おしどり夫婦は本当に仲良し?意味と仲睦まじくなる10の秘訣
結婚の考え方や夫婦のあり方は時代とともに変化していますが、愛を誓い合った瞬間、パートナーと仲良く暮らすことを望まない人はいませんよね。ところが、現実は厳しく、日本ではおよそ1/3のカップルが離婚する現代です。おしどり夫婦と言われた芸能人ですら離婚し、「おしどり夫婦なんて夢物語…」と嘆く、会話すらなくなったご夫婦も少なくありません。
今回は、おしどり夫婦の意味や鳥のオシドリ夫婦の意外な真実、人間における真のおしどり夫婦の姿、芸能人のおしどり夫婦などの情報と共に、夫婦が仲睦まじくなる10の秘訣をご紹介します。意外な真実を知ることで、夫婦関係を見直し、より良い関係を築くきっかけになるかもしれません。
おしどり夫婦の意味や語源とは?
普段私たちが何気なく使っている「おしどり夫婦」という言葉は、結婚式のスピーチなどにもよく使われます。どちらかというと良い意味で使われることの多いこの言葉には、どのような意味が込められているのでしょうか。
おしどり夫婦の意味と「鴛鴦の契り」の故事
「おしどり夫婦」とは、いつも笑顔で一緒に暮らし、仲睦まじい夫婦という意味です。この言葉は、「鴛鴦(おしどり)の契り」という故事に由来しています。故事の内容をご紹介しましょう。
昔、中国の暴君として名高い「康王」の側近の一人に、美しい妻を持つ男がいました。ところが、康王によって美しい妻は奪われ、夫婦は引き裂かれてしまいます。やがて、夫婦はあの世で結ばれたいという愛ゆえに自害しますが、夫婦の亡骸を康王は一緒の墓に葬らず、向かい合わせに葬らせます。
ところが、お墓から一夜にして梓(あずさ)の木がニョキニョキ生えてきて、枝や根が固く絡まり合って結ばれ、その木の上に鴛鴦(オシドリ)が巣を作って住み着き、日夜悲しげに鳴いたのだとか。今でも中国の黄河の南に住んでいる人達は、「オシドリは引き裂かれた夫婦の生まれ変わりだ」と信じているそうですよ。
おしどり夫婦の語源:鳥のオシドリの姿から
「おしどり夫婦」の語源には、他にも次のような説があります。鴛鴦(オシドリ)の「鴛」は華やかな外見のオス鳥を、「鴦」はちょっと地味な姿のメス鳥をさしています。名前の上でも夫婦が寄り添っていますが、実際の鳥もつがいになるとオスとメスが常に寄り添って過ごします。
特に繁殖期には、雄オシドリがメス鳥のそばを離れず献身的に守る姿が見られます。こういった仲睦まじいオシドリの姿が語源となり、「自分たち夫婦も常に寄り添って仲良く協力して生活しよう」「お互いに尽くし合って良い夫婦関係でいよう」という願いを込めて、「おしどり夫婦」という言葉が生まれたのではないかと考えられています。
鳥の鴛鴦(オシドリ)の夫婦仲の真実
鳥のオシドリ夫婦は、語源になったように「パートナーと寄り添って生きていく」というイメージがありますが、実際はどうなのでしょうか。また、人間が目指すべき真のおしどり夫婦の姿とはどのようなものでしょうか。
鳥のオシドリ夫婦仲の生態学的な真実
実は、鳥のオシドリは、毎年パートナーを変えます。卵を孵化させて育てるのはメス鳥のみが行います。オスはメスが卵を産んだ後、巣立ち前にメスの元を離れてしまうことが多いのです。子育て中の女性からすると、「そこが大切なのに!」と、理想を打ち砕かれてしまいますよね。
オシドリは、ペンギンやツルなどのように夫婦で協力して子育てをしませんし、生涯同じパートナーと添い遂げません。
しかし、オシドリのつがいは仲がよさそうに見えることには理由があります。繁殖期に入ると、華やかな羽を持つオス鳥はメス鳥に積極的にアピールし、つがいになります。つがいになったオスは、他のオスにパートナーを奪われないようにと、メスのそばから離れず、常に寄り添って過ごします。また、タカなどの天敵からメス鳥の身を守る献身的な行動も見られます。
つまり、オスがメスに寄り添い続けるのは、産卵を終えるまでの短い期間、自分の種を残すという生命最大の目的を果たすための行動です。この姿が、人間の目には非常に仲睦まじく映り、「おしどり夫婦」の象徴となったのですね。衝撃的な真実を知ると、「うちの旦那の方がいいかも」と思われた方も多いのではないでしょうか。
真のおしどり夫婦の姿
私たち人間にとっての結婚は、社会生活を円満に送るために作られたルールです。鳥のように「本能頼り」にはできませんよね。ときには夫婦喧嘩をしたり仲直りをしたりを繰り返して、お互いが一番付き合いやすい夫婦の姿を学んでいくものです。つまり、紆余曲折の末に出来上がった、お互いを思いやれる夫婦の姿こそが、人間のおしどり夫婦と言えるでしょう。
一般的に言われるおしどり夫婦の特徴
- 夫婦が寄り添い、協力して生活をしている
- 夫婦がいつも笑顔でいる
- アレコレ言わなくても通じ合っている
- お互いを尊重し、遠慮しすぎない関係 など
結婚してすぐに理想的なおしどり夫婦になることもあるでしょうし、何十年もの確執を乗り越えてようやくおしどり夫婦になるカップルもいます。あるいは、新婚当時はおしどり夫婦だったけれど、子供が生まれて生活形態が変わり、新しい夫婦の関係を築き直し、再びおしどり夫婦になる人もいます。おしどり夫婦に明確な定義はありません。
理想とする夫婦像や、夫婦の在り方、考え方は人それぞれです。お互いの気持ちが一致していて、夫婦が互いに幸せを実感できれば、それが真のおしどり夫婦の姿なのかもしれませんね。
おしどり夫婦と言われる芸能人
華やかな芸能界で才能を生かし、忙しく活動しながらも家庭を大切にし、外見もいつまでも若々しい芸能人のおしどり夫婦の姿を見ると、「私もこうなりたい!」と憧れますね。
芸能人夫婦はお互いに忙しく、すれ違いから離婚してしまう夫婦も多いのですが、そんな厳しい生活環境でお互いを支えあえる姿は、とても素敵です。夫婦で引き立て合う好感度の高いおしどり芸能人夫婦の姿からも、学べることがたくさんありますので、お手本にしてみるのもいいですね。
- 北斗晶&佐々木健介
前向きに闘病生活を送る奥様と、懸命に支える旦那様が素敵です。 - 松本伊代&ヒロミ
可愛らしい奥様と、それをフォローする旦那様。ヒロミさんの活躍の陰には、伊代さんの内助の功があると言われています。 - 山口智子&唐沢寿明
美男美女で正当な演技派カップル。妻の「子供を持たない」という生き方を、夫が丸ごと受け入れたことでも知られています。 - 大島美幸&鈴木おさむ
交際0日で結婚したことでも有名ですが、飾らない両想いのご夫婦です。 - 山口百恵&三浦友和
「家庭を守りたい」という強い意思で引退した昭和の大スターです。夫婦として長きにわたり、良好な関係を築いています。
離婚に至った元おしどり芸能人夫婦
長らく仲の良いおしどり夫婦ぶりを披露していたのに、残念ながら破局を迎えてしまった元おしどり芸能人夫婦もいます。様々なメディアで華やかな結婚生活を見せてくれたにもかかわらず、別れの道を選んだ元ご夫婦を、離婚の原因とともにご紹介しましょう。
- 小柳ルミ子&大澄賢也元
男性側が14歳年下の年の差婚カップルでした。公私ともにいつも一緒でしたが、離婚原因は夫の浮気でした。 - 飯島直子&前田亘輝元
名女優と名シンガーの夫婦でしたが、すれ違いから破局に至りました。今では良い友人として交流があるようです。 - 三船美佳&高橋ジョージ
人気タレントと名シンガーの年の差カップルで、ラブラブぶりは有名でしたが、すれ違いを乗り越えることが難しかったようです。 - 賀来千香子&宅間伸
プラチナ夫婦アワード受賞歴のあるおしどり夫婦でしたが、実際は会話がなくなっていたとのこと。妻が生き方を見つめ直し、離婚に至りました。 - アンジェリーナ・ジョリー&ブラッド・ピット
ハリウッドスター同士のカップル。3人の実子と3人の養子がいますが、離婚理由には様々な憶測があり、真偽のほどは不明です。
周りがうらやむほどの幸せな時期もあれば、離婚に至るほどの困難な時期もあるのが夫婦の生活です。さまざまな事情で別れの道を選んだ元おしどり芸能人夫婦の活躍を、心から応援したいですね。
おしどり夫婦になりたい!夫婦円満になる10の秘訣
結婚は、恋愛の延長線上に起きる人生の転機です。愛する恋人と夫婦になることを意識すると、「仲良く一生添い遂げよう」と信じていますが、実際に夫婦になると「だんだん自信が揺らいで…」ということもあります。
そう、ただ待っているだけでは恋愛の熱が冷めるだけで、おしどり夫婦にはなれません。おしどり夫婦になるためには、夫婦お互いの努力が必要なのです。「最近会話がない」「喧嘩が増えた」という方、これからご紹介する10の秘訣をできることから、実践してみませんか。
1嬉しい気持ちは言葉にする
愛する人と一緒に暮らしていると、つい相手と自分が同じ人間になってしまったように感じて、「言わなくても、わかるはず」なんて思ってしまいがちです。でも、実際は夫婦といえども別々の人間ですよね。相手に伝える努力をしなくては、夫婦の関係は破綻してしまいます。ありがたいなと思うことや嬉しいことは積極的に言葉にし、どんどん相手に伝えていきましょう。
2意地を張らずに素直に謝る
夫婦ですから、ときには衝突してしまうこともありますよね。ちょっと相手に言い過ぎてしまい、気まずいときや相手を怒らせて夫婦の仲が険悪になってしまったときは、待っているだけではいけません。男性はプライドが高く、自分からは頭を下げることができないことが多いので、自分の非は素直に相手に謝って、妻の方から折れてあげることも大切です。
3距離感を大事にする
おしどり夫婦は「いつでも一緒」というイメージがありますが、決して相手から離れられない、依存しあうような関係ではありません。お互いが自立しているからこそ、相手を尊重し、大事にできるので、お互いの距離感は大切にしましょう。
夫婦生活では相手を信頼し、一人にしてあげる時間を持つことも大事ですよ。愛するあまり生活の全てを相手だけで埋め尽くさないよう、自分の趣味やライフワークを大事にして、パートナーに愛されている「自分」を確立していきましょう。
4挨拶は欠かさない
「親しき中にも礼儀あり」という言葉があるように、「おはよう」「いただきます」「行ってらっしゃい」「おやすみなさい」などの毎日の挨拶は、夫婦にとってとても大事なことです。
相手が何かにイライラしている時、軽い喧嘩をして気まずい思いをしているときでも、挨拶さえ欠かさずにいれば、お互いに寄り添い合うきっかけが作れますよ。どんなに忙しくても心に余裕をもって、挨拶だけは元気に、笑顔で交わせるよう努力していきましょう。
5夫婦の時間を大事にする
夫婦として長く生活し、「一緒にいると生活が楽」と感じるようになると、夫婦ではなくただ単に生活を共にする家族になってしまいがちですが、これでは長続きしません。子供ができて役割が増えても、自分が「妻」であることを忘れず、相手が自分の「夫」であることを忘れさせないよう、夫婦だけの時間や二人だけの記念日も大事にして、心を通わせていきましょう。
6言いたいことはしっかり伝える
おしどり夫婦になりたいと考えている妻は、関係を壊したくなくて我慢をしたり相手の言いなりになったりしがちです。ですが、おしどり夫婦とはどちらかが依存したり、どちらかが王様になったりする関係ではありません。
お互いが意見を出し合って切磋琢磨することで、より良い夫婦生活が営めるようになりますので、自分の言いたいことはしっかり自己主張するとともに、相手のいうこともしっかり受け止める努力をしましょう。
ただし、言い方には気をつけましょうね。夫があなたのために言ってくれた言葉でも、「上から目線なのよね」「口うるさい!」などと、言い方ひとつでイライラすることがありますよね。それは夫側も同じです。パートナーへの礼儀と思って、言葉遣いや態度には気を配りましょう。
7良いことも悪いことも分かち合う
夫婦はお互いが対等で、良いことも悪いことも分かち合う関係が理想です。結婚式で誓った人も多いですよね。ですが、いざ結婚すると、嬉しいことや楽しいことだけ分かち合い、悲しいことや苦しいことを分かち合おうとしない夫婦が意外に多いものです。
喜びは二人で分かち合うことで2倍に、悲しみや苦しみは二人で分かち合うことで1/2にすることができます。原点に立ち返り、一方的に伝えたり伝えなかったりする関係を見直し、良いことも悪いことも伝え、相手の良いことも悪いことも聞いたり察したりして理解し、共に歩む人生で手を取り合って生きてゆく働きかけをし続けましょう。
また、「こちらからは働きかけているけど、あちらが拒むのよね」と思っている方、オシドリの雄を見習ってめげずにアタックし続けることが大切です。話しを聞きたくないくらい夫が追い詰められていることを理解し、北風と太陽の童話のように温かく包み込むことで、夫の頑なな心を解きほぐしてあげましょうね。
8けなさずに褒める
一緒に暮らしていると、どんなに愛する相手でも一つや二つ、嫌な面や欠点に気が付くはずです。家族となった気安さから相手に欠点を指摘してしまうこともありますが、誰にだって他人に踏みこまれたくない部分はありますので、うっかりしていると地雷を踏んでしまうかもしれません。
夫婦であることに甘えすぎず、相手の嫌な面や欠点はけなさずに、相手の良い面の方に目を向ける努力をしていきましょう。
9不満があっても「お互い様」だと考える
一緒に生活をしていれば、相手に腹が立つことや、不満を感じることもありますよね。不満が募るとついイライラとして、相手に喧嘩を吹っかけたくなってしまいますが、よく考えてみましょう。不満を感じて我慢しているのは自分だけではありませんよ。
夫婦の生活とは、お互いに譲り合わなくては成り立たないものです。腹が立っても「自分だけじゃない、相手も同じ、お互い様」と前向きに考えることで、道が開け問題を乗り越えやすくなります。
10喧嘩は寝て忘れる
一緒に暮らす夫婦ですから。たまには意見の衝突や、夫婦喧嘩もしますよね。「喧嘩をするほど仲が良い」といわれるように、喧嘩も夫婦の大事なコミュニケーションの手段なのですが、喧嘩が後を引いてしまうことで、夫婦の間に微妙な距離を作ってしまうことも…。
嫌なことはとことん話し合って、翌朝には持ち越さないことを夫婦のルールにすることで、いつも良い関係を維持する努力をしていきましょう。
おしどり夫婦へのインタビュー!夫婦円満の秘訣は?
それでは最後に、実際に「おしどり夫婦」と呼ばれているご家庭の奥様から、夫婦円満の秘訣をご披露いただきましょう。夫婦としての在り方は人ぞれぞれで違いますが、ご自身の人生を振り返った時に「この人がパートナーでいてよかった!」と思えるような、良い関係を築く参考にしてみてくださいね。
悪口を言い合える関係が私たち流の愛情表現です
私たち夫婦は結婚して5年目、3歳の娘もいます。自覚があるわけではないのですが、私たちが周りからおしどり夫婦だといわれるのは、お互いに軽口を言い合える関係だからだと思います。
主人はよく私のことを人前で「愚妻だ」「俺は恐妻家だ」と言うのですが、他人に対して私をけなしたことはありません。私も主人を「ダメ夫」「メタボ過ぎ」と人前で言い返しますが、周りに主人の悪口は言わせません。お互いだけが、相手の軽口を言い合える相手なので、周りからすれば「本当に仲がいいなあ」と思ってもらえるみたいです。
嫌な気持ちや腹の立つことは小出しに相手にぶつけて発散し、大きな衝突を避けるのが私たちの夫婦円満のコツです。早いうちに悪い部分がわかったほうが傷も少なく、態度も改めやすいですしね。
衝突のない夫婦関係なんて、ありえません。価値観や性格の違い、不安や不満を逃げずにしっかり伝えあうことが、おしどり夫婦の第一歩じゃないかなと思います。
ケンカが多いけれど仲良しな私たち夫婦
結婚してもうすぐ20年になる私たち夫婦。子供も大きくなり、夫婦の時間を作れるようになりましたが、共働き家庭なので忙しく、2人でデートもできません。しかも、ルーズな夫と几帳面な私、当然家庭の中の会話はケンカが多くなります。といっても、私が一方的に言いたいことを言うだけで、夫は右から左で無視するタイプなんです。
反抗期の子供からも「お父さんかわいそうだよ!」と怒られますし、夫も「お父さんもうボケたの?」とからかわれますが、一見夫婦仲が悪い感じもします。しかし、子供たちに聞くと「夫婦仲はいい」と言いますし、私たち夫婦も「夫婦仲はいい」と思っていますし、近所の人からも「おしどり夫婦だね」なんて言われます。
それもそのはず。メタボ対策と称して毎晩1時間も二人で散歩しているのです。その日の出来事をお互いに話し、一緒にポケモンGOも楽しみ、とにかく寄り添う時間を作っているのです。私たちはおしどり夫婦ですが、親友でもあります。喧嘩したって、相手への感謝や敬意を失わない努力をすれば、おしどり夫婦でいられますよ。
おしどり夫婦は子供にも良い影響が!
恋愛中の男女の関係は、熱く燃え上がり幸せも喜びも多い反面、波風も多くいつまでも気持ちを維持していくことはとてもエネルギーが要ります。それに比べて夫婦の関係は長く火をともし続ける関係です。穏やかな水面にプカプカと浮かんで寄り添いあう、オシドリのような関係なのかもしれませんね。
おしどり夫婦でいることは子供に対しても良い影響を与え、穏やかな家庭で育った子供は結婚生活に夢をもち、幸せになるための努力をする子に成長すると言われています。その反面、夫婦仲が悪いと負の遺産を与えてしまうことも…。
良い夫婦関係が未来に受け継がれていくのも、おしどり夫婦の良いところです。夫婦仲に自信がない方、今日からでもおしどり夫婦になる努力を始めてみませんか。