勉強のやる気を出す方法/小学生中学生高校生の親の関わり方
勉強が好きな子供はなかなかいないと思いますが、小学校・中学校・高校を成長していく中で、勉強は避けられないものです。どうしても勉強のやる気が出ない子や、やる気があっても取りかかれない子もいます。そのような子供たちに、勉強のやる気を出すように仕向けるのは難しく、「勉強をする・しない」は親子ゲンカの永遠のテーマです。
ここでは、子供が勉強のやる気が出ない原因を踏まえて、子供が勉強のやる気を出す方法を、小学生・中学生・高校生と年齢に合わせて紹介していきましょう。毎日のバトルを少しでも軽減できるように、自分の子に合った「勉強やる気アップ」スイッチを見つけられると良いですね。
子供の勉強のやる気が出ない原因は?
勉強のやる気は、子供が自分自身でコントロールできるものではありません。ですが、子供に勉強のやる気が出ないときは、子供なりのやる気が出ない原因があるのです。特に中学生に進学するタイミングで、小学校からの環境と勉強内容の変化、定期的なテストが始まったりすることで、一気にやる気を失ってしまう中学生が多くおります。「なんでやる気を出さないの?」とイライラする前に、やる気が出ない原因を解消してあげるようにしましょう。
痛みや空腹などの身体の不快感
身体に痛い部分があったり、空腹だったりして身体に不快感があるままでは、気になって勉強に取り組む気持ちになれません。痛みは薬や医療機関を受診し早めに改善し、空腹なら何かを食べさせるようにしましょう。チョコレートや飴などは少量でも、糖質が脳のエネルギーになるので勉強前におすすめです。
考え事や悩み事がある
頭の中に考え事や悩み事があると、どうしてもそのことが頭から離れず、勉強に集中できません。大人でもそのようなことがありますが、子供の許容範囲はもっと狭いのです。まずは、子供の考え事や悩み事をよく聞いて、安心して勉強に取り組めるような心の準備をしてあげましょう。
テレビやゲームなどの誘惑が多い
子供は目先の楽しさの魅力に心を奪われてしまうもの。テレビを観たい、ゲームをしたいという欲求が強すぎると、勉強をすることへの意義を見出せず、勉強のやる気も出なくなってしまいます。だからといってテレビやゲームを禁止するのではなく、「勉強が終わってから」などとルールを決めておくようにしましょう。
小学生が勉強のやる気を出す方法
小さいうちは当たり前のように親の言うことを聞いて、「勉強しなさい」と言われればしていたけれど、小学生になって自分の意思で行動するようになってくると、一筋縄ではいかなくなることも!そこで、小学生が勉強のやる気を出す方法を知り、親として上手に関わるようにしましょう。
勉強する環境を整える
自分の部屋でなく、親が付き添ってリビングで勉強する子供も多いく、実際リビング学習で成績が上がると話題になったりもしています。テレビやゲームや携帯、おもちゃなど目先の楽しさに誘惑するものが溢れているリビングのような場所では、子供も勉強する気にはなれません。これらの誘惑物は子供の目の届かないところに片付けておくようにしましょう。
自分の部屋で勉強する場合でも、部屋が散らかっているといろいろなものが視界に入って気が散ってしまいます。まずは、部屋を片付けて環境を整えるようにしましょう。片付いた部屋では温度設定にも気を配りましょう。部屋の温度が高いと、頭がぼーっとしたり眠たくなったりするので、温度設定は気持ち低めにしておくと良いですよ。
勉強を習慣化させる
日々の生活の中で、ご飯を食べたり歯磨きをしたりすることは毎日することで当たり前のことですが、勉強もそのように当たり前のこととして習慣化できると良いのです。「帰宅してから」「ご飯を食べてから」「お風呂に入ってから」など時間が決まっている習慣の後に勉強すると決めておくと、その時間になると自然にやる気スイッチが入るようになるのです。
文房具を自分で選ばせる
特に女の子はかわいい文房具が大好き。自分で選んだかわいい鉛筆や消しゴム、下敷きなどを使って勉強すると、モチベーションも上がります。決しても物で釣っているという訳ではなく、自発的にやる気が出る方法と言えます。かわいいノートを買って、「このノートがいっぱいになるまで勉強したら、また新しいのを買おうね」と約束するのも良いですよ。
小さなことでも褒めてあげる
小学生の子供にとって親に褒められることは何より嬉しいし、やる気もアップします。成績や結果ではなく「勉強をした」過程や、「○○はできなかったけど、○○はできたね!」と部分的に褒めてあげるようにすると、小さな成果を重ねようとして、何事にも意欲を持って取り組むようになりますよ。
普段の小テストで褒めるのと同様に、小学校の通知票はしっかりと中身を見て、教科のみの評価で判断するのではなく、先生からのコメントなどから、子供が普段頑張っていることや、家では見られない部分を褒めてあげるようにしましょう、
「勉強しなさい!」はNG
「勉強しなさい!」と言ったことがないというママはほとんどいないと思いますが、実は一番言ってはいけない言葉なのです。何事もそうですが、それが子供の嫌いな勉強なら尚更のこと。やる気アップどころ子供に何かをさせるときに「~しなさい」という命令口調はNGです。
それよりも、「勉強する?それとも先にご飯食べる?」というように子供に選択させることで、子供に「自分で決めることができる」ということを示しましょう。そうすると、自分で決めたことなのだから、ご飯を食べる前でも後でも、自分から「勉強しよう」と思えるようになるのです。
中学生が勉強のやる気を出す方法
中学生になると塾に行ったり、家庭教師に教えてもらったりする子もいますし、高校受験がかかっているので勉強しなければならない危機感もあるのですが、それでも本人のやる気がなければ効果は少ないでしょう。思春期で親の言うことをきかないばかりか、親と会話さえしてくれなくなるような状況で、中学生の勉強のやる気を出す方法なんてあるのでしょうか?
親子関係を良好にする
子供が思春期になると、親子の会話も減ってきますが、会話と言えば「勉強した?」「この前の成績はどうだった?」と勉強のことばかりになっていませんか?子供に勉強のやる気が出ないようなら、一旦勉強の話はやめて、普通のとりとめのない会話をし、親子関係を良好にすることが先決です。
親子間でテストでの目標を設定することや、成績が上がったときのご褒美も、まず親子の関係が良好で信頼関係がなければ意味がないのです。親が付き添って勉強させるのも良いことですが、勉強以外の時間を親子で過ごせるようにすると親子関係を良好に保てると思いますよ。
とりあえず1分、勉強させる
人間はもともと、やる気が出なくてもとりあえず手を動かして取り組むことで、脳が「作業興奮」を起こし、自然とやる気が出てくるものなのです。でも、やる気の出ないときは最初の「とりあえず手を動かす」ということが難しいですよね。そこで「1分だけ」とあえて楽な設定にして取り組ませてみましょう。手を動かせば、あとはママの思惑通りになりますよ。
得意な教科から勉強させる
勉強しても成果が得られないとモチベーションも上がりませんが、逆に勉強して成果があると、その成功体験を繰り返したくて、勉強のやる気も出るのです。得意な教科や自分のわかるところから勉強することで、問題が解けるという成功体験が自信となり、苦手な教科も取り組めるようになります。
勉強することによる目先のメリットを示す
勉強をすることによるメリットというと「行きたい高校に行ける」「将来役に立つ」などと思いつくでしょうが、中学生にそのような遠い未来のメリットを示してもピンとこないものです。大人の感覚と違い、中学生にとっては、将来のメリットなんて本当に遠すぎて想像がつかないのです。
それよりは、勉強することによって今、どんなメリットがあるのかを示してあげると良いですね。「勉強が終わってからおいしいスイーツを食べよう」とか「勉強した分だけあとは好きなテレビを観ても良いよ」など目先のメリットがあると、子供の勉強意欲を駆り立てるのに十分ですよ。
高校生が勉強のやる気を出す方法
高校生にもなると、勉強をしなければならないということは本人が一番よくわかっているはずです。でも、とりあえず机に向かってみるものの、なかなか集中できなかったりやる気が出なかったり…。そんなときに親としてどのように関わり、高校生の子供に勉強のやる気を出させればよいでしょうか。
スマホはルールを決めて使用させる
高校生の多くがスマホを持っている時代ですが、スマホは勉強の大敵です。SNSのやりとりやゲームなどで多くの時間を奪われてしまいます。かといって使用禁止にしてしまうのはかえって反発を招いてしまい逆効果。スマホはリビングでのみ使用する、夜9時を過ぎたら使用しないなどルールを決めて使用させるようにしましょう。
スマホの充電器を自分の部屋に持ち込ませず、リビングでのみ充電できるようにしておくと、自分の部屋でスマホを使用する時間も減りますよ。
勉強する環境を変えてみる
毎日同じ場所で勉強していてはマンネリ化してしまい、やる気も出なくなってしまいます。たまには図書館やファミレス、自習室など勉強する場所を変えて気分をリフレッシュさせましょう。特に脳の海馬という部分は、場所を変えたり移動したりすることで活発に機能し、記憶力や集中力をアップさせるのです。
軽く運動をさせてみる
軽い運動をして、血行が良くなると思考もクリアになりますし、気分もリフレッシュされストレス解消にもなります。運動が苦手な子でも、ちょっと外を散歩してみたり、雑巾がけや布団干しなどの家事を手伝ってもらったりして、少しでいいので身体を動かすとやる気もアップしますよ。
ポモドーロテクニックで勉強させる
ポモドーロテクニックとは、集中して効率よく勉強や仕事をするために、25分ごとに時間を区切って仕事をするという時間管理術のことです。この要領で25分勉強し5分休憩するということを4セット繰り返し、計2時間勉強する方が、2時間連続で勉強するよりも効率よくできるのです。
時間を区切る場合、勉強を中途半端にやめてしまうことになるので、キリのいいところまで勉強してから休憩した方が良いと思う人もいるのですが、実は途中でやめた方が、次に始めるときにやる気スイッチが入りやすいのです。キリのいいところで終わってしまうと、達成感や次にまた一から始めなければならないことでやる気が出なくなるのです。