公園の遊具事故を招く服装トップ7!親が気をつけるべきポイント
子供は、公園での遊具遊びが大好きですね。小学生になれば、子供達だけで集まって遊ぶのも当たり前!ところが、親と一緒に公園に行った幼児も、子供だけで遊んでいた小学生も、中学生までもが遊具事故に遭っていることを知っている親は、意外に少ないものです。こうした事故の多くは、家庭での教育によって減らすことができるものですよ。
そこで今回は、大好きな公園遊具で子供が事故を起こさないために、親が子供を教育すべきポイントをまとめました。事故を起こしやすい服装、事故が起こりやすい遊具、正しい遊具の使い方などを幼児のうちから学ばせることで、子供達から遊具を奪ったり、遊びを禁止したりせず、楽しく安全に遊べるようにしてあげたいですね。
キケン!公園での事故を招く服装等トップ7
まずは、公園で遊ぶ際に事故を起こしやすい服装と、実際にそのような服装で遊んでいた子供にどのような事故が起こったのかをご紹介します。
1フードやヒモ付きの服
公園の遊具で遊ぶときの服装に、フードや紐などがついていると、遊具で遊んでいる時に引っかかる恐れがあります。実際に、5歳の幼稚園児が園の遊具で遊んでいるときに、フードについていたプラスチックの留め金が遊具の隙間にひっかかり窒息するという事故も起きています。
周りにいる保護者などがすぐに気づければ大事には至らないかもしれませんが、保育園や幼稚園の園庭では、保育者がなかなか気づけないこともあります。また、ママ友とのおしゃべりに夢中になって気づくのが遅れたり、小学生になれば放課後は自分だけで遊びに出掛けたりしますので、日頃から安心して遊べる服装を心がけるに越したことはありません。
幼児の内から、フードや紐付きの服は着せないか、遊ぶ前に脱がせるようにしましょう!保育園によってはフード付きの服を禁止しているところもあります。
2ゆったりとした服
ポンチョ等のゆったりとした服は、遊具に引っかかる恐れがあります。近年、滑り台の手すりの飛び出している部分に、ポンチョが引っかかって首が絞まる事故が起こっており、中には幼い幼児が亡くなってしまった例もあるため、消費者庁でも注意を呼び掛けています。
首が絞まると、子供は声を出して助けを求めることもできなくなります。非常に危険ですね。また、サイズの合わない服やチャックの前を開けたままの服も、遊具に引っかかる恐れがありますので、ダボダボの服は避けて、洋服の前は開けっ放しにせずチャックを閉めましょう。
3マフラー
公園の遊具で遊ぶ際には、マフラーなど装飾品は外すことが大切です。遊園地のゴーカートにマフラーをしたまま乗って、自分のつけていたマフラーがタイヤに絡まり、命を落としてしまったという悲しい事故は、幼児のみならず大人ですら起こっていますが、マフラーは公園遊具の連結部分に引っ掛かったり、飛び出した部分に絡まったりしやすく、絡まり首が絞めつけられる事故につながります。
同様の理由で、紐のついた手袋も危険ですので、遊ぶ際は外すようにしましょう。
4サンダルやブカブカの靴
サンダルやブカブカの靴など脱げやすい靴を、公園で遊ぶ際には履かせないように注意しましょう。靴が脱げて、足だけが遊具の隙間にスルッと挟まるという事故が起こっています。
公園の遊具で遊ぶ際には、靴下を履いたうえでスニーカーを履かせるのが一番良いです。また、自転車や三輪車に乗せる時も、サンダルやサイズの合わない靴を履いていたことで、靴が脱げて挟まる可能性があります。大人は十分に注意し、子供にもきちんと教育しましょう。
5スカート
公園で遊ぶ時には、女の子でもスカートではなくパンツスタイルが望ましいです。スカートを履いてジャングルジムで遊んでいた女の子が、スカートの広がりで下が見なくなってしまいジャングルジムを踏み外して地面に落下してしまったという事故も起こっています。
また、スカートは遊具の飛び出しに引っかかる恐れもありますので、危険です。スカートとスパッツが一緒になったスカッツも、視界を塞ぐという意味では同じですので、やめておいた方が良いでしょう。
6ランドセル
学校帰りに公園によりランドセルを背負ったまま遊ぶことは危険ですので、子供にはきちんと話しておきましょう。実際に、小学生が放課後にランドセルを背負ったまま遊んでいて、ランドセルが雲梯(うんてい)に引っかかり、首が絞まって亡くなってしまったという非常に悲しい事故も起こっています。
子供には危険性だけを説明しても、まだ先の見通しを立てにくい年齢のため伝わりにくいこともあります。ですから、事故が起きたために公園の遊具が無くなってしまったことがある話をすると、伝わりやすいかもしれませんよ。
また、ランドセルは重たいため低学年の場合はバランスを崩しやすく、思わぬ転倒事故にもつながりますので注意してくださいね。
7水筒やポシェット
水筒やポシェットなどをかけたまま公園の遊具で遊ぶのは、思わぬ事故につながりますので非常に危険です。実際に、ポシェットの紐が滑り台の出っ張りに引っかかり、首が絞まるという事故が起こっています。
夏場などは特に、水筒やポシェットを持って公園で遊びに行くこともあるでしょうが、外してから遊ぶように、家庭できちんと教育しておくことが必要です。
公園から撤去された遊具
近年、公園から事故が起こった遊具が撤去されたり、事故がおこるかもしれないという理由から遊具が撤去されたりするケースが、色々なところで見られます。「何に変えても子供の命は守りたい」という、多くの大人たちの親心を象徴する行動でもありますね。
その一方で、「公園から遊具がなくなることで、子供の運動能力や危機管理能力が低下するのではないか」と懸念する声もあります。どちらも子供達の幸せを願っての声ですが、子供が危険から様々なことを吸収して成長するのは事実ですし、親が全ての危険を取り除くこともできません。
また、子供は親が頑張って止めても、次第に意思を持って行動するようになります。ですから、公園遊具の危険から自らの命を守るすべを、幼児期にしっかり身に着けさせてあげましょうね。
公園での遊具事故を防ぐ服装のポイント
公園の遊具事故の中には、子供の服装が事故の一因となっているケースもあります。子供を公園遊びに連れていく際には、服装にも気を付ける必要があります。小学生の場合には、遊具で遊ぶ際には、危険なものはおいてから遊ぶよう教えておきましょう。
遊具事故を防ぐ服装のポイント
- マフラーやフード・紐・リボンなど装飾がついている洋服は着ない(脱ぐ)
- スカート・ポンチョなど引っかかりやすい服装は避ける
- 脱げやすい靴で遊ばない
- ランドセルや水筒、バッグ、携帯電話など、余計なものを持って遊ばない
- 髪の長い女の子は、邪魔にならないように結んでおく
事故が起きやすい遊具トップ5とは?
遊具の名前を忘れている大人も多いと思いますが、幼児を公園で遊ばせる際は事故が起こりやすい遊具について知っておきましょう。国民生活センターの「危害情報からみた屋外遊具の事故」で紹介されている、事故が起きやすい遊具トップ5をご紹介します。(注1)
事故が起きやすい遊具トップ5
- すべり台
- ブランコ
- 鉄棒
- ジャングルジム
- うんてい
一番事故が多い遊具はすべり台です。他にも、シーソーやアスレチック遊具、回転灯などの事故も多く見られますので注意が必要ですね。特に、「うんてい」「シーソー」の事故は、年齢が低いほど事故率が高く、他の遊具に比べてケガが重症化しやすいという特徴があることが判明したため、国民生活センターでも注意を呼び掛けています。
初めてのシーソーで幼児が転落することは多く、骨折事故も起こっていますので、ママやパパは十分に注意し、特に休日パパが遊びに連れて行ってくれる場合は、「パパ、シーソーデビューの時は落ちやすいらしいから気をつけてね」とひと声かけましょう。
事故の内容としては落ちる・ぶつかるという事故が多くなっています。事故が起きやすいからと公園遊具での遊びを禁止することはできませんので、幼児の場合はパパやママが目を離さない、服装に気を付けるなど事故防止に努めましょうね。
公園での事故発生件数とその原因
公園での事故は、親が少し気をつけてあげたり、子供が小さいうちから何が危険かを教えておいたりすることで、防ぐことができるものもあります。実際の事故の事例を挙げておきました。
公園の遊具事故はいつ、何歳に多い?
公園の遊具で最も多くの事故が起こっているのは「滑り台」ですが、東京消防庁管内では平成19年~23年のたった5年間で、991人もの子供が救急搬送されています。これは、管内の公園事故の約1/3になります。
時期的には、春先から初夏の公園で遊ぶのに最も適した時期の事故率が高くなり、特に4月は遊具による事故率が最も高くなります。
年齢でみると、6歳が最も多くなっています。これは、入園を控えしっかりしてきた我が子に安心してしまう年長児と、小学校入学して親が一緒について行かずに公園で遊び始める小学校1年生の両方に当てはまります。ただし、2~10歳ごろまでは事故数にそれほど大きな差はありませんので、すべての年齢において注意が必要と言えるでしょう。
性別で見ると、すべての年齢において男の子の割合が高くなっています。男の子は危険を好む傾向があり、全てを止めることは難しいかもしれませんが、危険な行動を見かけたら諦めずに根気よく注意し、日頃から遊具事故の危険性について家庭でもきちんと話しをしておきましょう。
幼児の事故の主な原因
幼児の場合、身体能力がまだそれほど高くありませんので、親が不用意に目を離すことにより思わぬ事故に巻き込まれることがあります。そのため、遊びなれた公園や遊具であっても、親は注意しておく必要があります。また、対象年齢に達していない遊具で遊ぶことによる事故も多くなっています。保護者は対象年齢を確認してから遊ばせましょう。
滑り台の上から転落したり、お友達が遊んでいるブランコを横切ろうとしてぶつかったりするなど、大人が予想しないような事故も起こっていますので、油断せずに気を付けましょう。また、大人の手が届かないような高いところには、子供が一人で登らないように注意してくださいね。
小学生の事故の主な原因
小学生(特に男の子)では、好奇心から遊具を正しい遊び方以外で使用して事故が起こることがあります。毎日子供について公園に行くことはできないかも知れませんが、たまには公園をのぞいて子供たちがどのような遊び方をしているのか、見ておく必要があるでしょう。
子供には、自分が気を付けるだけでなく、友達にも注意できるようになって欲しいですね。また、小学生と幼児が一緒に遊ぶ時間には、幼児を事故に巻き込んでしまう可能性がありますので、子供にしっかりと注意しておくことも大切です。
実際に起こった予想外の遊具事故の事例
実際に公園の遊具で起こった、予想外の事故の例を5つご紹介します。
- 1歳の幼児が、親が目を離している時に、滑り台(対象年齢6~12歳)の隙間から転落して腕の骨を骨折
- 3歳の幼児が、ブランコに乗っていた時に、お友達が前を横切ろうとしたため慌てて降りて、ブランコに頭部を強く打ち付けた
- 3歳未満の男の子が、親子でローラーすべり台を滑っている時、サンダルが横の壁の部分に摩擦でひっかかり、足が反り返って骨折
- 6歳の男の子が、筒の中を滑るすべり台の表部分(天井部分)に登り、手を滑らせて地面に転落し腕を骨折
- 10歳の男の子が、すべり台の上から自転車で滑ろうとして、自転車ごと転落し全身打撲と複合骨折の重傷
人気のバネ付き遊具とメーカーの安全対策
最近の公園でよく見かける、バネの上に動物などが付いていて子供が乗ってユラユラできる遊具の名前をご存知ですか?この遊具は、スプリング遊具と言われます。子供に人気のスプリング遊具ですが、1人乗りのスプリング遊具だけでなく、シーソータイプや3人で遊べるタイプのスプリング遊具など、全国の公園には様々なタイプのスプリング遊具があるんですよ♪
このスプリング遊具も、以前はバネの部分に挟まる事故が多く、女子中学生ですらケガをしています。そのため、近年ではこのバネの部分を筒などで覆い、手足を挟むなどの事故を防ぐ対策が行っています。遊具メーカーも、子供の安全対策に全力を注ぎ、子供が楽しく安全に公園で遊べるように努力をしているのですね。
幼児への必須教育!公園遊具の正しい使い方
子供達が公園で楽しく遊べるように、幼児期から正しい遊具の使い方を教えておきましょう。今後、子供が成長して一人で遊びに行くようになっても、正しい使い方を教えておくと安心ですよ。
滑り台
- 立ちあがって滑らない
- 下から登らない
- 降り口付近で遊ばない
- 滑り終わったらすぐ立ちあがる
- 飛び降りない
ぶらんこ
- 飛び降りない
- ぶらんこを漕いでいる近くで遊ばない
- 手を離さない
- ブランコを吊るすはりの部分にぶら下がらない
うんてい・鉄棒
- 上に乗らない・立たない
- 濡れている時に使わない
- 友達が遊んでいる時は近くに行かない
ジャングルジム
- ジャングルジムの上で立たない・ふざけない
- 高いところから飛び降りない
- 遊んでいる友達の近くに行かない
スプリング遊具
- 手を離さない
- 座って乗る
- 誰かが遊んでいるときは近づかない
- 制限人数以上で遊ばない
シーソー
- 立ちあがらない
- 手を離さない
- シーソーの下に入らない
公園遊具は正しい服装と使い方次第を!
公園の遊具は、服装や正しい使い方に気をつければ、安全で楽しく子供の運動能力を向上させられます。守れない子どもにも、小さいうちから繰り返し正しい使い方を教えてあげましょうね。また、最近は遊具に適応年齢が書かれていることも多いですので、適応年齢に達していない遊具で遊ばせるのは危険ですので、やめましょう。
小さい子供達は、小学生以上の大きな子供達の遊び方を見て、真似をするようになります。また、危険な服装や誤った使い方で事故が起きると、公園から遊具が消えるという悲しい現実に幼い子供達がさらされてしまいます。パパやママは我が子のためにも、他の子供達のためにも、公園遊具との正しいおつきあいのしかたを幼児期から教育してあげましょうね。
大人にとっては何でもないことが、子供にとっては危険なことってありますよね。それは公園の遊具に限ったことだけじゃなく、家の中にもあります。ちょっと子供の気持ち・目線で考えると、何が危険か見えてくるかもしれませんよ。
参考文献