子育ての悩みを解決!親子に伝えたいことわざ・格言30選(偉人の名言・四字熟語付き)
ことわざは、昔から言い伝えられてきた教訓や知恵が詰まった短い句です。その中には、子どもの教育や、子育てに悩むママ・パパの心に響く教えが数多くあります。
こちらでは、子育て中の今だからこそ役立つことわざに加え、著名人が残した格言(人生の指針となる言葉)や四字熟語を、子どもの成長や人間関係の悩みといった視点から厳選してご紹介します。
子どもの成長・教育に役立つことわざ6選
幼い子どもにとって難しい教えかもしれませんが、小さいうちからことわざに触れておくことで、成長のある時点でその真意に気づく日が訪れます。
子どもが生きる上での財産ともなる先人からの教えですので、カルタなどを利用して何度も繰り返し聞かせることで、自然に身につくように促してあげるのがおすすめです。
1楽あれば苦あり
人生はいつも楽しいことばかりではなく、苦しいこともある。逆に、苦しいことばかりではなく、楽しいこともある。という意味のことわざです。
子どもが勉強や習い事で嫌になったときなどに伝えてあげたい代表的なことわざです。苦しいことを乗り越えることの大切さ、そしてその先に楽しいことが待っているというポジティブな発想は、子どものモチベーションアップに役立ちます。
2天知る地知る我知る人知る(てんちるちちるわれしるひとしる)
誰も知らないと思っていても、天も地も自分自身も、そして誰も見ていないと思っていても必ず誰かが知っている。つまり、悪いことはいつか必ず明るみに出るという意味の格言(故事成語)です。
この言葉は、子どもが悪いことやずるいことをしそうになった時の「ブレーキ」として伝えておくことが効果的です。特に親に隠し事が増えてくる思春期になる前に、道徳的な規範として教えてあげるとよいでしょう。
3臭い物に蓋をする
失敗や人に知られたくない都合の悪いことを、一時的にごまかして隠そうとすることのたとえのことわざです。
「問題を隠しても、それは一時しのぎにしかならないのよ」と子どもに伝えたい時に役立ちます。問題が起きたときにその都度向き合う大切さを、このことわざを使って教えてあげましょう。
4念には念を入れよ
用心に用心を重ねて、十二分に注意するという意味のことわざです。
子どもは何でも短時間でパッパと終わらせてしまいがちです。そんな姿に「適当にやっているのでは?」と心配する親は少なくありません。そんな時は「念には念を入れて、もう一度確認しよう」と一言伝えてみましょう。手短に要点が伝わるため、子どももそれほど不快に思うことがなく、ライトに意思の疎通ができます。
5能ある鷹は爪を隠す
本当に才能や能力がある人は、むやみにそれをひけらかしたり見せつけたりしないという意味のことわざです。
子どもはすぐに「これできる?私はできるよ」などと自慢してしまいがちです。お友達との円滑なコミュニケーションを学ぶ子ども時代だからこそ、「凄いね。でも能ある鷹は爪を隠すんだよ」と教えてあげたいものです。
6喧嘩両成敗
喧嘩をした者は、理由に関係なく、どちらも同じように悪いとして罰するという意味のことわざです。
子育て中は兄弟やお友達との喧嘩が絶えません。子どもに話を聞くと「先に意地悪したのは〇ちゃんだよ」と、相手の非を主張することがよくあります。
そんな時は「喧嘩になるのはどちらにも原因があるから、『喧嘩両成敗』という昔からの教えがあるのよ」と伝え、子ども自身に自分の何が悪かったか、今後どうすべきかを考えさせることが大切です。こうした積み重ねが、コミュニケーション力のアップにも繋がります。
親の姿勢・親子関係に役立つことわざ
子育て中はつい「子どものため」と過保護や過干渉になってしまう親は少なくありません。
子どもを育てるということは、今現在の安全を守ることや、親が考える「何不自由ない暮らし」を将来手に入れさせることだけではありません。どんな困難にも子ども自身が自らの意志と能力で立ち向かい、乗り越えていける知恵と勇気を育むことでもあります。
こうした先人の教えであることわざを参考に、バランスのよい子育てに役立てましょう。
7可愛い子には旅をさせよ
子どもが可愛いなら、甘やかさずに世の中のつらさや苦労を経験させたほうが、その子の将来のためになるという意味のことわざです。
子どもに苦労させたくない、失敗させたくないと考える親は少なくありません。しかし、本当に子どものためを思うなら、多少つらいことや大変な経験をさせ、自分の力で乗り越える力をつけさせる必要もあります。ただし、子どもが悩みを打ち明けてきたら、子どもの目線に立って真摯に相談にのってあげましょう。
8子を見ること親に如かず
子どもの性格、短所や長所を誰よりもよく知っているのは親であるという意味のことわざです。
誰よりも我が子のことを知っているからこそ、つい厳しくなり過ぎる傾向があるのが親心です。しかし、親が子どもの長所を見てたくさん認めて褒めて育てれば、子どもも自分の長所に目を向けてぐんぐん伸び、短所も長所に引き上げられるでしょう。
我が子を一番知っている親だからと傲慢にならず、客観的な視点を持つことも大切です。
ただし、『親に目なし』にも注意が必要です
我が子可愛さのあまり、子どもの欠点が目に入らなくなり気づかないという意味のことわざもあります。「うちの子には欠点なんてないから、長所を褒めて育てている」と自信満々な場合は注意が必要です。欠点も長所もどちらもあってこそのその子です。本当に愛しければ、ありのままの姿をしっかりと見つめて受け入れてあげましょう。
9寝る子は育つ
よく寝る子は元気に、丈夫に育つという意味のことわざです。
近年、大人の生活リズムに合わせて夜更かしをする子どもが多く、心身の状態や学校の成績などにも影響を及ぼすことが懸念されています。子どもの生活リズムの乱れは体内時計を乱し、成長ホルモンの分泌や脳の発達にも悪影響を及ぼす恐れがあるのです。
子どもの成長に不安を感じているご家庭は特に、まずは早寝からスタートし、しっかりと睡眠をとらせて心身の生育に欠かせない健全な環境を整えてあげましょう。
10親しき中にも礼儀あり
どんなに親しい間柄でも、互いに守るべき礼儀があるという意味のことわざです。
職場の人やママ友など他人との付き合いでは無意識に心に留めている人が多いのですが、家族となると甘えが出て何でも言ってしまう人がいます。
特に思春期の子どもには、家族に指摘されたくないことも多く、プライバシーを尊重することが大切です。子どもが反抗した時こそ、思い出したいことわざです。
11角を矯めて牛を殺す
小さな欠点を無理に直そうとしたために、結局全体をだめにしてしまうという意味のことわざです。
「もっと優しくなって欲しい」「お金持ちになって欲しい」など、子どもの未来像がある親は少なくありません。親が期待する未来のために「欠点を直して欲しい」「もっと勉強して欲しい」などと望むこともあるでしょう。
しかし、子どもの意に反して無理に型にはめようとすると、結局子どもは反抗して親の言うことを何も聞かなくなり、健全な成長にプラスにならないのです。
12十で神童、十五で才子、二十過ぎれば只の人
幼少期に優れていたとしても、その多くは大人になると凡人になってしまうという意味のことわざです。
親は子どもが小さい頃から何でも管理し、しっかり育てようとする傾向があります。その結果、幼いうちは周囲から「神童」と呼ばれるほどの利口な子どもに育つことがあります。
しかし、思春期を境に自分で考えて行動するようになると、親の意に反した選択をしたり、これまで積み上げてきた努力を怠ったりすることも少なくありません。最終的には、自分の意志で努力する子どもたちに追い抜かれ、大人になったら昔の栄光が嘘のように普通の人になってしまいますので注意しましょう。
ちなみに英語にも「A man at five may be a fool at fifteen(5歳で大人びた子どもは15歳で愚かになる)」という言葉があるほどです。
13千里の馬は常にあれども、伯楽は常にあらず
いつの時代も優秀な人はいるが、その才能を見抜き、発揮させてくれる指導者(伯楽)と出会えることは少ないという意味のことわざです。
子どもの才能は無限大です。けれど、その才能を見出し、上手に育てられる親は少ないとも言えます。
子どもの才能を伸ばすためには、我が子の向き不向きを把握し、親の価値観を優先させるのではなく、子どもの意思や価値観を尊重することが大切です。
子育て中の人間関係に役立つことわざ
子育て中の人間関係に悩むママは少なくありません。ママ友や夫、舅姑との関係に行き詰ることもあるでしょう。次のようなことわざを知っておくことで、心を落ち着かせることができます。ぜひ心に留めておきましょう。
14隣の芝生は青く見える
他人のものや環境が、実際よりも良く立派に見えるという意味のことわざです。
会話の中でママ友の旦那さんがイクメンに感じられたり、子どもが優秀だったり、お金持ちだったりと羨ましく思うことは少なくありません。しかし、そんなママ友にも人には言えない悩みがあるかもしれませんし、あなたが良いと感じているだけで事実がどうかはわかりません。人のことは、つい良く見えてしまうものなのです。
15わが子自慢は親の常
親は誰でも自分の子どもの自慢をしたがるものだという意味のことわざです。
舅や姑に「パパは落ち着いてお利口だったのに、この子は落ち着きがないね」などと、チクリと刺される言葉を投げつけられ、傷つくママもいるでしょう。そんな時はこのことわざを思い出し、右から左へ受け流してしまいましょう。親は誰しも自分の子どもが一番可愛いのが当たり前なのですから。
16聞いて極楽見て地獄
人から聞いた話と、実際に自分の目で見たものとの間には、大きな違いがあるという意味のことわざです。
ママ友の情報は子育てにおいて貴重なものですが、全てを鵜呑みにしてしまうと、情報が間違っていたなんてこともあります。人の噂話も同じです。自分が確認できたことが一番の真実だと心得ておきましょう。噂を何でも信じるのは、大人としても良い行いとは言えません。
17葦(よし)の髄(ずい)から天井を覗く
細いアシの茎を通して空を見上げるように、一部しか見ていないのに、全てを分かっていると決めつけて物事を判断するという意味のことわざです。
人間関係に疲れる原因には「価値観が合わない」「子ども同士が喧嘩する」など色々あるでしょう。そんな時このことわざを知っていれば、「全てを知っているわけではないのだから、その人にも良いところはあるはずだ」と思うことができ、一定の距離を保って付き合うことができます。
18魚心あれば水心
相手が好意を示せば、自分もそれに応える好意を示すという意味のことわざです。
他人は自分の鏡とも言われます。自分が苦手意識を持った相手は、あなたを苦手と感じてしまうことが多いでしょう。つまり、自分が先入観や苦手意識を持った時点で、その人との良好な関係を築くことが難しくなるのです。
19言いたいことは明日言え
言いたいことがあっても、その場ですぐに感情的にぶつけるのではなく、充分に考えてから冷静に言うべきだという意味のことわざです。
女性は夫や思春期の子どもとの言い争いをした際に「何で話を聞かないの!」「〇〇して!」など感情のままに言葉をぶつけてしまいがちです。
けれど、同じことを伝える場合も「ちょっと話を聞いてもらえる?」や「〇〇してくれたら嬉しいな」など言葉を選ぶことで、相手に伝わりやすくなるのです。
20負けるが勝ち
場合によっては、争わないで勝ちを相手に譲った方が、結果として自分にとって有利な結果になるという意味のことわざです。
わざと負けることに違和感をもつ人もいるでしょう。しかし、これは中国春秋時代の思想家である孫子の兵法書にも記載されている立派な戦術です。平和的解決の手法の一つですので、折れてもいい事柄であれば、勝ちぐらい相手に譲ってしまえばいいのです。人間関係は「試合に勝って勝負に負ける」ことにならないようにするのが大切です。
子育てのイライラ解消に役立つことわざ・格言
子育てに感情の浮き沈みはつきものです。不安定な感情を落ち着かせてくれることわざも知っておきましょう。「イライラが収まらない」「子どもとの付き合い方に不安になる」といった際に思い出すことをおすすめします。
21笑う門には福来る
いつも笑顔でいれば、自然に幸せがやってくるという意味のことわざです。
笑顔で子育てをするのが素晴らしいことは誰もが知っていますが、理想と現実は異なります。子どもの思いがけない行動に声を荒げてしまうこともしばしばあるでしょう。
そんな時こそこのことわざを思い出して深呼吸し、気持ちを切り替えてみましょう。ママが率先して笑顔でいる努力をすると、子どもは幸せをより感じられるのです。
22はえば立て、立てば歩めの親心
わが子の成長を、次々と心待ちにする親心を表したことわざです。
赤ちゃんは生まれて1年でハイハイを覚え、そして立ち、早い子ならば歩き出します。その成長スピードは目覚ましいものですが、親は「もっと〇〇できればいいのに」「もっと〇〇して欲しい」と次から次へと期待してしまいます。
気持ちは分かりますが、子どもにはそれぞれ成長スピードがありますので、子育ては子どものペースに合わせておおらかに見守ることが大切です。
23千の蔵より子は宝
子どもというのは、財産など何よりも尊いものであるという意味のことわざです。
赤ちゃんが生まれ、幼いうちは毎日のように我が子の存在の尊さをかみしめる親が多いのですが、子どもの成長に伴いその気持ちは薄れてしまいがちになります。そんな時こそ、初心に戻って思い出して欲しいことわざです。
24失敗は成功の基
失敗しても、その原因を追究し欠点を改善することで、かえって成功に近づくことができるという意味のことわざです。
1回や2回の失敗でくじける必要はないのです。パパママだって人間です。神様ではないのですから、子どもへの対応を「失敗したな」「間違ったかも」と思うことだってあります。そんな時はどのようにリカバリーすればいいのか、今後どのように対応すればいいのかを考え、実行することが大切なのです。
25親の心子知らず
親の深い愛情や心配を、子どもが理解できずに勝手な言動をするという意味のことわざです。
ママの助言や意見は、反抗期の真っただ中の子どもにはなかなか響かないものです。パパやママも親になった今だからこそ分かる親の気持ちは、子どもの頃には分からないものなのです。自分の子どもの頃もそうだったことを思い出せれば、心を落ち着かせることもできるでしょう。
26足るを知る者は富む
満足することを知っている者は、たとえ貧しくとも精神的に豊かで幸福であるということを意味することわざです。
老子の教えが由来したことわざです。人間は欲深く「もっと、もっと」と求めてしまいがちですが、これは子育てにも当てはまります。必要以上に欲深くならず、子どもと向き合い、現状のありのままの子どもを認めることこそ、心が豊かになる子育ての秘訣です。
子育てに役立つ偉人の格言や四字熟語
最後に、子どもに伝えたい教訓や、親の心を支える偉人の格言、四字熟語を見ていきましょう。
27因果応報
元は仏教の教えです。どのような結果にも必ず原因があり、善い行いにはよい報いが、悪い行いには悪い報いがあるという意味があります。
子どもが悪い行いをした際や、親自身が周囲の対応に腹を立てた際などに、この四字熟語を思い出しましょう。自分の行いが、やがて自分に返ってくるという普遍的な教えは、子どもにも親にも大切な倫理観を教えてくれます。
28大器晩成(たいきばんせい)
大きな器は完成するまでに時間がかかるように、大人物は才能を現すのが遅いという意味の四字熟語です。
大きなやかんは沸きが遅いという言葉と同じ意味を持っています。周囲の同年代の子どもと比較して、我が子の成長が遅いと感じることがあっても、焦る必要はありません。我が子の個性として、おおらかな気持ちで見守ってあげましょう。
29愛の反対は無関心
1979年にノーベル平和賞を受賞したマザー・テレサの格言です。いなますみかこさんが訳した「マザー・テレサ 日々のことば」の訳者のあとがきに、マザー・テレサの語った言葉として記されています。
「子どもにイライラする私は母親失格」と思い込んで自信を失ってしまうこともあるでしょう。しかし、そのイライラは、子どもに愛があり、自分なりに一生懸命子育てをしているからこその感情です。あなたに本当に愛情がなければ、無関心でイライラする必要もないはずなのです。
30今の人はみんな、何かしなければと思い過ぎる
日本の心理学界の第一人者だった心理学者、河合隼雄さんの格言です。河合隼雄さんはユングの分析心理学が専門で、生前は文化庁長官としても活躍していました。
出産するまで働いていた女性が家庭に入ると、これまで関わってきた職場の同僚などに置いて行かれる、あるいは社会から孤立してしまったという気持ちになって焦ってしまうことがあります。
けれど、あなたは今、子どもを産んだからこそできる貴重な体験をしています。その経験は必ずこれからの人生の糧になりますので、焦る必要はありません。今しか味わえない時間を楽しみましょう。