壁紙のDIYペイントを徹底解説!初心者でもできる道具・養生・塗り方のコツ
最近はインテリア雑誌などでも、壁紙の一面だけをペイントして色を変えるDIYインテリアがとても人気です。「引っ越したばかりの頃、あんなに真っ白だったお部屋の壁紙が、気付けば汚れや傷が目立つようになっていた」というご家庭にも、壁紙のペイントはおすすめです。
業者に頼むと高額になってしまう壁紙のリフォームですが、道具とやり方を知っていれば、壁紙の張替えよりも手軽に、自分でDIYすることができます。
こちらでは、壁紙ペイントに必要な道具と使い方、仕上がりを左右する養生(ようじょう)の仕方、ペンキの塗り方とコツ、DIYのメリットとデメリットなどについてご紹介していきます。
壁紙ペイントDIYを始める前の準備と安全確認
「壁紙を自分でペイントするなんて難しいのでは?」と思うかもしれませんが、壁紙のペイントは、壁紙を剥がしてノリ付けする張替よりも簡単で、海外では模様替えのように気軽に家庭で行われています。
日本でもDIYブームにより、ホームセンターやDIY専門のネットショップなどで、壁紙の上から塗れる水性塗料など、初心者向けからプロ仕様まで色や材質が幅広く揃っており、手軽に手に入れることができます。
作業前の重要ポイント:換気と安全対策
ペイント作業中は必ず窓を開けて換気をしながら行いましょう。また、誤飲やいたずら防止のため、お子さまが小さい場合は作業中、別な部屋で見てもらうか、一時的に預けるのがおすすめです。
壁紙をペイントしてDIY!必要な道具と使い方
道具は全て、DIY専門のネットショップ、ホームセンターで購入できます。
- 水性塗料(壁紙用)
ビニール壁紙の上に塗れるものを選びましょう。最近は消臭・抗菌効果のある塗料も人気です。 - 塗料用バケット
塗料を移し、ローラーに塗料をつける容器です。余分な塗料を落とす「しごきネット」が付いているものを選ぶと便利です。 - スポンジローラーまたはウールローラー
広い面を効率よく塗る時に使います。毛足の長さは壁紙の凹凸に合わせて選びましょう。 - 塗装用ハケ(刷毛)
壁と壁の境目、天井や窓枠のキワなど、ローラーが届かない部分や、ムラを修正する場合に使います。 - 筆
コンセント周りなど、特に細かい部分を塗るときに使います。 - マスキングテープ
ペンキを塗りたくない部分(主に境目)を保護するために使います。 - マスカー
養生テープに、折りたたまれたビニールシートが付いたテープです。広範囲(床や窓、家具など)の保護に使うと便利です。 - ポリ手袋またはビニール手袋
手に塗料が付かないように使います。
壁紙のペイントのコツは養生にあり!
壁紙をペイントする前に、塗料を付けたくない場所を保護するために、マスキングテープとマスカーを使って「養生」という作業をします。
養生をしっかりしないと、塗料がはみ出してしまったり、床や窓などに塗料が飛び散ってしまったりします。仕上がりの美しさに直結する最も重要な作業です。
窓や天井の境目など、広い部分を保護する場合はマスカーを使用します。窓はガラス面全体を覆うようにマスカーのビニールを広げて養生しましょう。
コンセントやスイッチなど、細かい部分はマスキングテープで丁寧に養生します。可能であれば、カバーを外してから養生すると、よりきれいに仕上がります。
壁紙のペンキの塗り方やコツ
養生を終えたらいよいよ壁紙へのペイントです。家具などは塗料がつかないように、また、作業の邪魔にならないように、あらかじめ部屋の中央など離れた場所に移動させておきましょう。
1ハケを使って「フチ」を先に塗装する
まずは塗料をバケットに移します。ローラーが届かない壁と壁の境目、天井との境目、窓枠の周りといった「フチ」の部分に、ハケを使って先に塗装していきます。この作業を「見切り(みきり)」や「ダメ込み」と呼びます。
2細かい部分を塗装する
コンセント周りなどの細かい部分は、細いハケや筆を使って塗装します。写真のようにハケや筆の先端で、マスキングテープのキワに沿って丁寧に塗装すると上手く塗れます。
3ローラーを使って広い面を塗装する
ハケで囲った中を、ローラーを使って塗装していきます。ローラーをバケットの塗料に浸し、塗料が垂れないように、余分についた塗料をネットでしっかり落としてから塗装していきましょう。ローラーは均一に力を入れ、縦横に「W」や「M」を描くように動かすとムラが出にくいです。
4乾燥時間を守って2回目の塗装をする
全体をムラ無く塗装したら、メーカーが指定する時間(乾燥時間は2時間~半日程度が多いです)が経過し、完全に乾いてから同じように2回目を塗装しましょう。厚塗りすると乾いた時にムラになったり、ひび割れの原因になったりするので、なるべく薄く塗るのがコツです。
5生乾きになったら、養生をはがす
二度塗り目が生乾きの状態になったら、養生(マスキングテープやマスカー)を剥がしましょう。塗りたてで剥がすと塗料が飛び散ってしまい、完全に乾いてから剥がすと、塗料とマスキングが一体になってしまい、塗装まで剥がれてしまう場合があるので注意が必要です。
6完全に乾いたら完成
完全に乾いたら、移動させていた家具などを元の場所に戻します。乾燥時間は塗料のメーカーによって異なりますが、だいたい2時間~半日で触れる程度に乾くタイプが多いです。
ちなみに筆者の場合、上の子(3歳)は実家に預け、下の子は別の部屋で夫に見てもらい、乾かす時などに授乳しながらやりました!子育て中は、家族の協力体制がスムーズなDIYの鍵になります。
壁紙ペイントのメリット&デメリット
自分で行う壁紙ペイントにはメリットだけでなくデメリットもあります。特に子育て中は夫や家族の協力が必要不可欠ですので、メリットデメリットを理解したうえで、夫婦で話し合ってから行いましょう。
メリット
- とにかく費用が安い
壁紙のリフォームを業者に頼むと、人件費と材料費で数万円から数十万円と高額になりがちです。自分で材料を購入して行えば人件費は0円。材料費のみで、塗料も6畳一部屋分が5千円程度~と、費用を非常に抑えることができます。
- 自分のタイミングで作業ができる
業者との打ち合わせや日にちの制約が無く、材料さえ購入していれば、祝日や夜間など業者に頼めない時間帯にも壁紙のペイントを行うことができます。
デメリット
- 失敗してしまう恐れがある
技術を身につけた職人と違い、素人ではムラになってしまったり、養生が甘く家具や床を汚してしまったりする可能性があります。気になる場合は失敗を直すためにまた材料を購入することになり、費用がかさむリスクがあることを知っておきましょう。
- 時間がかかる
慣れない作業のため、ひとつひとつに時間がかかります。筆者の場合、12畳リビングの一面で3~4時間程度で作業が終わりましたが、初めてだと5~6時間程度かかる場合もあります。作業時間に余裕を持っておきましょう。
DIYで「味」を楽しもう
壁紙のペイントにはメリットデメリット共にありますが、業者に頼むより5~10分の1と費用を節約できるのが一番の魅力です。最近は賃貸向けの「はがせる塗料」なども販売されていますし、一生懸命自分でペイントした壁なら愛着がわきます。
多少のムラも「味」として楽しむことをおすすめします。壁が明るくなり、カラーでイメチェンすれば写真も綺麗に撮れ、インスタ映えも期待できます。



