのよ」といったネガティブな親の口癖で、子供に期待されない寂しさを感じさせて能力を活かせなくならないように注意しましょう。

4予言の自己成就

心理学の概念に「予言の自己成就」というものがあります。根拠がないことでも信じてしまうと、やがてその言葉通りの結果を生み出すという概念です。

例えば困難だと思われる課題を「大丈夫!あなたならできる」と何の根拠もないのに言われたことで、次第にできるかもしれないと思うようになり、結局クリアしてしまったというのがそうです。

ネガティブな例で挙げられるのが、倒産するという噂が流れた業績が順調だった銀行が、噂を信じた顧客が離れてしまったために本当に倒産してしまったという話。親の口癖が子供にとってのよい予言となっているか、それとも悪い予言となっているかを見直してみましょう。

親の口癖の悪影響が子供に出た時の対応

親の口癖の悪影響を痛い程感じるのは思春期です!幼少期は親の口癖を真似ても意味はそれほど理解できていないため笑って済ませられるのですが、思春期になると意味を理解して口に出すようになっていますので、乱暴な言葉を母親が投げつけられ「子供が出掛けてから泣いてばかり」という親もいます。親のネガティブな口癖の影響を心理的に受けている子供は特に心配です。

ネガティブな口癖は、子供がまだ小さいうちにさっさとポジティブ表現に変えてしまいましょう!

また「もう手遅れ」と追い詰められている中間反抗期や思春期のお子さんのママも、親が話し方や子供の見方を変えてポジティブ表現を続けることで、時間はかかるものの徐々に改善しますので、根気強く話を聞く姿勢や子供の力を信じる姿勢、前向きな受け止め方をしていきましょう。

「ちゃんと」は具体的な表現に変える

叱るときは子供にわかるように、どう振る舞えばいいのかを前向きに伝えることがポイントです。ところが「うるさい、ちゃんとしなさい」といったネガティブな表現が親の口癖になっている場合、子供はどうすればいいのかわからず何度も繰り返しますので悪循環。

「きちんと」「ちゃんと」が口癖になっているママは、子供に注意する時に「家の中は静かに歩こう」「座って静かに話を聞こうね」といった具体的なポジティブ表現をすることを心掛けましょう。

「早くしなさい」は目線を変えた言葉で解決!

発達段階にある子供は何をするにも時間がかかるものです。ですから「早くしなさい」「まだできないの!」という言葉は、子供にとって否定的で脅迫的な言葉。子供はますます動けなくなってしまい悪循環になります。
ですが目線を大人から子供に変えて興味や楽しみがある方へ誘導すれば、子供の動きは良くなります。

また早めに声かけをすることでゆとりができるので、ネガティブな口癖が出てくるほど親も追い詰められなくなります。子育て中は早め早めで親子共に無理のない行動を心掛けましょう。

親子のコミュニケーションを改善する

自我の芽生えを迎えた子供は周りの言うことはだいたい理解できますが、自分の気持ちをまだ思うように表現できずにイライラやかんしゃくを起こすことがあります。これは健全な成長の証。

ところがルールやマナーを躾けることが優先になり過ぎて親がネガティブな口癖を言ってしまうと、子供はストレスから反発して「イヤイヤ」を連発したり、寝そべって暴れたりします。

ですからネガティブな言葉が口癖になっていると感じる場合は、一度冷静に考える時間を持ち、子供の発達を理解してゆったりと構え、親子のコミュニケーションを楽しむことを心掛けましょう。

親自身が今を楽しく生きる

「どうせ〇〇だから」「疲れた」「無理」「めんどくさい」というネガティブな親の口癖は、子供の悪い生活習慣に拍車をかけます。ところがマイナスの影響力は分かっていても毎日辛い日々を過ごしていると口からポロッと出てしまうのが口癖。そして子供は親の口癖だけでなく表情からもネガティブな未来を見てやる気が削がれてしまいます

ですから何ごとも子供主体になっている場合は、一度子供から自分を切り離し、本当に今を楽しく生きているのか、それによって楽しく生きる親の背中を子供達に見せられているのかを夫婦揃って考えましょう。

ネガティブな口癖がでるほどできていない場合は、生活や時間の使い方を改善し、子供の幸せだけでなく自分自身や夫婦の幸せとのバランスをとりましょう

例えば子供を預けて夫婦でデートしたり、趣味を楽しんだり、家族旅行やスーパー銭湯に出掛けてみたり。

子供主体でなくあなた達夫婦が「楽しい」と心から思える生活が、実は子供にとっても良い影響があることを夫婦で話し合うところからスタートしてみることが大切です。

子供から失敗するチャンスを奪わない!

私達がいま生きている中で本当に頼れる力の一つが失敗から学んだこと。失敗から学んだことが自分の人生を大きく変える程の収穫となったという人もいるでしょう。ところが親は失敗によって味わう嫌な思いを子供にさせたくないために、子供に失敗させない傾向があります。

また子供に何かをさせると失敗するのでかえって親の仕事が増えるからと避ける親も多く「あなたはいいから」「それじゃだめでしょ」「だから言ったのに」というネガティブな言葉が親の口癖になっていることは少なくありません。

こうした気持ちや口癖に思い当たる人は、自分の人生に失敗がもたらした恩恵を考えてみましょう。そしてその恩恵をより多く手にして自信を持って自立できるように、ネガティブな口癖と共に子供から失敗するチャンスを奪わず、自ら幸せを招き入れられる子供に育ててあげましょう。

この記事を書いたライター

小森ひなた

子育てと仕事に頑張る共働き主婦です!ルンバ貯金始めました♪