赤ちゃんの抱き癖はいいの?悪いの?
昔の人は、赤ちゃんを抱っこばかりしていると抱き癖がついて、ママから離れられなくなると考えていました。でも、たくさん抱っこして十分にスキンシップを取るのも良いと言われていますし、どうすればいいのか迷いますよね。
そこで、赤ちゃんの抱き癖について、実際はどうなのか、メリットやデメリットなど様々な面から考えてみたいと思います。赤ちゃんの抱き癖について気になるママさん必見です。
昔と今の「抱き癖」についての考え方の違い
抱き癖のとらえ方は、今と昔でだいぶ変わってきました。赤ちゃんの抱っこについての考え方が、どのように変化したのか、分かりやすくご紹介したいと思います。
昔は抱き癖をつけない育児
昔は、抱き癖をつけないように育てるのが普通でした。抱っこをたくさんすることで、甘えた子になり自立できないと考えられていたためです。抱き癖をつけないように、赤ちゃんが泣いてもすぐに抱っこせずしばらく見守り、赤ちゃんがすぐに抱っこをしたがらないようにしつけていました。
抱き癖をつけないのは、昔の育児環境に原因があります。アメリカでは女性の社会進出に伴い、抱っこする時間をわざと減らして、抱き癖をつけない育児方法が推奨されていた時期がありました。
日本の場合だと、昔は子だくさんな家庭が多く、現在よりも家事に時間を取られた時代。赤ちゃんだけにかまってあげられる時間も少なく、抱き癖がついてしまうと大変になってしまいます。
国によって事情は違いますが、しばらく泣かせておくのもやむを得ない背景があったのです。
現在は抱っこ重視の育児
抱っこを否定してした昔と違い、現在では、できるだけ抱っこしてあげる育児が主流となっています。ママと十分なスキンシップを取ることで、信頼関係を作るのが大事と考えられているからです。小さい頃に思う存分甘えさせることは、人間形成の土台作りに必要で、自立した大人になれると言われています。
抱き癖について、昔とは正反対の考え方にシフトしているのは、現在が大人になってからのコミュニケーション能力が重視されている時代だからです。昔は農作業など個人で行う仕事が多かったのですが、現在ではどの業種でも、人とうまくやることが求められますよね。
赤ちゃんが最初に知る社会は家庭で、言葉を知る前はスキンシップでの触れ合いが主となります。パパやママにたくさん抱っこしてもらうことで、気持ちが豊かな子に育ち、大人になってからも良い人間関係を作れるようになるのです。
また、昔と比べて夫婦が育てる子供の数も少なくなり、保育園などに預けて働くワーキングマザーが増えました。子供と離れる時間も増えたため、「子供と一緒にいる間はたくさん抱っこしたい」と思うママも増えています。抱っこは、甘やかすための手段ではなく、少ない時間でたくさんスキンシップを取るための方法なのですね。
サイレントベビーにならないためにも抱っこは必要
最近は、ママがスマホなどの没頭するあまり、泣いている赤ちゃんを頻繁に放置することで、サイレントベビーになってしまうことが懸念されています。
赤ちゃんは何らかの「不快」を感じて泣きますが、それを「快」に変えてもらうことで、人格形成の上で乳児期に最も重要とも言われる基本的信頼感や愛着を育むことができるのです。
赤ちゃんがサイレントベビーになってしまうと、言葉の面などでの発達の遅れにつながるという意見もあります。ですから抱き癖を気にする必要はないのです。思う存分赤ちゃんの香りを楽しみ、後悔しないように好きなだけ抱っこしてあげましょう。
抱き癖のメリット・デメリット
昔と今とでは、抱き癖への考え方が変わってきていますが、抱き癖がつくことによるメリットやデメリットもあります。抱っこしてあげることの良い点と悪い点を知って、これからの子育てに生かしましょう。抱き癖の主なメリットとデメリットをご紹介します。
赤ちゃんを抱っこする3つのメリット
赤ちゃんをたくさん抱っこしてあげることは、どのような良さがあるのでしょうか。抱っこすることで得られるメリットを3つご紹介します。
1ママの愛情を感じることができる
ママに抱っこされた赤ちゃんは、ママの愛情を思う存分感じることができます。赤ちゃんはママの抱っこが大好きですよね。赤ちゃんは言葉がしゃべれませんし、一人では生きていくことができないか弱い存在。
泣いたときにママが来てくれることで、ママから大事にされていることを感じ、家族の絆ができてくるのです。家族間で信頼関係を作ることは、将来友達や仲間と、より良い関係を作るための土台となります。
そのため、赤ちゃん時代には、ママの愛情を感じられるように、たくさん抱っこしてあげることが大事なのです。
2情緒が安定する
抱っこすることで、赤ちゃんの気持ちが安定し落ち着いた子供に育ちます。「さびしい」「怖い」「不安」など、赤ちゃんが抱っこして欲しいと思った時、すぐにママが来てくれると、気持ちが安定して泣き止むのも早くなりますよね。抱っこした瞬間、泣き止んで笑顔になる赤ちゃんも多いのではないでしょうか。
誰かが必ず来てくれるという経験をたくさんすることで情緒が安定し、将来困難なことがあっても自分で解決していける、気持ちの強い子に育ちます。赤ちゃんが泣いた時には、「もう大丈夫だよ」と声をかけながら、優しく抱っこしてあげてくださいね。
縦抱っこであやしてみよう
赤ちゃんが泣いている時、縦抱きでピタッと泣き止むことがあります。横抱きよりも視界が広がるので、気分転換になるのでしょう。縦抱っこする際は、首をしっかり押さえて安定させること、赤ちゃんとママが疲れない程度にすることを心がけてくださいね。
3夜泣きが改善される
たくさん抱っこしてあげることで、夜泣きが改善することがあります。お布団に置くと泣く赤ちゃんもいますが、これは、本能的に一人になるのが嫌だと感じるため。赤ちゃんは、誰かいないと生きていけないので、抱っこされている方が安心するのです。
とはいえ、ずっと抱っこでは大変ですよね。赤ちゃんは睡眠が浅いために、夜中起きるのはよくあることなので、少し泣いたときには添い寝でちょっと様子を見てみましょう。
そのまま寝てくれたらOKで、本格的に泣き出したら抱っこするよう区別すると、赤ちゃんの睡眠リズムも整います。
赤ちゃんを抱っこする3つのデメリット
抱き癖がつくのは悪いことではないのですが、抱き癖がつかないように抱っこをしないのも、抱っこばかりしているのもデメリットがあります。赤ちゃんの抱っこについてありがちな3つのデメリットについてご紹介します。
1抱っこしないと泣き止まない
お布団で泣いている赤ちゃんを抱っこすると、途端に泣き止んだ経験があるママも多いのではないでしょうか。泣いている赤ちゃんを抱っこすることで、赤ちゃんは安心を感じ、リラックスすることができます。
でも、赤ちゃんがその心地よさを覚えてしまうと、抱っこが大好きになります。抱っこしないと寝ない赤ちゃんは、「抱っこしてもらおう」と考え、抱っこしないと泣きい止まないようになってしまうのです。
せっかく抱っこで寝かしつけても、赤ちゃんを置くと背中スイッチが作動して泣き出して、また泣き止むまで抱っこするという、魔のループから抜けられなくなってしまうかもしれません。
2肩こりや腰痛などママが大変
赤ちゃんをずっと抱っこしていると、肩こりや腰痛といった、マイナートラブルに悩まされやすくなるデメリットがあります。新生児期は軽かった赤ちゃんは、どんどん成長して、身長も伸び体重も増えていきます。
また、心の成長により、赤ちゃんから抱っこをせがむことが多くなります。ママとしては、赤ちゃんの要求に答え抱っこしたいと思うのですが、同時に肩こりや腰の痛み、手の腱鞘炎などのトラブルに見舞われることも増えてくるのです。
そんな時は、スリングや抱っこ紐などを上手に使い、トラブルを減らすようにしてみましょう。
3甘えん坊になりやすい
たくさん抱っこをしてあげることで、ちょっと甘えん坊に育つ傾向があるのも事実です。赤ちゃんは、一人では生きていく力がないので、誰かに守られたいと本能的に感じています。
そのため、ママや家族に抱っこされるとすごく安心し、いつでも抱っこされていたいと思うのです。抱っこじゃないと眠れないというお子さんも多いですよね。
ただし、小さい頃は抱っこ大好きの甘えん坊でも、時期が来れば離れていくので、「あの頃は抱っこばかりしていたなあ」と、懐かしく思うときが必ずやってきます。ママは大変かもしれませんが、抱っこ魔の時期をうまく乗り切ってくださいね。
ママがすぐに抱っこできない時の対処法
抱っこには、たくさんのメリットがありますが、忙しい時は、赤ちゃんが泣いてもすぐに抱っこできない場合がありますよね。抱っこできない時に、赤ちゃんを安心させる方法がいくつかあるので試してみましょう。ママがすぐに抱っこできない時の対処法について3つご紹介します。
家事をしながら声をかける
家事をしていて、赤ちゃんをすぐ抱っこしてあげられない時は、声がけだけでもしてあげましょう。育児に洗濯、料理や掃除と大忙しのママですから、赤ちゃんが泣いた時に、少し待たせてしまうこともありますよね。
そんな時は、「ちょっと待っててね」と優しく声をかけてみて。赤ちゃんもママがそばにいることが分かり、少し安心してくれるでしょう。
メリーやお気に入りの音楽を聞かせる
どうしても手を離せない時には、赤ちゃんが大好きなメリーを使ったり、お気に入りの音楽を聞かせてあげたりしましょう。赤ちゃんは、動くものを見たり音楽を聞いたりするのが大好きなので、メリーや赤ちゃんが泣き止む音楽を活用すれば、少しの間なら待っていることも可能です。
ママがトイレに行くときなど、ちょっと一人でいてほしい時に、試してみてはいかがでしょうか。
おくるみでおひなまきする
抱っこできない時、赤ちゃんのおくるみでおひなまきをしてあげることにより、赤ちゃんを安心させることができます。
おひなまきは、生まれてすぐから行える巻き方で、赤ちゃんをしっかり包むことで、お腹の中にいた時と近い感覚を作りだすことができます。
【おひなまきの手順】
- おくるみを広げ、赤ちゃんの顔が半分出るように置く
- 赤ちゃんの両手を胸のあたりでつかむ
- 着物を着せるような感じで、頭側のおくるみの左右の角をそれぞれ斜め下にかぶせていく
- 赤ちゃんの足は、あぐらを組ませ軽く抑える
- 足側のおくるみの左右の角を、斜め上にかぶせ背中に回す
- 赤ちゃんが、手や足を動かせるくらいの巻き方になっているか確認する
おひなまきでの寝かせ方
おひなまきをした赤ちゃんを寝かせる時は、折ったバスタオルなどで、頭と肩を少し高くして寝かせます。いつも同じ方ばかり向いてしまう場合は、背中にクッションなどをあてて、向きを調節してあげましょう。