絵本美術館へ行こう!名作絵本の世界に浸れる人気スポットをご紹介
絵本美術館とは、絵本の原画を中心に、関連作品や厳選した絵本が展示されているミュージアムです。美術館の館長自身が著名な絵本作家であることもあり、創作活動の裏側や影響を受けた作品などを知ることもできるので、子供はもちろん、大人も楽しめ、絵本好きなら1度は訪れたい場所です。
絵本美術館は、それぞれの美術館が個性豊かに美術館全体で絵本の世界観を表現しています。多くは自然に囲まれた場所にあり、行くだけでも癒されることでしょう。絵本の世界を忠実に再現し、作者の創作過程に触れられる絵本美術館は、時間に追われる私たち現代人に大切なことを思い出させてくれます。
今回はそんな魅力たっぷりの絵本美術館の中から、おススメの美術館を8ヵ所ご紹介しながら、絵本美術館の魅力をお伝えします!
日本の絵本美術館・絵本ミュージアムおすすめ8
【長野(軽井沢)】絵本の森美術館ムーゼの森
軽井沢にある絵本の森美術館は1990年に開館された絵本の専門美術館の先駆けともいえる施設です。現在は15,000㎡の森に2つの展示館・図書館・ショップの他に「ピクチャレスク・ガーデン」という原生植物を中心とした庭があり、絵本を楽しむとともに軽井沢の織り成す豊かな自然を感じることが出来ます。
絵本の森美術館は、企画展示を行ったり、子ども向けのワークショップを開催したりして、絵本の美術館に行くのが初めてでも楽しめる工夫がたくさん取り入れられています。
また、複雑な木組みが特徴的な第一展示館では「ピーターラビットのひみつの部屋」を常時展示しています。誰もが知っているピーターラビットにはどんな秘密が隠されているのか気になりますね!
TEL: 0267-48-3340
時間: 3~11月 9:30~17:00
12・1月 10:00~16:00
火曜定休、展示入替期間1月中旬~2月末
住所: 長野県北佐久郡軽井沢町長倉182
ピーターラビットのおはなし
ビアトリクス・ポター 作・絵
いしいももこ 訳
福音館書店
本体700円+税
ピーターラビットはイタズラ好きなうさぎの男の子。ある日ほかの姉弟たちが守っているお母さんの言いつけを破り、ピーターはマクレガーさんの畑に行ってしまいます。そしてそこで大変な目に合うことに。
ピーターが無事に家に帰ることが出来るのか、ドキドキする絵本です。
【栃木(那須)】いわむらかずお絵本の丘美術館
いわむからかずおさんは、「14ひきのシリーズ」が代表作の著名な絵本作家。
ひっこし、あさごはん、やまいも、おつきみ、もちつき…など、おばあちゃん、おじいちゃん、お父さん、お母さん、に10人きょうだいのネズミたちの森での暮らしを描いた絵本は、子供はもちろん、大人にもファンが多い作品です。
自然の描写がとても繊細で、時間を忘れて見入ってしまういわむらさんの絵本のように、非常に自然豊かな場所にある絵本の丘美術館は、日々の喧騒を忘れてのんびりとした気持ちで過ごすことができます。車いすやベビーカーでも安心して利用することが出来るのも、心遣いを感じますね。
TEL: 0287-92-5514
時間: 10:00〜17:00(入場16:30)
月曜定休(祝日の場合、翌休)、臨時休館あり
住所: 栃木県那須郡那珂川町小砂3097
14ひきのひっこし
いわむらかずお
童心社
本体1,200円+税
誰もが目にしたことのある14ひきシリーズの原点となる作品。この作品で14匹の家の成り立ちが分かります。14匹で協力して水道を引いたり部屋を作ったりする様子は一緒にドキドキワクワクさせてくれます。
まだ読んだことのない人はぜひ!初めに読んでもほかの作品を読んでからでも感動や発見のある一冊です。
【東京】【長野】ちひろ美術館
「子供の幸せ」「平和」をテーマに、繊細なタッチの絵を描き、日本を代表する画家・絵本作家として活躍したいわさきちひろさん。誰でも1度はちひろさんの絵をみたことがありますよね。
ちひろさんは、出身は福井県ですが、うまれてほどなく東京に引っ越し、お子さんが誕生してからは練馬区下石神井に居を構えました。現在の東京・ちひろ美術館は、ちひろさんの没後から3年後の1977年に自宅跡地に建てられたものです。絵本美術館としては長い歴史を持っています。
1997年、東京ちひろ美術館での所蔵が手狭になったことから、長野県安曇野にも、ちひろ美術館が開館しました。ちひろさんの原画以外にも、多数の海外作家の絵の保存や公開を行っています。
安曇野の美術館に併設されているちひろ公園には、黒柳徹子さん著『窓ぎわのトットちゃん』の舞台であるトモエ学園の電車の教室を再現した「トットちゃん広場」が2016年7月にオープンしています。
TEL: 東京 03-3995-0612
安曇野 0261-62-0772
時間: 東京 10:00~17:00(入館16:30)
月曜休館(祝日の場合、翌休)、冬季休館、臨時休館あり
住所: 東京都練馬区下石神井4-7-2
長野県北安曇郡松川村西原3358-24
窓ぎわのトットちゃん
著:黒柳徹子 絵:いわさきちひろ
講談社
760円+税
舞台は第二次世界大戦少し前の日本。主人公のトットちゃんは少し変わった女の子。トモエ学園も少し変わった学園。トットちゃんはそこで校長先生の小林先生と出逢い、小林先生の「一人ひとりを尊重して一人ひとりと向き合う」素晴らしい教育を受けます。
本当の教育とはなにか、人を尊重するとはどういうことなのかを考えさせてくれる本です。
http://bookclub.kodansha.co.jp
【長野】小さな絵本美術館
少し短気だけど、豪快で気持ちの良いばばばあちゃんが活躍する「ばばばあちゃんシリーズ」。おもちつきやよもぎだんごづくりなど、おいしい食べ物がたくさん出てくるので、子供たちに大人気です。長野にある小さな絵本美術館は、そんなばばばあちゃんの作者、さとうわきこさんが開いた絵本美術館です。
岡谷本館と八ヶ岳館に分かれており、どちらも規模は小さいですが、展示だけでなく、絵本が自由に読めるコーナーが設けられています。美術館の近くにも楽しい場所がたくさんありますので、散策もおすすめ。八ヶ岳館の近くには、八ヶ岳自然文化園があったり、ポニーやヤギ・牛などがいる八ヶ岳農業実践大学もありますので、お天気の良い日にのんびりおでかけするにはもってこいの絵本美術館です。
TEL: 岡谷本館0266-28-9877
八ケ岳館0266-75-3450
時間: 10:00~17:00(入館16:30)
火曜・第二水曜休 臨時休館あり、八ヶ岳館は冬季休館あり
住所: 岡谷本館 岡谷市長地権現4-6-13
八ケ岳館 諏訪郡原村原山17217-3325
いそがしいよる
さとうわきこ
福音館書店
900円+税
元気で愉快なばばばあちゃんが活躍するシリーズの第一作。
揺り椅子に揺られながら星空を眺めることにしたばばばあちゃんは、そのまま星空の下で眠ることを思いつきます。準備を始めたばばばあちゃんですが、あれもこれもと外に出し始め…。
ばばばあちゃんの考える準備はコチラの予想していなかったものまで登場するので、読んでいて大人も楽しめる本です。
【静岡(熱海)】戸田幸四郎 絵本美術館
赤ちゃんや幼児を連れて、家族で熱海に温泉旅行なんてご家庭もあるのでは?そんな時は、ぜひ戸田幸四郎美術館にも足を延ばしてみてください。自然に囲まれたお庭やカフェもあり、時間の流れをゆるやかに感じることでしょう。
シンプルで美しいデザインの絵本やカード、積み木などをてがけてきた戸田さんの原画には、「こどもには知識を詰め込ませるのではなく、センス(心の働き)を磨くことが大事」という想いが込められています。子供の感受性を育み、きっと家族の素敵な思い出になるはずです。
TEL: 0557-67-1107
時間: 10:00〜16:30(入館16:00)
休館日/毎週火曜・水曜
住所: 静岡県熱海市上多賀1055-30自然郷
赤ちゃんにおくる絵本 1
とだこうしろう
戸田デザイン研究室
1,300円+税
シンプルな絵と言葉、そしてはっきりとした色はまさに赤ちゃんへ贈る初めての絵本にピッタリです。月齢の低い時期の赤ちゃんでも、この絵本には反応を示してくれるという声が多いので、ファーストブックとして人気があります。初めての子どもにどんな絵本を買おうか迷っている人におススメです。
【熊本(阿蘇)】葉祥明 阿蘇高原絵本美術館
見る人に優しく暖かな印象を与えてくれる葉祥明さんの絵本。熊本県阿蘇高原にあるこの絵本美術館の周りには、そんな祥明さんの描くような優しい風景が広がっています。
絵本「白い犬のジェイク」の主人公ジェイクなどの原画はもちろん、詩の展示もあります。カフェも併設されているので、祥明さんの暖かな絵に囲まれてのティータイムはいかがでしょう。
ぼくのべんちにしろいとり
葉祥明
至光社
1,404円
主人公は白い犬のジェイク。ある日、ジェイクはお気に入りの公園のベンチで迷子の小鳥と出会います。おっとりやさしいジェイクと迷子の小鳥が仲間を探す旅をするお話です。
お世話好きなジェイクのその優しさは、読み手の心をほっと暖かいもので満たしてくれます。緑と白が基調となっているこの絵本は、見ているだけで癒されます。人気のジェイクシリーズの始まりの一冊です。
【長野】黒姫童話館・童話の森ギャラリー
「黒姫童話館」という名前がメルヘン心をくすぐりますね。実はここ、世界で唯一、「モモ」や「はてしない物語」の作者であるヒャエル・エンデの常設展示がされている美術館なんです。それに関連して、喫茶室の名前はなんと「時間どろぼう」!センスがいいと思いませんか?
他にも、日本人なら誰もが一度は読んだことのある松谷みよ子さんの作品も展示されていて、規模は大きくないですが、絵本好きにとっては、なかなかの見ごたえがあります。講演会や読み聞かせなども定期的に行われているので、イベントに合わせて訪れても楽しいですね。
TEL: 026-255-2250
時間: 9:00~17:00(入館16:30)
5・6・9・10月の末日休館(日・祝の場合は翌休 ※12月~4月上旬まで冬季休業あり
住所: 長野県上水内郡信濃町大字野尻3807−30
モモ
ミヒャエル・エンデ
大島 かおり 訳
岩波書店
1,700円 + 税
ある町に突然、「効率こそが1番大事だ」と言いながら無駄なことをやめさせようとする男たち(=時間どろぼう)がやって来ます。生活が効率化されればされるほど、人々は何のために生きているのかわからなくなります。そんな中、おっとりとした少女・モモが時間を取り戻すために立ちあがり、奮闘していくお話です。
時間という目に見えないものの中でどう生きることが大事なのか、一番大事なことはなんなのか、読み手によってさまざまなことを考えられる本です。時間に追われる大人こそ読み返したい一冊ですね。
【長崎】祈りの丘 絵本美術館
長崎らしい洋風な建物が魅力的な祈りの丘絵本美術館。運営するのは、絵本の出版はもちろん、絵本の定期購読「童話館ぶっくくらぶ」でも有名な童話館グループ。
1階は入場無料のミュージアムショップで、絵本や児童書が4000点、ポストカードやヨーロッパのおもちゃなども置かれていて、見ているだけで楽しめます。
2・3階には、日本や海外の絵本の原画を展示。3階には自由に読める絵本コーナーもあるので、観光して散策に疲れたら絵本を見ながらのんびり…なんて時間の使い方もできそうです。
絵本や子どもの本を扱う童話館では、新刊であることに重きを置いておらず、古くから愛されるものこそ、子どもにとってふさわしい作品が多いと考えているそうです。
TEL: 095-828-0716
時間: 10:00~17:30(入館17:00)
月曜定休(祝日の場合、翌休)臨時休館あり
住所: 長崎県長崎市南山手町2-10
開館時間や休館日は事前確認を!
自然の中にある絵本美術館は、冬季は数ヶ月にわたって閉館したり、展示物の入れ替え時には、休館や展示室への入場ができない場合があります。また、夏休みやGW時期、年末年始などは、開館時間や休館日が変更になっている場合もあります。
絵本美術館に興味を持って行ってみようと思ったら、事前にホームページなどで確認してから出掛けるようにしてください。常設展示以外にも企画展などの特別展やワークショップ、イベントを開催している場合も多くありますので、一緒にチェックしておくと、より絵本美術館を楽しめると思いますよ!