乳化剤はどんな食品添加物?に関する記事

『乳化剤はどんな食品添加物?使う理由・大豆由来の危険性』

乳化剤は何のために使われる食品添加物で、安全性は確かなのでしょうか?乳化剤の特徴と危険性の有無について探ります。

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乳化剤とは何ですか?食品添加物としての役割

乳化剤と言うとどんなイメージを思い浮かべますか?『乳』という漢字を使いますので、「乳製品が入っているのかな?」と考える方や「乳製品のような味わいを出すための添加物かな?」と考える方も少なくないのではないでしょうか?

実際のところ、乳化剤は『乳化』、つまり水や油のように通常では混ざりにくいものを混ざりやすくするために添加する物質を意味しますので、乳化と書いても乳製品やミルクとは何の関係もありません。乳化剤を加えることで食品にどのような効果を出すことができるのか、また、乳化剤として使用される主な物質について見ていきましょう。

乳化剤を加えることで期待できる効果

水や油のように混ざりにくいモノを混ぜることで期待できる効果やメリットには、次の6つが挙げられます。

乳化剤の効果1:乳化

乳化剤のメインとなる役割は、先にも述べた混ざりにくい物質を混ぜるための『乳化』です。水の中に油分を溶け込ませるだけでなく、油の中に水分を溶け込ませることもあります。複数の成分を均一な状態に混ぜ合わせて作る化粧品や、複数の成分を味のばらつきがないようにまとめている乳製品・乳飲料などに、乳化剤の乳化効果が活かされています。

乳化剤の効果2:浸透

液体が固体に浸みとおりやすくすることを、『浸透』と言います。薬や粉末飲料などに乳化剤を予め添加しておくと、水を加えたときにスムーズに溶かすことができます。また、チューインガムに乳化剤を添加すると、口の中で唾液と反応してすぐに柔らかくなりますので噛みやすくもしてくれます。

乳化剤の効果3:起泡

乳化剤を加えると、泡立ちを良くするだけでなく泡を長時間維持することも可能になります。パンやホイップクリーム、アイスクリームなどに乳化剤を加えることで、ふんわりした味わいを得ることができます。

乳化剤の効果4:消泡

乳化剤は、泡立ちを良くして泡を長時間維持するためにも使用しますが、まったく逆の効果、つまり泡立ちを抑えたりできてしまった泡を消したりする効果も。この『消泡』効果で、ジャムや豆腐などに余計な空気を加えずに滑らかさだけを与えることができるのです。

乳化剤の効果5:分散

脂肪分や粉末を偏りなく均一に溶かすことを、『分散』と言います。チョコレートなどの脂分を使った食品を作る時に分散効果を期待して乳化剤を加えると、どの部分を食べても滑らかな味わいと舌触りを得られることになります。

乳化剤の効果6:ツヤ出し

乳化剤を加えることで期待できる効果は、味や品質に限ったものだけではありません。見た目を良くするためにも、乳化剤は大きな力を発揮します。薬やサプリメント、お菓子などに乳化剤を加えると、表面に光沢を得ることができます。見た目が良くなるだけでなく、喉にひっかからずに飲み込むことができますので、薬などの嚥下目的の商品には特に大きなメリットとなると言えるでしょう。

乳化剤として使用される物質

このように乳化剤は多くの利点を持つために、非常に多岐にわたった食品や製品に乳化剤は使用され、常に私たちの生活の身近にある食品添加物のひとつです。では、その乳化剤には、どのような物質が原料として使用されているのでしょうか?

脂肪酸エステル

『グリセリン脂肪酸エステル』『ソルビタン脂肪酸エステル』『ショ糖脂肪酸エステル』の3つの脂肪残エステルは、乳化剤として用いられることが多い物質です。特にグリセリン脂肪酸エステルは安全性が高いため、乳化剤として使用されている物質の中ではもっとも多く使用されており、その中でも食品への使用が顕著に多いことが知られています。

また、ソルビタン脂肪酸エステルとショ糖脂肪酸エステルは、それぞれ天然の糖分である『ソルビトール』と『ショ糖』を原料としていますので、体内で分解されても安全かつ無害な乳化剤として幅広く使用されています。

大豆レシチン

大豆由来のリン脂質である『大豆レシチン』も、天然由来の乳化剤としてお菓子や食品を中心に幅広く使用されています。主に乳製品や麺類、パンやサプリメントなどに使用されています。ただ、大豆レシチンの原料となる大豆ですが、これは遺伝子組み換え作物である可能性は捨てきれません。

ステアリン酸カルシウム

主にサプリメントや医薬品に使用されることが多い乳化剤です。安全性については問題ないと厚生労働省では判断されていますので、食品添加物としての使用上限量は設定されていません。ですが、まだまだ研究が充分に行われたとは言い難い側面もありますので、気になる方は摂取を避けた方が良いでしょう。

乳化剤の危険性

ほとんどの乳化剤は上記のように天然由来ですので、体内に取り込まれて分解・消化しても危険な物質に変化することはあまりないと言われています。

ただし、『大豆レシチン』は、厚生労働省で指定されているアレルギーを引き起こす27種類の食品のうちの1つである『大豆』を使って作っています。特に最近、大豆レシチンはサプリメントへの使用が増えていますので、大豆アレルギーの人は摂取前に必ず原材料表示を見て、大豆由来の乳化剤が使用されていないか確認する習慣が必要です。

また、加工用の大豆は遺伝子組換え作物である可能性は捨てきれないため、これを避けたい場合は表示の『乳化剤(大豆由来)』の表示もチェックしていきましょう。

この記事を書いたライター

木村さくら

自称「健康オタクで美容オタク」。最近自家栽培にハマってます。

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