ベビーサインとは?赤ちゃんと早く心の交流をしたいママに人気の育児法
ベビーサインとは、赤ちゃんとの意思疎通をスムーズにし、育児ストレスの軽減に役立つ育児法です。「言葉を話せない赤ちゃんの気持ちが知りたい」「赤ちゃんの要求が分かれば育児がスムーズに進むのに…」そんな風に思ったことはありませんか?
今回はベビーサインとは何か、教え方のコツ、ママが赤ちゃんへ最初に教えたいジェスチャー10選をご紹介します。
赤ちゃんとの親子コミュニケーションのひとつとして海外でも人気のベビーサインとは、一体どんなものなのでしょう。
ベビーサインとは?赤ちゃんと簡単なジェスチャーで話す育児法
ベビーサインとは、まだ言葉を話せない赤ちゃんと手や指を使った簡単なジェスチャーで会話をする育児法のことです。
赤ちゃんが言葉を理解し相手に伝えようとする言葉の発達には個人差が大きいのですが、手や指は比較的低月齢からでも自由に動かすことができるので、ベビーサインは赤ちゃんとママがコツをつかめば簡単に習得することができます。
ベビーサインは、アメリカのリンダ・アクレドロ博士とスーザン・グッドウィン博士が、友人が1歳の子供と手を使ってコミュニケーションを取っている姿にヒントを得たことにより研究が始まりました。
その後、二人の博士によるベビーサインに関する書籍が出されたことで、1990年代にアメリカでブームとなり、2000年以降には日本国内でもベビーサインの教室が増え、広く知られるようになったのです。
ベビーサインを教えるのはいつから?生後半年~1歳半頃がおすすめ
ベビーサイン協会では生後半年~1歳半頃がベビーサインを始めるのに適していると推奨していますが、ベビーサインを先輩ママ達がいつから教えたのかを記した体験談を見ると、早い子は生後3ヶ月頃から始めるなど個人差があります。
”言葉が出る時期に大きな個人差があるのと同じように、ベビーサインを教えてもやらない子もいるんです。本人がサインを意味のあるものだと気づいていないかもしれませんし、もしかすると理解はしていてもやろうと思っていないのかもしれません。これは個人差だと思って、寛大に受け止めましょう。”
引用先:BABYRINA|ベビーサインはいつから?赤ちゃんジェスチャーで意思疎通
赤ちゃんの発達や好みの個人差は、初めて育児を経験するママやパパの想像以上に大きいので、ベビーサインをいつから始めるかを決める時は焦らず、例えば赤ちゃんがベビーサインを覚える気がなくてもママやパパがベビーサインを楽しめるくらい余裕が出て来てからがおすすめです。
ベビーサインのメリットとデメリット!教える前に必ず確認して
ベビーサインにはメリットもあるけれど、残念ながらデメリットもあると言われています。やり方やママの性格によって異なってきますので、まずはメリットとデメリットをしっかりと把握しておきましょう。
ベビーサイン8つのメリット!赤ちゃんの発達にも役立つ利点あり
ベビーサインのメリットはやはり、まだ話すことができない赤ちゃんの要求を大人に伝えることができるという点が大きいですよね。赤ちゃんの頃から「伝える」「分かってもらえる」という経験を積むことは、赤ちゃんのコミュニケーション能力を育て、大きな自信に繋がります。
ベビーサインを使っていると言葉が遅れるようなイメージがありますが、ベビーサインを覚えることで言語発達の基礎が育ち、語彙力が高まり、言葉の理解が進みやすいと言われています。
子供の語彙力の高さには乳幼児期の親の関わり方が大きく関係していることが明らかになっていますが、ベビーサインも語彙力向上に役立つ親の関わり方の一つで、赤ちゃんにとってのメリットが大きいのです。
- 赤ちゃんの欲求が分かるようになり、育児ストレスが減る
- 体調不良を発見しやすくなる
- 危険を避けやすくなる
- 親子の信頼関係が深まる
- 「何で泣いているのか分からないからママ任せ」が減り、パパも子育てに参加しやすい
- 「伝えよう」「聞こう」というコミュニケーションの基礎が育つ
- コミュニケーションをとる楽しみを赤ちゃんの頃から体感できる
- 名前と物が結びつきやすく、言葉を覚えるのがスムーズになる
ベビーサイン8つのデメリット!過度の期待で親子の気持ちがすれ違うこともある
ベビーサインのデメリットをあえて挙げるのであれば、サインを親子で覚えなくてはいけないこと。この負担が一番のネックと言えます。
またベビーサインを覚えた子に対して、ベビーサインができない子には「分からないから仕方がない」で済ませられることを、「分かっているはず」「できるはず」と親が過度に期待してしまい、そこから親のすれ違いが起こる可能性もあります。
他にも、親子ともにベビーサインに頼りすぎていると言葉より先にサインが出てしまう、赤ちゃんからのベビーサインに答え過ぎて体調を崩すといったケースもあります。例えば母乳やミルクの飲み過ぎによる赤ちゃんの太りすぎなどです。
ベビーサインを使うときにはデメリットに注意し、言葉を一緒に発することを忘れないようにしましょう。しっかり声掛けもしていれば、言葉が遅れる心配はありません。
- ベビーサインを覚える必要がある
- ベビーサイン教室に通って覚える場合、お金と通う負担がかかる
- 他の子が先にベビーサインを覚えると焦る
- ベビーサインができるようになるまで、繰り返し教えることがストレスになる
- 年齢以上の行動を期待し過ぎてしまう
- 言葉より先にベビーサインが出てしまい、理解しているのに言葉が遅れる可能性がある
- ベビーサインを覚えたことで、かたよった赤ちゃんの要求にも答えてしまい体調を崩すことがある
- ベビーサインを知らない人に子供を預けにくい
ベビーサインの2種類の教え方!何が一番負担かを考えて選ぼう
ベビーサインの教え方には専門の教室に通って教える方法と、独学で本などを参考にしながら家庭で教える方法がありますが、ママとパパの性格によって向き不向きが異なりますので、自分達に合っている教え方を選びましょう。
ベビーサイン教室に通って教える
専門の教室に通って、親子でベビーサインを習う方法です。ベビーサインは複数あるので1から全て習得するのは大変ですが、ベビーサインの教室では講師が正しいベビーサインのやり方を教えてくれます。
ベビーサインの教室では、同じような月齢のお子さんやベビーサインを覚えたいと思っているお母さん同士が集まり、一緒に励まし合ってベビーサイン習得を目指すことができます。
教室に通うことで、ベビーサインを覚えるというだけでなく、同じように子育て中のお母さんたちと情報交換をしながら子育ての息抜きをする時間にもなります。
全国にベビーサインを教えている教室はたくさんありますので、自宅近くにある教室の開始時期や費用、実際に0歳の赤ちゃんの習い事として選んだママの口コミなどを参考にしながら選ぶとよいでしょう。
”開始時期:月齢6か月頃~(首がすわり指差しができるようになった頃)
費用目安:レッスン料2,000円~3,000円/1回(教材費別途)”
引用先:BABYRINA|赤ちゃんが習い事をするメリット~0歳からできるお稽古8選
パパやママが本などを参考に独学で教える
ベビーサインの本やDVDは、書店やインターネットでも簡単に手に入りますので、パパやママが独学でベビーサインを教えることも可能です。
「正しいベビーサインの型と多少違っても、赤ちゃんとコミュニケーションをとるツールになればよい」と考えるのであれば、独学でベビーサインを教えることは、教室に通うよりも低コストというメリットがあります。
また、ベビーサインは赤ちゃんによって覚える早さがバラバラのため、他の子と比べず自分の子供のペースに合わせて教える必要があります。
そのため「教室に通うと他の子供と比べてしまって自分の子にイライラしたり、落ち込んだりしそう」という方には、マイペースに進められる独学での教え方をおすすめします。
ベビーサインの教え方で気を付けたい3つのポイント
ベビーサインを教えるときの3つのポイントをご紹介します。独学でも教室に通っている場合でも、ベビーサインを実践するときには、ぜひ意識してみてくださいね。
1笑顔を心がける
赤ちゃんは特にママの表情をよーく見ています。ママが楽しそうな顔をしていれば「何か楽しそうだな」と興味を持ち、ママが緊張した怖い顔をしていれば「怖いことをするのかな」と泣いてしまうこともあります。
ママが笑顔で楽しい雰囲気の中の方が赤ちゃんもリラックスしやすいため、自然にベビーサインを出しやすくなるかもしれません。
「赤ちゃんのサインが出ているかどうか見逃さないようにしよう」と教える側はついつい真剣になってしまいがちですが、ベビーサインを教えるときには笑顔で楽しみながら教えるようにしましょう。
2ひとつに絞って教えない
ベビーサインにはたくさんの種類がありますが、「どれかひとつのベビーサインだけでもとりあえず覚えてほしいから」とひとつだけに絞って集中して教えていませんか?
赤ちゃんによってやりやすいベビーサインは違うので、「このサインはなかなかできないけれど、あのサインはすぐにできるようになった!」という場合も少なくありません。
ひとつに絞って教えるのではなく、同時に5個~10個くらいのサインを教えるようにし、赤ちゃんがやりやすいサインを見つけていきましょう。
3赤ちゃんと視線を合わせて声掛けをしながら教える
ベビーサインは赤ちゃんとのコミュニケーションの中で覚えるものです。ママがどんなに赤ちゃんの前でサインを教えても、赤ちゃんが見ていなければ伝わりませんから、アイコンタクトが重要になります。
ベビーサインを教えるときにはしっかり目を合わせて、話しかけながらサインを教えるようにしましょう。
まだ話せない、あるいはサインができない赤ちゃんでも、目線や表情で自分の思いを伝えようとしていることがたくさんあります。
何か伝えたいことがあるときには「目を見ること」を赤ちゃんの頃から習慣にしておくと、ベビーサインの習得だけでなく子供への挨拶のしつけにも役立ちます。知らずにパパやママが目合わせをしな育児を行うと、追々しつけにも影響しますので注意してください。
赤ちゃんへのしつけをいつからすべきか迷うママやパパが多いのですが、0歳からのしつけを「かわいそう」と思う必要はありません。赤ちゃんへのしつけの基礎は手本と信頼関係の構築。赤ちゃんの頃のしつけは心地良さが基本です。
ベビーサインの際の目合わせと一緒に赤ちゃんへのしつけについて正しく理解すると共に、近い将来始めなければならない幼児にしつけるべき年齢別の課題についても、良い機会ですので夫婦で話し合い、意識のズレを解消しておくことをおすすめします。
初心者親子が最初に教えたいベビーサイン10種類!
ベビーサインに初めて挑戦するという赤ちゃんとママにおすすめの、身近な内容で簡単にできるベビーサインを10種類ピックアップしました。
1おっぱい・ミルク
<動作>
片方の手をグーにして、ゆっくりパーにする動きを繰り返します。
<教え方>
授乳する前に、「おっぱい飲もうね~」「ミルクの時間だよ」「お腹がすいたのかな?」などと声をかけながら、ゆっくりグー、パーの動きを赤ちゃんに見せます。サインを見せてから授乳します。
2おむつ
<動作>
下腹部を両方の手でポンポンとたたきます。
<教え方>
赤ちゃんのおむつを替える時に、「おむつ替えようね」「おしっこが出たね」など声をかけながら、ママの下腹部をポンポンとたたく動作を赤ちゃんに見せて、サインを見せてからおむつを替えるようにします。
あるいは、おむつを見せながらこのサインをしてもよいでしょう。
3替える・変える
<動作>
両手をグーにして手首を合わせます。手首は離さずに軸にして、前後を逆にするように回転させます。
<教え方>
あかちゃんのおむつを替える時、着替えする時などに「おむつを替えるよ」「服を替えようね」と声をかけながら、手首を回転させる動作を赤ちゃんに見せます。
サインを見せてから服やおむつを替えるため、おむつのベビーサインの動作と併用することもあります。
何かを変える動作に対して使えるサインなので、絵本やDVDを変えて欲しいという場合にも役立ちます。
4抱っこ
<動作>
小さな子が抱っこをせがむ時のように、両手を前に出します。
<教え方>
赤ちゃんを抱っこする前に、「抱っこしようね」「抱っこかな?」と声をかけながら両手を前に出す動作をします。サインを見せてから抱っこするようにしましょう。とてもわかりやすいサインですね。
5お風呂
<動作>
両手をグーにして胸にあて、お腹を洗うように上下に動かします。
<教え方>
お風呂に入る前に、「お風呂に入るよ」「体を洗うよ」と声をかけながら、お腹を洗う動作をします。「ゴシゴシ」という効果音をつけると赤ちゃんにもわかりやすいです。
6おいしい
<動作>
片方の手で頬を2~3回トントンします。
<教え方>
離乳食がはじまった赤ちゃんにオススメのベビーサインです。赤ちゃんがご飯を食べている時に「おいしいね」と声かけしながらママの頬をトントンして見せましょう。
「おいしい」という状況は赤ちゃんには分かりづらいのですが、ママ自身が食事をしていて「おいしい」と感じた時に、ニコニコしながら「おいしい」と頬をトントンして見せると、赤ちゃんにも伝わりやすくなりますよ。
7もっと・もう一回
<動作>
爪と爪を合わせるように、手を軽くすぼめて指先をトントンと合わせます。
<教え方>
おっぱいや離乳食を与えている時に一度切り上げて、「もっと?」と聞きながら指先をトントン合わせて赤ちゃんに見せます。最初は分からない様子を見せますが、もっと欲しそうな場合は「もっと」のベビーサインの後に次を与えます。おかわりさせる前にはこのベビーサインをしてからあげるようにしましょう。
8おしまい
<動作>
両手を開いて手のひらを上に向けた状態から、開いた手のひらをひっくり返して下に向けます。
<教え方>
授乳が終わるときや離乳食が終わるとき、絵本が終わるときなど、何かが終わる区切りに「おしまい」と言いながら手のひらを上向きから下向きにひっくり返す動作をします。
9ねんね
<動作>
両方の手を合わせて、枕のように頬の横に当てます。
<教え方>
お昼寝の前や夜寝る前、赤ちゃんが眠そうな時に「ねんねしようか」と言いながらねんねの動作をします。赤ちゃんは、「眠い」という状態が分かりにくいと言われています。「これから寝るよ」という合図のようにサインを使ってみましょう。
10ありがとう
<動作>
投げキッスのように、片方の手をパーにして口にあててから、前の方に出します。
<教え方>
赤ちゃんが何かおりこうなことをした時に、「ありがとう」と言ってママが投げキッスのような動作(本当にキスをする必要はありません)をして見せます。サインの使い方が分かったら、赤ちゃんからもキスがもらえるかも!?
ベビーサインで親子のコミュニケーションを円滑に!
「ベビーサインはいつから試せるの?」と、心待ちにしているママは少なくないでしょう。赤ちゃんから「おいしい」「ありがとう」などのベビーサインがもらえたら、テンションが上がってしまいそうですよね。
ベビーサインというと難しいような気がしますが、動作のひとつひとつは赤ちゃんでもできる簡単な動きになっています。「ねんね」や「抱っこ」のベビーサインは、知らず知らずのうちに使っているママや赤ちゃんも多いかもしれませんね。難しく考えず、気軽に赤ちゃんと遊ぶつもりでベビーサインを試してみましょう。
赤ちゃんの育児は、赤ちゃんの言葉が分からないこそストレスが溜まりがちです。ベビーサインを覚えて、親子のコミュニケーションを円滑にしてみてはいかがでしょうか。